アイスランド語/第一類/発音/導入/長さ/母音の長さ・子音の長さ

アイスランド語では、母音も(ほとんどの)子音も、長さが違えば音として違うと扱われる。母音については綴りは長さを表していないが、子音については、子音が二重に置かれれば, それは長さが長いことを表す。例えば、ana [a:na]《rush forward「前に突進する」》と Anna [an:a]《Ann, アン(人名)》を比較せよ。anaは、幹母音である長音の a + 短子音 n + 長音の半分の長さの短母音語尾 a であり、 Anna は短母音 a + (二重の)長子音 n + 半長短母音で構成される。

【注意】 英語で慣習的に指すところの「長母音の a と短母音の a」(それは例えば英語の長母音 ale [eil] と短母音 back [bæk] の中に含まれる)と、アイスランド語でいう「長母音 a と長母音の半分の長さの短母音 a」とは幾分意味が異なる。英語では、長母音と短母音とでは長さが違うというよりは発音が質的に異なっているのであるが、一方アイスランド語では長母音と短母音とでは、二つ母音の発音は質的にほぼ同じで、違っているのはその発音の持続する長さということである。アイスランド語では、長母音は大体の短母音の二倍の長さになる。音符で書けば、長母音は ♩、短母音は ♪ に相当する。