中学校社会 地理/世界と比べてみた日本 農林水産業

農業の生産品は、地域の特徴があり、地域ごとに違っている。たとえば、東南アジアでは稲作がさかんであるが、これは米の栽培には多くの水と温暖な気候が必要だからである。

小麦は、世界各地で作られている。

日本の農業

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基礎知識

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促成栽培(そくせい さいばい)
四国地方や九州地方などの温かい地方では、温かい気候を利用して、他の地方では春や夏にならないと作れない作物を早い季節に作る促成栽培(そくせい さいばい)が、さかんです。高知県(四国)や宮崎県(九州)で、促成栽培がさかんです。
抑制栽培(よくせい さいばい)
 
群馬県の嬬恋村のキャベツ畑。
長野県の高原や、群馬県の高原、北海道などでは、その地方が寒いことを利用して、他の地域よりも出荷を遅らせる場合もあります。
このように、寒い土地の気候を利用して夏物の野菜の出荷を秋にずらすことを、 抑制栽培(よくせい さいばい) といいます。
群馬県では、高原で作った抑制栽培の野菜の 高原野菜(こうげん やさい)が有名です。群馬県の嬬恋村(つまごいむら)は、キャベツなどの高原野菜で有名です。長野県・山梨県の八ヶ岳(やつがだけ)も、高原野菜で有名です。
キャベツのほか、レタス、白菜などが、高原野菜として有名です。

これらの栽培方法(促成栽培、抑制栽培)では、他の地域が作れない季節なので、農家からすれば競争相手が減り、販売価格が高くても売りさばく事ができます。 これらの栽培方法をするとき、ビニールハウスやガラス温室などの施設を用いている場合もあり、このような施設を用いている場合に、施設園芸農業(しせつ えんげい のうぎょう)と呼ぶ場合も、あります。

問題点

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食料自給率(しょくりょう じきゅうりつ)が低いです。 国内産の農産物は価格が高く、そのためやすい外国産の輸入農産物に押されています。多くの農産物では、価格の安さでは海外産に日本産はかなわないので、日本独自の品質の高さや安全性の高い農産物を作って対抗しています。

また、農業を継ぐ(つぐ)、「跡継ぎ」(あとつぎ)の若い人が少なく 高齢化(こうれいか)が、進んで(すすんで)います。

耕地がせまいのも問題です。農家1戸あたりの耕地面積は1.5ha(ヘクタール)です。 1haは1辺が100mの正方形の面積です。つまり、1ha=100m×100m=10000m2です。

1ha=100a(アール)です。

日本の国土は山が多いです。都市部に近い地域の平野では、住宅地や工業用地にも使われているので、ますます農地は少なくなります。

日本の農業の特徴

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日本の耕地では、稲の栽培が、もっとも多いです。稲作は、日本では東北地方や北陸地方で生産がさかんです。 耕地面積の38%くらいが稲です。つづいて飼料用作物が24%で、野菜が13%で、果物が6%、麦が6%です。

耕地面積は、じっさいに植えた農地の面積です。いっぽう、年に二回植えたら2倍として計算した面積を作付面積(さくつけ めんせき)といいます。

作付面積では、野菜のほうが米よりも大きくなります。

米の生産額は、現在では、21%くらいで、野菜の25%よりも少ないです。日本では野菜の生産額は、米よりも多いです。 昔は、コメの方が生産額が多かったです。1980年では、米のほうが生産額が上でした。今では、順位が変わっているので、注意してください。

作物別の傾向

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稲作

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日本でコメ作りがさかんな地域は東北と北陸です。新潟や秋田で、稲作が、とくに多いです。宮城や福島や青森などでも、稲作がさかんです。 北海道も農地が大きいので、米の生産量は多いです。

