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本節は、男の子と女の子の体つきが、思春期になるとどのように変わっていくのかを学びます。

私が思うに、本節の内容はどうでもよく、次の異性の尊重の方や心についてが内容として大切です。

キーワード 編集

ホルモン・下垂体・性腺刺激ホルモン・生殖器・女性ホルモン・男性ホルモン・精子・精液・射精・精通・卵子・排卵・受精・生理(月経)・初経・受精卵・着床・妊娠

体の変化とホルモン(思春期以降) 編集

※なぜ思春期になると、体の変化が起こるのでしょうか?

男の子も女の子も思春期になると身体に大きな変化が起こります。その原因は化学物質のホルモンです。

思春期に脳の視床下部からホルモンが分泌されると、それに反応して脳の下垂体から性腺刺激ホルモンを分泌します。性腺刺激ホルモンは生殖器の機能を高める働きがあります。女の子の場合、卵巣が発達して卵子も成熟するため、女性ホルモンの働きも活発になります。男の子の場合、精巣が発達して精子も作られ、男性ホルモンの働きも活発になります。なお、女の子も少量の男性ホルモンを作り、男の子も少量の女性ホルモンを作ります。

その結果、男の子と女の子で体型や機能に違いが出てきます。生殖機能の発達時期や程度は、1人1人違います。

ホルモンの働き
重要な化学物質のホルモンは、体の働きを安定するように調節しています。

内分泌腺からホルモンが作られます。この内分泌細胞には様々な種類があります。それぞれ、形・大きさ・ホルモンの配合が違います。これらのホルモンは血液中を移動し、様々な器官に働きかけます。

ホルモン以外にも、神経(情報の伝達)や免疫(病気の予防)などが体の働きを調節します。

生殖機能の発達(男の子) 編集

※どういう仕組みで射精が起こりますか。

毎日大量の精子を作っているようですが、射精しなかったらどうなるのでしょうか?
男の子は生涯に約1兆5000億個の精子を作ります。精巣が成熟すると、毎日数千万個の精子が作られます。非射精精子は分解されて、体内に吸収されます。精子が溜まっても出さなくて大丈夫です。また、男の子は思春期になると、自慰行為に悩んでいます。しかし、健康に気をつければ、自慰行為の有無や回数を気にする必要はありません。

性腺刺激ホルモンは、男の子の精巣を発育・発達させます。また、精巣内部で精子を作り、男性ホルモンの分泌量も増やします。心身の性的興奮や性的刺激を受けると、陰茎が硬くなって上向きになります(勃起)。その後、精子が精巣から精管を通り、精嚢や前立腺の分泌液と混ざり合って精液となります。性的興奮や性的刺激に脳内で我慢出来なくなると、精液は尿道を通って体外に出されます(射精)。この内、初めての射精を精通といいます。精通の開始時期は男の子によって違います。なお、男の子は、無意識に、睡眠中などのように突然射精してしまいます(夢精・遺精)。しかし、月経や排卵のように周期は決まっていません。男の子の体は精通によって、新しい生命を作れるようになります。

生殖機能の発達(女の子) 編集

※排卵と生理はどのように起こりますか?

何か月も生理がなかったので心配しています。前まで生理が月に2回ありました。
思春期中、ホルモンの分泌はまだ安定していません。そのため、生理周期が頻繁に変わります。毎月の生理周期は生殖機能の成熟に合わせて規則正しくなります。生理は体調と心の状態にも左右されます。心身ともに健康な生活を送るために、運動・食事・休養・睡眠の偏りをなくしましょう。

性腺刺激ホルモンは、女の子の卵巣を発育・発達させます。また、卵巣内部の卵子を成熟させ、女性ホルモンの分泌を増やします。性腺刺激ホルモンは約28日に1回程度、卵子を卵巣の外から卵管に入ります(排卵)。大抵の場合、左右の卵巣から交互に排卵を行います。被排卵卵子の寿命は約1日です。卵子は卵管に入ると子宮に向かって運ばれます。排卵の周期になると、女性ホルモンの影響で子宮内膜も厚くなります。これは、受精卵を育てるための準備です。24時間以内に被排卵卵子と精子が出会わないと、被排卵卵子は壊れて無くなってしまいます。この時、女性ホルモンの分泌量が急激に減り、厚い子宮内膜も剝がれて血液と一緒に体外に出されます(生理・月経)。この内、初めての生理を初経といいます。生理初日から次の生理前日まで平均25~38日になります。生理周期は平均4週間程度で1度ずつ繰り返されるようになります。生理の開始時期は女の子によって違います。なお、生理の血液色は、濃い赤色から鮮やかな深紅色まで様々です。総生理血液量は20~140mLになり、女の子の生理は3~7日程続きます。女の子の体は、初経によって、赤ちゃんを作れるようになります。

受精と妊娠 編集

※どうやって受精と妊娠するのでしょうか?

男の子が女の子の膣内に射精します。被射精精子は子宮を通って卵管へ移動します。一度の射精で1億から6億個の精子を作れますが、卵子に到達して受精出来るのは僅か50個から100個だけです。ほとんどの場合、1つしか受精出来ません。この時、卵子が卵巣から卵管に入ると受精が起きます。受精卵は複数の細胞分裂を経て、子宮内に入り、子宮内膜に沈みます(着床)。受精卵は着床すると、栄養をもらって胎児に成長します(妊娠)。この時、女性ホルモンによって排卵と月経も止まります。

射精と生理を迎えると、妊娠や出産も出来ます。今まで以上に自分を大切にして、相手の心や体の特徴を知って、正しい意識を持てるようになりましょう。

資料出所 編集

  • 東京書籍『新しい保健体育』戸田芳雄ほか編著  2021年
  • 学研教育みらい『中学保健体育』森昭三ほか編著 2021年