公認会計士試験/平成30年第I回短答式/監査論/問題9

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問題

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 監査人の交代に関する次の記述のうち,正しいものの組合せとして最も適切な番号を一つ選びなさい。(5 点)

ア.監査人予定者は,監査人の交代に際して前任監査人から監査業務の引継が受けられない場合,第三者への問合せ等,他の方法により情報を収集することで監査契約の締結に伴うリスクを許容可能な水準に抑えることができると判断したとしても,監査人予定者は,当該監査業務の契約を締結してはならない。

イ.監査業務の引継は,主に,監査人予定者及び監査人による質問及び監査調書の閲覧によって実施される。前任監査人が過年度に係る監査業務の実施過程で入手・作成した情報は重要であるため,前任監査人は求められた監査調書を全て閲覧に供しなければならない。

ウ.監査人予定者は,前任監査人に対し,経営者による不正又は不正の疑いの有無及び該当がある場合にはその内容を質問しなければならない。この手続は監査契約の締結の可否について適切に判断するために行うものであるため,監査契約の締結の前に実施する必要がある。

エ.前任監査人が監査業務の引継のために,監査人予定者及び監査人に情報を提供する場合は,守秘義務が解除される正当な理由に含まれているが,あらかじめ監査契約書又は監査約款にその旨を明記しなければならない。

1.アイ
2.アウ
3.アエ
4.イウ
5.イエ
6.ウエ

正解

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6

解説

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ア.監査人予定者は,監査人の交代に際して前任監査人から監査業務の引継が受けられない場合,第三者への問合せ等,他の方法により情報を収集することで監査契約の締結に伴うリスクを許容可能な水準に抑えることができると判断したとしても,監査人予定者は,当該監査業務の契約を締結してはならない。か否かについて,より慎重に検討しなければならない。監査基準委員会報告書900第11項

イ.監査業務の引継は,主に,監査人予定者及び監査人による質問及び監査調書の閲覧によって実施される。前任監査人が過年度に係る監査業務の実施過程で入手・作成した情報は重要であるため,前任監査人は求められた監査調書を全て閲覧に供しなければならない。引継の目的に関連しない監査調書は閲覧の対象に含めないことができる。監査基準委員会報告書900A10項

ウ.監査人予定者は,前任監査人に対し,経営者による不正又は不正の疑いの有無及び該当がある場合にはその内容を質問しなければならない。この手続は監査契約の締結の可否について適切に判断するために行うものであるため,監査契約の締結の前に実施する必要がある。監査基準委員会報告書900第9項(4)

エ.前任監査人が監査業務の引継のために,監査人予定者及び監査人に情報を提供する場合は,守秘義務が解除される正当な理由に含まれているが,あらかじめ監査契約書又は監査約款にその旨を明記しなければならない。監査基準委員会報告書900第18項

参照法令基準等

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