本項は、京都府立医科大学の入学試験対策に関する事項である。

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京都府立医科大学は、京都市上京区にある医科系単科大学である。京府医大の問題は医科系単科大学らしい難問のオンパレードであり、日本トップクラスの受験生ですら難渋するレベルの問題が例年出題されている。そのかわり、合格最低点も低く出るため、如何にして難問から部分点を稼ぐかが勝負になる。

センター試験

京都府立医科大は医学科はセンター:二次が450:600で、看護学科がセンター:二次が700:100であり、医学科は二次重視、看護学科はセンター重視の大学であるといえる。二次試験は受験生の力が拮抗するので、センターの得点で差がつくことが多い。したがって、きちんとしたセンター対策をすることが京都府立医大合格への近道であるといえる。具体的な得点率としては、看護学科は7割程度、医学科は最低9割は欲しいところである。

英語

京都府立医科大学の英語は120分で4題を解答することになる。問題の内訳は、長文総合問題が2題、長文空所補充問題が1題、英作文1題といったようになっている。まず学校で配布される英語の長文問題集を1~2冊こなそう。教科書やテキストで取り扱われている文章を全文和訳し、教師など第三者に添削してもらうと良い。その際に、分からない単語や箇所がいくつかあるはずだから、文意や文脈から判断して適切な意味に訳すことができるようになるために、まずは辞書を引かずに推測して訳してみると良い。また、和訳したらそれで終わりという学習態度ではなかなか英語の力はつかないので、出来れば暗唱できるくらい読み込むことを勧める。この過程で単語や使えるフレーズ、さらに英語の感覚を身につけることができるのである。さらにテキストの文章には必ず「移植問題」などのテーマが少なくとも1つはあるはずであるから、それについて自分で書籍などで調べ、考えてみることも大切である。(特に告知問題など医療関連のテーマにたくさん触れておきたい。)英作文に関しては何か英作文用の教科書(学校で配布されるはず。)を1冊決めて徹底的にやりこむと良い。問題はすべて解くのと同時に、例文をすらすら暗唱できるようになるまで定着させるとなお心強い。

数学

京都府立医科大学の数学は120分で4題を解答することになる。数IIIの微分積分と、数IIの図形と方程式、加えて空間図形分野が頻出である。近年の特徴として、数IIIに偏りがちであり、それゆえ数学IIIの学習はしっかり行っておきたい。当該大学の数学は医科大学ということもあって難易度は非常に高い。このような問題に対抗するには高等学校で学ぶ基礎事項は全て網羅し、定型的な解法は入試当日までには自由自在に使いこなせるようになる必要がある。したがって、まずは日々の授業の内容を完全に理解するように努めるべきである。その際には、教科書で出てきた基本公式や初歩的な問題は第三者に説明できるようになるまで理解を深めることが重要である。出てきた公式は実際に自分で導いてみると良い。その後受験用問題集を使用して演習を積んでいくことになるのだが、ただ闇雲に演習量をこなすのではなく、1題ごとにその問題の本質は何なのかじっくり考える癖を身に付けておきたい。また、解いた問題の別解を考えてみるのも思考力の養成に大いに役立つ。当然のことながら、演習の際の計算は必ず最後まで自分の手で正確に書き上げるようにするべきである。

理科

150分で2科目を解答することになる。全体的な特徴として、解答量が豊富であり、また知識の面でもややマニアックな語句の解答が要求されることが挙げられる。

物理

3題構成になっており、力学と電磁気は必ず出題される。のこり1題は波動分野か熱力学分野から出題される。頻出分野としては、力学では単振動、円運動、重心系、万有引力と物体の運動。電磁気では電磁誘導、ガウスの法則。熱力学は熱力学第一法則を取り扱った問題、熱サイクル。波動は光・音のドップラー効果、回折格子である。京府医の物理に対処するには闇雲に問題パターンの暗記に走るのではなく(もちろんパターン暗記もある程度必要ではあるが。)基礎基本に立ち返って問題を考える態度を身につけることが必要である。つまり、例えばドップラー効果の公式ひとつ取っても、その式はどのようにでてきたのか、その式は本質的には何を表しているか、そもそもドップラー効果とはどういうものか誰にでもわかるように説明できるだろうか、といったことを常日頃から考えているかどうかがそのまま理解度の差、ひいては入試における点数差に結びついてくるのである。通常の授業にあたっては、出てくる数式がどういった基本原理に基づいて出てきたのかを確認し、その数式がどのような意味を持っているのか説明できるまで教科書や解説書にかじりついたり、友人や教師に質問し、理解を深めることが重要である。その上で公式などは自分で導いてみるのが良い。こういった地道なステップを踏まえたうえで教科書傍用問題集等にあたってみることを勧める。このようにして教科書の基礎を固めた後で、数研出版の「実戦物理I・II重要問題集」やニュートンプレスの「難問題の系統とその解き方」等の本格的な入試問題集に取り組めば良い。なお、問題演習を行う際には、ただ問題量をこなすことに終始するのではなく、問題の別解を考えてみたりすることが思考力を養成する上でも推奨される。

化学

3題構成になっており、無機・理論分野から2題、有機分野から1題出題される。2007年度は無機・理論に代わって総合問題が2題出されたが、2008年度にはもとの形式に戻った。頻出分野に関して言うと、理論分野では結晶格子、化学平衡。無機分野では酸化・還元、中和滴定、元素(特に2・14・15族)の性質と反応、金属イオンの決定。有機分野では有機化合物の構造決定(特に芳香族化合物)、天然・合成高分子化合物である。もちろん、頻出分野以外も満遍なく勉強すべきであることは言うまでもない。全体的な難易度は概して高めであるが、だからといっていきなり背伸びをして難しい問題集に手を出すのは禁物である。まずは教科書や資料集を中心に、一般的な問題集(第一学習社の「セミナー化学I+II」等)を併用して基礎を固めることをお勧めする。当該大学では特に無機分野においてややマニアックな知識を問われることがあるので、資料集は特に隅々まで読み込んでおきたい。その後、数研出版の「実戦化学I・II重要問題集」や三省堂の「化学I・IIの新演習」等の本格的な受験用問題集に取り組むのが良いと思われる。

生物

2007年度までは4題構成だったが、2008年度には5題構成になった。京府医の生物に対応するには、まず教科書と資料集を熟読し、問題集(第一学習社の「新編セミナー生物I+II」など。)を併用して基礎固めと問題演習をすることを勧める。全体として難易度は高いものの、基礎的な問題もかなり混じっているので、それらを取りこぼさないようにするためにも万全な基礎力の養成は不可欠である。また日々の授業で行われる実験には積極的に参加し、実験機器・実験データの扱い方や描図のノウハウなどを習得するとよい。さらに、「Newton」などの科学雑誌で生物関係の記事があればそれを読んでみるのも良い。ブルーバックス等でもそういった生物関連の書籍がいくつもあるはずだから、興味があれば読んでみてもいいかもしれない。

模擬試験

本学専用対応模試というのは存在しない。ただ対策用模試としては、東進+老舗の医系予備校(英進館/野田クルゼ/メビオ/YMS/早稲田アカデミー)「全国統一医学部テスト」(年2回開催)、河合塾の「全統医進模試」がある。これを受験することは現在の自分の位置を知るのに大いに役立つ。また、各大学医学部の入試を分析し、実践に役立つ良問を製作している。よって、積極的に受験することをお勧めする。 また、年に2回行われる駿台全国模試(よくに第2回)では多くの医学部志望者が受験するので、それを受けてみるというのも一つの手である。