東北と北陸をあわせて、日本国内の米の生産量の40%ちかくを生産しています。この東北と北陸は、「日本の米倉」(こめぐら)と呼ばれています。

東北や北陸で米の生産が多い理由としては、

  • 広い平野や盆地があり、さらに雪どけ水などで、川に多くの水がある。
  • 冬は積雪でべつの作物の裏作をしないので、夏の米の収穫量が多くなる。

などの理由です。

米の消費量は、へってきています。

第ニ次大戦後の昭和のなかごろから、食事の洋風化や多様化がすすみ、それにともなって米の消費もへりました。

米は、1942年(第二次世界大戦中)に成立した食糧管理法((しょくりょうかんりほう)で、政府が農家から米を買い上げて、米の値段(米価「べいか」という。)を安定させ、農家のくらしをささえていました。ですが、戦後の食生活の変化により、だんだん生産があまるようになり、そのため買い上げている国の財政にも負担になりました。
1970年ごろから、政府は、農家に米の生産をへらすよう、命令をだしました。これが米の生産調整(せいさん ちょうせい)です。米の農地面積を減らすことを 減反(げんたん) ともいいます。

政府は農家に、米をつくらず田を休ませる休耕(きゅうこう)や、米以外のほかの作物に栽培する作物をきりかえる 転作(てんさく) を、農家にすすめました。このように米の生産量を調整することを(米の)「生産調整」(せいさんちょうせい)または「減反」(げんたん)といいます。

1995年には、古い食糧管理法は廃止され、現在では、食料法(しょくりょうほう)に変わっている。

(※ 範囲外?:) なお、食糧管理法の廃止は、1995年に批准されたウルグアイラウンドのミニマムアクセス(最低輸入機会)とも関係している。(※ 参考文献: 清水書院『現代社会ライブラリーにようこそ 2018-19』)

果樹と野菜

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果物は、その果物の種類ごとに、栽培に適している環境が違います。たとえば りんご は、すずしい所でよく育ちますが、みかんは温かい所でよく育ちます。このため、地域の気候など、地域の特性にあった果物が栽培されています。

