発話における焦点を話題(topic/prenex)という。これは主語とは区別される。たとえば日本語の「象は鼻が長い」では、「鼻が」が主語、「象は」は話題である。日本語の話題標識「は」に相当するものがロジバンにある:
話題範囲/量化範囲詞 | zo'u | ZOhU |
これは論理学における議論領域を設定するのにも用いられる。 zo'u で区切るものはみな体言か sumtcita である。
- lo xanto zo'u lo nazbi cu clani
象は鼻が長い。
- lo xanto zo'u lo nazbi cu clani
- lo xanto lo nazbi zo'u clani
象は鼻は長い。
- lo xanto lo nazbi zo'u clani
- lo nu klama lo ri zdani zo'u mi pante
彼の家に行くことについては私は反対だ。
- lo nu klama lo ri zdani zo'u mi pante
- X Y zo'u X nelci Y
X と Y について、X は Y を好む。
- X Y zo'u X nelci Y
- X ro Y zo'u X nelci Y
X と全ての Y について、X は Y を好む。
- X ro Y zo'u X nelci Y
ro のように項の量を限定するものを量化子 (quantifier) という。項をこのように束縛して用言の議論領域/作用範囲を限定することを量化 (quantification) という。
論理学と同様に、 X や Y のような変数/自由変項としてあらかじめ用意されているものがある:
論理的自由変項 | da | KOhA |
論理的自由変項 | de | KOhA |
論理的自由変項 | di | KOhA |
4つめ以降は xi による添記用法で求める:
- daxi4 dexi9 zo'u daxi4 nelci dexi9
これら自由変項は、他の項と同様に、修飾節を加えられる:
- da poi nixli zo'u mi nelci da
- da po'u lo nixli poi mi pu penmi zo'u mi nelci da
... zo'u のまとまりはNU類の抽象節の中に投入できる。例えば、3つのボール―青いボール、赤いボール、緑のボール―が入っている鞄から、1つをあなたが私に何色かを見せずに取り出すとき、私には次のことが言える:
- mi djuno lo du'u pa da poi bolci zo'u do jgari da
私は、{ボールであるX1つについて、あなたがXを握っている}ことを知っている。
- mi djuno lo du'u pa da poi bolci zo'u do jgari da
抽象節の中にあるべき ... zo'u を外に置くと論理的破綻をきたす:
- pa da poi bolci zo'u mi djuno lo du'u do jgari da
ボールであるX1つについて、私は、{あなたがXを握っている}ことを知っている。
- pa da poi bolci zo'u mi djuno lo du'u do jgari da
この文は、「青いボール」「赤いボール」「緑のボール」いずれについても偽(ぎ)である。それらいずれについても、それをあなたが握っている、ということを私は知らないからだ。この文では、 ... zo'u の da と du'u ... の da が異なる階層にあり、隔離されているので、求められている量化が起きていない。 do jgari da について量化するには、この bridi と同じ階層に ... zo'u を置かなければならない。