ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/絶対奪格の例文

絶対奪格とは

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ルビコン川を渡ったカエサルが演説をしたと伝えられるアリミヌム(現在のリミニ)の石碑。“C. CAESAR DICT. RVBICONE SVPERATO CIVILI BEL. COMMILIT. SVOS HIC IN FORO AR. ADLOCVT.”と刻まれているが、ラウェンナで演説してから渡河したとする『内乱記』の記述とは矛盾する。

ルビコン川を渡ったカエサルが演説したとするアリミヌム(リミニ)の石碑(右の画像)には次のように刻まれている。

C. CAESAR DICT. RVBICONE SVPERATO CIVILI BEL. COMMILIT. SVOS HIC IN FORO AR. ADLOCVT.

分かりやすく記すと、次のようになる。

  • C. Caesar dictātor Rubicone superātō cīvīlī bellō commīlitōnēs suōs hīc in forō Arīminensī adlocūtus est.
    • 独裁官ガイウス・カエサルは、内戦のときに、ルビコン川が越えられると、ここ、アリミヌムの広場において、配下の兵隊仲間たちに話しかけた。

下線部の Rubicone superātō 「ルビコン川が越えられると」のように、主文とは独立して、時・理由などを表わす副詞的にはたらく分詞句を絶対奪格(ablativus absolutus) という。

時間の経過

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paucīs diēbus interpositīs 数日が経過して

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paucīs diēbus intermissīs 数日だけ間をあけて / 数日だけ中断して

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  • paucīs diēbus intermissīs あるいは paucīs intermissīs diēbus
  • (直訳)わずかな日々だけ間をあけられて、わずかな日々だけ中断されて
  • (意訳)数日だけ間をあけて、数日の間をあけて、数日中断して
    『内乱記』第3巻58節②項より)
    『内乱記』第3巻66節④項より)

quinque intermissīs diēbus 5日だけ間をあけて / 5日だけ中断して

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  • quinque diēbus intermissīs あるいは quinque intermissīs diēbus
  • (直訳)5日だけ間があけられて、5日間だけ中断されて
  • (意訳)5日間をあけて、5日間だけ中断して
    『内乱記』第3巻54節②項より)

continuātō nocte ac diē itinere / diē ac nocte continuātō itinere 昼も夜も旅を続けて

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  • continuātō nocte ac diē itinere
    • continuō 動詞 「続ける」> 完了受動分詞 continuātus > 中性・単数・奪格 continuātō
    • nox, noctis 女性名詞 「夜、夜間」> 単数・奪格 nocte
    • diēs 名詞 「日」「昼、昼間」> 単数・奪格 diē
    • iter 中性名詞 「旅、行軍」「進路、行程」> 単数・奪格 itinere
  • (直訳)夜も昼も旅が続けられて
  • (意訳)夜も昼も旅を続けて
    『内乱記』第3巻11節①項より)
  • diē ac nocte continuātō itinere
  • (直訳)昼も夜も行軍が続けられて
  • (意訳)昼も夜も行軍を続けて
    『内乱記』第3巻36節⑧項より)

parvō spatiō intermissō わずかな時間をあけて

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  • parvō spatiō intermissō
  • (直訳)わずかな時間があけられて/わずかな時間をあけて
  • (意訳)わずかな時間をあけ(ただけで)
    『内乱記』第3巻75節②項より)

parvā parte noctis itinere intermissō 夜のわずかな間だけ行軍を中断して

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  • parvā parte noctis itinere intermissō
  • (直訳)夜のわずかな間 旅(行軍)が中断されて
  • (意訳)夜のわずかな間だけ行軍が中断されて(されたが)
    『内乱記』第3巻41節⑤項より)

longā morā interiectā / longā interiectā morā 長い時間を置いて

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  • longā morā interiectā または longā interiectā morā
    • longus, -a, -um 形容詞 「長い」 > 女性・単数・奪格 longā
    • mora 女性名詞 「時間」「時間の経過」または「遅れ」「延期」 > 単数・奪格 morā
    • intericiō 動詞 「間に置く」 > 完了受動分詞 interiectus > 単数・奪格 interiectā
  • (直訳)長い時間が置かれて/長い遅れが置かれて
  • (意訳)長い時間を置いて/長い遅れを置いて

nullā morā interpositā / nullā interpositā morā 何ら時間が置かれずに

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  • nullā morā interpositā または nullā interpositā morā
    • nullus, -a, -um 形容詞 「どの~もない」 > 女性・単数・奪格 nūllā
    • mora 女性名詞 「時間」「時間の経過」または「遅れ」「延期」 > 単数・奪格 morā
    • interpōnō 動詞 「間に置く」「時を経過させる」 > 完了受動分詞 interpositus > 単数・奪格 interpositā
  • (直訳)どのような時間も間に置かれずに/どのような時間も経過させられずに
  • (意訳)何ら時間が置かれずに/何ら時間を置かずに

行為・動作 (1)

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hīs rēbus gestīs これらの事がなされて / これらの戦果があげられて

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  • hīs rēbus gestīs
    • hic, haec, hoc 指示形容詞 「これ」「この」 > 複数奪格 hīs 「これら」「これらの」
    • rēs 女性名詞 「事」「戦い」 > 複数・奪格 rēbus 「諸事」
    • gerō 動詞 「行なう」「なす」 > 完了受動分詞 gestus > 複数・奪格 gestīs

