公認会計士試験/平成30年第II回短答式/企業法/問題19

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問題

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 有価証券届出書のうちに重要な事項について虚偽の記載がある場合に,当該有価証券届出書の届出者である会社及びその役員等が当該有価証券を当該募集に応じて取得した者に対して負う金融商品取引法上の損害賠償責任(以下「賠償責任」という。)に関する次の記述のうち,正しいものの組合せとして最も適切な番号を一つ選びなさい。なお,当該有価証券の取得者は,その取得の際に当該記載が虚偽であることを知らなかったものとする。(5点)

ア.虚偽記載について故意又は過失がなかったことを証明したときは,届出者である会社は賠償責任を負わない。

イ.有価証券届出書に係る監査証明において,当該監査証明に係る書類について記載が虚偽でない旨の監査証明をした公認会計士又は監査法人は,当該監査証明をしたことについて故意又は過失がなかったことを証明したときは賠償責任を負わない。

ウ.有価証券届出書の届出者である会社が負う賠償責任の額は,損害賠償の請求権者がその請求時前に当該有価証券届出書に係る有価証券を処分した場合においては,請求権者が当該有価証券の取得について支払った額からその処分価額を控除した額を下回ることがある。

エ.賠償責任に係る請求権は,虚偽記載を知った時又は相当な注意をもって知ることができる時から6か月間これを行使しないときは消滅する。

1.アイ
2.アウ
3.アエ
4.イウ
5.イエ
6.ウエ

正解

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4

解説

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ア.虚偽記載について故意又は過失がなかったことを証明したときは取得者が悪意であるときに限り,届出者である会社は賠償責任を負わない。届出者は無過失責任である。金商法18条1項

イ.有価証券届出書に係る監査証明において,当該監査証明に係る書類について記載が虚偽でない旨の監査証明をした公認会計士又は監査法人は,当該監査証明をしたことについて故意又は過失がなかったことを証明したときは賠償責任を負わない。金商法21条1項3号2項2号

ウ.有価証券届出書の届出者である会社が負う賠償責任の額は,損害賠償の請求権者がその請求時前に当該有価証券届出書に係る有価証券を処分した場合においては,請求権者が当該有価証券の取得について支払った額からその処分価額を控除した額を下回ることがある。金商法19条1項2項

エ.賠償責任に係る請求権は,虚偽記載を知った時又は相当な注意をもって知ることができる時から6か月間3年間これを行使しないときは消滅する。金商法20条前段

参照法令等

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