経度(けいど、英:longitude ロンジテュード)と緯度(いど、英:latitude ラティチュード)は、地球上での位置を知るための座標のひとつである。 このふたつの座標を使うことによって、地球上のすべての位置を表すことができる。

メルカトル図法(メルカトルずほう)という方法でかかれた世界地図。よこの線が緯線(いせん)。たての線が経線(けいせん)。
地球儀での経度()および緯度()。

また、世界地図や日本地図などをみると、線が縦と横に見られるが、これは同じ経度どうしを結んだ線や、同じ緯度どうしを結んだ線であり、それぞれ経線(けいせん)および緯線(いせん)という線である。

では、この2つの座標について詳しく見ていくことにしよう。

経度 編集

経度とは、北極点と南極点を結んだ、縦の座標である。このうち、イギリスのロンドンにある旧グリニッジ天文台(Greenwich Observatory グリニッジ・オブザーバトリー)を通る本初子午線(ほんしょしごせん、Prime meridian プライム・ミリディアン)を0度として、東西に180度ずつ、ひかれている。本初子午線より東側を東経(とうけい、east longitude)と言い、西側を西経(せいけい、west longitude)と言う。

また、経度180度の線にそって日付変更線(ひづけへんこうせん、国際日付変更線、International Date Line インターナショナル・デイト・ライン、略:IDL)がひかれている。なお、日付変更線は陸地等を避けるために、一直線ではない。陸地を避けるのは、もし陸地を日付変更線が通っていると、同じ陸地内で2つの日付が存在することになり混乱を招くからである。

日本の経度は、東経123度から、東経154度のあいだにあります。 東京の経度は、東経140度です。

緯度 編集

 
地球の赤道

地球の、回転軸に垂直な面のうち最も太い面と、地表の交わる線を赤道(せきどう、英: Equator イクウェイタ)といい、赤道の緯度は0°です。 緯度は、赤道に平行にひいた、横の座標である。赤道より北側を北緯(ほくい、north latitude ノース・ラティチュード)とよび、南側を南緯(なんい、south latitude サウス・ラティチュード)とよびます。

このうち緯度は、赤道を0度として、南極点(なんきょくてん)を南緯90度として、北極点を北緯90度として、線が引かれています。

日本の緯度は、およそ北緯20度から北緯46度のあいだにあります。 東京の位置は、北緯36度です。

東京を緯度・経度で表せば、北緯36度、東経140度になります。

緯度と温度や季節との関係 編集

 
地球は太陽のまわりを公転(こうてん)している。
 
緯度による日射しのちがい。
 
ノルウェーでの白夜
  • 赤道に近いほど暑く、北極・南極に近いほど寒い

原則的に赤道に近い地域ほど、暑い地域になります。つまり、緯度が0度に近い地域ほど、暑い地域というわけです。この理由は何故でしょうか?

日本では、昼間の太陽は南に登りますが、南半球の国では昼間の太陽は北に登ります。 つまり、赤道の真上の方角に太陽はあります。じっさいに赤道の地域では、ほぼ真上に、昼間の太陽はあります。 太陽から地球に降りそそぐ太陽光線の向きから見て、赤道の地域は、ほぼ垂直です。しかし北極や南極に近づく地域ほど、太陽光線から見て斜めに降りそそいでいます。

たとえば豆腐をナナメに切ると、まっすぐ垂直に切ったときよりも、断面積が大きくなりますよね?

それと同じように、太陽光がナナメに降りそそぐということは、大きな面積を太陽が照らしていることになります。太陽光線の量は変わらないのに、照らされる面積が広くなってしまったのだから、面積あたりの太陽光線の量は減ります。よって、北極や南極に近づいている、緯度が大きい地域ほど、日差しが弱くなります。そして日差しが高緯度では弱まるので、高緯度は寒いわけです。

  • 北半球と南半球では、季節が逆

なお、北半球(Northern Hemisphere ノーザン・ヘミスフィア)と南半球(Southern Hemisphere サザン・ヘミスフィア)では、季節が逆になります。たとえば北半球が寒い冬の12月〜2月ごろの時期は、南半球では暑い夏の時期です。つまり北半球が冬の時、南半球は夏です。

北半球が暑い7月〜8月ごろの時期は、南半球では寒い時期です。北半球が夏の時、南半球では冬です。

  • 地軸は傾いている。

ところで、右上にある図(地球の公転の図)の、太陽のまわりを回っている地球の自転(じてん)の回転軸を見てみると、ナナメですよね?

実際に回転軸は、やや傾いています。

この、地球の自転の回転軸のことを地軸(ちじく、英:axis アクシス、the earth's axis など)と言います。

地軸の向きは、地球と太陽を結んだ面である公転面(こうてんめん)から、角度で23.4度ほど傾いています。 このため、季節によっては、南北両半球で緯度66.33度の緯線よりも高緯度の地域(北極圏、南極圏)で、夏に太陽が沈まない日を 白夜(びゃくや、Midnight sun ミッドナイト・サン) と言います。逆に、冬に太陽が昇ってこない日を極夜(きょくや、polar night ポーロー・ナイト)と言います。


昼間に日の登っている時間の長さが、季節によって違うのも、地軸の傾きによるものです。