アイヌ語 数の数え方
アイヌ語の数詞は、全体としては二十進法であり、中に十進法が含まれています。また、完全に十進法の地域や、100までは二十進法で、百の位からは十進法になる地域もあります。日本語などの周辺の言語と異なる、独自の数体系を持っています。
地域や場合によっては、ここに示したものとは異なる言い方をする場合があります。地域名を示したものでも、示した地域すべてには当てはまらないことがあります。また、今のところ、各地の方言を網羅できていない他、誤りも多くは訂正できていません(特に90以降)。
0~10
編集数 | カナ | ラテン文字 | キリル文字 |
---|---|---|---|
0[1] | オハ | ohá | оха |
1 | シネ | siné | шинэ |
2 | ツ゚ | tu | ту |
3 | レ、ユービ | re, jûpi | рэ, йуупи |
4 | イネ[2] | íne | инэ |
5 | アシㇰネ | asíkne | ашикнэ |
6 | イワン | iwán | иўан |
7 | アㇻワン | árwan | арўан |
8 | ツ゚ペサン | tupésan | тупэшан |
9 | シネペサン | sinépesan | шинэпэшан |
10 | ワン | wan | ўан |
基本になる数です。しっかり覚えましょう。
何かを数えるときには、この数詞のあとに数える物の名前を置きます。たとえば、二匹の猫(チャペ/サ゚ペ cápe ча́пэ)はツ゚ サ゚ペ、三人の人(アィヌ ajnu айну)はレ アィヌと言います。何を数えるときもこれは変わりません。
因みに、日本語での神聖数は4[よ]と8[や]ですが、アイヌ語における神聖数はイワン iwan иўан(6)です。しばしば日本語での8と同じように、ものがたくさんあることを表します。(例:iwan sike イワン シケ/イワイ シケ 六個の荷物、 たくさんの荷物。 [引用元 1]、「kokutkor kane, iwan kosonte opannere 帯をしめ、六枚の着物を羽織って[引用元 2]」)
個数 | 人数 | |||||
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数 | カナ | ラテン文字 | キリル文字 | カナ | ラテン文字 | キリル文字 |
1 | シネㇷ゚ | sinép | шинэп | シネン | sinen | шинэн |
2 | ツ゚ㇷ゚ | tup | туп | ツ゚ン | tun | тун |
3 | レㇷ゚、ユービヒ | rep, jûpihi | рэп, йуупихи | レン | ren | рэн |
4 | イネㇷ゚[2] | ínep | инэп | イネン | ínen | инэн |
5 | アシㇰネㇷ゚ | asíknep | ашикнэп | アシㇰネン | asiknen | ашикнэн |
6 | イワンペ | iwánpe | иўанпэ | イワニゥ | iwaniw | иўаниў |
7 | アㇻワンペ | árwanpe | арўанпэ | アㇻワニゥ | arwaniw | арўаниў |
8 | ツ゚ペサンペ | tupésanpe | тупэшанпэ | ツ゚ペサニゥ | tupesaniw | тупэшаниў |
9 | シネペサンペ | sinépesanpe | шинэпэшанпэ | シネペサニゥ | sinepesaniw | шинэпэшаниў |
10 | ワンペ | wanpe | ўанпэ | ワニゥ | waniw | ўаниў |
個数を数えるとき、1から5までの数(e,u,e,e,eと、全て母音で終わっている)にはㇷ゚ p пを付け、6から10まで(全て子音(ン n)で終わっている)にはペpe пэを付けます。これは述詞を名詞化するときにつける接尾辞[3]p(e)の変化と全く同じです。トゥキ レㇷ゚<お椀3杯>、イナゥ イワンペ<御幣6つ>などのように数えます。
人数を数えるときは、1から5までには𛅧 n нを付け、6から10までには[イ]ゥ iw иўを付けます。シサㇺウタㇻ アシㇰネン<和人5人>のように数えます。
また、個数、人数は前に名詞がなくても単独で使えます。
10〜20
編集数 | カナ | ラテン文字 | キリル文字 |
---|---|---|---|
10 | ワン | wán | ўан |
