地球の地軸の傾きと季節

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地球などの天体の、北極点と南極点をつなぐ見かけ上の軸を、地軸という。

天体によって異なるが、地球の場合は地軸を約23.4°傾いており、太陽の周りを公転している。

またこのため、地球から見た太陽の南中高度は、一年をかけて46.8°の変化をする(旺文社)。

太陽にかぎらず、太陽以外の星でも、この地球の地軸の傾きのために、見える高度が1年を通して変わってくるが、これを年周運動(ねんしゅう うんどう)という。それどころか、ある季節での高度が地面よりも下がれば、その星はその季節には夜中には見えなくなる。なので星座で、「春の星座」「夏の星座」「秋の星座」「冬の星座」といったちがいが生じるのも、この年周運動が原因である。

太陽にもちいて「年周運動」という語を用いても良い(旺文社)。

「年周運動」という考え方を用いることで、太陽も星座も、同じ「年周運動」という法則によって理解することができる。

ただし、「太陽の年周運動」といった場合、慣例的に、「おひつじ座」「おうし座」「ふたご座」(中略)「みずがめ座」「うお座」といった、12星座の位置を太陽が1年間を通して動いているように見える事を言う。

なお、秋(9月ごろ)の星座の「みずがめ座」は、秋には夜に見えるが、太陽はその「みずがめ座」の方向とは逆にある。太陽の当る方向では地球は昼間になるので、夜中に見える星座とは逆の方向に、太陽がある。つまり、「みずがめ座」が見える秋では、太陽は実際には「しし座」の方向にある。

※ 余談だが、星占いの12星座では、自分の誕生日の月には、自分の星座を見ることができない。たとえば「みずがめ座」の誕生日は1月下旬~2月中旬とされているが、しかし、実際に日本で「みずがめ座」を夜中に観測できるのは9月ごろである。上記のような理由で、誕生日には、自分の星座が、太陽と同じ方向に昼間に出没するので、太陽のつよい光で星座が消されてしまい、誕生日の星座をみることができない(旺文社)。

また、この12星座のような、太陽の通り道となる方向のことを黄道(こうどう)という。太陽が年周運動によって通る天球上の経路のことを「黄道」という。あるいは別の言い方をするなら、太陽の年周運動とは、黄道上の方角を太陽が1年を通して移動すること、とも言える。


地球は約一日で、北極側から見て反時計回りに一回転している。これを自転といい、この回転における軸を地軸とする。

この傾きは常に一定であるために、傾きがあることから、1年間で昼と夜の長さが異なり、季節が生じる。

これは地軸の傾きに関係しており、北半球の場合、夏は北の地軸を太陽に向かっているために、春秋に比べて長時間日光が当たる。そのために、春秋と比べて気温が高くなる。

また、冬は北の地軸を太陽と逆に向くために、冬はあまり日光が当たる時間がなく、気温も春秋と比べて低くなる。

北半球と南半球の季節が異なるのは、地軸の傾きによって関係している。

上記がわかりやすい説明とはなるが、正確な説明としては少し間違っている。

地球のような球ではなく平面について考えてみる。

水平な平面上を上から見た時と、やや水平に対して角度のついた平面を上から見た時を比べると、

角度のついた面が小さく見える。

自分の目を太陽として考えたとき、見える大きさが大きいほど太陽光の当たる量は増える。

太陽光が地球における熱の原因なので、この量が大きいほど暑くなるのである。

だから、北半球では夏になると、太陽に対しての傾きが少なくなり、暑くなるのである。


なお、地球だけでなく太陽、月や火星などその他の惑星も、それぞれ自転をしている。

地動説と慣性(かんせい)

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地球は赤道上で、時速約1500キロメートルという高速で回転しているが、私たちは速さを感じず、宇宙に放り出されたりもしない。

これは、どういうことでしょうか?

まず、一つの理由として、万有引力(ばんゆういんりょく)があるからと考えられており、

全ての物は、お互いに引き付けあう。そして、地球も物体なので、他のすべての物を引き付けています。


さて、地球が動いていても、私たちは、地球の動くスピードを感じません。これは、どういうことでしょうか?

それは、たとえば、私たちが電車やバスに乗ってる時、停止状態から動き始めたときにはスピードを感じますが、しばらくするとスピードを感じないのと同じ仕組みなのです。そして、車がブレーキをかけると、今度は反対方向のスピードを感じます。

私たちが感じるスピードとは、じつはスピードの変化(へんか)を、感じているのです。だから、同じスピードで乗り物が動き続けていると、スピードを感じなくなるのです。

中世に地動説を主張した、物理学者のガリレオ(Galileo Galilei/1564-1642)は、「船に乗っている人は、その船の速さを感じない」と例えて、地球が動いていても速度を感じないことを説明しました。

また、船の上で、まっすぐな柱の近くで物を落とすと、船が動いているのに、そのまま、その柱の根元ちかくに落ちます。これは、船といっしょに、船に乗っている人も同じ速度で動いているし、船に乗っている人が持っている物体も同じ速度で動いているからです。

地球と宇宙

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太陽

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※太陽を観察する時の注意

  • 太陽を直接、目で見てはいけません。目を傷めてしまいます。
  • 太陽を直接、望遠鏡で覗いてもいけません。目を傷めてしまいます。
  • このウィキブックスを参考にしての太陽の観察・実験は、なるべくしないでください。仮に太陽の観察に失敗し、目などを負傷されても、ウィキブックス一同は一切、責任を負うことができません。ページ末の免責事項をお読みください。
  • 太陽を観察する場合、市販の本や教科書を参考にするのをおすすめします。