日本で果物の栽培がさかんな地域は、内陸の盆地や、山麓などの扇状地で、果樹の栽培がさかんです。

りんご
りんごは、すずしい地域が栽培に適しており、青森県や長野県、秋田県、山形県などで栽培されています。青森県の「ふじ」や「つがる」は、特に人気の品種で、甘さと酸味のバランスが絶妙です。青森県は、冷涼な気候と昼夜の寒暖差が大きいことから、りんごの風味が豊かになります。長野県の「シナノスイート」や「シナノゴールド」は、果肉がしっかりしており、甘味が強いのが特徴です。秋田県では、「王林」や「ジョナゴールド」が栽培され、比較的酸味が少なく、甘さが際立ちます。また、山形県の「紅玉」は、酸味が強く、料理や加工品に向いています。りんごの栽培には、寒冷な冬が必要で、春に新芽が出る前の低温が果実の品質を向上させます。
みかん
みかんは、あたたかい場所でよく育ちます。特に西日本では愛媛県、和歌山県、熊本県、広島県などが主要な産地です。愛媛県の「いよかん」や「ポンカン」は、甘みが強く、果汁が豊富です。また、愛媛県では「せとか」や「紅まどんな」といった高級品種も人気で、非常に甘くて風味が豊かです。和歌山県では「みかん」として知られる「紀州みかん」が有名で、甘みと酸味のバランスが良いです。熊本県では「デコポン」などの品種が栽培され、独特の甘さと酸味があります。広島県では「広島みかん」が栽培され、酸味が少なく、甘さが引き立つ果実です。温暖な気候と適度な湿度がみかんの甘さを引き出し、豊かな風味を持つ果実が育ちます。
ぶどう
ぶどうは、気温が高く、雨の少ない、水はけの良い場所で育ちます。主要な産地には、山梨県、長野県、山形県があります。山梨県の甲府盆地では「甲州」や「シャインマスカット」が特に有名で、甲府盆地の扇状地は水はけが良く、ぶどう栽培に適しています。甲府盆地では「甲州」が白ワイン用のぶどうとして知られ、酸味が強く、さっぱりとした味わいが特徴です。また「シャインマスカット」は、甘みが強く、皮ごと食べられるため人気があります。長野県では「マスカット・ベリーA」や「ナガノパープル」が栽培され、果肉がしっかりしており、甘みと酸味のバランスが取れています。山形県では「デラウェア」が有名で、小粒ながら甘味が強く、果汁が豊富です。ぶどう栽培には、晴れた日が続くことが重要で、収穫前に日光を十分に浴びることで、糖度が高い果実に育ちます。
イチゴ
イチゴは、比較的寒冷な地域や温暖な地域で育ちますが、特に栽培が盛んなのは栃木県、静岡県、熊本県、福岡県などです。栃木県の「とちおとめ」は、甘さと酸味のバランスが良く、果肉がしっかりしています。また「とちひめ」なども人気があります。静岡県では「紅ほっぺ」が甘みが強く、酸味が少ないため、食べやすいと評価されています。熊本県の「あまおう」は、非常に大粒で、甘みが強く、ジューシーな果実が特徴です。福岡県では「さがほのか」が、酸味が少なく、非常に甘いです。イチゴは、日照時間が長く、湿度が低い環境でよく育ち、特に冬から春にかけての冷涼な気候が最適です。
柿は、温暖な気候を好み、特に秋に収穫されることが多いです。主な産地には、和歌山県、岐阜県、奈良県、福岡県があります。和歌山県の「富有柿」は、甘さが強く、果肉がしっかりしており、干し柿にも適しています。岐阜県では「筆柿」や「平核無柿」が栽培され、豊かな甘味とさっぱりとした味わいが特徴です。奈良県の「大和柿」は、甘みと酸味のバランスが良く、生食にも適しています。福岡県では「安納柿」が栽培され、甘さが強く、果肉がなめらかです。柿は、秋から冬にかけて収穫され、特に涼しい秋の気候が甘さを引き出します。
梨は、湿度が高く、風通しの良い地域で育ちます。主な産地には、千葉県、茨城県、山梨県、愛知県があります。千葉県の「豊水」は、甘みが強く、ジューシーで果肉がしっかりしています。茨城県では「新高梨」が、大きな果実と豊かな甘味で知られています。山梨県の「幸水」は、酸味が少なく、甘さが際立ちます。愛知県では「豊水」や「新高梨」が栽培され、特に甘みとみずみずしさが特徴です。梨は、湿度が高く、十分な水分と栄養を与えることで、甘くてシャキシャキとした食感の果実に育ちます。
メロン
メロンは、温暖で乾燥した気候が適しており、主要な産地には、茨城県、静岡県、熊本県、長野県があります。茨城県の「茨城メロン」は、甘みが強く、ジューシーな果肉が特徴です。静岡県では「静岡クラウンメロン」が、濃厚な甘さと香りが魅力です。熊本県の「熊本メロン」は、果肉がしっかりしており、豊かな甘さがあります。長野県では「長野メロン」が、さっぱりとした甘さで人気です。メロンは、温暖で乾燥した気候が最適で、日光を十分に浴びることで糖度が高く、風味が豊かになります。
ベリー類
ベリー類は、比較的涼しい気候で育ちますが、温暖な地域でも栽培が進んでいます。主な産地には、栃木県、北海道、長野県があります。栃木県の「いちご」は、甘みが強く、フレッシュな風味が特徴です。北海道では「ブルーベリー」が栽培され、酸味と甘みのバランスが良い果実が収穫されます。また、長野県の「ラズベリー」や「ブラックベリー」も栽培され、酸味が強く、香り豊かな果実が人気です。ベリー類は、涼しい気候が糖度を高め、風味を引き出します。特に湿度が高い環境で栽培されると、果実がジューシーになります。
近郊農業(きんこう のうぎょう)
野菜は、いたみやすいので、消費地の近くで生産されることが多い。
このため、東京に近い、茨城県や埼玉県や千葉県で、野菜づくりはさかんである。
大阪や名古屋の周辺でも同様である。
このように、大都市の近くでおこなわれる農業を、 近郊農業(きんこう のうぎょう) という。

