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本項は、名古屋大学の「一般入学試験」対策に関する事項である。

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ウィキペディア名古屋大学の記事があります。

名古屋大学(名大)は、最後に設立された帝国大学である。大学入試標準レベル~やや難レベルの問題が中心の入試内容になっているので、受験生の勉強量の差が如実に現れる入試であると言える。標準レベルとは言うものの、誤魔化しや付け焼刃の勉強法では全く通用しない。解法パターンの丸暗記や小手先のテクニック等に頼った勉強ではなく、基本原理を押さえて理解することに重点を置いた対策が必要である。

大学入学共通テストの配点が工学部以外では圧縮されずに加算される(工学部は600点に圧縮。それでも高めだが…)ので、共通テストでも高い点数が求められる。

倍率は、年度によって変動もあるが、例年文系学部が2倍前後、理系学部が2~3倍程度である。近年倍率が上昇しており、特に文系で如実である。

英語(文理共通)

外国語は、英語のみ(他の言語は全て選択不可)。

問題の出題数は4題で、2010年以降は、読解問題2題、会話文1題、英作文1題となっており、試験時間は105分である。 記述問題が中心で、その多くは字数制限が設けられている。 解答に時間のかかる設問が少なく、なかには標準的な問題も散見されるが、英語の読解力、表現力をはかる易問が多い。また標準的な自由英作文も出題されている。

第一問、第二問は論説文が中心で、文化・社会・教育・科学などの多岐にわたるテーマから出題される。前年発行の雑誌を出典とするなど、最新の話題を取り上げる傾向にあるようだ。 読解のレベルとしては、標準からやや難といったところである。 第三問は、問題が英文のみの会話文の問題が出題される。記号問題が多いが、英文で自分の意見や考えを述べる自由英作文が出された。 第四問は和文英訳で標準的な難度の出題である。やや訳すのが難しい日本語は、自分で簡単な日本語に置き換えて英文に訳すのが鉄則である。

対策としては、学校の授業、自習などを通して高い語彙力、読解力の養成をし、基本的な英文のパターンを頭に入れたうえで本番が近付いてくると、名古屋大学の過去問にも目を通すと良い。過去問は最低でも直近の3年分(駿台の青本が対応)はやっておいた方が好ましい。過去問と併せて名大対応模試さらには公開模試の問題を併せてやるとなお良い。基本はこの分量で十分である。あまり無いと思うが、これらを完璧にやり終えてそれでも足りなければ、足していく形で良い。ただ、本番まで時間が残り少ないのであれば、足していくよりはこれまでやった過去問で読解をする上で必要となる単語や文法そして構文の整理に使った方が賢明である。毎年多かれ少なかれ傾向が変わるのが逆に名古屋大学の特徴ともいえるので、二次本番では解答開始時に昨年と比べて傾向がどう変わったのかを確認し、時間配分を考えつつ、解答作成に取り掛かるのを意識しておくとよい。

数学

名古屋大学は大学入試の数学では珍しく、文理共通で試験問題に付録として「数学公式集」が与えられる(持ち帰り可)。出題者の意図は不明確だが、解答作成において使用しても何ら支障は無い。ただこれが解答作成の上で役に立った事例は極めて稀だそうである。解答形式は、文理そして全題共通して計算の過程と解答を記入しなければならない論述式である。問題形式は同じく文理共通で、解答の際に配布されるB4の表紙付右開き冊子の中に試験問題・数学公式・答案紙(文科系3枚、理科系4枚)が入っている。このうち、提出は答案紙のみである。過去問は最低でも直近の3年分(駿台の青本が対応)はやっておいた方が好ましい。もう少し欲しいならば、直近の5年分(教学社の赤本が対応)でも良い(他科目そして共通テストとの折り合いを考えれば、分量としてはこれが限界かもしれない)。前記の過去問と、名古屋大学対応模試さらには公開模試の問題を併せてやるとなお良い。基本はこの分量で十分である。あまり無いと思うが、これらを完璧にやり終えてそれでも足りなければ、足していく形で良い。ただ、本番まで時間が残り少ないのであれば、足していくよりは公式を再確認やこれまでに扱った問題の答案作成の精度向上に使った方が賢明である。