太陽の大きさは、地球の直径に比べて、太陽の直径は約109倍である。太陽の直径は約140万kmである。

地球上から見た場合、太陽はそこまで大きく見えない。太陽の大きさは、月の直径のおよそ400倍にもなるが、

地球から見える太陽の大きさは、月の大きさと同じくらいに見える。

これは地球と太陽との距離がとてつもなく長いからである。

地球から月までの距離は約38万km、地球から太陽までの距離は約1億5000万kmにもなる。

地球と太陽の距離は、地球と月の距離のおよそ400倍にもなるため、太陽と月は同じくらいの大きさに見える。

体積としての比率を求めるため、1³:109³、1:(109×109×109)≒ 1:1300000 となるため、

また、太陽の体積は、地球の体積の約130万倍と考えられる。


太陽の表面の温度は 約6000℃ であり、内部ほど温度は高くなり、太陽の中心部の温度はおよそ1500万℃とも考えられる。


光の進む速度は約300,000㎞/sであり、地球から太陽までの距離は約1億5000万kmもあるために、

150,000,000÷300,000=500、つまり500秒は約8分なので、

太陽から出た光が、地球に届くまでには約8分もかかる。私たちが地上で見る太陽の光は、約8分前に太陽から放たれた光である。

 
太陽の構造:
1. 太陽核
2. 放射層
3. 対流層
4. 光球
5. 彩層
6. コロナ
7. 太陽黒点
8. 粒状斑
9. 紅炎

太陽の質量は、地球の約33万倍です。


  • 黒点(こくてん)
 
黒点

太陽を観測した写真をよくみると、表面に黒い しみ のようなものが見える。これを 黒点(こくてん) という。

この黒点は温度が周囲よりも低く、黒点付近の温度が4000℃ 〜 5000℃ だということが分かっている。

そして、この黒点は、毎日、おなじ方向へ、移動していく。黒点が、太陽の東から西へ移動していく。

これは、太陽が自転をしているからである。太陽が球形のため、黒点の位置が、地球から見た太陽の周縁部に来たとき、黒点は潰れて見える。このことからも、太陽が自転をしていることが分かる。

太陽は固体ではなく、ガス状の物体である。そのため、自転周期が緯度によって違う。太陽の黒点の周期から緯度を調べると、太陽の赤道では、自転周期は約25日である。黒点が東から西へ移動するのに、だいたい12日~13日ていど掛かり、その後、太陽の裏側に12日~13日ほど隠れ、そのあと、再び東側に現れるので、自転周期が約25日だと分かる。

また、太陽上のいくつもの黒点の速さから、太陽が気体であることが分かっている。太陽が固体だとした場合の計算と合わないので、太陽は気体だ、とされている。

  • 太陽の中心

太陽の中心は、水素で出来ている。この水素の原子核 H が4個あつまり、核融合(かくゆうごう)をして、ヘリウムの原子核 He に、かわる。 この核融合反応(かくゆうごう はんのう)のときに、とても大きな熱エネルギーが発生する。

中心部の温度は、理論上、約1600万度だと言われている。


  • 光球(こうきゅう)

太陽の、光って見える表面の部分のことを 光球(こうきゅう) という。 太陽の表面温度が 6000℃ というのは、この光球の温度が 6000℃ だと言うことだ。

  • 彩層(さいそう)

光球のまわりを、気体がとりまいている。これは太陽の大気(たいき)である。この太陽の大気(たいき)の層を 彩層(さいそう) という。

彩層の厚さは数千kmから1万kmにも、およぶ。

彩層は、ふだんは見えないが、日食(にっしょく)の時に、皆既日食(かいき にっしょく)の数秒間だけ見られる場合がある。また、とくべつな望遠鏡で見ることができる。

地球と月と太陽が一直線にならんで、月が太陽の光球を 完全に おおいかくす ことを かいき日食(かいきにっしょく、皆既日食)と、いう。

  • プロミネンス
 
プロミネンス(紅炎)

とくべつな望遠鏡で彩層を見ると、ところどころ、あかい炎(ほのお)が、もえあがっている。 これを プロミネンス という。あるいは 紅炎(こうえん)という。

プロミネンスの高さは数万kmから数十万kmにも、およぶことがある。

  • コロナ
 
皆既日食(かいきにっしょく)では、光球が完全に隠れたときに、白く輝くコロナを見ることができる。

彩層の外側には、うすい気体が広がっています。この層を コロナ といいます。コロナには、光球からの光があたっているが、とてもうすいため、普段は全く見えない。 コロナにあたった光は、光球からの強い光に、かきけされてしまい、普段は気づかない。 コロナの明るさは、光球の100万分の1くらいなので、ふだんはコロナには気づけない。

地球と月と太陽が一直線にならんで、月が太陽の光球を 完全に おおいかくす 皆既日食(かいきにっしょく) の時だけ、太陽の光球が隠れるため、コロナが白く輝く様子が見える。


月の運動と満ち欠け

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月のクレーター。

月は、直径が約3500kmです。地球の約4分の1の直径です。地球から月までの距離は、約38万kmです。

月は、地球のまわりを回っています。約1ヶ月かかって、地球のまわりを月が1周します。

月のように、ある天体が、他の天体のまわりを、まわることを、公転(こうてん)と言います。

月の公転周期は、約29.5日です。

月は、自転周期と公転周期が同じため、つねに地球には同じ面を向けています。

月の満ち欠け(みちかけ)の原因も、月の公転によります。月の満ち欠けの周期も、公転周期と同じく、約29.5日です。


月の表面に見える、黒く見える丸い穴をクレーターと言います。でこぼこした、くぼみがあります。クレーターが出きた理由は、いん石(いんせき、隕石)が衝突(しょうとつ)したからだろう、と考えられています。

