中学校社会 公民/国家財政・地方財政とその役割

国の財政

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財政について、1年間の国または収入を歳入(さいにゅう)と言います。 4月1日から、翌年の3月31日までの1年間が、会計での一年の年度です。

財政について、一年間の年度の支出を、歳出(さいしゅつ)と言います。

国会できまった政策(せいさく)や事業(じぎょう)の計画を実行にうつすには、お金が、かかります。 警察や消防などにも、お金が、かかります。公立学校の運営にも、お金が、かかります。市役所や県庁や中央官庁の運営にも、お金は、かかります。このような公共サービスを行うのにも、お金が必要になります。


道路やダム、港、上下水道など、社会全体で利用したり活用したりする設備や施設を社会資本(しゃかいしほん)と言います。社会資本の多くは、投資の規模が大きくて、民間に投資させるのは不向きです。また、みんなが使うものなので、個々人に別個に所有させていては非効率です。なので、道路やダムなどの建設は、国などが支出をして建設していくのが一般です。なお、社会資本のことをインフラストラクチャーとかインフラとも言います。たとえば「道路インフラ」とか「港湾インフラ」と言ったら、社会資本として見た場合の道路や港のことです。


国や地方などの命じる道路建設や、国や地方の命じる災害対策工事などの土木工事のことを、公共事業(こうきょう じぎょう)と言います。この公共事業にはお金がかかります。そして、国のお金は、税金として、あつめられます。

一般に、道路やダムや公共の電気網・水道設備などを社会資本(しゃかいしほん)に分類されます。

このような国の政策や国の事業計画を実行するためのお金の出し入れのことを、財政(ざいせい)と言います。 国だけでなく、市町村や都道府県などが行う政策や事業のお金の出し入れも、おなじように財政(ざいせい)と言います。


一般の家庭や企業の収入・支出については、「歳入」・「歳出」とは言いません。歳入歳出という場合は、国の財政や都道府県・市町村などの財政の場合の用語です。

財政について、これからの一年間の歳出と歳入の計画を、予算(よさん)という。そして、前の一年間の歳入と歳出を、決算(けっさん)という。

公債

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国の歳入は税金だけでなく、国債(こくさい)という、国が金を借りるための債券を政府は発行していて、民間などから借入れています。

※ 中学で「国債」という場合の国は、特にことわりのないかぎり、日本国のことであり、「国債」とは日本の国債のこと(つまり 日本国債)。ただし高校からは、場合によって外国債のハナシもあるので(特に高校『世界史』などの科目)、高校入学より以降は文脈によって判断せよ。

つまり、(日本)国債で金を借りている者は(日本)政府です。金を貸している者は、国債の購入者です。

※ よく世間では国債を「国の借金」とたとえるが、しかし検定教科書では、その言い方はしていない。単に、国債は「借金」であるという言い方しかしてない。

国債は借金ですので、国債を購入した相手に、将来的に利子をつけて返却しなければなりません。

※ 検定教科書でも、そう言っている。よく世間では、「国民に返す」と言ってる人がいるが、しかし2019年現在の日本国際は、一般国民の多くは国債を購入してないので、それは間違いである。
※ 日本国債を購入しているのは、銀行などの金融機関が多いといわれるので、金融機関に利子をつけて国債を返却することになるでしょう。

なお、日本政府ではなく地方公共団体が発行している債券のことを地方債(ちほうさい)といいます。

国債や地方債をまとめて公債(こうさい)と言います。(※ 東京書籍、教育出版、育鵬社などで「公債」を紹介) 国債も地方債も借金です。つまり、公債は借金です。

不景気がつづいて税収が減った時に、税収の不足分をおぎなうために国債を発行する事が多いと言われています(※ 検定教科書でも、そういっている)。

国債の返却は、将来にわたって、国民の税金によって返却が行われることになります(※ 検定教科書でも、そういっている)。

歳入と歳出

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歳出の内訳

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  • 国債費(こくさいひ)

国債で借り入れた金は国の借金なので、当然、歳出として返さなければならない。国債費は、その年度に返すぶんの国債の金額である。国債の利子(りし)や元本(がんぽん)の返済のぶんである。

