中学校理科 第2分野/動物の生活と種類


動物の体の作りと生活

編集

食べ物と体のつくり

編集

動物は食性や体のつくりから、主に肉食動物と草食動物に分類できる。それぞれの体のつくりには明確な違いがある。

  • あご: 肉食動物のあごは、強力な咬合力(こうごうりょく)を持ち、肉を切り裂くことに特化している。一方、草食動物のあごは、植物をすりつぶすことに適している。
  • 歯: 肉食動物の歯は鋭く、獲物を裂くのに適しているが、草食動物の歯は平たく、植物をすりつぶすのに向いている。
  • 目: 肉食動物の目は前方に向いていて、立体視が可能で獲物を狙いやすい。草食動物は目が横にあり、広範囲を見ることができ、捕食者から逃げやすい。
  • あし: 肉食動物の足は短距離での素早い動きに優れており、草食動物は長距離を効率よく移動できるように進化している。

セキツイ動物

編集
セキツイ動物の分類
動物の種類 生活場所 増え方 体表 体温 呼吸
ホ乳類 陸上 胎生 恒温
鳥類 陸上 卵生 羽毛 恒温
ハ虫類 陸上 卵生 うろこ・甲羅 変温
両生類 陸上・水中 卵生 皮膚 変温 肺・えら・皮膚
魚類 水中 卵生 うろこ 変温 えら

セキツイ動物とは、背骨をもつ動物のことである。セキツリ動物は、ホ乳類、鳥類、ハ虫類、両生類、魚類の5つのグループに分けられる。


無セキツイ動物

編集

無セキツイ動物は、背骨を持たない動物の総称で、非常に多様な種類が存在する。代表的な無セキツイ動物には、次のようなグループがある。

  • 昆虫類: 体が3つの部分(頭・胸・腹)に分かれ、6本の足を持つ。呼吸は気管系によって行われる。
  • 軟体動物: 殻を持つもの(貝類)や、殻を持たないもの(タコやイカ)がいる。水中生活をするものが多く、えらで呼吸する。
  • 節足動物: 外骨格を持ち、体が節に分かれている。甲殻類やクモ類が含まれる。

動物の分類

編集

動物は体の構造や生活様式によって、多くのグループに分類される。大きくはセキツイ動物と無セキツイ動物に分けられるが、さらに細かく分類される。

  • セキツイ動物: 背骨を持つ動物。ホ乳類、鳥類、ハ虫類、両生類、魚類が含まれる。
  • 無セキツイ動物: 背骨を持たない動物。昆虫類、軟体動物、節足動物などが含まれる。
分子生物学による分類方法の進歩
かつて、動物の分類は主に形態学的な特徴に基づいて行われていた。体のつくり、繁殖方法、生活環境などが重要な要素だった。しかし、20世紀後半から分子生物学の進歩により、動物の分類方法は大きく変わった。特にDNAやRNAといった遺伝子情報を解析することで、これまで形態的には類似していると考えられていた動物が、実は遠縁であることが明らかになったり、その逆も確認されるようになった。

分子系統学と呼ばれるこの新しい手法では、動物の進化の過程をより正確にたどることができる。DNAの配列を比較することで、どの動物が共通の祖先を持ち、どの時期に分岐したかがわかるようになった。このような技術の進歩は、従来の形態学的分類を補完し、新たな分類体系を確立する手助けをしている。

例えば、かつては単純に「魚類」として分類されていた動物が、分子生物学的なデータに基づいて新たにグループ分けされたり、哺乳類の進化の系譜がより詳細に明らかにされるなど、学問的な進展が続いている。分子生物学の発展により、動物の分類はより精密で包括的なものとなり、進化の理解も深まっている。