クレーターが残っているのは、月には海水や大気が無いので、そのため、水で削られたりせず、風で風化したりもせず、いまだにクレーターが残っているのだろう、と考えられています(旺文社)。

月が球形のため、月の周縁部では、クレーターが、つぶれて見えます。

クレーターとはべつに、月の表面の、黒く見えるあたりを (うみ) または「月の海」といいます。「海」と言っても、月の海には、水はありません。

そもそも、月には、水がありません。月には、空気も、ありません。月には、大気がありません。

月の表面には、海(黒く見える部分)がいっぱいあるけど、裏には、ほとんどありません。


また、月の海は、クレーターでもありません。

月の海が黒く見えるのは、玄武岩のように黒っぽい岩石で出来ているから(受験研究社)、です。


月の表面の、白く見える部分を(りく)または「月の陸」と、言います。

「陸」と言いますが、けっして標高が高いわけではありません。単に、月の表面の、白く見える部分を「陸」と呼びます。

月には雲が無いので、地球からは、月の表面が、よく見えます。

夜空で月が明るく見えるのは、太陽からの光を反射しているからです。月そのものは、光を作っていません。太陽のように光を作る惑星を恒星(こうせい)と言います。いっぽう、月は、恒星では、ありません。

月は、とても昼と夜の温度差が大きいです。

童話や昔話では、ウサギなどが生活していたりしますが、あれは空想です。

実際の月は、1か月をかけて1回の自転をするため、とても昼や夜が長く、昼が2週間を超える場合もあり、夜も2週間を超える場合もあります。そのためもあってか、昼は100℃を超える事もあり、夜はマイナス170℃にもなります。

なお、月は大気がないので、月の温度は、地表面の温度を測定します(受験研究社)。


さて、地球や火星などのように、自らは光を発しない星で、太陽の周りをまわっている天体のことを「惑星」(わくせい)と言います。なお、月は地球のまわりをまわる「衛星」(えいせい)です。太陽以外のほかの星のまわりをまわる星のことを「衛星」と言います。


月の直径は、約3500kmです。地球の直径と比べた場合、月の直径は、地球の直径の4分の1です。地球の方が大きいです。

月と地球の距離は、約38万kmです。 なお、太陽と地球との距離は、約1億5000万kmであり、月と地球の距離の約400倍です。

月の重力は、地球の重力の約6分の1です。月は、地球よりも小さいので、月の重力も、地球より小さいです。 たとえば、仮に地球上で1000グラムの物の重さを、月で、ばねばかりで、はかったとすると、月では166グラム( ≒ 1000÷6 )くらいの重さになります。

いっぽう、月で、天びんで、重さを はかった場合は、両方の皿の上の物の重さが6分の1になるので、つりあいの結果は、地上と変わりません。

月には、大気がありません。この理由は、月の重力が小さいので、空気を引き止められなかったからだろう、と考えられています。


月は自転しています。月の場合、月の自転周期が、公転周期と同じ周期です。このため、月は、いつも地球に同じ面を見せています。

星の種類

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太陽のように、光を発してる星を、恒星(こうせい)と言います。星座をつくる星も、恒星です。月は、恒星ではありません。地球から見た場合に、月が明るく見えるのは、太陽の光を反射してるからです。

いっぽう、地球のように、その星じたいは、光を発しない星で、太陽のまわりを回っている天体を惑星(わくせい)といいます。

月のように、惑星のまわりを回っている星は、衛星(えいせい、衛星)といいます。

たとえば、月は地球の衛星です。月は、太陽の衛星では、ありません。


月は、地球のまわりを、回っています。このように、星が、星のまわりを回っていることを、公転(こうてん)といいます。

地球そのものも、太陽のまわりを、公転しています。地球が太陽のまわりを1まわりするのに、1年かかります。季節が1年ごとにくりかえす理由は、地球の太陽のまわりの公転です。

星と銀河

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銀河系(ぎんがけい)の想像図(そうぞうず)

太陽系は 銀河系(ぎんがけい) という星の集団の一部にしか、すぎません。つまり、銀河系の中に、太陽系があります。

銀河系の形は、うずをまいた円盤状(えんばんじょう)の形をしていることが分かっています。銀河系の恒星の数は、約1000億個~2000億個もあります。


銀河系の大きさは、とても大きいので、キロメートルだと不便です。そこで 光年(こうねん) という 距離の単位を使います。

1光年の距離は、そのあいだの距離を移動するのに、光でも1年もかかる長さです。1光年は約9兆5000億kmです。

そして、この光年という単位をつかうと、銀河系の直径は10万光年です。

なお、光の速度は、1秒間に約30万kmである。(地球を7週半するほどの速度に相当する。)

わたしたちの太陽系は、銀河系の中心から、およそ3万光年、はなれた場所です。銀河系の中心は、私たち地球から見て、いて座の方向にあります。

夜空で、数十個から数十万の星があつまって見える場所を 星団(せいだん) とか 星雲(せいうん) とかと、いいます。

  • アンドロメダ銀河
 
アンドロメダ銀河

星座のアンドロメダ座のそばに見える、いくつもの星があつまったアンドロメダ星雲(アンドロメダせいうん)は、私たちの銀河系とはべつの星です。なので アンドロメダ銀河(アンドロメダぎんが) とも言われます。


