公認会計士試験/平成30年第II回短答式/財務会計論/問題16

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問題

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 当社は,退職一時金と確定給付型年金制度を併用している。次の〔資料〕に基づき,X3年度(X3 年4 月1 日〜X4 年3 月31 日)の個別損益計算書における退職給付費用の金額として最も適切なものの番号を一つ選びなさい。なお,計算過程で端数が生じる場合,千円未満を四捨五入すること。(8点)

資料

1.X2 年度末の退職給付引当金は次の項目から構成される。
退職給付債務       44,500 千円
年金資産         12,000 千円
未認識過去勤務費用     4,000 千円(借方)
未認識数理計算上の差異    180 千円(借方)
2.上記1.の過去勤務費用は,X1 年4 月1 日付で退職給付水準を引き上げる改訂を行ったことにより発生したものである。なお,X2 年度およびX3 年度において退職給付水準の改訂は行われず,新たな過去勤務費用は発生していない。
3.上記1.の数理計算上の差異は,X2 年度における年金資産の実際運用収益率が長期期待運用収益率を下回ったために発生したものである。
4.過去勤務費用および数理計算上の差異は,発生年度から10 年の定額法で費用処理している。
5.X3 年度の勤務費用は6,150 千円である。
6.主要な数理計算上の計算基礎は,割引率が2 %,長期期待運用収益率が3 %である。
7.X3 年度における当社からの退職一時金の給付支払額は1,140 千円,年金基金からの給付支払額は410 千円である。
8.X3 年度における年金基金への拠出額は3,000 千円である。
9.X3 年度末における退職給付債務の実績額は51,390 千円,年金資産の公正な評価額は14,450 千円である。
10.過去勤務費用および数理計算上の差異に重要性の原則は適用しない。
1. 5,970千円 2. 7,098千円 3. 7,200千円
4. 7,276千円 5. 7,288千円 6. 7,390千円

正解

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解説

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退職給付債務
一時金支払 1,140 期首 44,500
年金支払 410
 
∴期末 51,390 勤務費用 6,150
利息費用 890
数理差異 1,400
年金資産
期首 12,000 年金支払 410
数理差異 500
 
運用収益 360 ∴期末 14,450
拠出 3,000
未認識過去勤務費用
期首 4,000 費用処理 500
∴期末 3,500

※費用処理500=期首4,000÷(10年-2年(X1.4-X3.3))

未認識数理計算上の差異
期首 180 費用処理 20
∴期末 160
当期発生

500+1,400=1,900

費用処理190
∴期末 1,710

※費用処理20=期首180÷(10年-1年(X2.4-X3.3))

∴6,150+890-360+500+20+190=7,390

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