中等教育前期の数学/幾何編/上巻/三角形の辺と角

三角形の辺と角

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三角形の辺と角の大小関係について、次のようなことが言える。

三角形の辺と角の大小

  において

  ならば  
  • 証明

  とし、辺AC上に点Dを、   となるようにとれば

  ……(1)

ところで、    の外角だから

  ……(2)

また、点Dは辺AC上にあるから

  ……(3)

(1),(2),(3)より、 


  • 逆(  ならば   の証明)

  であって、  ではないとすると、次のどちらかが成り立つ。

  ……(1)
  ……(2)

(1)が成り立つとすると、二等辺三角形になるので、 

(2)が成り立つとすると、前半で示したとおり、 

どちらの場合も、仮定   に反する。

よって、 でなければならない。(証明終)

よって、逆も成立する。なお、このような証明法を 転換法 という。

三角形の3辺について、次のようなことが言える。

三角形の2辺の和

三角形の2辺の和は、残りの辺よりも大きい。

  • 証明

  において、  を証明する。

辺BAをAの方に延長し、その上に点Dを、  となるようにとる。

  は二等辺三角形であるから

 

  において、点Aは辺BD上にあるから

 

よって、三角形の辺と角の大小関係より

 


  の3辺の長さを、  とすると、上の定理より次のことがわかる。

 
三角形の2辺の差

三角形の2辺の差は、残りの辺よりも小さい。

  • 証明
 

であるから、  のとき、  より

 

  のとき、  より

 

が成り立つ。


2つの定理より、三角形の3辺が   であるとき、

 

が成り立つことがわかる。( は絶対値を表す記号。例えば )

逆に、正の数   が不等式   を満たすとき、3辺の長さが   である三角形が存在する。

特に、最大のものが ならば、  のみを満たせばよい。