  • 発展「天文単位」

太陽から火星までの距離などでは、光年だと、ものさしが大きすぎます。

そこで、太陽から地球までの距離を1とした「天文単位」という尺度があります。

なお、太陽 - 火星 の距離は 1.5237 天文単位です(受験研究社)。

太陽系の惑星など、比較的近くにある星との距離を示す場合などは、天文単位が使われることも多い。

なお、地球と太陽は1億5千万 km だけ離れています。つまり 1天文単位 = 1億5千万 km です。

指数で表示すると

1 天文単位 = 1.5× 108 km

です。

  • その他の単位

そのほか、パーセクという単位があり、単位は pc です(旺文社)。パーセクは、年周視差といわれる角度をもとにした単位です。


天体の動きと地球の自転・公転

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地球は自転と公転を行い、この運動によって天体の動きが生じます。地球の自転は、自転軸を中心に西から東に向かって1日1回転します。この自転によって、太陽や星は東から昇り、西へ沈む様子が見られます。

また、地球の公転は、太陽を中心に約1年かけて軌道を周ります。この公転によって、太陽の位置が季節によって変わるのが観察されます。

(※ 参考書についての業務連絡 :)地球の自転の観測について、受験研究社の参考書では、「フーコーの振り子」について、物理分野で語られている。(中学生は知らなくていい。編集者むけの連絡。)
ほか、旺文社・受験研究社ともに、「コリオリの力」について地学の分野で言及。

太陽・星の日周運動と地球の自転

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太陽や星の日周運動は、地球の自転によって生じる現象です。太陽は、地球の自転軸と傾いた面との交点(赤道上の春分点や秋分点など)を中心に、1日1回転するように見えます。

このため、太陽は東から昇り、西へ沈む様子が観察されます。また、夏至や冬至では、太陽の高度が最も高くなったり低くなったりするのが特徴的です。

星の場合も同様に、地球の自転によって日周運動が生じます。星の位置によっては、春分点や秋分点と同様に、特別な位置関係になり、この位置を基準にして星座を区別することがあります。

星の年周運動と地球の公転

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星の年周運動は、地球の公転によって生じる現象です。地球が太陽を中心に公転するため、観測者の位置から見える星の位置は、季節によって異なります。

例えば、夏の時期には夏の大三角や冬の大三角が観測できるようになります。これは、太陽が黄道上を移動することによって生じる現象です。

太陽の日周運動と地球の公転

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太陽の日周運動とは、地球上で見た場合に太陽が東から昇って西に沈むまでの一連の運動のことをいいます。

太陽の位置は、地球上の観測者の位置と日時によって異なります。例えば、春分の日には、太陽は地球の赤道上にあり、昼と夜の長さはほぼ等しくなります。

これに対して、夏至の日には、太陽は地球の北半球の天頂付近にあり、北半球では昼が長くなります。また、冬至の日には、太陽は地球の南半球の天頂付近にあり、南半球では昼が長くなります。

地球の公転と太陽の日周運動が重なり合うことで、季節の変化が起こります。たとえば、北半球の夏至の日には、太陽が北半球の天頂付近にあるため、北半球では夏となります。

一方、南半球では冬至の日に太陽が南半球の天頂付近にあるため、冬となります。

小まとめ
  • 自転: 物体が自分自身を中心に回転すること。地球が自転することによって、太陽や星の日周運動が生じる。
  • 公転: 物体が他の物体の周りを回ること。地球が公転することによって、季節の変化や星の年周運動が生じる。
  • 天体: 太陽や惑星、衛星、恒星、銀河など、宇宙空間に存在する自然物体の総称。
  • 太陽:太陽系の中心に位置する恒星で、地球に最も近い星。
  • 星:自己発光する恒星や、他の恒星からの反射光を放出する惑星を含めた天体の総称。
  • 日周運動:地球上から見た太陽や星の一日の運動。地球の自転により生じる。
  • 年周運動:地球上から見た星の一年の運動。地球の公転により生じる。
  • 軌道: 物体が公転するときに楕円の道筋。地球が太陽の周りを回るときの軌道を太陽系の一部として考えることができる。
  • 星座: 星空を仮想的に分割したもので、惑星や恒星などの配置から形成される図形。星座は、星座帳や星図などで観測することができる。
  • 赤道:地球の自転軸に対して垂直な平面上に引いた円で、地球を半分に分ける。
  • 黄道: 太陽が地球の周りを公転する際に描く軌道。黄道上には、12の星座が配置されており、黄道帯とも呼ばれる。
  • 春分点: 赤道と黄道が交差する点で、春分の日に太陽が通過する点を指す。
  • 秋分点: 赤道と黄道が交差する点で、秋分の日に太陽が通過する点を指す。
  • 夏至: 太陽が一年のうちで最も高く昇る日。北半球では昼が最も長く、冬至に対して反対の現象が起こる。
  • 冬至: 太陽が一年のうちで最も低く沈む日。南半球では夏至に対して反対の現象が起こる。
  • 大三角: 天空に三つの星が三角形を形成して見える星座の一つ。夏の大三角や冬の大三角などがある。
  • 天頂:観察者の頭上の天球上の点。
  • 観測: 物体や現象を観察すること。天文学では、望遠鏡や天体観測機器を用いて、天体の位置や動きを観測することができる。
  • 季節: 天体の動きや気候によって、一年を四つに分けた期間。春、夏、秋、冬がある。
  • 北半球・南半球:地球を赤道で分けたとき、北にある半球と南にある半球のこと。

太陽系と惑星

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太陽系の天体

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太陽を中心に、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星の8つの惑星(惑星)が公転しています。これらの惑星を覚えるために、「水金地火木土天海(冥)」という言葉を使うことがありますが、冥王星(めいおうせい)は今では準惑星に分類されます。

また、月は地球の衛星であり、太陽の周りを公転しているわけではありません。このように、恒星(こうせい)の周りを公転する天体を惑星、惑星の周りを公転する天体を衛星と呼びます。

太陽系には、惑星や衛星、そして小惑星や彗星(すいせい)などがあります。夜空に輝く(かがやく)惑星や月は、太陽に照らされているため見えるので、これらの惑星から見た地球も同じように輝いていると考えることができます。