  • 社会保障(しゃかいほしょう)関係費(かんけいひ)

社会保険(しゃかいほけん)・生活保護(せいかつほご)・社会福祉・失業対策など。

社会保険(しゃかいほけん)とは、事故や病気や高齢などに備えて、国民が事前に強制的に入らされる保険です。医療保険(いりょうほけん)、年金保険(ねんきんほけん)、介護保険(かいごほけん)、雇用保険(こようほけん)、労災保険(ろうさいほけん)の5種類の社会保険があります。

国民の高齢化によって、社会保険が増えていくことが予想されています。(2014年に記述。)


  • 地方交付税(ちほう こうふぜい)交付金(こうふきん)

地方財政をたすけるため、国は地方に金を出しています。地方が受けとる国からの交付金を地方校税と言います。国は、地方校税をはらう側の立場なので、つまり地方交付税を交付する側の立場なので、地方校税交付金が、国の歳出になります。


  • 公共事業(こうきょうじぎょう)関係費(かんけいひ)

国や地方などの命じる道路建設や、国や地方の命じる災害対策工事などの土木工事のことを、公共事業(こうきょう じぎょう)と言います。国の歳出における「公共事業関係費」とは、国が、この公共事業に払う歳出のことです。


歳入と税金

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主な税金の種類
  直接税 間接税

 所得税 
 法人税 
 相続税
 消費税
 酒税 
 揮発油税 
 関税 
 たばこ税 






 都道府県民税 
 事業税 
 自動車税 
 地方消費税
 たばこ税 
 ゴルフ場利用税

(区)


 市区町村民税 
 固定資産税 
 市町村たばこ税  
 入湯税 

国民は、納税の義務を負っている。(憲法第30条:「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負う。」)

・ 直接税と間接税
所得税と法人税は、税金をおさめている納税者(のうぜいしゃ)と、税金を負担している人( 担税者(たんぜいしゃ) という)が同じ人である。 このような 納税者と担税者とが同じ税金を 直接税(ちょくせつぜい) という。いっぽう、税金を納める人と、税金を負担する担税者が別々の人である税金を 間接税(かんせつぜい) という。たとえば 消費税(しょうひぜい) が間接税である。酒税も間接税です。

・ 国税と地方税
税金には、都道府県や市町村に納める(おさめる) 地方税(ちほうぜい) と、国に納める 国税(こくぜい) がある。

主な税金の種類

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  • 所得税(しょとくぜい)
仕事をして個人が収入をえた時に、その収入にかかる税金。収入が多くなるほど税率が大きくなる 累進課税(るいしん かぜい) という仕組みが取られている。もし、累進の度合いが大きすぎると、多く働くほど労働量に対しての利益率が悪くなるので、累進度を高めすぎることは、経済的に危険である。
所得税は、高額納税者ほど税を多く払うので、そのぶん高額所得者の儲け(もうけ)が減り、国民の所得を平均化する作用がある。税金は、国民みんなのために使われるので、高額所得者から多くとった税金は、低所得者のためにも使われることになる。こうして、高額所得者の儲け(もうけ)の一部が低所得者に流れたことになる。このような高額所得者から低所得者へ、累進課税などによって、お金が流れる仕組みを 所得の再分配(しょとく の さいぶんぱい) と言う。


  • 法人税(ほうじんぜい)
会社などの法人(ほうじん)の1年ごとの利益にかかる税金。
  • 消費税(しょうひぜい)
商品の値段に一定にかかる税金。
日本では、税率は、個人の収入には関係しない。
税金を納める人は、商品を売った人が、税務署に納める。
税金を負担する人は商品を買った消費者である。値段の中に、消費税の分がふくまれていることが普通である。
日本では、税率は2014年4月1日から 8% である。2013年までは消費税率は 5% であった。

