小学校学習指導要領(平成10年12月告示、20年3月一部改正) 第4節 理科

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1.目標

(1) 燃焼,水溶液,てこ及び電気による現象についての要因や規則性を推論しながら調べ,見いだした問題を計画的に追究したりものづくりをしたりする活動を通して,物の性質や規則性についての見方や考え方を養う。
(2) 生物の体のつくりと働き,生物と環境,土地のつくりと変化の様子,月と太陽の関係を推論しながら調べ,見いだした問題を計画的に追究する活動を通して,生命を尊重する態度を育てるとともに,生物の体の働き,生物と環境とのかかわり,土地のつくりと変化のきまり,月の位置や特徴についての見方や考え方を養う。
(旧要領)
(1)生物の体のつくりと働き及び生物と環境とを関係付けながら調べ,見いだした問題を多面的に追究する活動を通して,生命を尊重する態度を育てるとともに,生物の体の働き及び生物と環境とのかかわりについての見方や考え方を養う。
(2)水溶液,物の燃焼,電磁石の変化や働きをその要因と関係付けながら調べ,見いだした問題を多面的に追究したりものづくりをしたりする活動を通して,物の性質や働きについての見方や考え方を養う。
(3)土地のつくりと変化の様子を自然災害などと関係付けながら調べ,見いだした問題を多面的に追究する活動を通して,土地のつくりと変化のきまりについての見方や考え方を養う。

2.内容

A 物質・エネルギー
(1) 燃焼の仕組み
物を燃やし,物や空気の変化を調べ,燃焼の仕組みについての考えをもつことができるようにする。
ア植物体が燃えるときには,空気中の酸素が使われて二酸化炭素ができること。
(2) 水溶液の性質
いろいろな水溶液を使い,その性質や金属を変化させる様子を調べ,水溶液の性質や働きについての考えをもつことができるようにする。
ア水溶液には,酸性,アルカリ性及び中性のものがあること。
イ水溶液には,気体が溶けているものがあること。
ウ水溶液には,金属を変化させるものがあること。
(3) てこの規則性
てこを使い,力の加わる位置や大きさを変えて,てこの仕組みや働きを調べ,てこの規則性についての考えをもつことができるようにする。
ア水平につり合った棒の支点から等距離に物をつるして棒が水平になったとき,物の重さは等しいこと。
イ力を加える位置や力の大きさを変えると,てこを傾ける働きが変わり,てこがつり合うときにはそれらの間に規則性があること。
ウ身の回りには,てこの規則性を利用した道具があること。
(4) 電気の利用
手回し発電機などを使い,電気の利用の仕方を調べ,電気の性質や働きについての考えをもつことができるようにする。
ア電気は,つくりだしたり蓄えたりすることができること。
イ電気は,光,音,熱などに変えることができること。
ウ電熱線の発熱は,その太さによって変わること。
エ身の回りには,電気の性質や働きを利用した道具があること。
(旧要領)
B.物質とエネルギー
(1) いろいろな水溶液を使い,その性質や金属を変化させる様子を調べ,水溶液の性質や働きについての考えをもつようにする。
ア 水溶液には,酸性,アルカリ性及び中性のものがあること。
イ 水溶液には,気体が溶けているものがあること。
ウ 水溶液には,金属を変化させるものがあること。
(2) 物を燃やし,物や空気の変化を調べ,燃焼の仕組みについての考えをもつようにする。
ア 植物体が燃えるときには,空気中の酸素が使われて二酸化炭素ができること。
(3) 電磁石の導線に電流を流し,電磁石の強さの変化を調べ,電流の働きについての考えをもつようにする。
ア 電流の流れている巻き線は,鉄心を磁化する働きがあり,電流の向きが変わると,電磁石の極が変わること。
イ 電磁石の強さは,電流の強さや導線の巻き数によって変わること。
B 生命・地球
(1) 人の体のつくりと働き
人や他の動物を観察したり資料を活用したりして,呼吸,消化,排出及び循環の働きを調べ,人や他の動物の体のつくりと働きについての考えをもつことができるようにする。
ア体内に酸素が取り入れられ,体外に二酸化炭素などが出されていること。
イ食べ物は,口,胃,腸などを通る間に消化,吸収され,吸収されなかった物は排出されること。
ウ血液は,心臓の働きで体内を巡り,養分,酸素及び二酸化炭素を運んでいること。
エ体内には,生命活動を維持するための様々な臓器があること。
(2) 植物の養分と水の通り道
植物を観察し,植物の体内の水などの行方や葉で養分をつくる働きを調べ,植物の体のつくりと働きについての考えをもつことができるようにする。
ア植物の葉に日光が当たるとでんぷんができること。
イ根,茎及び葉には,水の通り道があり,根から吸い上げられた水は主に葉から蒸散していること。
(3) 生物と環境
動物や植物の生活を観察したり,資料を活用したりして調べ,生物と環境とのかかわりについての考えをもつことができるようにする。
ア生物は,水及び空気を通して周囲の環境とかかわって生きていること。
イ生物の間には,食う食われるという関係があること。
(4) 土地のつくりと変化
土地やその中に含まれる物を観察し,土地のつくりや土地のでき方を調べ,土地のつくりと変化についての考えをもつことができるようにする。
ア土地は,礫,砂,泥,火山灰及び岩石からできており,層をつくって広がっているものがあること。
イ地層は,流れる水の働きや火山の噴火によってでき,化石が含まれているものがあること。
ウ土地は,火山の噴火や地震によって変化すること。
(5) 月と太陽
月と太陽を観察し,月の位置や形と太陽の位置を調べ,月の形の見え方や表面の様子についての考えをもつことができるようにする。
ア月の輝いている側に太陽があること。また,月の形の見え方は,太陽と月の位置関係によって変わること。
イ月の表面の様子は,太陽と違いがあること。
(旧要領)
A.生物とその環境
(1)人及び他の動物を観察したり資料を活用したりして,呼吸,消化,排出及び循環の働きを調べ,人及び他の動物の体のつくりと働きについての考えをもつようにする。
ア 体内に酸素が取り入れられ,体外に二酸化炭素などが出されていること。
イ 食べ物は,口,胃,腸などを通る間に消化,吸収され,吸収されなかった物は排出されること。
ウ 血液は,心臓の働きで体内を巡り,養分,酸素及び二酸化炭素を運んでいること。
(2) 動物や植物の生活を観察し,生物の養分のとり方を調べ,生物と環境とのかかわりについての考えをもつようにする。
ア 植物の葉に日光が当たるとでんぷんができること。
イ 生きている植物体や枯れた植物体は動物によって食べられること。
ウ 生物は,食べ物,水及び空気を通して周囲の環境とかかわって生きていること。
C 地球と宇宙
(1) 土地やその中に含まれる物を観察し,土地のつくりや土地のでき方を調べ,土地のつくりと変化についての考えをもつようにする。
ア 土地は,礫(れき),砂,粘土,火山灰及び岩石からできており,層をつくって広がっているものがあること。
イ 地層は,流れる水の働きや火山の噴火によってでき,化石が含まれているものがあること。
ウ 土地は,火山の噴火によって変化すること。
エ 土地は,地震によって変化すること。