まとめ
惑星 (わくせい)

惑星とは、恒星の周りを公転し、自身も光を発しない天体のことです。太陽系には、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星の8つの惑星があります。

水金地火木土天海(冥)(すいきんちかもくどてんかい(めい))

これは、惑星を覚えるための助けとなる、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星の順序を覚えるための呪文のような言葉です。冥王星は現在、準惑星に分類されています。

衛星 (えいせい)

惑星の周りを公転する天体を衛星と呼びます。例えば、月は地球の衛星であり、木星には、イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストなど、約67個の衛星が存在しています。

小惑星 (しょうわくせい)

小惑星とは、おもに火星と木星の間の軌道で、太陽の周りを公転している、数メートルから数百メートルくらいの小さな天体のことを指します。小惑星は主に岩石で構成されています。

彗星 (すいせい)

彗星とは、太陽系外から飛来し、太陽に接近することで太陽光を反射して輝きを放つ天体のことを指します。彗星は核(かく)と呼ばれる固体物質と、その周りに広がるガスと塵(ちり)から構成されています。

金星の動き

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金星の観測モデル。満ち欠けがない外合時に観測上の視直径は最小となり、地球に最も近づく内合時(の直前)に視直径が最大となる。

金星は、地球よりも、太陽系の内側にあるので、真夜中には金星は見えない。 金星は、明け方、東の空に見えることから明けの明星、夕方、西の空に見えることから宵の明星といわれる。

惑星

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惑星は、次のように、火星および火星より太陽に近い「地球型惑星」と、火星より外側の「木星型惑星」とに分類される。

偶然かもしれないが、地球型惑星は、二酸化炭素が多い。

いっぽう、木星型惑星には、メタンを大気とする惑星が多い。

一説には、原始太陽が水星などの水素を吹き飛ばしたからでは、という説もあるが(受験研究社)、しかしだとすると、水星に二酸化炭素などの別の大気が残っている事を説明しづらい。このためか、旺文社では、その水素吹き飛ばしの仮説は紹介していない。


あまり地球から離れた惑星の内部は定かではないが、

地球側惑星も木星型惑星も、ケイ酸塩や鉄などを、内部構造の中核としていると考えられている。


一口に「木星型惑星」とひとまとめに分類しているが、しかし木星・土星は、木星の衛星数 72個以上、土星の衛星数 53個以上 と衛星が多い。一方で、海王星は14個であり、衛星数の開きも大きい

このため、「木星型惑星」のひとまとめにした傾向などは、受験研究社は紹介していない。


地球型惑星

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水星

水星は、大気をもたない。これは、水星が小さいために重力が小さく(水星は地球の6%ほどの質量)、十分な大気をとらえられなかった、と考えられている。実際に水星の質量は地球の 6% ほどでしかない(旺文社)。

またこのため、水星の表面が良く見え、クレーターなども発見されている。

太陽系では地球よりも内側の惑星なので、地球から水星を見ると、満ち欠けをして見える。


大気が無いため、大気による熱の運搬が無いので、太陽の光の当たっている面と、裏側の当たってない面とで、温度差が激しい、と考えらている。光の当たっている面は400度以上、裏側はマイナス160度もある、と考えられている(旺文社)。

金星

金星は、表面は厚い雲のようなもので、おおわれている。

このため、ふつうの天体望遠鏡では、くわしい事は分からない。

その他の方法による調査で、金星は大気をもち、大気には二酸化炭素が多いことが分かっている。

この大気によって、温室効果が起きて、表面温度は高いと考えられている(旺文社、受験研究社・脚注)。

金星の大きさは地球に近く、この事は、地球も金星も大気をもつことと一致している。


金星は表面が高温であり400℃以上にもなるので、機器を近づけると壊れてしまうので、あまり調査が行われず、それもあってか、金星の詳しい事は分かっていない。

また高温なので、水は液体の状態では存在していない(受験研究社)、と考えられている。

太陽系では金星は地球よりも内側の惑星なので、地球から見ると、満ち欠けをして見える。

「あけの明星(みょうじょう)」や「よいの明星」と言われる天体は、金星である。

火星

火星は、大気があるが、大気がうすい。

火星の大きさ(赤道版型)は地球の半分くらいであり、さらに質量は地球の10%でしかない。このため、火星は重力が弱く、十分な大気を確保できなかったのだろう、と考えられている。

木星型惑星

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木星

木星には、「大赤斑」(だいせきはん)といわれる、大気の うず があります。木星は、太陽系のなかで一番大きい惑星です。

土星

土星は、太陽系の中で2番目に大きい惑星です。

土星は、大きなリングを持ち、望遠鏡でも観察することができます。

また、土星の形状をよく見ると、赤道面の方角がふくらんでいる。


天王星

天王星は青い。天王星の青は、メタンガスの色だと考えられています。

海王星

同様に、海王星も青い。海王星はメタンガスを多く含んでいると考えられている。

内惑星と外惑星

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内惑星の位置関係
 

太陽系で、地球より内側の惑星のことを内惑星という。

地球と内惑星と太陽が一直線上にある状態を「合」という。合には、図のように2種類ある。

内惑星が、太陽と地球の内側にある場合の合が、内合である。

内惑星が、太陽と地球の外側にある場合の合が、外合である。

内合を起こせる惑星は、水星と金星だけである。(月は惑星ではない)


