今回使用する単語

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単語 フリガナ 意味(名詞) 意味(動詞) 意味(修飾詞) 意味(その他)
ni これ、あれ この、あの 代名詞
ona オナ その人、それ ⇒ mi, sina その人の、それの 代名詞: 三人称
ijo イヨ 何か、事物 対象化する 何かの
ilo イロ 道具、装置、特定の目的で使用される物
ma 土壌、国、地域、地方
kili キリ 野菜、果物、きのこ ⇒ kasi
pipi ピピ 虫 ⇒ kala, akesi, waso, soweli
e 分離符: 目的語を導く
jo 所持 持つ、含む
lukin ルキン 見る、読む 視覚の
wile ウィレ 願望、必要性、意志 欲しい、願う、乞う、しなければならない 必要な ⇔ namako 複合動詞: ~したい

目的語のある文章

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前章までに動詞の使い方を学びました。
今度は目的語を使ってみましょう。


  • mi (li) moku e kili . (主部が「mi」のみなので直後の[li]は省略される。)

→ 私 (li) 食べる [e] 果物 → 私は果物を食べます。(SVO)

→ 彼 [li] 見る [e] 虫 これ → 彼はこの虫を見ます。(SVO)

 → 彼 [li] 良くする [e] 道具 → 彼は道具を直します。(SVO)


難無く理解できるでしょう。
こうして見ると語順が(SVO)なので英語のように見えますね。
今回は分離符[e]と目的語があることで、主部に続く言葉が名詞や修飾詞ではなく動詞である、 ということが明らかになっています。


さてここで復習問題です。次の文章を読み取ってみましょう。
既にこの形は知っているはずですよ。


複合動詞とwile

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トキポナではよく動詞の後ろに更に動詞を持ってきて「複合動詞」とすることがあります。
なお、これはあくまで便宜的に「複合動詞」と呼んでいるだけです。
ひょっとしたらこれは複合動詞ではなくって、後ろの単語の品詞は修飾詞かもしれません(つまり副詞ですね)。
またはその逆に動詞は後ろの単語だけで、前にある方は助動詞かもしれません。
でもそういうところをつきつめるのは難しいし、なにより品詞が増えるのは 《pona = 良 = 簡単》 の精神に背くので、
今のところは「複合動詞」と呼んでおくことにしましょう。


よく使われる複合動詞に「wile」があります。
単独で動詞として使うこともありますが、直後に別の動詞をつなげて「○○したい」という複合動詞を作ることができるのです。
ではちょっとやってみましょう。


  → 私 (li) したい(欲しい/必要だ) 見る [e] 土地 → 私は土地を見たい。(SVO)

 → 私 (li) したい(欲しい/必要だ) 食べる → お腹がすいた(食べる必要がある)。(SV)

 → 私 (li) したい(欲しい/必要だ) [e] 食べ物 → 食べ物を欲しい。(SVO)


上の文章のように、名詞にも動詞にもなれる単語が動詞の直後にあるとき、分離符[e]の有無でその品詞がわかります。
他にもいろいろな複合動詞がありますが、まずは「wile」の使い方が理解できれば充分です。


分離符が複数ある文章

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ここまで分離符の[li]と[e]は文中に一つずつまででした。
ここからまた新たな展開です。


  → 虫 [li] 見る [li] 食べる → 虫が見て食べている。 (SVV)

  → 私 (li) 食べる [e] 果物 [e] 水 → 私は果物と水を食べる。 (SVOO)


これもさほど難しくありませんね。
考えようによっては、この文章の作り方は「分離符が複数ある」というよりも 「既に出た主部や述部を省略できる」と説明できるかもしれません。