本項は、千葉大学の入学試験対策に関する事項である。

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千葉大学は千葉県千葉市に拠点を置く総合大学である。東京高等工芸学校、千葉高等園芸学校を前身としているという背景から理系色の強い大学である。その他にも国立大学では唯一の法政経学部・園芸学部・看護学部・国際教養学部を有するユニークな学部・学科を多数持ち合わせている大学である。 また、全学部で留学を必須としている。 入試試験に関してであるが、上位受験生にとっては、どの科目も基礎を押さえておけば合格にたどりつけるが、一部難問も見られる。

共通テスト

学部で差はあるものの共通テストと2次試験の配点率は前期で概ね1:2、後期で概ね1:1としているところが多いので、少なくとも前期で75~80%かそれ以上、後期においては80%以上取れれば合格への希望が大きく開けてるだろう。ただし、これは一般的な目安であり上記の共通テスト得点率よりも低い場合でも2次試験で挽回できるので頑張って欲しい。 医学部と法政経学部のみ二段階選抜がある。

前期日程

英語
試験時間は80分。合格への鍵を握る科目は英語である。近年は全3問からなり、第1問と第2問は読解、第3問は文法(熟語)問題という形式が定着している。和文英訳は近年出題されてない。千葉大の読解問題は非常にシンプルな出題内容(例えば、下線部が指している内容を日本語で具体的かつ簡潔に記述・説明する、など)であるが、『超』長文と呼ぶべき量が出題される場合もあるので、対策をしておかないと時間内に終わらない可能性が高い。また、私大型の勉強もそれなりに補完関係にあるが、記述力をつけるために必ず過去問にも当たるべきである。

教育学部英語教育コースのみライティングが課される。制限時間は50分で与えられたトピックに対して250字程度の英語論述をするというもの。

なお、英検習得による加点がある。特に国際教養学部では英検準一級or一級取得かつCSEスコアが2500を超えるか、TEAPで375点以上取ると満点換算され、大きなアドバンテージとなる。 それ以外の学部でも(医学部除いて)実施されているが、持っていなくてもあまり差はつかないと思われる。

数学
微分積分は毎年必ず出るので落とさないようにしたい。また、整数問題も頻出である。学部学科によって解答する問題が異なり、解法パターンの決まった問題から難度の高い問題まで出題される。文系学部は平素の学習は黄色チャートで十分であるが、理系学部は難度の高い問題も出題されるため青チャートを使用するとよい。今までの記述模試の復習も有効である。数学が苦手な受験生は教科書レベルにさかのぼって学習することで部分点は取れるだろう。 数学科と医学部専用問題は上位旧帝に匹敵するほどの難問になることがある。これらの学部を志望してる生徒は千葉大に限らずさらに上の大学の数学の問題も解くと良いだろう。

国語
例年、現代文、古文、漢文の大問3問が出題されるパターンである。字数制限が付された上で記述解答させる問題の出題が形式化しているため、日頃から自分の考えを簡潔に表現できる力を身につけておくことが高得点への第一歩へとつながるであろう。また、漢文や古文を現代訳させる問題も頻出であるので日頃からコツコツ勉強し、古文単語や文法用法に関して知識を蓄えておくことが重要である。

理科
理学部数学・情報数理学科、国際教養学部、一部の教育学部以外の理系受験生は「物理」「化学」「生物」「地学」の2科目から選択。学部学科によって、受験する科目、解答する科目が違う。ちなみに情報・データサイエンス学部、工学部、理学部物理学科は「物理」「化学」、薬学部、理学部化学科は「化学」、理学部生物学科は「生物」必須である。

【物理】

数学科や工学部化学系学科が解答する問題は全体的に標準程度。典型的な問題が多い。ただし制限時間は50分相当とかなり短い為注意。

理学部物理学科、工学部機電系が解答する問題の難易度は全体的に高め。見慣れない設定の問題も多く、計算量の多さも難しさに拍車をかけている。融合問題が出題されることもある。普段から物理の本質を意識して勉強することが大切で、付け焼き刃的な解法暗記したのでは太刀打ちできないだろう。薬学部、医学部では50分相当の為さらに難易度を上げている。

何方にせよ語句問題が出ることがある為、教科書に載っている基本的な語句は答えられるようにすること。

【化学】

化学科、医学部等の専用問題以外は全体的に標準程度。 記述問題もそこそこ出題されてる為、典型的なものは書けるようにしておきたい。

専用問題はかなり難しく、煩雑な計算やマニアックな知識が問われる問題もある。さらに学校ではあまり扱われない合成高分子やアミノ酸等が出題されている。逆に近年は専用問題以外で高分子系は問われてない。

後期日程

大半の学部で後期を実施している。

前期に比べて難易度は大きく跳ね上がる。 特に前期と比べて共通テストの比重が大きい学部が多いため、共通テストで高得点を取らないと挽回不可能になることもある。

後期試験の地球科学科は大学入試にしては珍しく地学が必須となっている。その為後期で考えてる人は注意。

小論文
文学部で実施。試験時間は120分。 歴史学コースと行動科学コースで問題が異なる。

行動科学コース

大問数は1問。内容は英語の超長文である。設問は本文に対し70字で説明する、600字程度で自分の考えを述べる等といったものである。内容も専門的な物の為、難易度は高い。過去問を研究したり、普段から時事について関心を持つことが大切である(これは歴史学コース、法政経学部でも同じことが言える)。

歴史学コース

大問数は2問。1問目は和文、2問目は英文である。法政経学部等に比べると英語長文は長くないものの、当然専門的な内容なので難易度は高い。 大問1の設問はよくある小論文のような内容。大問2は下線部和訳や要約、数百字で自分の考えを説明するような設問が多い。

数学
理学部数学科は180分で6問、工学部、医学部は120分で3~4問を解く。難易度は標準~難程度。昔は医学部専用問題があったが、今後復活するかは不明。

英語
医学部のみ課される。試験時間は80分。医学部専用問題の為、医療系がテーマの長文が2題出題される。設問も難しく、医療系の英単語も覚えてないと辛いところが多い。

理科

物理

見慣れない設定の問題が多いが、落ち着いて問題の状況を把握し、面倒な問題は後回しにすることが大切である。 また、大学受験では疎かにしやすい交流がよく出てることも特徴。

化学

前期日程と比べると実験の問題が多い。 また、前期の専用問題と同様にマニアックな知識を問われることもある。 工学部を受ける受験生は(現状)高分子の対策は不要だが、他学部で化学を使う受験生はしっかり対策すること。

総合テスト
法政経学部と理学部物理学科で課される。

法政経学部

試験時間は90分で、英語長文の問題だが社会科学や統計学等専門的なテーマの内容かつ超長文の為難易度は非常に高い。設問としては、空欄補充や下線部和訳、内容説明など一般的なものが多いが、計算問題が出てくることもある。この手の長文は類題が少なく、対策が難しい為、過去問研究をし、取れるところを確実に獲得すれば合格にたどり着けるだろう。

理学部物理学科

試験時間は150分。物理の問題だが、他学部の物理と異なる点は数3Cも出題範囲ということ。 とはいえ、このレベルの物理学科を志望しているなら大きな弊害にはならないだろう。

いわゆる「数理物理」のようなものである。実際に説明があるとはいえ、2023年のように加速度が2回微分表記であったりする。また、原子も高頻度で出題されている。対策としては、過去問以外だと東京科学大(旧東京工業大学)等専門的な物理を出題する大学の過去問を解くのも有効である。

後期試験とはいえ近年合格点が高いこと(2024年で最低点の得点率は約75%)に注意。その為共通テストでボーダーを超えても、2次試験で7~8割程度取らないと合格できないため、必然的に高得点争いになる。

模試

大学別模擬試験としては、東進が千葉大本番レベル模試を実施している。他の予備校(駿台、河合塾等)は千葉大模試を実施してないため注意。全国の千葉大志望者における自己の位置を知るのにもよいので積極的に受験することをお勧めする。

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