11 | シネ イカㇱマ ワン | siné ikásma wán | шинэ икашма ўан |
12 | ツ゚ イカㇱマ ワン | tú ikásma wán | ту икашма ўан |
13 | レ イカㇱマ ワン | ré ikásma wán | рэ икашма ўан |
14 | イネ イカㇱマ ワン | íne ikásma wán | инэ икашма ўан |
15 | アシㇰネ イカㇱマ ワン | asíkne ikásma wán | ашикнэ икашма ўан |
16 | イワン イカㇱマ ワン | iwán ikasma wan | иўан икашма ўан |
17 | アㇻワン イカㇱマ ワン | arwan ikasma wan | арўан икашма ўан |
18 | ツ゚ペサン イカㇱマ ワン | tupesan ikasma wan | тупэшан икашма ўан |
19 | シネペサン イカㇱマ ワン | sinepesan ikasma wan | шинэпэшан икашма ўан |
20 | ホッネ[4] など | hótne | хотнэ |
イカㇱマとは、「余る」を意味する一項述詞(自動詞)です。日本語の「とあまりひとつ(11)」と同じような考え方ですが、アイヌ語では小さい数の方が先に来ます。
物を数えるとき、どちらの数字の後にも数える物の名前を付けます。例えば、14匹の犬(セタ seta сэта)はイネ セタ イカㇱマ ワン セタのように言います。
また、20を表す数詞には地域によって「ホッ」、「ホッネ」の他に「イㇰ」、「ホワッ」、「シネホッ」、「ホㇹ」などがあります。
数 | カナ | ラテン文字 | キリル文字 |
---|---|---|---|
10 | ワンペ | wánpe | ўанпэ |
11 | シネㇷ゚ イカㇱマ ワンペ | sinép ikásma wánpe | шинэп икашма ўанпэ |
12 | ツ゚ㇷ゚ イカㇱマ ワンペ | túp ikásma wánpe | туп икашма ўанпэ |
13 | レㇷ゚ イカㇱマ ワンペ | rép ikásma wánpe | рэп икашма ўанпэ |
14 | イネㇷ゚ イカㇱマ ワンペ | ínep ikásma wánpe | инэп икашма ўанпэ |
15 | アシㇰネㇷ゚ イカㇱマ ワンペ | asíknep ikásma wánpe | ашикнэп икашма ўанпэ |
16 | イワンペ イカㇱマ ワンペ | iwánpe ikasma wanpe | иўанпэ икашма ўанпэ |
17 | アㇻワンペ イカㇱマ ワンペ | arwanpe ikasma wanpe | арўанпэ икашма ўанпэ |
18 | ツ゚ペサンペ イカㇱマ ワンペ | tupesanpe ikasma wanpe | тупэшанпэ икашма ўанпэ |
19 | シネペサンペ イカㇱマ ワンペ | sinepesanpe ikasma wanpe | шинэпэшанпэ икашма ўанпэ |
20 | ホッネㇷ゚[4]、 | hótnep | хотнэп |
数 | カナ | ラテン文字 | キリル文字 |
---|---|---|---|
10 | ワニゥ | wániw | ўаниў |
11 | シネン イカㇱマ ワニゥ | sinén ikásma wániw | шинэн икашма ўаниў |
12 | ツ゚ン イカㇱマ ワニゥ | tún ikásma wániw | тун икашма ўаниў |
13 | レン イカㇱマ ワニゥ | rén ikásma wániw | рэн икашма ўаниў |
14 | イネン イカㇱマ ワニゥ | ínen ikásma wániw | инэн икашма ўаниў |
15 | アシㇰネン イカㇱマ ワニゥ | asíknen ikásma wániw | ашикнэн икашма ўаниў |
16 | イワニゥ イカㇱマ ワニゥ | iwániw ikasma waniw | иўаниў икашма ўаниў |
17 | アㇻワニゥ イカㇱマ ワニゥ | arwaniw ikasma waniw | арўаниў икашма ўаниў |
