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世界史

概説

京都大学の世界史は東洋史と西洋史に関する問題がそれぞれ2題ずつ出題される。時代に関して言えば古代から現代まで広く浅く出題されており、世界史に関する広範な知識体系の確立が受験生には要求される。問題形式は短答式・小論述式の問題が2題と、長論述式問題の問題が2題というスタイルが定着している。過去には教科書の内容を逸脱した出題がなされたこともあったが、現在では基本的に、検定教科書の範疇を超えない問題が出題されるようになっている(特に論述)。

問題

【1】【3】が300字の論述。【2】【4】が小論述を含む単問集合である。

【1】【2】がアジア系、【3】【4】が西欧系(アフリカも含む)という出題が多い。

頻出分野

地域別にいえばアジア史(特に中国史)とヨーロッパ史が毎年出題されている。近年はそれに加えてアメリカ史が取り上げられるようになってきた。アフリカ史はここ5年程度出題されていなかったが、2008年度と2009年度に取り上げられた。分野別にいえば政治史が頻繁に取り上げられる。当然のことながら、ここで指摘した分野以外も満遍なく勉強するべきなのは言うまでもない。

難易度

京大の世界史は問題自体は総じて標準レベルである。とはいえ、試験で要求される知識それ自体は教科書で充分に事足りるものの、問題量が時間に比べて多いため、世界史のどの分野も穴のないように仕上げておかないと、なかなか高得点は取りづらい出題形式になっているといえる。

近年の傾向

2007年から2009年度にかけては大きな難易度の変化は見られなかった。ここ4~5年は難易度は比較的安定している。 以下のサイトに2011年度までの過去問が全部載っている。 http://www.ne.jp/asahi/wh/class/kakamon.html

対策

まずは資料集や教科書を精読して、おおまかな時代の流れをつかんでおきたい。その上で、問題集を使用して、ゴジック体で強調されている基本語句を覚えていきたい。京都大学の世界史は幅広い分野でのオールラウンドな能力を問うているので、どの分野にも偏りのないように学習しておきたい。定期考査や模試などを活用し、知識の拡充に努めるのが良いだろう。また、資料集などに掲載されている年表を利用し、同じ時代における各地域の状況なども把握しておきたい。特に、フランス革命や第一次世界大戦など、大きな歴史の転換点になった出来事を学習する際は、時代背景とその出来事がその後その地域にいかなる影響を与えたかというようなことを他人に説明できるようになるくらいまで理解しておくことが大切である。論述問題に関しては京大の過去問や他大学の過去問を使用し、制限時間を自分で設けて答案を作成してみるのも効果的である。

日本史

問題

京都大学の日本史入試問題は大問4題から構成されており、第1問が歴史史料をもとにした短答式問題、第2問がテーマに関する歴史文章の穴埋め短答式問題、第3問が3つ程度の文章をもとにした短答式問題、第4問が論述問題(200字×2問)、という形態が定式化している。史料問題に関しては、未見史料をもとに基礎事項を問う、というタイプの問題が多い。配点でみれば、短答式問題が1問1点×70問となっており、論述問題が一題15点×2題となっている。

頻出分野

基本的に古代から近代までを幅広く扱った融合問題であることが多く、偏りはあまり見られない。政治史、外交史、文化史、経済史のどれからも満遍なく出題され、また時代別に見ても、原始、古代、中世、近世、近代、現代のすべてを広く浅く網羅した問題となっている。

難易度

現在のところ、試験本番で要求される知識量は教科書や一般的な用語集で充分対応できるレベルに落ち着いている。したがって、日本史のどの分野も穴がないように学習した者にとってはそれほど難しい問題ではないと考えられる。だが、史料問題では受験生にはあまり馴染みのない史料が取り上げられることがあるので、それにも対処できる能力を養うためには、やはり相当量の学習が必要だと考えられる。また、90分で大量の問題を処理せねばならないので高い処理能力が必要である。