文系

大問は3題で、難易度は易〜標準レベルであったが、それは過去の話で、2018年以降はかなり厳しい出題が続いており、標準より難しい~かなり難しい問題が並ぶ。また、2020年はなんと確率が出題されず、問題自体も過去最難レベルの問題であった。文系数学ではトップクラスの難しさであるため、点を取るにはかなりの実力が要求される。積分、ベクトル、図形と方程式、確率が頻出であり、特に高次関数の微積分、場合の数と確率漸化式の融合が多い。過去問を中心に傾向を把握し、対策することが有効と言える。

理系

試験時間は150分である。大問数は、例年4題である。難易度については2014年以降、かなりハイレベルな出題が続いており、問題全体は1990年代から2007年まで(解答時間が120分)に比べると難化しつつある。特に2011年度は過去10年で最難といえるほどに難化したが、2012年度以降も数学の難化傾向にあり、さらに2018年以降は完答出来るものが無いに等しいほどに凄まじい難度となっており、今後もこのレベルが名古屋大学として標準になると思われる。このようなことから、もはや1998年のような非常に易しい問題が4題で構成された時代(数学が非常に得意であれば、4題全完も可能であった)は終焉を迎えたと言っても過言ではない。2020年現在で、ここ10年の傾向としては1~2題は標準~やや難(名古屋大学受験生を基準)、1~2題は難(完答できなくても合否にはほとんど影響はないが、医学部医学科であれば差を付けるレベル)である。また、数年に1度の程度であるが、超難(志望学部学科問わず、捨てても合否にはほとんど影響はない)が1題出題されることも有る。前記の2題を見極めて、難レベルの1~2題(超難レベルの1題を含む)を後回しにできるかがカギとなる。

具体的な出題内容は、「微積分」「確率」は必ず1題ずつ出るといっても良いくらい頻出項目であり、「数列」「帰納法」も頻出である。また、「ベクトル」や「複素数」も良く出題されるが、すべての分野において基本レベルでは不十分で、特に微積、確率、数列、整数は相当の実力がなければ完答あるいは差をつけるのは難しい。どの分野の問題も4問150分であるからか非常に良く練られており、かなり重く難しい。予備校のテキストなどを1冊何度もやり込むことが対策となる。過去問も時間の許す限りできるだけ多くの年度の問題を解いておいてほしい。旧課程(2006年~2014年)のときは「整数問題」「行列」「微積分」「平面・空間幾何」「確率」が割合的に大半を占める。「数列」はこれらの分野に必ず融合させて出題される傾向が強い。2011年度入試第2問は「行列」「確率」「数列(確率漸化式)」の3分野を融合させた問題であった。

また、誘導が丁寧な問題が殆どであり、小問の考え方、計算過程や答えが最後の小問のヒントになっている場合が少なくない。ただし小問がヒントとしてあまり役に立たない問題(2002年度大問2など)も出題されているので注意すること。また、出題頻度は少ないが小問なしの問題も出題されている。これらの問題は教育的配慮からか難易度は標準的な問題が多いが、一部難問も存在する。

出題方式は、4題構成でうち大問4は2問から1問を選ぶ選択形式(4a,4b)で計4題を解答する形式であったが、2010年以降は選択問題(一時、1999年は選択形式が無かった)はなくなり、選択問題のない4題必須解答形式となっている。2020年までこの傾向が続いており、この形が続く可能性はある。とはいうものの、ある年突然に前述の選択形式が復活する可能性も否めない。この選択形式が出題された場合は、受験生の得意な問題を解答しても構わないが、試験中にどちらを解答するかを迷うのは良くない。この選択問題の難易度を見極められる選球眼を普段から鍛えておくことが重要で、そのためには好き嫌いや得手不得手な分野を作るのではなく、バランスよく対策しておくことが重要である。