なお、消費税のように、税金を負担する人と、税金を納める人がちがう税金を 間接税(かんせつぜい) という。

(※ 範囲外?)消費税の「逆進性」

収入の低い人にも消費税がかかるので、消費税の負担の感じかたが、収入の少ない人ほど重い負担と感じる場合もある。このようなことを、消費税の「逆進性」(ぎゃくしんせい)などと言う。(日本では、多くの人は累進課税を税における公平感の基準に考えているので、消費税は逆進的に感じる。)

必ずしも、だれもが健康とは限らないし、また、格差が固定化するのを恐れているので、累進課税によって所得を平均化するのが望ましいと、日本では考えられている。

このため、あまり消費税を大きくするべきではない、という意見もある。しかし、けっして収入が低いからと言って消費税の税率が高くなるということは無いので、そこは勘違いしないように。

  • その他の税金
・ 住民税(じゅうみんぜい) ・・・ 住所を登録している市町村などの自治体に払う税金。このため、住民税は地方税である。直接税である。
・ 固定資産税(こていしさんぜい) ・・・ 保有する土地や家屋などの不動産(ふどうさん)などの固定資産(こてい しさん)にかかる税金。小学校では、不動産と固定資産のちがいは、考えなくて良い。「不動産」は法律用語で、「固定資産」は会計用語というだけの、ちがいにすぎない。なお、土地などの不動産に対し、いっぽう株などの資産を動産(どうさん)という。地方税である。直接税である。
・ 相続税(そうぞくぜい) ・・・ 親が死ぬと、子供に財産が受け継がれる。財産をうけつぐことを相続(そうぞく)という。相続のとき、受け継がれる資産が一定額以上だと、税金がかかる。この相続の時の税金を相続税(そうぞくぜい)という。
・ 贈与税(ぞうよぜい) ・・・ 他の人からお金や資産をもらったとき、その額が一定額以上だと税金がかかる。

所得税などの累進課税では、収入の低い人は負担をへらすほうが公平だろうという考え方にもとづいている。いっぽう、消費税は、収入に関係なく、同じに税率をかけるのが公平だろうと考えている。


税金は、だれかが負担しなければ、いけないのです。

公道などの道路を作ったり修理したりするのにも税金は使われています。ほかにも、公立の学校の設備や公立学校で働く先生や職員などの人の給料にも、税金は使われています。市役所や郵便局など役所の設備や、そこで働く人の給料にも、税金は使われています。警察署や消防署も、税金がつかわれています。

道路をなくすわけには、いきません。市役所や郵便局なども、なくすわけにはいきません。だから、税金が必要になるのです。


読者の学生は、大人になったら、会社などで働きはじめる人が多いでしょう。働いて収入をかせぐことは、所得税という税金をはらうことでもあります。けっして「募金(ぼきん)やボランティア活動をすることだけが、社会への貢献だ」なんてことは、ありません。仕事をするということは、結果的に所得税を税金を払うという、一種の募金のような行為でも、あるのです。

歳入の内訳(うちわけ)

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国が歳入をあつめるには、税金として集めるほかに、民間などから「借りる」という方法もあります。

  • 国債(こくさい)
 
国債の推移(1982年4月以降)。
赤が内国債、黄色が短期証券、青が借入金、水色が一時借入金。

国が民間からお金を借りる場合は、「貸してあげてもいい。」と考えている人からお金をかります。このため、国債(こくさい)という、「将来、利子を払って元金(もときん)とともに国がお金を返します」という権利をきめた証券(しょうけん)を、国が発行し販売します。

税収だけでは必要な財政支出をまかなえない場合に( 「赤字財政」(あかじ ざいせい)と言う )、国は国債を発行します。

国債は、国の借金なので、期限が来たら、国は、借りた分の元金に利子をつけて借金を返さなければなりません。なので、国債が多いと、あとで国の財政が苦しくなります。 国債の借金を返すための財源は税金です。なので、国債の借金は、将来の国民の負担になります。


なお、地方公共団体が発行する借金の債権を 地方債(ちほうさい) と言い、国債と地方債をまとめて 公債(こうさい) と言う。

国債や地方債の残高が、毎年、どんどんと増加しています。つまり、国や地方公共団体の借金が、増加しています。このため、「借金が本当に返せるのか?」とか不安視もされています。財政の改革が必要になっています。国の事業の経費の節減や、不要な事業の廃止や民営化が必要だろうと、よく言われる。