3 内容の取扱い

(1) 内容の「A物質・エネルギー」の指導に当たっては,2種類以上のものづくりを行うものとする。
(2) 内容の「B生命・地球」の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。
アウについては,心臓の拍動と脈拍が関係することにも触れること。
イエについては,主な臓器として,肺,胃,小腸,大腸,肝臓,腎臓,心臓を扱うこと。
(3) 内容の「B生命・地球」の(3)のアについては,水が循環していることにも触れるものとする。
(4) 内容の「B生命・地球」の(4)については,次のとおり取り扱うものとする。
アアについては,岩石として礫岩,砂岩及び泥岩を扱うこと。
イイの「化石」については,地層が流れる水の働きによって堆積したことを示す証拠として扱うこと。
(5) 内容の「B生命・地球」の(5)のアについては,地球から見た太陽と月の位置関係で扱うものとする。
(旧要領)
3. 内容の取扱い
(1) 内容の「A生物とその環境」の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア ア,イ及びウについては,体内に取り込まれた物質の使われ方は扱わないこと。
イ ウについては,心臓の拍動と脈拍が関係することにも触れること。
(2) 内容の「A生物とその環境」の(2)のウについては,食物連鎖などは取り扱わないものとする。
(3) 内容の「B物質とエネルギー」の指導に当たっては,2種類程度のものづくりを行うものとする。
(4) 内容の「C地球と宇宙」の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アで扱う岩石は,礫岩,砂岩及び泥岩のみとすること。
イ 化石は地層が水の作用でできたことを示す程度にとどめること。
ウ ウ,エについては,児童がウ又はエのいずれかを選択して調べるようにすること。
エ エについては,地震の原因については触れないこと。



小学校学習指導要領は平成20年3月に出たものが最新です。全面実施は23年度からですが、21年度から既に移行期間に入っており、特に算数と理科はかなりの部分新しい指導要領の内容が取り入れられています。ご承知かとは思いますが念のため。--114.145.183.12 2010年2月17日 (水) 17:09 (UTC)返信

ご指摘ありがとうございました。[1]より、修正致しました。--Tomzo 2010年2月18日 (木) 00:55 (UTC)返信
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