問題
編集次の文章を読んで,下記の問1~問6に答えなさい。
働く場所や時間帯に縛られないノマドワーカーや在宅勤務など,「働き方」が近年ニュースでも取り上げられている。そしてそれは単に制度としてのマネジメントの問題だけではなく,職場や現場のマネジャーのリーダーシップやマネジメントの問題としても注目が集まっている。
このような働き方の問題は決して近年だけの問題ではなく,経営学の草創期からの問題でもあった。このうち作業環境や作業条件と生産性の問題に取り組んだ代表的な研究の一つが,1924 年から行われるホーソン工場実験と呼ばれる一連の実験である。1900 年代初頭,米国において支配的な管理法は,課業管理と作業の標準化に基づく( A )であったが,ハーバード大学の研究者らは,生理学の知見を基に,休憩時間や賃金,作業条件を様々に設定しながら生産性との関係を調べた。しかし,明確に示されたのはそれらの作業環境や作業条件と生産性の間には関係が見られないという結果であった。彼らはそこから,( B )的存在としての人間に着目し,のちに人間関係論と呼ばれる一連の研究へと展開していくことになる。
ホーソン工場実験における研究に代表される人間関係論以降,リーダーシップやモチベーションなど人間性に着目した実証的研究が現れるようになった。その中でリーダーシップ論では,リーダーシップの行動に研究の注目が集まることになった。その代表的なミシガン大学の研究チームは,リーダー行動の分析を通して,マネジャーの二つのリーダーシップ行動として( C )志向と生産志向を示した。その上で,高業績をあげ,職務満足の向上と離職率の低下をもたらすリーダーは( C )志向の行動をとるリーダーであることを実証的に明らかにした。
ミシガン大学研究グループを率いたR.リッカートは,この後,新しいマネジメントとして(ア)システム4と呼ばれるマネジメントの有用性を提唱した。R.リッカートはマネジメントを独善的専制型など四つのタイプにわけ,それぞれシステム1 から4 とし,システム4 が最も業績が高くなることを示した。
その一方,モチベーションの理論では,動機づけられる報酬の内容だけではなく,動機づけのプロセスに着目する内発的動機づけ理論や期待理論などが提唱された。内発的動機づけ理論では,人が本来報酬を得るための活動そのものに動機づけられることがあることを示し,内発的に動機づけられた個人は,報酬がなくともその活動によって,自己を( D )で自己決定的だと感じるために,積極的にその活動に従事することを示した。また,(イ)期待理論においても,人は報酬があれば必ず活動を起こすモチベーションが高まるわけではないことを示した。
問1 空欄( A )に当てはまる最も適切な語句を答えなさい。
問2 空欄( B )に当てはまる最も適切な語句を答えなさい。
問3 空欄( C )に当てはまる最も適切な語句を答えなさい。
問4 下線部アに関連して,システム4 のマネジメントの特徴を説明しなさい。
問5 空欄( D )に当てはまる適切な語を答えなさい。
問6 下線部イに関連して,期待理論ではモチベーションの強さはどのように表されると考えているか説明しなさい。
正解と解説
編集- 問1
- 科学的管理法
- 問2
- 社会
- 問3
- 従業員(人間関係)
- 問4
- 問5
- 有能
- 問6