18 | ツ゚ペサニゥ イカㇱマ ワニゥ | tupesaniw ikasma waniw | тупэшаниў икашма ўаниў |
19 | シネペサニゥ イカㇱマ ワニゥ | sinepesaniw ikasma waniw | шинэпэшаниў икашма ўаниў |
20 | ホッネン[4]、 | hótnen | хотнэн |
人数、個数を数える場合でも同様に、各数詞のあとにp/peやn/iwを付けます。
20~40
編集数 | カナ | ラテン文字 | キリル文字 |
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20 | ホッネ[6] | hotne | хотнэ |
21 | シネ イカㇱマ (ホッネ) | sine ikasma hotne | шинэ икашма хотнэ |
22 | ツ゚ イカㇱマ (ホッネ) | tu ikasma hotne | ту икашма хотнэ |
︙ | ︙ | ︙ | ︙ |
29 | シネペサン イカㇱマ (ホッネ) | sinepesan ikasma hotne | шинэпэшан икашма хотнэ |
30 | (ワン・エツ゚ホッネ) または
(ワン イカㇱマ ホッネ) |
wan-etuhotne | ўан-этухотнэ |
31 | シネ イカㇱマ (ワン・エツ゚ホッネ) | sine ikasma wan-etuhotne | шинэ икашма ўан-этухотнэ |
32 | ツ゚ イカㇱマ (ワン・エツ゚ホッネ) | tu ikasma wan-etuhotne | ту икашма ўан-этухотнэ |
︙ | ︙ | ︙ | ︙ |
39 | シネペサン イカㇱマ (ワン・エツ゚ホッネ) | sinepesan ikasma wan-etuhotne | шинэпэшан икашма ўан-этухотнэ |
40 | ツ゚(ホッネ) | tuhotne | тухотнэ |
(ここでは「シネ イカㇱマ」と「ワン エツ゚ホッネ」で切っていますが、「シネ イカㇱマ ワン」と「エツ゚ホッネ」で切り、「『11が40に向かう』、『40に届かぬ11』」などとする解釈もあります。)
「エ」は「そこへ(向かう)」という意味があると考えられ「ツ゚ペサン・エツ゚ホッネ(8が2×20へ向かう)」で「32」を表した例もあります。また、「シネ イカㇱマ ワン イカㇱマ ホッネ」で「32」を表した例もあります。
80まで
編集同じようにしていくと、このようになります。
数 | カナ | ラテン文字 | キリル文字 |
---|---|---|---|
10 | ワン | wan | |
20 | ホッネ | hotne | |
30 | ワン・エツ゚ホッネ / ワン イカㇱマ ホッネ | wan-etuhotne | |
40 | ツ゚ホッネ | tuhotne | |
50 | ワン・エレホッネ / ワン イカㇱマ ツ゚ホッネ | wan-erehotne | |
60 | レホッネ | rehotne | |
70 | ワン・エイネホッネ / ワン イカㇱマ レホッネ | wan-einehotne | |
80 | イネホッネ | inehotne |
エ は「~に向かう」という意味があると考えられています。
ここまでをまとめると、このようになります。
一の位 | 十の位 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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十進法を使う地域もある
編集旭川・宗谷・樺太などでは、20進法が消え、10進法になっています。
数 | カナ | ラテン文字 | キリル文字 |
---|---|---|---|
10 | ツ゚ンクツ゚、ホッ | ||
20 | ツ゚(ホッ) | ||
30 | レ(ホッ) | ||
イネ | |||
90以降
編集90以降は、地域によって呼び名がかなり変わります。
数 | カナ | ラテン文字 | キリル文字 |
---|---|---|---|
90 | ワン・エアシㇰネホッネ | ||
100 | アシㇰネホッネ | ||
110 | ワン・エイワンホッネ | ||
120 | イワンホッネ |
これはそのまま20進法を続けてゆくものです。
数 | カナ | ラテン文字 | キリル文字 |