また、図を見ると分かるように、内惑星は夜中には見ることができない。

さらに、昼間には、太陽の光にかき消されるなどして、見えない。

したがって、日の出の直前または日没直後の時間帯にしか見ることができない。


いっぽう、外惑星は、内合・外合ではなく、「合」と「衝」の2種類である。図のように、外惑星が地球から見て太陽の反対側にいる場合が衝である。

外惑星が衝の近くにいるときは、夜中にも見ることができ、観測しやすい。


彗星

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彗星の運動と尾の方向の関係
太陽に接近すると尾が生じる。イオンの尾はほぼ常に太陽と逆の方向を向いているが、塵の尾は曲線状になる

彗星(すいせい)は太陽系のひとつで長い尾をひいてかがやく星です。なかには、決まった周期で太陽のまわりをまわるものもあります。また、彗星の本体は『核』(かく)とよばれる氷のかたまりです。よく「よごれた雪玉」と、たとえられます。

すいせいの尾は、そのすい星から太陽への向きと、逆方向です。

すい星の進行方向にそって尾が出来るのではないです。

これは、すい星の氷が、太陽の近くに来た事によって溶けて蒸発して、そして太陽のエネルギーでそのまま蒸発したチリやガスが飛ばされている(「太陽風」などで飛ばされている)、と考えられています。

なお、太陽風とは、太陽から噴き出した陽子や電子の流れです(旺文社)。

※ 太陽風については、中学範囲外です。

彗星の事実

  • 彗星は主に氷と塵(ちり)でできているので、「汚れた雪玉」と表現されることがあります。
  • 岩石やチリでできたものとガスでできたものの2つの尾があります。
  • 彗星の尾は常に太陽の逆にあります。
 
ハレー彗星


なお、すい星が地球の近くにきたとき、そのチリが地球の重力にひかれて、大気と衝突して発光する流れ星となる現象があります。

すい星以外にも、なんらかの小さな天体が地球の近くくれば、地球の重力にひかれて、そして大気で発光する流れ星になります。

※ 範囲外: 惑星の英語の名前の由来

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以下は、太陽系の惑星と月と冥王星の名前と、対応する古代ローマ神話またはギリシャ神話の神の名前と、それらがどのような特徴や象徴を持っていたかを簡単に説明したものです(日本語で書きますが英語表記と原語表記も併記します)。

水星 (Mercury) - ローマ神話の神・メルクリウス (Mercurius) / ギリシャ神話の神・ヘルメス (Hermes)
水星は、太陽系の惑星の中で最も小さく、軌道が短いことで知られています。メルクリウス(ヘルメス)は、旅行、商業、不正行為、盗みなどの神であり、素早く動くことを象徴する神でもあります。

金星 (Venus) - ローマ神話の神・ヴィーナス (Venus) / ギリシャ神話の神・アフロディーテ (Aphrodite)
金星は、地球から見て明るく美しい星として知られています。ヴィーナス(アフロディーテ)は、愛と美の女神であり、美しさ、愛情、芸術、そして生殖力を象徴しています。

地球 (Earth) - ギリシャ神話の神・ガイア (Gaia)
地球は、私たちが住む星です。ガイアは、地球を象徴する女神であり、自然、地球、生命、豊穣を司る女神として崇拝されています。

(Moon) - ギリシャ神話の女神・セレーネ (Selene) / ローマ神話の女神・ルーナ (Luna)
月は、地球の衛星であり、私たちが日々目にする自然現象のひとつです。セレーネ(ルーナ)は、月を司る女神であり、夜、月、美、そして神秘を象徴しています。

火星 (Mars) - ローマ神話の神・マルス (Mars) / ギリシャ神話の神・アレース (Ares)
火星は、赤い色が特徴の惑星であり、戦争の神としても知られています。マルス(アレース)は、ローマ神話やギリシャ神話において戦争、暴力、破壊を象徴する神であり、戦いの勇気や力を与える神でもあります。

木星 (Jupiter) - ローマ神話の神・ユピテル (Iuppiter) / ギリシャ神話の神・ゼウス (Zeus)
木星は、太陽系の惑星の中で最も大きく、軌道が広いことで知られています。ユピテル(ゼウス)は、天空や雷を支配する神であり、最高神とされています。また、権力、法律、秩序、そして父性を象徴する神でもあります。

土星 (Saturn) - ローマ神話の神・サトゥルヌス (Saturnus) / ギリシャ神話の神・クロノス (Chronos)
土星は、特徴的な環を持つ惑星として知られています。サトゥルヌス(クロノス)は、時間や収穫を司る神であり、長い時間とともに成長するものを象徴する神でもあります。また、財産や富、農業にも関係する神です。

天王星 (Uranus) - ギリシャ神話の神・ウラノス (Ouranos)
天王星は、太陽系の惑星の中で最も斜めに軌道を取ることで知られています。ウラノスは、天空や星座を司る神であり、大地や海を生み出した神でもあります。

海王星 (Neptune) - ローマ神話の神・ネプトゥーンス (Neptunus) / ギリシャ神話の神・ポセイドン (Poseidon)
海王星は、青い色が特徴的な惑星であり、海を象徴しています。ネプトゥーンス(ポセイドン)は、海や地震を支配する神であり、海の生物や漁業、航海にも関係する神です。

冥王星 (Pluto) - ローマ神話の神・プルート (Pluto) / ギリシャ神話の神・ハーデース (Hades)
冥王星は、太陽系の準惑星であり、かつては惑星とされていました。プルート(ハーデース)は、地下界の王であり、死者の支配者として知られています。また、豊穣や地下の富を象徴する神でもあります。

星の明るさ

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星には、いろいろな明るさのものがあります。明るい星から1等星(いっとうせい)、つぎに明るい2等星(にとうせい)、そのつぎに明るい3等星(さんとうせい)、つづけて同じように4等星・5等星・6等星・7等星・8等星,・・・・・と明るさによって分けられています。人間の目では、6等星(ろくとうせい)まで見えます。また星には、いろいろな色のものがあります。白っぽい星や赤っぽい星などです。さそり座のアンタレスは、赤っぽい色の1等星です。

