公認会計士試験/平成30年第II回短答式/管理会計論/問題16
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問題
編集以下の〔資料〕に基づき,次の文中の( ア )および( イ )に当てはまる正しい数値又は語句の組合せとして最も適切なものの番号を一つ選びなさい。なお,( * )に当てはまる数値又は語句は各自推定すること。( ** )には,「高い」あるいは「低い」という語句が入る。(7点)
当社では,第1 年度期首に新規設備投資を行うことを検討中である。内部利益率法と単純回収期間法を用い,投資の経済性計算を行った。内部利益率法によれば,当該投資案の内部利益率は( * )%であり,加重平均資本コスト率より( ア )ポイント( ** )ため,投資案は( * )すべきであると結論付けられる。単純回収期間法によれば,当該投資案の回収期間は( * )年であり,投資案は( イ )すべきであると結論付けられる。
〔資料〕
1.新規設備の購入価額は2,078 億円である。購入価額は購入時に一括して支払うものとする。
2.新規設備導入による税引後正味キャッシュ・インフローは毎年500 億円である。キャッシュ・インフローは年度末にまとめて生じると仮定する。
3.新規設備の耐用年数は5 年であり, 5 年後の処分価値はゼロである。
4.投資の経済性計算を行うに当たっては,加重平均資本コスト率を用いる。各種資金調達方法にかかわるデータは次のとおりである。なお,実効税率は40 %とする。
資金調達方法 | 資金調達割合 | 利子率又は資本コスト率 |
借入金 | 40% | 5% |
資本金 | 60% | 8% |
5.年金現価係数は次のとおりである。
5% | 6% | 7% | 8% | |
5年 | 4.329 | 4.212 | 4.100 | 3.993 |
6.投資案の採否の判断基準となる回収期間は4 年である。
7.内部利益率は補間法により求める。
8.内部利益率および回収期間の計算結果は小数点第2 位を四捨五入する。
ア | イ | |
1. | 0.2 | 採択 |
2. | 0.3 | 採択 |
3. | 0.3 | 棄却 |
4. | 0.5 | 採択 |
5. | 0.5 | 棄却 |
正解
編集5
解説
編集資金調達割合 | 利子率又は資本コスト率(税金考慮後) | |
借入金 | 40% | 5%×(1-40%)=3% |
資本金 | 60% | 8% |
合計 | 100% | 3%×40%+8%×60%=6% |
内部利益率
編集割引率6%のときの正味現在価値:CF 500億円×年金現価係数4.212-新規設備2,078億円=28億円
割引率7%のときの正味現在価値:500億円×4.100-2,078億円=△28億円
割引率 | 6% | IRR | 7% |
NPV | 28 | 0 | △28 |
∴IRR=6+ 28/(28-△28) =6.5%
回収期間法
編集新規設備2,078億円÷CF 500億円=4.156年>4年 ∴棄却
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