専業農家と兼業農家

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日本の農家の総数は、2010年で、およそ252万戸です。

農家のほとんどは、農家以外でも収入を得ている兼業農家(けんぎょうのうか)です。農家だけで収入を得ている専業農家(せんぎょうのうか)は少ないです。

専業農家は、およそ41万戸である。(2013年に本文を執筆。) 専業農家は総農家数の17%ていどです。今では、ほとんどは、兼業農家です。

兼業農家のなかにも、農家での収入のほうが多い第一種兼業農家と、農家以外での収入が多い第二種兼業農家があります。いまでは、第二種兼業農家のほうが多いです。 第一種種兼業農家が22万戸にたいし、第二種種兼業農家は95万戸で、第二種種兼業農家が総農家の37%をしめています。

兼業農家が多い理由として、農業での収入が低いことです。耕地がせまいので、収入を増やすことも難しいのです。

農業の機械化

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現在の日本の農業は機械化が進んでいます。アメリカ合衆国ほどの機械化ではありませんが、日本が現在は工業国なこともあり、コンバインなどの農業機械は、日本の多くの農家に普及しています。

農家の中には収入を増やすために、機械をもっと多く買って使って生産性をあげようとする農家もいます。ですが機械を買ったり維持したりするのにも、お金はかかります。なので、なかなか収入がふえません。「機械化貧乏」(きかいか びんぼう)といって、機械を買うのに借りたお金や、機械を維持するのに必要なお金で、かえって貧乏になってしまうこともあります。

日本の畜産

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広い地域が利用できる北海道や九州で、さかんです。ただし、牛乳用の酪農(らくのう)は、すずしい・寒い地域にかぎります。

酪農では、群馬県あたりの山間部が、北海道よりも東京都市圏に近く、すずしいので、そのような東京に近くて、すずしい山間部などでも、酪農が行われる場合もある。

日本の林業

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日本の林業は、第二次世界大戦以降、大きな変化を遂げてきました。戦後の経済成長と工業化により、林業は衰退し、木材の輸入が増加しました。また、森林資源の管理強化が試みられたものの、持続的な管理は困難であり、労働力不足も深刻な問題となりました。林業は過酷な仕事であり、若者の労働力が不足しているため、業界全体が縮小しました。

現在、日本の森林面積は約2/3を占めていますが、手入れが行き届かない状態です。木材自給率は約30%であり、輸入に依存しています。しかし、林業の近代化が進んでおり、機械化や技術革新によって生産性の向上が図られています。

未来に向けては、持続可能な森林管理が重要な課題となっています。環境保護と経済利益を両立させる取り組みが進められており、地域密着型の林業や地元資源の活用も進行しています。さらに、ドローンやセンサー技術やAIの導入によって、効率的な森林管理が期待されています。また、気候変動に対応するための森林管理も重要な課題です。

日本の林業は、持続可能な発展に向けて様々な取り組みが進行中であり、地域社会との連携や技術革新が今後の鍵となります。

日本の水産業

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日本列島近海の海流
1. 黒潮(暖流) 2.黒潮続流 3.黒潮再循環流
4.対馬暖流(暖流) 5.津軽暖流 6.宗谷暖流
7.親潮(寒流) 8.リマン寒流

1985年ごろから、日本の漁獲量は減少し、外国からの魚介類の輸入が増加しています。1970年以降に設定された経済水域により、日本の漁獲活動は厳しく制限されました。それまでは、外国の海域で魚を捕る遠洋漁業を行っていた日本にとって、この制限は大きな打撃となりました。

また、過剰漁獲の影響で、世界的に漁獲量が減少しています。魚の保護と持続可能な漁業の推進により、漁獲制限が厳しくなってきています。このため、従来の漁業よりも、養殖や栽培漁業が重視されています。

