形容詞は、名詞や代名詞を修飾するための品詞です。つまり、「美しい」「華やかな」「白い」「大切な」「天使のような」などです。
形容詞は名詞を形容するもの、後に出てくる副詞は動詞を形容するもの、と覚えてください。
「フランス人は形容詞が好き」と言われますが、フランス語には驚くほど豊富な形容詞があります。どこで使うのかわからないような詳らかな形容詞もあり、辞書を眺めているだけでも面白いですよ。

位置 編集

名詞に付いて形容する場合は、英語と異なり、形容詞は普通、名詞の後ろに置かれます。
以下の例では、太字部分が形容詞です。

  • la fille mignonne (かわいい 少女)
  • une pomme douce (甘い リンゴ)


ただし、使用頻度の高いいくつかの形容詞には、原則として名詞の前に置くものがあります。

  • la jolie fleur (きれいな 花)
  • le petit chat (小さい 猫)
  • その他、 grand(大きい)、beau(美しい)、bon(良い)、mauvais(悪い) など。


また、位置によって意味が変わる組み合わせもあります。

  • homme grand (背の高い男)
  • grand homme (偉人)


性と数 編集

修飾する名詞の性・数に合わせて、形容詞はその形を変化させます。 普通、男性単数形が基本となり、それに e を付けることで女性形に、 s を付けることで複数形に変化させることができます。

きれいな 単数 複数
男性 joli jolis
女性 jolie jolies


小さい 単数 複数
男性 petit petits
女性 petite petites


ただし、男性単数形が -e で終わるものは、そのままの形で女性形になります。
また、子音を重ねて女性形とするなど、特殊な変化をする形容詞もあります。

若い 単数 複数
男性 jeune jeunes
女性 jeune jeunes


良い 単数 複数
男性 bon bons
女性 bonne bonnes


男性第2形 編集

一部の形容詞は、男性第2形と呼ばれる、もうひとつの男性形を持っています。

美しい 単数 複数
男性 beau beaux
男性第2形 bel
女性 belle belles


新しい 単数 複数
男性 nouveau nouveaux
男性第2形 nouvel
女性 nouvelle nouvelles


この第2形は、形容する名詞が母音または無音の h で始まる場合に使われます。つまり、母音字が続いて読みにくくなるのを防ぐためにあるのです。
表の通り、男性第2形は単数形です。名詞が複数なら普通の形容詞複数形を使いましょう。ちなみに、女性第2形というのは存在しません。

  • un beau oiseau → un bel oiseau (美しい鳥)
  • un nouveau arbre → un nouvel arbre (新しい木)