上智大対策
本項は、上智大学の入学試験対策に関する事項である。
上智大学は、東京都にあるミッション系の総合大学である。
入試形態は「~日試験」というように割り振られ、同日試験の学部の併願は出来ないようになっている。出題形式に微小の差こそあれ、学部ごとに癖があるといった傾向があまり見られないため(問題作成者が同じであることから)、本学を志望する学生は、第一志望学部だけでなく他学部の過去問を積極的に解くように心がければ、それだけ対策しやすく、上智の傾向に慣れ合格に近づくと言える。外国語学部英語学科の英語を75%以上取れるようになれば、英語に関しては合格水準に達しているといえる。その他の問題に関しても、問題数(問題個数)が多い。速読力が求められる。科目別にみると英語や地歴よりも国語の方が問題難易度が高い(数学は標準的)。
科目別対策
編集英語
編集(90分)ミッション系の大学のイメージから英語が一番難しいと思われがちであるが、ストレートに知識を問うたり、内容一致の選択肢が切りやすく引っ掛けが無い素直な問題が多く、過去問をしっかりやりこみ語彙数と知識を増やせば、高得点も狙いやすい試験である。問毎年どこかの学部で新傾向の問題が出題されるが、概して得点率が低いのでそこまで恐れることはない。以下は大まかな学部ごとの傾向である。
速読型の出題をする学部: 外国語学部英語学科・法学部地球環境法学科・総合人間科学部心理学科、法学部法律学科、経済学部経営学科及び神学部、経済学部経済学科及び理工学部(機械工学科・電気電子工学科)
精読・文法重視型の出題をする学部: 外国語学部(英語学科以外)、文学部、総合人間学部(心理学科以外)、法学部国際関係法学科、総合グローバル学部、理工学部(数学科・物理学科・化学科)
外国語学部英語学科・法学部地球環境法学科・総合人間科学部心理学科・総合グローバル学部総合グローバル学科 上智の中では一番英語の難易度が高い。語彙レベルのやや高い長文がたくさん出題されるため、速読即解力のみならず語彙力の鍛錬が必要。会話文も毎年出題されるので注意。未見の単語を推測しながら読む時間的余裕がないため、高いレベルの語彙力を蓄え「英語を英語のまま理解」できることを念頭に入れた勉強をすべきである。そして、過去問を徹底してやってほしい。
文学部 (哲学科・史学科・新聞学科)・総合人間科学部 (教育 A・教育 B・社会福祉)・外国語学部 (英語学科以外) 読解・語彙・整序作文・短文空所補充など、バラエティーに富んだ出題をする。読解問題は2006年はやや難化したものの、総じて上智の中では取り組みやすい問題である。従来の問題から切り離された外国語学部英語学科以外の受験生にとっては易化したとも言えるが、油断は禁物である。
文学部 (国文学科・英文学科・ドイツ文学科・フランス文学科)・総合人間科学部社会学科・法学部国際関係法学科 目立った難問はみられなく、上智対策をしてきた受験生にとっては比較的楽な問題といえる。文学部及び総合人間学部社会学科志望者で7割、法学部国際関係法学科志望者なら8割はとりたい。
経済学部経営学科・神学部神学科 読解力重視で、速読即解力を問われる問題構成である。文法的な誤りを訂正させる問題が近年出題されているが、他大学の同種問題よりは取り組みやすい。余裕があれば早稲田大学人間科学部の問題にも挑戦してみるとよい。
法学部法律学科 傾向は外国語学部英語学科とほぼ同じ。長文と会話文の演習を積むことが重要である。やや難しい問題と簡単な問題が混在してるので、後者を見抜ける学力を養成することにつきる。易化と難化の差が激しい。
経済学部経済学科・理工学部(機械工学科・化学科) 問題数は例年多く、傾向的には経営学科とほぼ同じだが、こちらの方が問題が易しいことが多い。私立理系の英語の問題としては難易度は高いが、英語が得意な理系受験生は逆にここで差をつけることが出来る問題といえよう。英頻やネクステレベルの文法・語法を抑えれば合格点は取れるであろう。
理工学部(数学科・物理学科・電気電子工学科) 上智の中では最も平易な問題である。傾向的には文学部非文学系に近い。問題数も少ないので簡単だと言われるが、出題される英文の語彙レベルは文系学部同様に高いのでその点は留意しなければならない。ただし、設問は易しい場合が多い。上智志望者はまずこの学部の問題に手をつければ上智英語の基礎的な部分が理解でき、その後の勉強の指針になるであろう。
国語
編集(60分)ミッション系の大学のイメージとは裏腹に、国語が難しすぎて受験生の間で差が付きにくい。選択問題には引っ掛け問題が多い。合格者でも素点6割程度しか取れていない事例が大半であるため、国語の点数が悪くても気負わず、残りの英語と社会(数学)の点数との合計点の勝負であることを忘れずに、あきらめずに頑張ってほしい。。