近年の傾向

2007年度から2009年度にかけては難易度に大きな変化は見られなかったが、高水準の出題であったことには変わりない。

対策

京大の日本史で解答を求められる知識の殆どは定期試験や模試等でよく書かされる基本語句レベルである。本番においてこれらを全て正確に解答することができればそれだけでほぼ合格点に近い点数を確保することができる。したがって、まずは教科書を(特にゴジック体になっている重要語句の周りは念入りに)熟読し、図説資料集などで体系的に理解を深め、その語句の意味を用語集で確認するといった作業が必要となる。(語句に関連する情報が多ければ多いほどその語句を覚え易くなるものである。その語句だけを何回も書いて覚えるのは、効率も悪いし応用も全く利かない。時間の無駄である。)もちろん、これだけでは頭に残るはずもないので、覚えた(と思われる)内容を教科書傍用問題集でチェックすることも必要である。また、京大は大問1が史料問題であるから、史料集等を活用し、史料(原典)に慣れておきたい。その際は細かい暗記に走る必要は全くない。その史料がどういう内容を表しているか大まかに掴んでおくだけで充分である。(但し、班田収受の法や、養老律令等の「超」有名な史料に関しては話は別である。この場合はキーワードとなる語句は覚えておきたい。例えば、子代・名代等)論述問題に関しては京大の過去問や、他大学の過去問も参考にしてやってみるとよい。【1】【2】【3】は京都府立大学、【4】は大阪大学の問題が本学の問題傾向と似ており参考にするとよい。

地理

概説

京都大学の地理は豊富な知識量と高度な論述力を受験生に要求しているといえる。よって、付け焼刃の学力では京大地理で合格点を取るのは厳しいといえるが、逆を言えば、基礎固めと問題演習を行えば合格点を確保するのは可能であると考えられる。問題形式は短答式・小論述(要するに説明問題)式の問題が中心である。

問題

産業、社会(都市が多い)、自然及び地図、地誌の4分野からの出題がほとんどであり、自然分野は他の問題の中で小問として扱われることも多い。論述字数は他の2科目に比べて少ないので、解答をコンパクトにまとめる力が要求される。 また図表や統計資料が提示されることも多く、分析能力や読解力を必要とする問題が多い。解答欄の個数は毎年約40個程度である。

頻出分野

近年の頻出分野は、地域別には日本やアジア、分野別には産業分野などであるが、全体的に総合問題的な色合いが強いので、どの地域(どの分野)の学習にも手を抜くべきではない。

難易度

京大地理に要求されるオールラウンドな知識・学力と、統計に対する深い読解力・分析力、ポイントを鋭く突いた記述を短時間で作成する能力は一朝一夕に養成できるものではないので易しいとは言いがたい。常日頃からの学習の積み重ねが必要である。

近年の傾向

2008年度は2007年度に比べてやや難化した。来年度以降も高水準の出題に備えて対策すべきである。

対策

まずは教科書や地図帳などを積極的に併用して、地名や都市名、地域ごとの気候変動のようす等をおさえることが第一歩である。その際は単なる文字列の暗記に止まるのではなく(そもそも効率が悪すぎる)、理由や仕組みなどを第三者にも説明できるくらい理解しておくということが大切である。また、地図帳や付録の統計等にも目を通しておき、なるたけ関連するような情報は(雑学的なものであっても構わないので)仕入れておきたい。農産物や工業製品の統計順位なども理由付けして覚えていくと頭に入り易い。(これは中学地理の要領で構わない。)さらに、2008年度は出題されなかったものの、京大地理では地形図に関連する問題が毎年のように出題されている。普段から教科書や資料集、問題集を使って読図の練習をしておき、地形図に熟達しておきたい。加えて、昔の地形図と現代の地形図の比較の練習もやっておくとなお良い。論述問題に関しては京大の過去問を使用しながら、解答するべき要素を素早く判断し、指定字数以内でまとめる練習をしておきたい。