1等星の明るさは、6等星の明るさの、約100倍です。1等星より明るいものは0等星や、-1等星(マイナスいっとうせい)になります。

星座を夜の空に、さがすときは、1等星や0等星などの、明るい星を、手がかりにして、さがすと、さがしやすいと思います。

星の動き

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地球から見た星の見え方は、じつは、時間が立つとともに動きます。 この理由は、地球が自転(じてん)をしているからです。

見ている空の方角によって、どの方向に、どのくらい星が動くかがは違います。北の空の星空では、だいたい1時間に15度くらい、北極星のまわりを、北極星を中心とした円に沿って、回っています。向きは、時計の針(はり)とは、反対向きに、北極星のまわりを回っています。

ところで15度という数字と、一日の長さについて、考えよう。

一日は24時間でしたよね。24時間に15度をかけてみましょう。

24 × 15 = 360

答えは、360です。なお、円の角度は360度です。

さきほど説明した、「1時間で、星の動きは15度」というのは、北の空の星空での場合です。

南の空や、東や西の空では、星の、1時間あたりの動きの方向などが、ちがいます。


たとえば、7月7日の午後7時から、さそり座を1時間ごとに観察したとしましょう。午後8時ごろ、東の空に見えるさそり座は、午後10時ごろには南の空を通り、その後、西の空に動きます。星の動きの方向は、太陽の動きの方向と同じです。時間とともに星は動きますが、星の並び方はかわりません。

北の空の星座

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北斗七星(ほくと しちせい)
 
カシオペヤ座。「W」のような形をしている5個の星が、カシオペヤ座。

日本から、北の空を見ると、 北斗七星(ほくと しちせい) と カシオペヤ座 が見える。 北斗七星の形は、「ひしゃく」という水をくむための道具のような形をしています。

 
ひしゃく

また、カシオペヤ座は、5つの星が「W」のような形で並んでいる星座です。

北極星は、北の方角にあります。時間が経っても何日が経っても、北極星はいつでも同じ位置に見えるため、方角を知る際には重要な星です。北極星の周りの星は、北極星を中心に動いて見えます。実際には、他の星が北極星の周りを公転しているわけではなく、地球の自転軸の方向(南北方向)と同じ方向の延長線上に北極星があるため、地球から見た場合には北極星を中心にして他の星が公転しているように見えるのです。

これらの北の空の星は、日本から一年中夜に見ることができます。

北極星は2等星なので、見つけにくいかもしれません。代わりに、北斗七星やカシオペヤ座を利用して北極星を探すことが一般的です。北極星とカシオペヤ座の間には、おおよそ北極星が位置しています。

なお、北斗七星は星座ではなく、おおぐま座の一部であり、北極星は星座ではなく、こぐま座の一部であり、こぐま座のしっぽの先が北極星になっています。こぐま座のしっぽの先とその周辺は一年中見ることができます。

毎日同じ時刻に星座の位置を測定すると、星座の位置は1ヶ月で約30度ほど北極星を中心に回転し、1年間には12ヶ月あり、12×30=360°となります。したがって、1日あたりの変化は約1度となります。このように、同じ時刻に見える星の位置が少しずつ動いていくことを「年周運動」と呼びます。

星座早見

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星座早見

夜空で星座をさがすのには、 星座早見(せいざ はやみ) という道具が便利です。


宇宙の法則

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ハッブルの法則

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音源が左手に向かって等速で動いている場合。物体の運動方向の前方の波長は短くなり、反対側の波長は長くなる。

宇宙は膨張している。1929年、天文学者のハッブルは、つぎのような観測事実をもとに、銀河が遠ざかっていることを発見した。

ハッブルは観測によって、恒星から地球にとどく光のスペクトルが、地球から遠い星ほど、ドップラー効果によって、赤くなっていることを発見した。

※ 中学理科の検定教科書ではドップラー効果を教えないが、しかし当wikiでは、その方法を取らない。結果の丸暗記をさせない。
※ なお、別の単元だが、旺文社に、コラムで「ドップラー法」と分光器の話が書いてある。系外惑星の単元のコラム。
受験研究社では、物理の単元で、ドップラー効果を教えている。なお、指導要領の中学カリキュラムには含まれていないようであり、旺文社では物理ではドップラー効果を扱わない。

地上で測定された各元素の輝線スペクトルよりも、星の光から観測したスペクトルのほうが距離に比例して赤く偏位しているのである。この、遠い星ほど光が赤いという事実を、赤方偏移(せきほう へんい)という。

ドップラー効果については、高校の物理科目で高校では習うはずなので、物理の参考書を読め。

サイレンを鳴らした車が自分の近くを通りすぎるとき、通りすぎる前と通り過ぎたあとで、音の高さが違って聴こえるのもドップラー効果である(受験研究社)。

光にもドップラー効果はあるものの、しかし私たちが作ったような自動車などが運動するような速度では速度が低すぎて光のドップラー効果は観測できない。だが、宇宙の規模での速度だと、もっと高い速度なので、光のドップラー効果も観測できる。

ドップラー効果では、波の発生源が遠ざかるほど、波長は長くなり、つまり振動数が低くなる。

青い光と比べて、赤い光は、波長が長く、振動数が低い。つまり、赤くなるほど、波長が長くなっている。そして、地球から遠い恒星ほど、赤い光になっているのだから、遠い星ほど、より速く遠ざかっていることになる。