栽培漁業とは、卵や稚魚の段階で人間が育て、その後自然に返す漁業方式であり、養殖に比べてエサ代などのコストが低いという利点があります。一方、養殖は、海岸近くに「いけす」と呼ばれる外部の魚が入らないプールのような施設を作り、その中で魚を一生育てる方法です。

日本の近海は、暖流と寒流が交わるため、非常に良い漁場となっています。最近では、漁業資源の保護と持続可能な利用が重要視され、技術革新や管理方法の改善が進められています。デジタル技術や人工知能を活用した漁業の効率化が進んでおり、また、地域ごとの漁業管理や漁場の保護活動も強化されています。

用語解説

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養殖

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アワビの養殖。(撮影先の国名は不明)

養殖とは、いけす などで魚や貝などを育てて、あとで食料などにするために、あとで取る仕事です。

カキとノリは、ほとんどが養殖です。カキの養殖は、広島県(ひろしまわん)の広島湾(ひろしまわん)や、宮城県(みやぎけん)の松島湾(まつしまわん)での養殖が有名です。ワカメも、養殖が多いです。

ハマチの養殖や、マダイの養殖なども、あります。ハマチやマダイをそだてるエサは、イワシのすり身(すりみ)などです。このように、魚を養殖するために、ほかの小さな魚がつかわれる場合があります。

逆に、養殖が難しい魚もいます。マグロは養殖が難しいのです。マグロは動きまわるので、いけす に ぶつかりやすく、傷ついてしまい、養殖がむずかしいのです。 養殖がしやすい水産物は、ワカメや、カキのような貝など、あまり動かない生き物です。

養殖は海だけでなく、川や湖でも行われます。うなぎの養殖が、静岡県の浜名湖(はまなこ)で有名(ゆうめい)です。

栽培漁業

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「いけす」や、漁業センターなどで、卵(たまご)を稚魚(ちぎょ)になるまでそだてて、さらにある程度(ていど)の大きさになるまで育てて(そだてて)から、魚を海に放して、その魚をとる漁業です。魚の数をふやすために、このように、たまごをそだてる方法が、おこなわれています。自然の海では、ほとんどの卵(たまご)は、ほかの魚にたべられてしまい、卵から稚魚にかえることができないから、です。

サケの栽培漁業が有名です。マダイも、栽培漁業がされています。 他にも、ヒラメ・カレイなどの魚や、クルマエビ や イセエビ や ケガニ などの甲殻類(こうかくるい)、サザエ や アワビ などの貝類(かいるい)など、各地で、栽培漁業がされています。

沿岸漁業と沖合漁業と遠洋漁業

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沿岸漁業(えんがん ぎょぎょう)
陸から近い海で(日帰りで行ける場所ていど)、漁(りょう)をすることを、沿岸漁業(えんがん ぎょぎょう)と言います。沿岸漁業のうち、海岸に近い場所で漁をすることを 近海漁業(きんかいぎょぎょう) といいます。小型の漁船(ぎょせん)で行くことが多いです。
沖合漁業(おきあい ぎょぎょう)

漁船で行くのに数日ほど掛かる距離の、日本の近海のことを、日本の沖合(おきあい)と言います。日本の沖合で、漁を数日かけて行うことを、沖合漁業(おきあい ぎょぎょう)と言います。中型以上の漁船で行くことが多いです。

 
遠洋漁業(えんようぎょぎょう)を行う(おこなう)、日本のイカ釣り漁船
ニュージーランドのクック海峡(クックかいきょう)にて。
遠洋漁業
沖合よりも遠い北太平洋の海や、南太平洋、大西洋やアフリカ近海などの、日本から遠い海で漁をすることを、遠洋漁業(えんよう ぎょぎょう)と言います。漁の期間は、数カ月ちかく続きます。大型の漁船で行くことが多いです。冷凍設備などの整った大型の漁船が必要です。