  • (直訳)これらの諸事が行なわれて
  • (意訳)これらの事がなされて(なされると)/ これらの戦果があげられると
    『内乱記』第3巻38節①項より)

hīs rēbus complētīs これらの事が果たされて / これらの事が完了して

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  • hīs rēbus complētīs
    • hic, haec, hoc 指示形容詞 「これ」「この」 > 複数・奪格 hīs 「これら」「これらの」
    • rēs 女性名詞 「事」「戦い」 > 複数・奪格 rēbus 「諸事」
    • compleō 動詞 「果たす」「成し遂げる」「完了する」 > 完了受動分詞 complētus > 複数・奪格 complētīs
  • (直訳)これらの諸事が 果たされて / 成し遂げられて / 完了させられて
  • (意訳)これらの事が果たされると/ これらの事が完了すると
    『内乱記』第3巻46節②項より)

hīs rēbus parātīs / hīs parātīs rēbus これらの事が準備されると / これらの物が用意されると

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  • hīs parātīs rēbus
    • hic, haec, hoc 指示形容詞 「これ」「この」 > 複数・奪格 hīs 「これら」「これらの」
    • rēs 女性名詞 「事」「物」 > 複数奪格 rēbus 「諸事」
    • parō 動詞 「用意する」「準備する」 > 完了受動分詞 parātus > 複数・奪格 parātīs
  • (直訳)これらの諸事が 準備されて / これらの物が 用意されて
  • (意訳)これらの事が準備されると / これらの事を準備すると // これらの物が用意されると / これらの物を用意すると
    『内乱記』第3巻62節②項より)

hīs rēbus explicitīs / hīs explicitīs rēbus これらの事が処理(解決)されると / これらの物が説明されると

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  • hīs rēbus explicitīs または hīs explicitīs rēbus
    • hic, haec, hoc 指示形容詞 「これ」「この」 > 複数・奪格 hīs 「これら」「これらの」
    • rēs 女性名詞 「事」「物」 > 複数奪格 rēbus 「諸事」
    • explicō 動詞 「処理する」「解決する」あるいは「説明する」 > 完了受動分詞 explicitus > 複数・奪格 explicitīs
  • (直訳)これらの諸事が 処理(解決)されて / これらの諸事が 説明されて
  • (意訳)これらの事が処理(解決)されると / これらの事を処理(解決)すると // これらの物が説明されると / これらの物を説明すると
    『内乱記』第3巻75節②項より)

quibus rēbus cognitīs それらの事が知られると

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  • quibus rēbus cognitīs
    • quī 関係形容詞 「その」 > 複数奪格 quibus 「それらの」
    • rēs 女性名詞 「事」 > 複数奪格 rēbus 「諸事」
    • cognōscō 動詞 「知る」 > 完了受動分詞 cognitus > 複数奪格 cognitīs
  • (直訳)それらの諸事が知られて
  • (意訳)それらの事が知られて(知られると)/それらの事を知ると
    『内乱記』第3巻43節①項より)
  • quibus cognitīs
  • (直訳)それら(のこと)が知られて
  • (意訳)それら(のこと)が知られて(知られると)/それら(のこと)を知ると
    『内乱記』第3巻62節①項より)


hāc rē nūntiātā この事が知らされると / この事が報告されると

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  • hāc rē nūntiātā
    • hic, haec, hoc 指示形容詞 「この」 > 女性・単数・奪格 hāc
    • rēs 女性名詞 「事」「戦い」 > 単数奪格 「事」
    • nūntiō 動詞 「知らせる」「報告する」 > 完了受動分詞 nūntiātus > 女性・単数・奪格 nūntiātā
  • (訳)この事が知らされて(知らされると)/この事が報告されて(報告されると)

rē īnfectā 事が達成されないままで

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  • rē īnfectā
    • rēs 女性名詞 「事」「戦い」 > 単数奪格
    • infectus 形容詞 「達成(成就)されていない、未完成の」「不可能な」 > 単数・女性・奪格 īnfectā
  • (直訳)事が達成されないで(果たされないで)
  • (意訳)事が達成されないままで(果たされないままで)
    『内乱記』第3巻40節⑤項より)
    『内乱記』第3巻57節⑤項より)

行為・動作 (2)

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hōc tumultū nūntiātō この 騒ぎ/動乱/奇襲 が報告されると

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  • hōc tumultū nūntiātō
    • hic, haec, hoc 指示形容詞 「これ」「この」 > 男性・単数・奪格 hōc
    • tumultus 男性名詞 「騒ぎ」「暴動、動乱」「不意打ち、急襲」 > 単数奪格 tumultū
    • nūntiō 動詞 「知らせる」「報告する」 > 完了受動分詞 nūntiātus > 男性・単数・奪格 nūntiātō
  • (直訳)この騒ぎが知らされて/この動乱が報告されて/この奇襲が報告されて 
  • (意訳)この騒ぎが知らされると/この動乱が報告されると/この奇襲が報告されると
    『内乱記』第3巻64節①項より)

quā mūnītiōne perfectā / その塁壁が完成されると

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