公認会計士試験/平成30年第I回短答式/企業法/問題7
問題
編集募集株式の発行に関する次の記述のうち,正しいものの組合せとして最も適切な番号を一つ選びなさい。(5点)
ア.出資の履行をすることにより募集株式の株主となる権利の譲渡は,株式会社に対抗することができない。
イ.取締役と通じて著しく不公正な払込金額で募集株式の発行を受けた者は,当該払込金額と当該募集株式の公正な価額との差額に相当する金額を支払った後でなければ,当該募集株式について株主の権利を行使することができない。
ウ.募集株式の引受人が払込金額の払込みを仮装したことによって株式会社に対して払込みを仮装した払込金額の支払義務を負う場合,当該支払義務は総株主の同意がなければ免除することができない。
エ.募集株式の払込金額の払込みを仮装した引受人から当該募集株式を譲り受けた者は,悪意又は重大な過失があるときは,当該引受人と連帯して,株式会社に対し払込みを仮装した払込金額を支払う義務を負う。
- 1.アイ
- 2.アウ
- 3.アエ
- 4.イウ
- 5.イエ
- 6.ウエ
正解
編集2
解説
編集ア.出資の履行をすることにより募集株式の株主となる権利の譲渡は,株式会社に対抗することができない。208条4項
イ.取締役と通じて著しく不公正な払込金額で募集株式の発行を受けた者は,当該払込金額と当該募集株式の公正な価額との差額に相当する金額を支払った後でなければ,当該募集株式について株主の権利を行使することができないという規定はないから、できる。※仮装払込みをした者の権利行使について209条2項
ウ.募集株式の引受人が払込金額の払込みを仮装したことによって株式会社に対して払込みを仮装した払込金額の支払義務を負う場合,当該支払義務は総株主の同意がなければ免除することができない。213条の2第2項
エ.募集株式の払込金額の払込みを仮装した引受人から当該募集株式を譲り受けた者は,悪意又は重大な過失があるときは,当該引受人と連帯して,株式会社に対し払込みを仮装した払込金額を支払う義務を負うという規定はない。※悪意又は重大な過失があるときについて209条3項