試験時間150分に対して大問数4題と時間的な余裕が与えられている。問題の難易度は別として単純計算すると、1題あたりに与えられる平均時間は37.5分だが、これは全国の大学を見ても多い(参考に解答時間を比較的多く与えられている東京工業大学は、試験時間180分で36分/題)。解答時間は十分与えられているだけに、完成度の高い答案が求められるようになった、と言っても過言ではない。但し、それなりに難度も上がり、完答はむしろ難しくなった。対策としては、必ず出題される標準的な問題を確実に獲得した上で、難問に対しても要を得た解法やアプローチを示して部分点を1点でも多く狙うことが合格最大のポイントである。解答の過程も書くことが求められる、即ち解法や着眼点も評点の対象となるので、このような論述式の利点を活用することが大切である。また、前記のようにより完成度の高い答案が求められるだけに確実にわかる知識の範囲で答案作成すること、そして自身で作成した答案の過程はきちんと論理性があるかどうか(自身で読んで理解できないものは、他者が読むとさらに理解できない)、等と答案を作成した後に客観的に見直すことが重要となる。得点は標準レベルは満点確保、やや難で満点にできるだけ近い部分点を稼ぐ、難~超難レベルも少ないながらも部分点を獲得する(数学と言う科目の性質上、至難の業ではあるが…。)が理想である。以上のことから、日本で最も難しい数学の問題を出す大学である。

国語

文系・理系の区別なく共通の問題が出題される。2022年度現在、文系では文・教育・経済学部で、理系では理・医・農学部(現代文のみ/150点満点)で課されている。試験時間は理系(現代文のみ)では45分、文系では105分であるから現代文に45分、古・漢文に60分かけるのが標準的なのであろう。全体的に難易度は高めである。それぞれの分野が重厚さを持っているので本文を速読し、深く理解する力をつけることが重要となってくる。ちなみに2008年度は理学部・医学部医学科での国語導入のせいか特殊な出題があった。

現代文:例年、長い文章をテーマにしており、漢字の読み・書きなどから字数制限つきの説明問題など毎年6問程度での構成となっている。「抜き出せ」という問題は毎年出題されており、これと漢字に関する問題は説明問題の難易度を考えれば絶対に落とせない問題である。さて、その説明問題であるが毎年3~4問ほどあり、字数も60~100字程度の字数制限がつく。解答欄には与えられた字数+10文字分のマス目が載せられている。難易度は高めであり日ごろからこのような形式の問題に慣れていなければ全問解答はまず不可能だろう。扱っている題材には抽象的な内容を含むものが多く、素材の文章自体が難易度を上げているためより難しめに感じるかもしれない。国語に充てる時間が短い理系には特に厳しい。2008年度は本文中の空欄に当てはまるように本文中の漢字2文字を抜き出させる本学としては特殊な問題が出題された。

古文:文章自体は少し長め。問題数は3つである。1問目は傍線部の口語訳で2、3問目は所定の解答欄に現代文で説明を書く問題である。本学の古典では、選択肢を選ぶ問題がないのが一般的であるため私立大学の古典に対する対策よりも論述性を重視した対策が必要になる。現代文と同様、簡潔に説明できる能力を平素の学習で養うことが望ましい。知識問題は出題されないが、それそのものが不要というわけではなく読解の助けになることもあるので平素の学習からさまざまな古文に触れていくことが大切。現代文と同様に難易度は高い。2008年度は例外的に選択肢を選ぶ問題と、本文とは別に与えられた文章の空欄補充問題があった。

漢文:共通テストよりも長めくらいの本文に対し6問程度が与えられる。1問目は読みを仮名で書く問題でありその他は全て説明問題となっている。特徴的なのは最後の150字説明問題であり、現・古・漢の中で最も重厚な問題であるといえる。古文同様、古典的知識は読解の助けになりうる。こちらも文章そのものの読みにくさから難易度は高い。2008年度は7問出題された。

小論文(法学部)