---|---|---|---|
90 | ワン・エアシㇰネホッネ | ||
100 | アシㇰネホッネ | ||
110 | ワン イカㇱマ アシㇰネホッネ | ||
120 | ホッネ イカㇱマ アシㇰネホッネ |
これは100で一区切りをつけ、そこに加算してゆくものです。
数 | カナ | ラテン文字 | キリル文字 |
---|---|---|---|
90 | ワン・エアシㇰネホッネ / ワン・エ(イㇰ) | ||
100 | (シネ) イㇰ、 アツ゚ィタ、 シネ タンツ゚、 タンク 等様々 | ||
110 | ワン イカㇱマ (イㇰ) | ||
120 | ホッネ イカㇱマ (イㇰ) |
これは100で新たな単位を導入したものです。
数 | カナ | ラテン文字 | キリル文字 |
---|---|---|---|
90 | |||
100 | |||
110 | |||
120 |
数 | カナ | ラテン文字 | キリル文字 |
---|---|---|---|
90 | |||
100 | |||
110 | |||
120 |
十進法でも、さまざまな表し方があります。
大きな数
編集これがアイヌ語の基本的な(二十進法を使い続けたときの)数体系であると考えられます。この表では、0〜3999(4000は20×20×20)まで表せます。また、このほかに大きな数の表し方がある地域もあります。
一の位 | + | 十(二十、廿)の位 | + | 二百(四百)の位 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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イカㇱマ |
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イカㇱマ |
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個数・人数
編集数を数えるときは、これらの数詞を「シネ メノコ(1人の女)」や「ツ゚ オㇰカヨ(2人の男)」、「レ セタ(三匹の犬)」のように、数えられる名詞の前に置きます。何を数えるときでも形は変わりません。
また、個数を表す「シネㇷ゚、ツ゚ㇷ゚、…アシㇰネㇷ゚、イワンぺ、アㇻワンペ…[9]」や、人数を表す「シネン、ツ゚ン、…アシㇰネン、イワニゥ、アㇻワニゥ…[10]」を使って数えることもできます。この場合、「ポン チセ イネㇷ゚(小さな家一棟)」や「エユピヒ アシㇰネン(あなたのお兄さん5人)」などのように、数名詞を後に置きます。
11以上の数で、数詞が二つ出てくるときは、「シネㇷ゚ イカㇱマ ワンぺsinep ikasma wanpe(11個)」「ツ゚ン イカㇱマ ホッネンtun ikasma hotnen(22人)」「レㇷ゚ イカㇱマ ワンぺ・エツ゚ホッネㇷ゚ rep ikasma wanpe-etuhotnep(33個)」「イワニゥ イカㇱマ ワニゥ・エレホッネンiwaniw ikasma waniw-erehotnen(56人)」のように、1や2や-10の部分も、ワンやホッネも数名詞になります。同様に、「11匹のぬこ(チャペ/サ゚ペ[11]cape:猫)」などという場合は、「シネ チャペ イカㇱマ ワン サ゚ペ」のように、「ねこ」の部分も繰り返して言います。
また、比較的少ない個数や人数を数える場合、固有の呼び方で呼ばれることがあります。下に示したものは沙流方言のものです。
人数 | カナ | キリル | ラテン |
---|---|---|---|
5 | アシㇰ | ашик | asik |
8 | ツペㇱ | тупэш | tupes |
9 | シネペㇱ | шинэпэш | sinepes |
5人 | ハィナ | һайна | hayna |
8人 | ハンピヤ | һанпийа | hanpiya |
9人 | ハンチキ | һанчики | hanciki |
序数(順番)は、「イイェエ~/iye-e-」を数詞の前に付けて表します。(国立アイヌ民族博物館アイヌ語アーカイブより)
