三角形の辺と角の大小関係について、次のようなことが言える。
とし、辺AC上に点Dを、 となるようにとれば
- ……(1)
ところで、 は の の外角だから
- ……(2)
また、点Dは辺AC上にあるから
- ……(3)
(1),(2),(3)より、
- 逆( ならば の証明)
であって、 ではないとすると、次のどちらかが成り立つ。
- ……(1)
- ……(2)
(1)が成り立つとすると、二等辺三角形になるので、
(2)が成り立つとすると、前半で示したとおり、
どちらの場合も、仮定 に反する。
よって、 でなければならない。(証明終)
よって、逆も成立する。なお、このような証明法を 転換法 という。
三角形の3辺について、次のようなことが言える。
三角形の2辺の和
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三角形の2辺の和は、残りの辺よりも大きい。
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において、 を証明する。
辺BAをAの方に延長し、その上に点Dを、 となるようにとる。
は二等辺三角形であるから
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において、点Aは辺BD上にあるから
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よって、三角形の辺と角の大小関係より
-
の3辺の長さを、 とすると、上の定理より次のことがわかる。
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三角形の2辺の差
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三角形の2辺の差は、残りの辺よりも小さい。
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であるから、 のとき、 より
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のとき、 より
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が成り立つ。
2つの定理より、三角形の3辺が であるとき、
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が成り立つことがわかる。( は絶対値を表す記号。例えば )
逆に、正の数 が不等式 を満たすとき、3辺の長さが である三角形が存在する。
- 特に、最大のものが ならば、 のみを満たせばよい。