法学部では国語の代わりに小論文が課される。大学入試小論文としては難易度はやや高い方である。試験時間は90分、解答字数は全問あわせて1000字程度である。課題文は、法学や政治学など社会科学系のテーマを取り上げた、比較的長めではあるが読みやすい文章が出題される。設問は、課題文の内容理解を問う問題(200字程度、1~2題)と、意見論述(600字~800字程度、1題)の形式で定着している。社会科学系志望者として最低限必要な法学・政治学関連の予備知識を、講座の演習などを通じて押さえおかなければならない。さらに、新聞やニュースなどを通して、現代社会のトピックに関する知識を養っておくとよい。

意見論述問題では、筆者の主張に対して自己の賛成・反対意見を論じる出題だけでなく、筆者の議論を踏まえて考察する問題など、幅広い出題が想定される。本文を丁寧に読解して端的に課題文の主張・論拠をまとめるとともに、自己の論拠を明確にして説得力のある主張を述べることを心がけたい。また、600~800字という論述字数は、日頃から演習を積んでおかないとまとめるのに苦労する。過去問演習を通してなるべく多くの年度の問題にあたり、学校や予備校の先生に添削してもらおう。また、名古屋大学法学部以外で似たような傾向の小論文として、慶應義塾大学法学部の論述力という科目がある。課題文は抽象的な用語が目立つ非常に難しいものであるが、社会科学的な予備知識に基づいて意見を論述するという意味で、設問の傾向は非常に似ているので、もし時間に余裕があるようであればぜひ挑戦してほしい。

以下も参考にしてほしい。

理科

試験時間は、二科目でまとめて150分(情報学部自然情報学科では一科目で75分)である(二科目受験の場合は一科目ごとの時間配分は厳密に設けられておらず、一科目終了後の答案回収は行わない)。学部によっては、必須科目もあるので本学発行の受験案内等で事前に確認しておくことが好ましい。

物理(物理基礎/物理)

大問数は3題で構成される。1題は力学であり単振動や等加速運動など力学全般から幅広く出題される。ドップラー効果など波動との融合問題もある。また、惑星探査衛星など受験生にはあまり馴染みのない内容を取り上げる、思考力を要する問題が目立ってきている。電磁気も力学同様電磁気全般から幅広く出題される。また、難易度が不安定なのが名古屋大学物理の特徴であり、簡単な時は合格平均が6割を越えることもあるが、難化すると凄まじい難易度になり、合格者平均が3割を割りかねない程になる。

計算量は簡単な年はやや多いぐらいであるが、難しい年は完答不可能なレベルになるので、計算ミスに気を付けつつ、確実に取れる所を進めていこう。合格点としては近年なら医学部医学科は7割、その他学部は5割程度で十分だろう。(ただし難易度による)

2017年度までは、大問1は力学、大問2は電磁気、大問3は波動・熱力学で構成されていたが、2018年度では熱力学→電磁気→力学、2019年度では力学→熱力学→電磁気の順で出題された。この変更に対する意図は不明である。

力学は見慣れない設定での出題が多く、難易度も高いが、基本に忠実にこなしていけば、得点源となるだろう。

電磁気はコンデンサーや直流回路に関する問題が頻出である。こちらも誘導が丁寧なので落ち着いて解けば満点解答も可能だが、入試問題としてはやや難のレベルで出題されるので油断は禁物である。

波動・熱力学はどちらか一方の分野のみでの出題、両方を融合した出題が見受けられる。2010年度の大問3はこれらの分野を融合した問題であった(実際のところは熱力学の問題は1問のみで実質的に波動の問題。2014年の問題にはレンズの理解を深く問う問題が出題された。

かつては、(名古屋大学に合格する受験生のレベルならば)得点は満点からどれだけマイナスかで計算する、と言ったような難易度であったが、2013年頃から難易度は大幅に上昇している。例として2014年は凄まじく難化し、合格点が3割くらいまで落ちた。更に2020年は過去の名大どころか入試でも類を見ない程に難しく、ある情報では合格点が2割ちょっとであったらしい。今後もこの難度が名古屋大学物理として標準となる、と思われる。理系数学と同様、前記のような「満点からどれだけマイナスかで計算する」時代は終焉を迎えたと言っても過言ではない。また、2007年までは理科二科目(試験時間は計120分)受験必須の学部は大問2題(大問1は力学、大問2は電磁気の出題が基本)であり平均で30分/題だったが、2008年度からは上記のように基本は大問3題が出題されたことで平均で25分/題となり、1題の平均解答時間が短くなったことも難化の原因と言える。対策としては、パターンの暗記や典型的な問題を確実に解けるようにするだけでなく、教科書などを読み、公式などの原理を理解したうえで、過去問に取り組むのが望ましい。 但し、過去問を解き始める時は、時間内に終わらないので、はじめは90分を、目安に、その後、約70分で解くことが望ましい。過去問に取り組む際も最初はすぐに正解を求めることに走るのではなく、出題意図をしっかりとくみ取りながら現象などをしっかりと理解しながら説いて行く事が大事である。

答案形式は、解答のみ記入する欄と計算の過程と解答の両方を記入する欄(一部では、論述をするための枠もあり)で構成される。解答のみ記入する部分は計算の過程が合っていても記載が間違っていれば、失点になる可能性になるが高いので、計算あるいは記載の間違いには特に気を付けることが必要である。また、前述のように難易度が不安定なので、物理で差をつけようとするのはあまり得策ではない。(勿論人によるが…。)なので、普通の年の難易度なら合格点を取れるレベルなら、他の教科を安定させた方が良いかもしれない。

参考までに(2022年現在)、最近の問題傾向として前半は標準レベルだが、後半に行くほど思考力を要する問題となってきている。単に難しいのではなく、誘導も丁寧で徐々に掘り下げていくような良問である。

以上から、易しい年なら高得点が狙えるが、難化した年は全入試でも最難レベルの問題を出す大学である。

化学(化学基礎/化学)

共通テストの選択肢を隠して記述として問題を解けば名古屋大学化学の対策にも通じるといえる。理論・無機・有機・高分子とすべての分野の基本事項はできるようにしておきたい。その上で私たちの日常生活にどのように活用されているかなどを考えると良いだろう。

近年は、理論・無機で大問3つ、有機で大問1つずつの合計5問で構成されている。

理論は気圧計算が頻出であり、近年は結晶構造や熱化学などもよく出題されている。基本的事項のみで解ける問題は多いがやや難度の高い問題も出題されている。とは言ってもマニアックな知識が必要とされる問題は出題されないので標準レベルの重要事項をどれだけモノにできるかが大切であろう。計算は簡単なものから計算力を要するものまであるため、日ごろからモル計算や気圧計算などに親しんでおくことも大切。

無機は基本事項をどれだけ押さえられたかが肝である。細かな部分も多少は覚えておくことが望ましい。

有機(化学)は構造決定が頻出であり、それのみで大問が構成されていた年度もある。基本的知識の組み合わせのみで解ける問題が多いが普段から構造決定に慣れておかなければ手間取ってしまうこともあるので日々の練習で的確かつ素早く構造決定できるようにしておきたい。それ以外の基本も押さえておくこと。油脂もよく出題されている。高分子を絡めた出題があるので注意。さらに糖類・アミノ酸(タンパク質)・高分子化合物をテーマにして出題してくるが生物選択者が多少有利な小問があったりする。それでも基本的な事柄を問うていることがほとんどであるからこの大問で点数を落とすことは避けたい。

模試

本大対応模試として、河合塾の名大入試オープン(年に2回開催されるが、第2回の成績を重視されたい)、SAPIX YOZEMI GROUPの名大入試プレ[1](2020年度は、9月に実施)、駿台の名大入試実戦模試[2]東進の本番レベル模試(2020年度は、年に3回開催)がある(判定は、いずれも前期日程のみ)。各予備校は、大学の傾向を徹底的にチェックして大学別の予想問題を作成しているので、受験すれば、本番の入試に向けて大きな指針となり、本番の雰囲気に慣れることにもなる。また過去問だけでも物足りなさを感じるのであれば、河合出版からの過去の名大入試オープンを5回分収録した問題集「入試攻略問題集 名古屋大学」(英語・数学)が市販されているため、時間があれば取り組んでみるのもよい。

年によっては、名古屋大学(東山キャンパス)内に受験会場が設置されることがある。本学を志願する受験生にとっては、受験会場の雰囲気に慣れることや受験会場の下見も兼ねることにもなることで、良い機会となる。

加えて、主に高1・2生が対象になるが、2023年度は東進で「名大入試同日体験受験」(2月25日・26日)という模試が開催される。これは同年の前期日程入試本番に出題された問題を同日に同解答時間・同スケジュール(但し、試験開始と終了時刻は異なる)で解くというものである。試験開始と終了の時刻は違えど、前期日程入試と同じスケジュールで試験を受けることができる(医学部医学科の面接試験は実施せず)。模擬試験とは違った本番ならではの感覚を味わうまたとない機会と言えるので、本学を希望するならば受験しておくと良いかもしれない。

二段階選抜

後期日程(医学部医学科のみ)で定員5名に対して志願倍率が12倍(志願者数60名)を超えた場合、実施される。選考方法は大学入学共通テスト成績に基づき、高得点順に上位60名を合格者する。

令和4年度以降は医学部医学科の前期日程・後期日程の受験者に対して、それぞれ大学入学共通テストの成績が 900 点満点中 700 点以上の者が、第1段階の合格者となる。

面接試験

医学部医学科のみ実施される。実施内容は、以下である。*2020年度実施分よりインターネット出願が導入され、紙媒体の募集要項の配布はなくなったので、志願理由書は名古屋大学の公式ホームページよりダウンロード(PDF文書)してプリントアウトして記入する必要がある。2020年度以降の受験者は、インターネット環境を整えておくことはおろか、プリンターを用意することが好ましい。

前期日程
筆記試験(2/25・26)終了後の翌27日、本大学受験者全員に対して課される。前期日程試験は、筆記試験(2日間がけ)+面接試験(1日完結)の3日間である。注意点として、筆記試験と面接試験は実施されるキャンパスが異なることである。筆記試験は東山キャンパス(名古屋大学本部)で、面接試験は鶴舞キャンパス(名大病院・医学部医学科専用キャンパス)で実施されるので、試験会場をくれぐれも間違えないように注意すること。

後期日程
3/12の1日間で実施。後期日程試験は、この面接試験のみである(筆記試験は実施せず)。面接試験は鶴舞キャンパスで実施される。

高得点者選抜

この大学の特徴として、国立大学でありながら私立によく見られる「高得点者選抜」がある。これは大学入学共通テストの成績のみ、あるいは個別学力検査の成績のみで評価されるものだが、どちらの方法であっても高い得点力が要求される。確約は出来ないが、大学入学共通テストは9割あるいは9割5分あればほぼ安全圏、そして個別学力検査は最低でも7割5分~8割程度(但し、2020年度時点での直近10年の試験問題の難度からすると、これもかなり至難の業)あれば可能圏内と思われる。令和3年度は工学部(大学入学共通テストの成績のみで選抜/個別学力検査の成績のみで選抜,いずれも各学科の前期日程募集人員の10%を限度そして第一志望の学科に限る)と、農学部(個別学力検査の成績のみでの選抜,各学科の前期日程募集人員の10%を限度そして第一志望の学科に限る)で実施されている。

その他

工学部は学科ごとに入試で選考され、本人の希望と1年次の成績で2年進級時にコース分けされる。たとえば、機械・航空宇宙工学科は2年次から「機械システム工学・電子機械工学・航空宇宙工学」とコースが3つに分かれるが、中でも航空宇宙工学コースは人気があり例年定員以上の希望がある。

理学部は一括で選考され、2年進級時に学科配属となる。物理学科・化学科・生命理学科は例年人気が有り、定員オーバーとなることもある。この場合、一年時の取得単位状況による選考となる。

脚注

  1. ^ 理科では「地学基礎・地学」、地理歴史では「地理B」の試験は実施しない。
  2. ^ 答案は2021年実施分よりWeb返却(駿台のマイページにPDF形式で掲載。掲載期間は、Web公開開始日から3ヶ月間。)のみとなり、紙の答案による返却は廃止となった。

関連リンク