いざロジバン文章を読もうとすると、発音は出来ても意味がわからない言葉が沢山あることに当惑や憤りを感じるでしょう。学習を始めたばかりの人にとっては当然のことです。どんな言語の学習においても、単語の暗記という過程を避けて通ることはできません。しかし、暗記と一口にいっても、方法や手段によって、必要以上に苦労をしたり無駄骨を折ってしまったりもすれば、手際よく楽しくこなせるようになったりもします。ロジバンの基本語すなわち gismu はただでさえ多いものではないのですが、パソコンで効率よく暗記する手段がいくつかあります。


jMemorize

jMemorize では、憶える言葉とその意味の組み合わせをカードの裏表として一つ一つ用意し、これらが次々と自動的に出題され、表面から裏面を当てるという回答を繰り返します。デッキというものがあり、不正解のカードは下のレベルのデッキに、正解したカードは上のレベルのデッキに移されます。これによって、自分が得意とし特に専念しなくてもよい言葉がどんどん淘汰されてゆき、下のレベルに留まっている不得意な言葉に集中的に取り組むことができるようになります。一度正解したものも、後ほど再び出題に回されます。再出題までにかかる間隔は好きなように設定できます。また、カードは分類することができるので、たとえば「食べ物の名前」とか「色の名前」といったふうに別々に用意することができます。

アプリケーションはオープンソースで、Java で動きます。インストーラは開発元からダウンロードできます:
http://jmemorize.org/

gismu 用のカード・セットは lojban.org から入手できます:
jMemorize instructions
“Word lists”のところに二つのリンクがあります。上が、英語キーワードから gismu を当てるもの。下が、 gismu から英語訳を当てるものです。jMemorize は出題形式としてカードの裏から問うか表から問うかを選択できるので、どちらかのリンクから一つ入手しておくだけでいいです。
ロジバン相談室にも「英語からロジバン」「ロジバンから英語」「日本語からロジバン」のカードがおいてあります。

人によって、当初予期していたほどの日数がかからずに意外と早く全 gismu を憶えてしまうこともあるでしょう。その場合、次の目標として lujvo (合成語・派生語)の習得に乗り出すことができます。ただ、 lujvo は gismu から成っており、予備知識はその時点までに身につけているので、言葉の意味をゼロから暗記するというよりも、複雑な概念をどのような単純概念の組み合わせによって表すかという発想や語感を養うほうに重きを置くことになります。 lujvo 表 などを参考に、自分の気に入った言葉やオリジナルの言葉をどんどんカードにしていきましょう。ちなみに cmavo の多くは文法の学習と共に自然に憶えてゆくものであり、また実際の何らかのコンテクストがあったほうが使い方を学びやすいので、これをあえて jMemorize にまわして暗記する必要はないでしょう。


Quizlet

Quizlet は様々な情報分野の暗記カードを作成したり共有するサイトです。原理は jMemorize と同様で、不正解のカードを集中して学習できるようになっています。自分で独自のカードを作ったり、サイト内に既存するものをコピーして好みのセットを組むことができます。グループに参加することで他の人達と共同でカードを編集することもできます。日本語話者用のロジバン・カードおよびグループはこちらです:
http://quizlet.com/group/25374/