  • 印紙収入(いんし しゅうにゅう)

国が歳入をあつめるには、税金と国債のほかにも、印紙収入(いんし しゅうにゅう)というのが、あります。役所で手続きをする場合、手数料が必要になる場合があります。このとき、利用者は印紙(いんし)というものを役所の窓口などで購入し、役所に出す書類などに印紙を貼って(はって)提出します。印紙収入とは、役所が印紙を販売したことによる収入です。政府が印紙を発行しています。

  • 租税(そぜい)

税金として集めた金額を 租税(そぜい) と言います。国債は租税ではありません。印紙収入は租税ではありません。 所得税や法人税や消費税など、税金として集めた歳入が租税です。


・ 統計(とうけい)データ

2010年度(平成22年度)
租税・印紙収入が41%(くわしくは40.5%)であり、公債金が48%、のこりの11%はその他の収入。
歳入の総額 92兆2992円 。
(財務省、「日本の財政関係資料」をもとに作成。)


2009年度
租税・印紙収入が52.1%であり、公債金が37.6%である。その他の収入が10.3%である。
歳入の総額 88兆5480円 。(財務省、「日本の財政関係資料」をもとに作成。)

景気の安定化

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国の財政の役割としては、景気の調整という役割もあります。 不景気のときには、民間に仕事が少ないので、公共事業などを行い支出を増やすことで景気を向上させようとします。また、減税を行い民間に、流れる資金を増やします。この他、政府は中央銀行とも協力して、さまざまな政策を行います。

逆に、好景気がゆきすぎてる時は、増税をしたり、公共事業を削減(さくげん)したりして、景気を落ち着かせる場合があります。 好景気がゆきすぎると、物価が高くなりやすく(インフレになりやすく)、生活が苦しくなる場合があります。

このように、政府が財政を利用して、景気を調整しようとする政策のことを 財政政策(ざいせい せいさく) と言います。

発展:財政投融資(ざいせいとうゆうし)

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税収や国債にもとづく予算とは別に、政府や国の信用にもとづいて集めた資金による予算が存在していた。その資金を、政府が地方公共団体や政府の関係機関に投資したり融資したりしていた。これを財政投融資といい、かつては郵便貯金などが財源にあてられていた。これは道路の整備や地域の開発のように、多くの人々の生活に深いかかわりのあるものの普通の銀行や金融機関は資金を出しにくい事業に出資される。

2001年からは、財政投融資は債券になっており、財投債(ざいとうさい)という債券が発行されている。

かつて財政投融資は規模が大きく、一般会計の半分ほどの大きさだった時代もあった。そのため、財政投融資は「第二の予算」とも言われていた。しかし近年、財政投融資の規模は縮小している。

コラム 古い社会資本の劣化と更新の問題

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※ 帝国書院などにコラムあり。

日本では、1960年代ごろの高度経済成長期あたりに、日本各地で多くの道路や水道、河川には橋など、多くの 社会資本が整備されてきました。

ですが21世紀をすぎた現在、それらは老朽化してきています。また、実際に老朽化した水道管が破裂するなどの事故、ときどき起きています。

整備して最新のものに取り替えようにも、財政難などの問題もあり、なかなか簡単にはいきません。

だから、もしかしら作り変えをするのではなく、その土地でその社会資本を廃止するという選択肢を取らざるをえない可能性もあります。

今後は少子高齢化による人口減少の問題もあるので、そういう未来の状況のなかで、その社会資本を維持できるのか、維持すべきなのか、それとも維持をやめて封鎖や取り壊しをすべきなのか、色々と考えていかざるをえません。

※ 高校の範囲

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「ふるさと納税」という制度があります。これは所得税や住民税を納める際などに、自分の住んでいる自治体ではなく、希望する他の自治体に税金を収める制度です。(教育出版「公共」の見解)

自分の住んでいない場所を「ふるさと」と言うべきか日本語の語感として疑問もあるかもしれませんが、まあこういう制度もあります。