システム管理ハンドブック
システム管理は、コンピュータシステムやネットワークが正常かつ効率的に稼働するように、設定・監視・メンテナンスを行うプロセスです。本ハンドブックでは、UNIX、Windows、macOS、およびメインフレームを対象に、システム管理の重要なポイントを解説します。
UNIX系(BSD系UNIX)の管理
編集ユーザーと権限管理
編集- BSD系UNIXのユーザー管理は、主に
/etc/passwd
、/etc/group
、/etc/master.passwd
で行われます。 - ユーザー追加例(FreeBSD):
# pw useradd -n username -m -s /bin/csh
- グループ設定は、
pw groupadd
で行います。
サービスと起動管理
編集- FreeBSDでは、
/etc/rc.conf
を用いてサービスの起動を制御します。 - サービスの有効化例:
# sysrc sshd_enable="YES"
- OpenBSDのサービス管理には
rcctl
が使用されます。
パッケージ管理
編集- 各BSD系システムのパッケージ管理ツール:
- FreeBSD:
pkg
- NetBSD:
pkgsrc
- OpenBSD:
pkg_add
- FreeBSD:
- インストール例(FreeBSD):
# pkg install vim
ファイルシステム管理
編集- BSD系UNIXでは、UFSやZFSが一般的です。ZFSはスナップショット機能やRAID-Zをサポートしており、高いデータ保護機能を提供します。
- ZFSプールの作成例:
# zpool create mypool /dev/ada0
Windowsの管理
編集ユーザーとアクセス管理
編集- Windowsのユーザー管理は「ユーザーアカウント」または
net user
コマンドで行います。 - ユーザー追加例:
net user username /add
サービス管理
編集- Windowsサービスは「サービス」アプリケーションか
sc
コマンドで制御します。 - サービスの開始例:
sc start servicename
パッチとアップデート管理
編集- Windows Updateにより、システムのセキュリティパッチやソフトウェア更新を管理します。PowerShellでの自動化も可能です。
macOSの管理
編集ユーザーとグループ管理
編集- macOSのユーザーとグループは
System Preferences
またはコマンドラインのdscl
で管理します。 - ユーザー追加例:
sudo dscl . -create /Users/username
サービス管理
編集- macOSのサービスは
launchctl
で管理します。 - サービスの開始例:
sudo launchctl load /Library/LaunchDaemons/com.example.service.plist
ソフトウェアアップデート管理
編集softwareupdate
コマンドにより、macOSのアップデートを管理できます。- アップデートの確認:
softwareupdate -l
メインフレームの管理
編集ユーザーとアクセス権管理
編集- メインフレーム(例: IBM z/OS)のユーザー管理は、RACF(Resource Access Control Facility)で行われます。
- ユーザー追加例:
ADDUSER USERID(USER1) PASSWORD(PASS123)
ジョブ管理
編集- メインフレームではジョブスケジューラが用いられます。JCL(Job Control Language)でジョブを作成し、バッチ処理を実行します。
- ジョブ送信例:
//JOB1 JOB (ACCT#),'EXAMPLE JOB' //STEP1 EXEC PGM=MYPROGRAM
システム監視
編集- IBMのz/OSには、システムの性能やリソースを監視するツールが備わっています。Tivoli MonitoringなどでCPU使用率、メモリ、ディスクを監視し、システムを保護します。
システムの監視とバックアップ
編集監視ツール
編集- 各OSに適した監視ツールの選択と導入が重要です。
- FreeBSD/NetBSD/OpenBSD: Zabbix、Nagios
- Windows: Windows Event Viewer、System Center Operations Manager
- macOS: Activity Monitor、sysdiagnose
- メインフレーム: Tivoli Monitoring
バックアップ戦略
編集- 各システムのバックアップ方法:
- UNIX:
dump
やtar
でバックアップを作成。 - Windows: Windows BackupやPowerShellでスクリプトによる自動バックアップ。
- macOS: Time Machineまたはrsyncによるカスタムバックアップ。
- メインフレーム: DFSMShsmを用いたデータ保護。
- UNIX: