一部の行列は適切な正則行列をかけることによって、対角行列という非常に扱いやすい行列に変形することができる。(対角化)
このページでは、一般の行列について対角化の条件を述べた後、計量空間上の特殊な線形変換の対角化について議論する。
まず、対角行列を定義しよう。
定義
の対角成分以外がすべて0
つまり、 のとき を対角行列という。
次に、対角化可能を定義する。
定義
が対角化可能 正則行列 が存在して
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ページの初めにも少し書いたが、すべての行列が対角化可能であるわけではない。次の定理は対角化可能な条件について述べたものである。
定理
の固有値を 、 の重複度を とする。このとき、以下の(ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)は同値である。
(ⅰ) は対角化可能
(ⅱ)
(ⅲ)
(証明)どこかで線形独立なベクトルと階数の関係が証明されているとよい。