小惑星(しょうわくせい)は主(おも)に火星と木星のあいだをまわる小さな天体です。これらは小惑星や準惑星と呼ばれています。小惑星は現在確認(かくにん)されているものだけでも25万個以上あり、ほとんどが100キロメートル以下です。肉眼では見れませんが、望遠鏡や双眼鏡で多くの星が見れます。

小惑星「エロス」

太陽系最大の小惑星は2001 KX76で、小惑星帯最大の小惑星はケレスで直径933kmです。2番目はベスタで直径530kmです。

小惑星は、直径1km以下の大きさも多く、非公式的には下限は50mでそれ以下は流星と呼ばれています。望遠鏡の進歩により、地球の近くにある50m以下の星も見ることができるようになりました。

太陽系にはおそらく数百万の小惑星があると考えられ、96000個の小惑星が番号を与えれれ、12000個が名付けられています。その一方で、多くの小惑星があるものの小惑星帯は空いていてSF映画のように宇宙船が多数の小惑星を躱すようなことにはまずなりません。

小惑星帯の事実

  • 小惑星帯のすべての質量を合計すると、月の約35分の1です。
  • 最大の小惑星ケレスは小惑星全体の3分の1の質量です。
  • ケレスは小惑星帯唯一の準惑星です。
  • ベスタの光度は天王星とほぼ同じ+5.1で、肉眼で見られる唯一の小惑星です。

隕石(いんせき) 編集

宇宙から地球にとびこんでくるものには、小惑星やそのかけらなどがあります。大気中でもえつきなかった小惑星などが、地球におちてくるのです。

どのように名付けられたの? 編集

主な惑星と同じく、神話の英雄や神々の名にちなんで名付けられました。1番目のケレスはローマ神話の植物と母性の女神で、2番目のパラスはギリシャ神話の知恵の神々の一人です。それに加えて、小惑星の発見順に番号が付けられます。

小惑星の数が増えるに従い、神話の名前が尽きてきたことから幾つかの小惑星は国の名前を使用しました。例えば136番はオーストラリアです。他にも植物の名前などがあり、978番はツクバネアサガオ、1620番はナショナルジオグラフィック協会に因んで名付けられたジオグラフォスです。そして歴史上・存命中・架空の人名も使用しています。例えば2309番はミスター・スポックという発見者の飼っている猫の名前にちなんでいます。

現在では小惑星に発見者の名前をつけることが推奨されています。

誰が見つけたの? 編集

1801年1月に偶然ジュゼッペ・ピアッツィが初めて小惑星ケレスを発見しました。天王星を発見したウィリアム・ハーシェルがケレスの小ささを実感した際、小惑星(asteroid:ラテン語で星を意味するAsterと岩石や惑星を意味するOid、言い換えると星のような惑星)を造語しました。

1807年までに他の3つの小惑星が見つかり、次の発見が1947年に辛抱強い小惑星探求者カール・ヘンケにより5,6番が見つかりました。それ以降は毎年1つ以上の小惑星が発見されてきました。

1891年により多くの小惑星を見つけるために夜空の写真が取られました。その方法として、違う日に同じ夜空の位置で写真を撮ることで、惑星が同じ位置にあるのに対し小惑星が違う位置にあることが確認されました。

近年では280,000以上の小惑星が発見され、現在も増え続けています。特に、多くの小惑星は機械によって発見されています。

何でできているの? 編集

小惑星全体の4分の3は炭素に富んだ岩石でできていて、その他は純粋な鉄やニッケル、二酸化珪素でできています。これら金属を含む巨大な小惑星は地球での年間採掘量をはるかに凌ぐ鉄を有しています。最も明るい小惑星のベスタは変わっており、高密度の火山岩でできています。

 
小惑星イダとその衛星

小惑星帯の外側に小惑星はあるの? 編集

小惑星のほとんどが小惑星帯で発見されていますが、幾つかは太陽付近を公転しており、海王星を公転しているのもあります。地球に近い小惑星は地球近傍小惑星と呼ばれ、時折地球の大気に衝突し小さいものは燃え尽き流星となり、大きいものは隕石として地表に衝突します。 太陽系外にも小惑星はありケンタウルス族と呼ばれていますが、それが小惑星か彗星か、カイパーベルト天体かを明確に定義できてはいません。例えば、最初のケンタウルス族であるキロンが発見された際には小惑星か彗星か意見が別れ、公式に小惑星2060キロンと彗星95P/キロンの2つが定義されました。

小惑星が木星のような惑星の公転軌道を横切る際、惑星に衝突したり軌道を外れたりします。惑星の小さい衛星の多くは惑星に接近した際に重力に捉まり衛星となった小惑星です。

 
準惑星ケレス

ケレス 編集

ケレスは冥王星のような巨大な小惑星で小惑星帯にあり、小惑星にしては珍しく球体状で地下に氷があります。

 
Wikipedia
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