- 現代文は硬質な文章の出題が目立ち、センター試験の評論と比べると難易度が数段高いので要注意。また、学部によっては漢文や明治文語文が出題されるので対策が必要といえる。特に後者は問題集もあまり市販されてないので、有名な作品でよいから読んでみよう。森鴎外や夏目漱石は頻出である。もちろん、過去問の研究も大いに効果的である。
- 古文は近世随筆や中世芸術論などが減って読みやすくなった。とはいえ課題文のレベルは高く、和歌の出題も多い。
- 漢文の難易度は非常に高く、現代文・古文よりも注意が必要である。内容も抽象的な道徳論などが多い。どちらも設問の前後を訳せる程度の学力が必要なので、学部横断的に過去問を徹底して演習しておこう。
※選択肢の作りこみが甘い面がやや見られるため、予備校講師の間でも正解が割れるような問題もまれに登場する。よって、各予備校ホームページや赤本の模範解答はあくまで参考程度に留めておくべきであろう。
- 学部ごとの出題形式
- 外国語学部・文学部 (哲学・史学・新聞)・総合人間科学部…例年、現代文・古文・漢文が1題ずつ出題される。
- 文学部 (国文・英文・独文・仏文)…現古融合・古文・漢文が出題される。国文以外は大問3までが共通問題で全3題。国文は大問4として、全問記述式の現古漢融合問題が新たに加わったので、対策が必要。
- 法学部 (法律・国際関係法・地球環境法)…問題は各学科違うが、現代文2題・古文1題が出題される。
- 経済学部 (経済・経営)…問題は各学科違うが、現代文2題・明治文語文1題が出題される。
地理歴史
編集日本史
編集(60分)毎年全くと言っていいほど出題傾向・形式等が違う。全体的に見るとそれほど難しい問題ではないが、所々に難問が含まれている。対策としては、全日程の過去問をやっておくことがベストだろう。近年、連続する3問の○×組合せ問題が日程のどこかでかならず出ているので細かい年号を知っておく必要がある。なお、この問題は異常なほど難しいため、平均得点率は低い。
世界史
編集(60分)出題頻度としては、ヨーロッパ全般、中国を含めたアジアが頻出である。アフリカや中近東の出題頻度は低い。内容は、近年難化が続き、かつてのような標準的な問題をおさえれば大丈夫というわけには行かない。年号問題は他の私大と違い直接的に年号を選択させる形式が多い為注意を要する。また、地図を用いた問題と歴史の横軸を聞いてくる問題がよく出るので、常にそのあたりを意識して勉強するとよい。試験の難易度自体は高いが、用語集にも出ないような難問の正答率は低く偏差値法であるためこれらの問題が不出来でもそこまで気にすることはない。用語集レベルの問題を確実にとるという正攻法こそ勝利の鍵である。上智ということでキリスト教関連のテーマ史が頻出するのでこの分野は知識の整理をしておくことが重要である(個々の宗派、公会議の名称と年号、カトリック史、教皇名など)。 また、試験時間(60分)に対して出題数が多いため(例年およそ80~100問)、正答を判断する速さも重要となる。
数学
編集文系
編集(60分)大問3題からなり、難易度は標準的だが、一つ注意しておかないといけないのが、制限時間(60分)が非常に短いということ。センター試験数学よりも時間との戦いになるため、どうしても解けない問題は見切りをつける判断力も必要である。第1問~第3問まで全てひと続きの誘導問題である事が増えているが、第1問は小問集合である場合もある。計算量も多く、日本史・世界史に比べて全体的に低得点となりがちである。ただし、上智大の入試は先に述べたように偏差値法を採用しているため、得点率が多少低くとも高得点扱いされることがある。複雑な計算への速く正確な対応力と、高度な思考力のトレーニングが必須。確率・三角関数などの対策を重点的にするとよい。黄チャートレベルの典型問題は、すぐに処理できるようにしておきたい。
理系
編集(90分)理工学部は大問4題で、難易度は標準的だが、文系数学同様に時間との勝負になる。微積分、空間座標、確率、極限が必須分野であるが、グラフを利用する問題が多く、方針の立て方次第で結論までにかかる時間に受験生の間で差が出る。黄チャートレベルの典型問題は、すぐに処理できるようにしなければいけない。
理科
編集物理
編集(90分)理工学部は「物理」、「化学」、「生物」の中から1科目のみ選択する。標準的な難易度の問題が多い。力学、電磁気学が頻出である。
化学
編集(90分)物理同様。
生物
編集(90分)物理同様。