呼吸器総論で扱う項目

編集

解剖学

編集
 
呼吸器の構成のシェーマ。

呼吸器は、ガス交換器と気道に分けることができる。ガス交換器は、内に酸素を取り入れ、体内から二酸化炭素排出するための器官である。気道は、体外とガス交換器との間に空気を交通させるための器官である。

気道

編集

気道は、喉頭を境として、上気道下気道に分けることができる。喉頭はおおむね第4〜6頚椎の高さに位置しており、喉頭蓋によって、物理的に気道を境することができる。

上気道
から鼻腔鼻咽腔咽頭喉頭までを指す。外界の空気を取り入れるのに伴い、空気とともに異物や細菌が流入することから、生体防御機構が高度に発達しているという特徴がある。またこの部位は、呼吸器だけでなく、発声器としての役割も兼ねている。
下気道
気管から気管支細気管支から肺胞の直前までを指す。喉頭蓋によって上気道と境されており、健常時には無菌状態となっている。

ガス交換器

編集

ガス交換は肺胞において行なわれる。

生理学

編集

症状

編集

身体所見

編集

検査内容

編集

呼吸器各論で扱う項目

編集

慢性閉塞性肺疾患

編集
  • 慢性閉塞性肺疾患とは

慢性閉塞性肺疾患(COPD:Chronic Obstructive Pulmonary Disease)とは、肺でのガス交換が徐々に制限される疾患であるが、これはあくまで障害される機能による分類であり、更に肺気腫や慢性気管支炎などに分けられる。なお、正確には気管支喘息も慢性閉塞性疾患に分類することが可能である。症状により可逆性の程度は異なり、労作性に呼吸困難を生じる。大気汚染やタバコが主要要因となり、中高年に多い。


上記の要因により、COPDでは、以下の3種類の病変が起こる。

  1. 肺胞壁の障害
  2. 末梢気道(小気管支、細気管支)の障害
  3. 中枢気道(気管、気管支)の粘液腺肥大

このうち、ガス交換の制限に関与する主要要因は末梢気道の障害である。肺胞の障害が主として見られる病変を気腫優位型、中枢気道の病変が主として見られるものが気道病変優位型と言う。しかし、実際にはCOPDはこれら3種類の病変すべてを包括した呼称である。COPDは根本的な治療法がなく、肺の生活習慣病とも呼ばれる。生活指導などを通して予防と症状の進行を抑える事が肝要である。


COPDを診断するにあたって、臨床症状(喀痰・労作性呼吸困難)と危険因子(喫煙、他に職業性の粉塵暴露)の有無に気をつける。日本人のCOPD患者の90%は喫煙者であることから、喫煙歴のある中高年の診断は常にCOPDの可能性を疑うべきである。これらを踏まえて、COPDの診断基準はスパイロメトリーで一秒率が70%未満であることで確定する。



  • 肺気腫
  • 慢性気管支炎
  • びまん性汎細気管支炎
  • 過誤腫性肺リンパ脈管筋腫症


間質性肺炎(拘束性肺疾患)

編集
  • 間質性肺炎とは

主に肺の間質に炎症が起きる。肺間質とは、狭義には肺胞隔壁(肺胞壁細胞を含まない)のことであり、広義には隔壁も含む肺胞と肺胞の間のスペースのことである。肺実質の定義(肺胞上皮細胞と肺胞腔)を考えると、それ以外の部分が広義の肺間質と言ってよい。但し、肺内毛細血管は実質、間質どちらにもあてはまらない。

間質性肺炎には以下のような分類がなされる。

特発性間質性肺炎(Idiopathic Interstitial Pneumonia)特発性肺線維症(IPF)
急性間質性肺炎(AIP)
非特発性間質性肺炎(NSIP)
剥離性肺炎(DIP)
呼吸細気管支関連間質性肺疾患(RB-ILD)
COP、BOOP(閉塞性細気管支炎・器質化肺炎)
原因の特定されている間質性肺炎塵肺症
肉芽腫性肺疾患
膠原病に伴う間質性肺炎
薬剤性肺炎
放射線性肺炎
感染症


  • 病理所見

特発性間質性肺炎の病理学的分類:Liebow(1968)の分類:1.通常型間質性肺炎(UIP: usual interstitial pneumoniae)、2.閉塞性細気管支炎を合併したびまん性肺胞障害(BIP: bronchiolitis obliterans and diffuse alveolar damage)、3.剥離型間質性肺炎(DIP: desquamative interstitial pneumoniae)、4.巨細胞性間質性肺炎(GIP: giant cell interstitial pneumoniae)、5.リンパ性間質性肺炎(LIP: lymphoid inerstitial pnumoniae)の5つに分類。 その後検討され、現在の分類では、1.UIP、2.NSIP、3.OP、4.DIP、5.RP、6.DAD(diffuse alveolar damage)、7.LIP、の7つに分類される。 COPは以前ではBOOP(bronchiolitis obliterans with organizing pneumoniae:器質化肺炎を伴う閉塞性細気管支炎)と言われていたもの。AIPは病理学的にはDADの形態をとる。

  • 診断
  • 特発性肺線維症
  • 膠原病肺
  • 塵肺症
  • 薬剤耐性肺障害


このページ「内科学 呼吸器」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。

参考文献

編集

外部リンク

編集