初等物理学公式集
以下に、日本の物理学教育において大学入学程度の水準までで用いられる、主な公式をジャンルごとに分けて記しておく。
古典力学
編集速度・加速度
編集- 速度
- 距離 x (m) を経過時間 t (s) で等速直線運動する物体の速さ v (m/s)
- 時刻 t (s) における変位 x (m) の物体の平均の速さ (m/s)
- 時刻 t (s) における変位 x (m) の物体の瞬間の速さ (m/s)
- 加速度
- 経過時間 (s) の間の速度の変化 (m/s) の物体の平均の加速度 (m/s2)
- 経過時間 (s) の間の速度の変化 (m/s) の物体の瞬間の加速度 (m/s2)
- 等加速度直線運動
- 一定の加速度 a (m/s2) で加速する初速度 v0 (m/s) の物体の時刻 t (s) における速度 v (m/s) と変位 x (m)
運動方程式
編集
摩擦力
編集- 静止摩擦係数 、垂直抗力 N の物体にはたらく最大静止摩擦力 Fmax
- 動摩擦係数 、垂直抗力 N の物体にはたらく動摩擦力
- 摩擦角 のときの静止摩擦係数
コリオリの力
編集- 速度 、角速度 で回転運動する質量 m の物体にはたらくコリオリの力
ケプラーの法則
編集- 惑星の公転周期 T、長半径 a
万有引力の法則
編集- 質量 M, m、距離 r の物体間にはたらく万有引力 F
- (G は万有引力定数)
- 重力場
- 重力質量と慣性質量の等価性
- 落下
- 位置エネルギー
等速円運動
編集- (周期)
- (バネの力)
- (バネのエネルギー)
- (単振動の角速度)
- (単振り子の角速度)
- 角速度 で回転運動する質量 m の物体が回転の中心から の位置にあるときの遠心力
力学的保存量
編集- (力積)
- (運動量保存)
- (運動エネルギー)
- (力学的エネルギー保存)
- (仕事)
- (仕事率、ワット)
熱力学
編集熱力学
編集以下、理想気体の場合を想定する。
- 気体の圧力
- 気体の仕事
- アボガドロ数
- 気体の状態方程式
- 熱エネルギー
- 分圧と全圧の関係式
熱量と熱機関
- 比熱
- 気体のモル比熱
- 熱エネルギー保存
- 定圧モル比熱と定積モル比熱の差
- 変換熱量とP-V図の面積
- 閉じた系の内部エネルギー変化
- (熱力学第一法則)
波動力学
編集- 横波: 振動方向と進行方向が直交
- 縦波: 振動方向と進行方向が同じ
- 波形の公式
- 振動数を f (Hz)、周期を T (s) とすると:
- 振動数 f (Hz)、波長 λ (m) のときの波の速さ v (m/s)
- 干渉による強め合い
- 干渉による弱め合い
- 入射角を i (rad)、入射波の速さと波長を vi (m/s)、λi (m)、屈折角を r (rad)、屈折波の速さと波長を vr (m/s)、λr (m) としたときの屈折率 n
- (スネルの法則、屈折の法則)
- 波の速さ V (m/s)、観測者の速さ vo (m/s) (近づくとき正)、音源の速さ vs (m/s) (近づくとき正)、元の周波数 f (Hz) としたときに観測される周波数 f' (Hz)
音の場合
編集- うなり振動数
- 弦、両閉、両開気柱の振動
- 片開気柱の振動
- 弦の振動周波数
光の場合
編集- 真空中の光速(定義値)
- 絶対屈折率
- 全反射の条件
- 強めあう回折条件(波長ズレなし)
- 弱めあう回折条件(波長ズレなし)
電気回路
編集- 電流の強さ I (A)、電圧 V (V)、抵抗 R (Ω)
- (オームの法則)
- (キルヒホッフの法則)
- 電気抵抗
- (形状と抵抗値)
- (直列接続の合成則)
- (並列接続の合成則)
- (ホイートストンブリッジの平衡条件)
- (消費電力)
- (ジュールの法則)
コンデンサ
- (コンデンサの電気容量)
- (コンデンサのエネルギー)
- (平板コンデンサの容量)
- (直列接続の合成則)
- (並列接続の合成則)
- (コンデンサの消費電力)
コイル
- (直列接続の合成則)
- (並列接続の合成則)
- (コイルの消費電力)
交流回路
- (交流波形)
- (実効電圧)
- (実効電流)
- (容量リアクタンス)
- (誘導リアクタンス)
- (直列合成インピーダンス)
- (変圧トランス)
- (LC回路の共振条件)
電磁気学
編集静電気・電界
編集- 電気量 q1 (C) と q2 (C) の点電荷間の距離を r (m)、誘電率を ε (F/m) とするときに働く静電気力 F (N)
- (クーロンの法則)
- 電場
- 一様な電場で生じる電位
- 電気的位置エネルギー
- 電流と電荷の関係
磁界
編集- (磁気のクーロンの法則)
- (磁場)
- (線電流の作る磁場)
- (円電流の作る磁場)
- (磁束密度)
- (ローレンツ力)
- (フレミングの法則)
電磁誘導
編集- (磁束)
- (ファラデーの法則)
- (誘導起電力)
量子力学
編集- プランク定数 h、位置の不確かさ 、運動量の不確かさ
- (不確定性原理)
- (質量エネルギー)
原子核物理学
編集- (光電効果)
- (光子のエネルギー)
- (光子の運動量)
- (ド・ブロイ波長)
- α崩壊: ヘリウム核(陽子2、中性子2)を放出
- β−崩壊: 中性子が陽子と電子に崩壊し電子を放出
- γ崩壊: きわめてエネルギーの高い光子を放出
- 核分裂: 原子核が二個以上の部分に分解しエネルギーを放出
- 核融合: 二個軽い原子核が融合しエネルギーを放出