公認会計士試験/平成30年第II回短答式/監査論/問題15
問題
編集監査人の意見表明に関する次の記述のうち,正しいものの組合せとして最も適切な番号を一つ選びなさい。(5点)
ア.監査人は,特別の利用目的に適合した会計の基準により作成される財務諸表の適正性に関する意見を表明する場合には,当該財務諸表に重要な虚偽の表示が存在しない旨を記載しなければならない。
イ.監査人は,監査意見の表明に当たっては,重要な虚偽表示リスクを合理的に低い水準に抑えた上で,自己の意見を形成するに足る基礎を得なければならない。
ウ.監査人は,会計方針の選択及びその適用方法,財務諸表の表示方法に関して不適切なものがあり,無限定適正意見を表明することはできないが,財務諸表全体としては虚偽の表示ではないと判断したときには,除外事項を付した限定付適正意見を表明しなければならない。
エ.監査人は,複数の不確実性を伴う状況において,個々の不確実性について十分かつ適切な監査証拠を入手していたとしても,それらが財務諸表に及ぼす可能性のある累積的影響が複合的かつ多岐にわたる場合には,意見を表明できないことがある。
- アイ
- アウ
- アエ
- イウ
- イエ
- ウエ
正解
編集6
解説
編集ア.監査人は,特別の利用目的に適合した会計の基準により作成される財務諸表の適正性に関する意見を表明する場合には,当該財務諸表に重要な虚偽の表示が存在しない旨がすべての重要な点において適正に表示しているかどうかについての意見を記載しなければならない。監査基準第四報告基準一1,監査基準委員会報告書200第10項(1),監査基準委員会報告書700第32項,監査基準委員会報告書800付録文例4
イ.監査人は,監査意見の表明に当たっては,重要な虚偽表示リスク監査リスクを合理的に低い水準に抑えた上で,自己の意見を形成するに足る基礎を得なければならない。監査基準第四報告基準一3
ウ.監査人は,会計方針の選択及びその適用方法,財務諸表の表示方法に関して不適切なものがあり,無限定適正意見を表明することはできないが,財務諸表全体としては虚偽の表示ではないと判断したときには,除外事項を付した限定付適正意見を表明しなければならない。監査基準第四報告基準四1
エ.監査人は,複数の不確実性を伴う状況において,個々の不確実性について十分かつ適切な監査証拠を入手していたとしても,それらが財務諸表に及ぼす可能性のある累積的影響が複合的かつ多岐にわたる場合には,意見を表明できないことがある。監査基準第四報告基準五4,監査基準委員会報告書705第9項