ロジバン/文法/チャット (基本篇)

実際のロジバニックなコミュニケーションに触れる最も手軽な手段は、チャットです。初心者でも一度試してみましょう。ロジバニスト達がどんな会話をしているのかを完全に読み取ろうとする必要はもちろんありません。大切なのは言語の生々しさを体験することです。独りで学習を続けていると、目標や動機というものが見えなくなることがあります。始めたばかりで読解力があまりない今でも、一度生のロジバンに出会っておくことで、後のための向上心をいくらか高めておくことができるでしょう。

まずはログインです。特別なアプリケーションは要りません。あなたが使っているブラウザからそのまま接続できます:

www.lojban.org/irc/

適当な名前を Nickname 欄に入れます。誰でも読めるアスキー文字(つまり普通のローマ字)で書くのが望ましいです。この名前はログインごとに入力するものなので、あとで変えることができます。

Real Name 欄に Change Me! とありますが、チェンジしなくてもログインできます。ロジバニストの多くは実名を公表しており、互いを認識し合うのに便利だということでこの欄が用意されています。

Format はチャット画面の装丁を設定するものです。 default が無難です。

Channel が四つほどあります。 #lojban が初心者・一般向けです。 #jbopre は、通常は上級話者達の集い場であり、また、 #lojban の方で何らかの問題(喧嘩やバグ)が起きた際に助けを求める避難所でもあります。

Advanced の項は無視しておいてください。

Login のボタンを押すと画面が切り替わり、文字がたくさん流れ出てきます。おそらく自分のニックネームが冒頭にあります。 Topic is: ではその時々に誰かが設定した話題が表示されています(行うコミュニケーションがかならずしもこの話題に準じなければならないわけではありません)。その下は現在接続している全ユーザー名が並ぶでしょう。右端の柱に載っているのと同じものです。@ が付いているのはそのチャンネルの管理人達です。

フォントやチャイムに関する設定画面は右上にある金槌アイコンから入ります。

会話画面の下にある行欄でメッセージを入力し、 Enter キーで送信します。ログインした折には coi ro do と言ってみましょう。「こんにちはみなさん」という意味です。自分から挨拶しなくても誰かから coi doi *** と声を掛けられることがあります。「こんにちは***さん」という意味です。各メッセージの左側に送信主の名前があるので、これを coi doi *** のアスタリスクの部分に入れて同じように返答しましょう。

チャットにおける補助言語は一般に英語です。日本語を話せるロジバニストが接続していることがあるので、ためしに「こんにちは」と挨拶してみるのもいいでしょう。英語を母語としないロジバニストはたくさんおり、英語が不得意だからといって億劫する必要はありません。日本人の参加はとても稀なので、あなたが日本人であることがわかればきっと大いに歓迎されます。 i mi ponjo (私は日本人です)と言ってみましょう。初心者であることを念押しするのなら i e'enai mi co'a tadni la lojban と付け加えておきます。英語が得意でなければ i le glibau e'enai cu na bangu mi

母音で始まる ie とか u'i などのような小さな言葉を頻繁に見かけます。これは気持とか態度を表す言葉です。いくらか紹介しておきます(こちらのリストも参照してください):

ie イェ 賛成 “そうね”
ienai イェナイ 不賛成 “そんなことない”
u'i ウヒ 笑 ( ^ω^)
ui ウィ 嬉 (´∀`)
ue ウェ 驚 (;゚Д゚)
ua 発見 (゜o゜)
ua.ui ワウィ 発見+嬉 (゚∀゚)
uanai ワナイ 模索 (@_@)
oi オイ 不満 ( ゚Д゚)
oisai オイサイ 不満+強 ( #゚Д゚)
uu ウゥ 悲哀 (´;ω;`)
u'u ウフ 後悔 (´・ω・`)

nai を付けたものは意味が反転します。 sai は度合の強さを表します。

u'u には「あらら」とか「ちぇ」とか「やっちゃった」のニュアンスもあります。文法ミスやタイプミスなどを犯した際にもよく使われます。

「さよなら」は co'o あるいは coinai (直訳:こんにちはじゃない)です。

ところで時間帯に留意しておきましょう。ロジバニストのほとんどは日本列島から離れた時刻圏に住んでいるので、日本時間で昼である際にチャットに接続しても夜明けの地域にいる人達はコンピュータの前でなくベッドの中にいます。