大阪弁/過去
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過去のことについて述べる文章の述語の品詞別に解説する。
名詞
編集後ろに「やった」を付ける
- 彼は医者やった。 HLL HHLL
- 彼は医者だった。
形容詞
編集共通語と同じ
- 昨日は楽しかった。 HLLL HHHLL
形容動詞
編集語幹+「やった」の形で
- 昔はこの川もきれいやった。 LLHH HHHLL HLLLL
- 昔はこの川もきれいだった。
動詞
編集基本的には共通語と同じであるが、ワ行五段活用の動詞は連用形がウ音便となる。
- 本を買うた。 (注)「買うた」は「こうた」と読む HLL HLL
- 本を買った。
- 駅で先生に会うた。 (注)「会うた」は「おうた」と読む HHH HLLLL LLH
- 駅で先生に会った。
- その話を聞いて笑た。 (注)「笑た」は「わろた」と読む HH HLLL HLL HLL
- その話を聞いて笑った。
- えらいもんもうたなぁ。 HLL HL HLLLL
- 大変な物をもらったねぇ。
付属語の付加
編集「んや」、「わ」、「で」、「てん」などの付属語を述語の後ろに付けることもできる。
「んや」、「わ」、「で」
編集そのまま付ける。「んや」と「わ」を組み合わせて「んやわ」、「んや」と「で」を組み合わせて「んやで」も可能。
- ちゃんと洗たで。 (注)「洗た」は「あろた」と読む LHL HLLL
- ちゃんと洗ったよ。
- そうや思たわ。 (注)「思た」は「おもた」と読む HLL HLLL
- そうだと思ったよ。
- 君は京大受かったんやで。 HHH LLLH HLLLLL
- 君は京大に受かったんだよ。
「てん」
編集名詞・形容詞・形容動詞
編集「た」を「てん」に置き換える。
- 来るんが遅かってん。 LHLL HHLLL
- 来るのが遅かったんだ。
- あの状況はほんま悲惨やってん。 HH HHHHH LLH LHHLLL
- あの状況は本当に悲惨だったんだよ。
動詞
編集「読んだ」、「はしゃいだ」など「だ」で終わるものは「だ」を「でん」に置き換え、そのた(「た」で終わる)は「た」を「てん」に置き換える。
- 去年もここに来てん。 HLLL LHL HLL
- 去年もここに来たんだ。
- 手順を間違うてん。 (注)「間違う」は「まちごう」と読む LLLL HHHLLL
- 手順を間違ったんだ。
- セーターが縮んでん。 HLLLL HHLLL
- セーターが縮んだんだ。
「てん」+「で」
編集「てん」と「で」を組み合わせることができる。
- ずっと待っててんで。 HL LHHLL
- ずっと待ってたんだよ。