中学校社会 公民/流通のしくみ
卸売(おろしうり)
編集商店での商品の調達は、ふつうは、けっして商店が直接に工場などの生産者から買ってるわけでは ありません。 たいていの場合は、仲介の業者が、商品をつくった生産者と、商品を売ってる商店との間に入っています。その仲介業者は、 問屋(とんや) とよばれたり、または 卸売業者(おろしうり ぎょうしゃ) などとよばれます。
日本には、多くの商店があるので、もしも生産者から直接に買い付けていては、大変な手間が かかってしまいます。 生産者も小売店も、手間が大きく、かかってしまうのである。仲介業者が、生産者から商品を買い、それを商店などの 小売業(こうりぎょう) に売っているのです。
例として、北海道以外に住んでいる読者に質問しますが、たとえば牛乳を買うときに、毎回、北海道の酪農農家を訪問して牛乳を買いに行きたいですか?
問屋(とんや)という業種があることで、生産者は問屋とだけ販売交渉をすればよく、また商店などの小売業者(こうり ぎょうしゃ)も、問屋とだけ交渉すれば、よいのです。
小売店(こうりてん)
編集私たちが買い物をする一般の商店のことを小売店(こうりてん)と言います。
商店街の商店や、スーパーマーケットやデパートやコンビニエンスストアなどが小売店です。
小売店や卸売業などをまとめて、商業(しょうぎょう)と言う。
流通
編集生産者から小売店を経て、私たちの手元にまで商品が届くながれのことを流通(りゅうつう)と言います。
商品を運ぶ運輸業なども、流通の一部です。
最近の傾向
編集- 直接仕入れ(ちょくせつ しいれ)
生産者から小売店までの流通の経路に、卸売業者など中間業者を挟むと、そのぶんお金を中間業者に払わないといけないので、小売価格が高くなる場合があります。
このため、費用の削減のため、大きなデパートや大手コンビニなどの買い付けだと、本社などが、直接、生産者から買い付けて、卸売業者などを通さない直接仕入れ(ちょくせつ しいれ)や一括仕入れ(いっかつ しいれ)を行う場合もある。
- オンライン・ショッピング
インターネットを用いたオンライン・ショッピングでは、小売店を挟む必要が、ありません。
- コンビニなどのPOSシステム(読み: ポス システム)
コンビニでは、レジで会計の時、バーコードを読み取ってレジで値段を計算している。このときに商品の購入情報も読みっており、どの商品が、いつ、どの店で、どれだけ売れたかという情報をコンピューターを通じて本社などに伝えている。このシステムをPOSシステム(読み:ポス・システム)という。
このPOSで入手した情報を、今後の販売戦略に利用している。POSとは「販売時点 情報管理」という意味で「point of sale」のこと。
- (※ 中高の範囲外: )「POSシステム」は Point of sales system の略。商業高校教科書『ビジネス基礎』で確認[1]。
なお、送られる情報は、商品名や商品の数量だけでなく、購入者のおおよその年齢(推測した年齢)や、性別、その日の天気なども、POSでは送られている。
コンビニの他にも、外食チェーンや、ガソリンスタンド、大手ドラッグストアなどの、チェーン展開をしている多くの業種でPOSシステムは活用されている。
- プライベート・ブランド(PB)
小売店の自社ブランドの製品。スーパーやデパートなどの、あるていど大きい小売店に多い。商品で、生産から小売までを、小売店の一つの会社でまとめて行っている。
ブランドの企業の名義(めいぎ)は小売店だが、実際に生産を行っている会社は異なるのが普通である。
- ^ 『ビジネス基礎』、東京法令出版、令和2年12月25日文部省検定済、2022年1月20日 発行、P13