【接頭】[i-y-e-e もの・(挿入音)・(と一緒)で・で]…番目。(「二」以上の数詞と共に用いられる。) iye-einen イイェエイネン 四人目。 iye-einep ne イイェエイネプ ネ 四番目の。 iye-einep ne ku=poho イイェエイネプ ネ クポホ 四番目の息子。 iye-eiwan to イイェエイワン ト 六日目。(W神謡) iye-ere pa イイェエレ パ 三年目。(W民話) iye-erep イイェエレプ 三番目。 iye-erep ne イイェエレプネ 三番目の。 iye-ererko イイェエレレコ[名][i-e-e-rerko もの・で・それで・三日] 三日目。 iye-etup イイェエトゥプ 二番目。 a=o uske oro wa iye-erep oro ta ráp=an アオ ウシケ オロ ワ イイェエレプ オロ タ ラパン 乗った所から三つ目で降りましょう。(S) ☆参考 電車に乗ってから次の次の駅で降りることを言っている。 乗った駅を一つ目として数えている。 ☆発音 二語のアクセントで発音される。 iyé-etú、 iyé-eré。 ☆参考 このように iye-e- イイェ エ を使って言う「…番目」の言い方はサダモさんのみから聞いた。 ワテケさんによれば「…番目」という言い方はなく、 hoski a=ye p, iyos a=ye p, na iyos a=ye p ホシキ アイェプ、 イヨシ アイェプ、 ナ イヨシ アイェプ《最初に言ったこと、 その後に言ったこと、 さらに後に言ったこと》のように言う。 しかしワテケさんも、 神謡の中では iye-eiwan to イイェエイワン ト《六日目の日》のようにこの形を使って歌っている。 (出典:田村、方言:沙流)(国立アイヌ民族博物館アイヌ語アーカイブより)
カナ | キリル | ラテン | アラビア数字10進法 | 品詞 |
---|---|---|---|---|
ヘンパㇰ | һэнпак | henpak | 幾つの(疑問詞)[13] | 数連体詞[14] |
クンクツ゚ | кункуту | kunkutu | 10 | |
ホッ | һот | hot | 20, 10 | 名詞[15] |
ホッネ | һотнэ | hotne | 20, 10 | 数連体詞 |
アツ゚ィタ | атуйта | atuyta | 10, 40, 100, 200, 1000 | |
イㇰ | ик | ik | 20, 100, 1000 | |
タンク | танку | tanku | 100 |
これだけ種類がありますが数を作る規則は確固としてあり、どの数詞で何を表すかを文章の冒頭などで決めておけば、同じ表記で二通りに取れる、といったことは決して起こらないようになっているので誤解はなくなります。
リンク・参考文献
編集アイヌ語の数詞再考 : 二十進法における下方算法から上方算法への切り替え
ニューエクスプレス アイヌ語(中川裕 著、白水社)
- ^ 国立アイヌ民族博物館アイヌ語アーカイブ
- ^ アイヌ神謡集p78 Nitatorunpe yaieyukar, “Harit kunna”
註釈
編集- ^ 「ただ(副詞)、ただの(連体詞)、空である(一項述詞)」という意味の語。数詞の0として使われるという説明・用例は、これでしか確認できなかった。但し、アイヌ語の一項述詞は一般的に名詞としても使われるため、「空であるもの」という意味の言葉として解釈することはできる。
- ^ 2.0 2.1 例外アクセントのため、樺太では「イーネ îne」となる。含まれる語も同様(イーネホッネ:40 等)。
- ^ 述詞を伴う形式名詞だとする考え方もあるが、ここでは触れない。
- ^ 4.0 4.1 4.2 この他にも「ホッ、ホワッ、シネホワッ」などの形がある。
- ^ kátkemat
- ^ [ホッネ]の部分は方言によって異なる。「ホッネ」は北海道の中部・南部などで使われる。
- ^ ワン・エィワンホッネになる可能性もある。
- ^ ここでは「ホッネ」より一、二段階程度大きな数詞である「アツ゚ィタ」(示す数は地域によって異なる)を使いましたが、実際に400として使われていることを確かめたというわけではありません。
- ^ 母音終わりならпㇷ゚p,子音終わりならpeペпэを付ける。(「もの」を表す言葉と同じもの。)樺太方言ではㇷ゚pはㇵㇶㇷㇸㇹxに変化している。
- ^ 母音終わりならnンн,子音終わりならiwイゥиўを付ける。
- ^ 表記法が違うだけで全く同じもの。
- ^ 数連体詞の形。「個数・人数など」であげたような使い方ももちろんする。
- ^ ヘンパㇰぺ(幾つ)、ヘンパキゥ(何人)のほか、ヘンパㇰパ(何年)などとしても使う。
- ^ 通常の疑問詞と同じようにhempakpe, hempakiwで何個、何人という意味の名詞にもなる。
- ^ あくまで20や10という数を表す名詞であり、20個(10個)を表すわけではない。