つまり、遠ざかる速度 v が、観測地点である地球からの距離 r に比例している。比例定数を H とすれば、式は

v = Hr

で表される。 この比例定数Hを、発見者のハッブルの名前にちなんで、ハッブル定数という。

そして、このような事実から、宇宙は膨張している事がわかる。

このような宇宙の膨張の法則をハッブルの法則という。

(※ ここに、ハッブルの測定結果のグラフを追加。)
※ 「ハッブルの法則」の結果は、中学理科の参考書でも習う(受験研究社、旺文社)。
「ハッブル - ルメートルの法則」とも言う。ハッブルの他、ルメートルという科学者も同じような時期に同じような事を言っている事が分かったので、ルメートルの名前が加えられた。


さて、このように、宇宙にある星どうしは、おたがいに、どんどん遠ざかっている。つまり、宇宙は、膨張している。

裏をかえせば、過去にさかのぼると、昔は今よりも、星どうしの距離が近かったのである。ならば、宇宙が誕生した瞬間は、すべての星が、一点に集まっているはずである。(受験研究社も、同様の論理展開)

膨張の速度から逆算すると、宇宙が誕生した時期が分かり、宇宙は約137億年前に誕生した事になる。(受験研究社では138億年になっている。このように数値に多少の誤差はある。)

宇宙の始まりの瞬間は、以上の論理から、物質の密度がとても高かったことが考えられている。現在の宇宙にある物質すべてが、一点に集まっていたからである。

また、宇宙の始まりのときの温度については、宇宙での元素の種類や割合などの理由から、宇宙の始まりの温度は、とても高温であったと考えられている。

ビッグバン

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宇宙の始まりの瞬間は、きわめて高温・高密度であったと考えられている。そして、それが急激に膨張していったと考えられている。このような説をビッグバンといい、1948年に物理学者のガモフによって提唱された。


※ その他、旺文社が、3K背景放射を紹介。ダークマターを紹介。
受験研究社が、「ビッグクランチ」や「ビッグクリップ」などを紹介。

ダークマターなど色々な説があるが、まだ不明な点が多い。

※ コラムなど

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すい星
彗星って何?

チリやガスを含む雪玉で、太陽とカイパーベルトの間を公転しています。太陽系の彗星の公転軌道はとても大きい卵型なので、太陽を1周するのに数十年から数千年をかけます。

見た目は?

望遠鏡を使わずに見ることができる彗星はまれで、見るためには望遠鏡が必要です。

太陽から遠く離れている彗星は、黒い岩石やチリが氷におおわれていますが、太陽に近づくと氷が溶け始め大量の水やガスが放出されます。地球でも彗星やその尾が見られることがありますが、たとえ1本に見えても実際には2本あります。

彗星の多くは数kmから数百kmの大きさですが、その尾は数百kmの長さです。

空で彗星を眺めるには

数百年ごとに見られるめずらしい見事な尾を持つ彗星を大彗星と呼びます。前回は1910年に確認されましたが、再び見るには数百年待たなければなりません。天文学者も大彗星がいつどのようにやってくるかはわかっていません。もし近いうちに彗星が見られると聞いたら、以下のやり方で彗星を見てみましょう。

  1. 空のどのあたりにあるか見つけましょう
  2. 大彗星の多くは望遠鏡でも見られないことが多いので、いすを用意して望遠鏡や双眼鏡を用意しましょう。
  3. 両親に公園など街の灯が少ない場所に連れていってもらいましょう。

彗星の尾はぼんやりしていて見えないことが多いですが、尾が地球の大気に触れると燃え上がり、流星群(りゅうせいぐん)が見えるときもあります。

どのくらいの彗星があるの?

彗星は太陽から遠くはなれて公転軌道で移動しているので、望遠鏡でも確認できず誰も数えられません。ですが、毎年アマチュア天文家が地球に接近した100以上の彗星を発見しています。2005年11月までに2857個確認され、その多くは太陽に衝突したり太陽系外へ飛び去ったりします。


どのように名付けられるの?
 
エドモンド・ハレー氏

多く発見者にちなんで名付けられます。同時に発見された場合にはヘール・ボップやシューメーカー・レヴィのように連続した名前になります。

歴史上の有名な彗星は?
  • ハレー彗星は初めて発見された最も有名な彗星です。
  • エンケ彗星は2番目に発見された彗星です。
  • シューメーカー・レヴィ第9彗星は初めて太陽系の惑星に衝突したことが確認された彗星です。
彗星は不幸を招くの?

昔は天文学の理解が足りなかったことから、いくつかの文明では彗星は王の死や戦争での敗北などの不幸がおとずれるきざしであると関連付けられていました。その一方で、富や食料の増加など幸運を招くきざしと考えた文明もあります。

1910年にハレー彗星が確認された際には「彗星の尾によって地球が汚染される」という騒動が起こったものの、実際には地球の大気に何の影響もありませんでした。

※ 参考書の発展項目

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旺文社が「ジャイアントインパクト説」(巨大衝突説)を紹介。

「巨大隕石衝突説」ではなく「巨大衝突説」で紹介。


地軸の歳差運動と「へびつかい座」

実は、地軸の向きは、2万6000年くらいの周期で、軸の向きが変わっている。

これは、物理学でいう、コマの「歳差(さいさ)運動」というもので説明できる。だが、それを力学の計算で説明するには、大学生レベル(それも理系の大学)の大学2年生を超える学力が必要なので、説明を省略する。

高校の物理では、歳差運動を説明できない。

正月などに回すコマ、そのコマの回っている様子をよく観察すると、コマの自転の軸そのものが、ゆっくりとだが、周期的に向きを変えている。それが歳差運動である。


この地軸の歳差運動によって、へびつかい座が、黄道にかかるようになった、というのが旺文社の見解。