分詞についてです。英語には、-ing(現在分詞)と-ed(過去分詞)がありましたね。それぞれ意味は、~している、~されたという意味でした。同じような言葉(変化)が、エスペラントにもあるのです。
受動(過去)分詞
編集エスペラントでは、過去分詞のことを受動分詞といます。意味は同じで、~されたという意味です。
作り方は次の通りです。(書くの場合)
verk-i →verk-at →verk-at -a →verkata(書かれた)
このように、語根と語尾の間に、分詞を表す言葉をつけることであらわします。この、分詞を表す言葉、というのには3つあって、それぞれ、次のような意味があります。
相 | 言葉 | 例(書くの場合) |
---|---|---|
進行(~されている) | -at- | La libro verkatis de mi.(その本は私によって書かれていた) |
完了(~された) | -it- | la libro verkitas de mi.(その本は私によって書かれた) |
未然(~されようとしている) | -ot- | La libro verkotis de mi.(その本は私によって書かれようとしていた) |
進行は、~している。つまり、たった今(もしくはその当時)されていたことを表します。また完了は、その時すでに終わっていることを表します。そして、未然は、その時されようとしていること、まだされてはいないようなことを表しています。このことについて、簡潔に、相と時制の項にまとめましたので、そちらをご覧ください。
受動態
編集また、受動分詞を使うことによって、受動態の文を表すことができます。表し方は、esti + 受動分詞です。
Zebro estas manĝata de liono.(シマウマは、ライオンによって食べられている。)
能動(現在)分詞
編集受動分詞の次は、能動分詞です。こちらも、作り方は同じです。
verk-i → verk-ant-a → verkanta
また、こちらも、3つの相が存在します。ですから、3種類の言葉を使い分けることになるのですね。
相 | 言葉 | 例 |
---|---|---|
進行(~している) | -ant- | Mi verkantis la libron.(私はその本を書いていた) |
完了(~した) | -int- | Mi verkintis la libron.(私はその本を書いた) |
未然(~しようとしている) | -ont- | Mi verkontis la libron.(私はその本を書こうとしていた) |
実は、受動分詞の間に、nが入った形なんです。
ちなみに、エスペラント(esperanto)という言葉にも、分詞が使われています。esperi(希望する)が分詞になり、それに名詞語尾がついているのです。
相と時制
編集時制というのは、過去・現在・未来といった、時間のことでした。
相というのは、行為がどの程度進んだかを表したことです。
たとえば進行相だったら、今行われています。完了相であれば、もうすでに終わっています。未然相であれば、今まさに始めようとしていることです。
この、相と時制を表すため、どのような方法を使えばいいのでしょうか。
まず、estiと併用する方法です。
Mi estis verkinta la libron.(私はその本を書いた)
この例では、estiが過去の時制であることを示し、intが、完了相 であることを示しています。ちなみに、la libro(その本)を修飾するために、形容詞語尾-aがついています。
次に、動詞だけを使う方法です。
Mi verkintis la libron.(私はその本を書いた)
この例では、動詞(この場合では、分詞がそれです)の-isが過去であることを、-int-が完了相であることを示しています。
変化まとめ
編集相 | 受動分詞 | 能動分詞 |
---|---|---|
進行 | -at- | -ant- |
完了 | -it- | -int- |
未然 | -ot- | -ont- |