学習方法/小学校英語
英語は国語のように論理的な科目です
編集「語学は暗記」と言いますが、しかし、英語だってアメリカやイギリスの子供にとっては、彼らの国における母国語です。なので、私たち日本人にとっての「国語」と同じくらいには、論理的な科目です。もちろん暗記も必要ですが。私たち日本人が、日本語の単語を色々と覚えて暗記しているように。
もし、英語の学習を家庭でしていて、何時間や何日も勉強しても、まったく論理的な印象を受けない場合、つかう教材が合っていないか、あるいは学習方法が間違っているか、あるいは親の立場なら指導方法が間違っています。
たとえば、名詞 dog 「イヌ」や cat「ネコ」 、動詞 have 「持つ」や go 「行く」などを勉強しているだけでも、
「そうかっ!、英語には 動詞と名詞があるんだ!」 みたいな気づきがそのうちあるはずです。
big 「大きい」を覚えるだけでも、形容詞という概念も学ぶことになります。
単語を重点的に学ぶか、文法を重点的に学ぶかは、人それぞれです。
しかし確実に言える事として、いつまでも文法の学習に入って行かない教材や学習方法の場合、よほど読み手の気力が高くないかぎり、たぶん、ろくに英語的な思考ができるようになっていませんし、もしかしたら単語もロクに身についていません。
そもそも、「名詞」とか「動詞」とかの小学校レベルの基礎の文法は、知らないと、辞書を読んで理解する事すらもできません。英作文も、難しい。
小学校でも、最低限の文法は教えるでしょうが(ただし、wiki著者が20世紀生まれなので小学校英語を経験していないので未確認)、もし適切な小学校レベルの参考書が本屋に無い場合は、最終手段として中学校の参考書のコーナーに行って文法参考書(中1レベルで良い)を買えば解決します。
別に「買え」とは言いません。ただ、そういう手段もあるという紹介です。
逆に言うと、もし単語を学んでいて、あまりにも、「なるほどっ!」みたいに論理的に気付ける事がなくなってきた場合、ひとまず、学習対象を変えましょう。中1レベルなら、文法を全部マスターしても平気。
文法で先に進みすぎそうなら(中3レベル以降とか行きそうなら)、そのあと単語だけまた先に進むとか、あるいは理科や社会科など、他の教科を学びましょう。(文法は中学校で習うほうが効率的です。)
理科や社会科は、予習は、あまり深入りする必要は無く、あくまで、英語が進みすぎないようにするための時間の調整です。
なぜなら、学校以外の仕事で、理科や社会科で仕事をする知識人になる場合、英語が出来ないと、話になりません。予習するなら、英語のほうが重要です。英語ができないと、大人になって、理科の仕事でも投資が集まりません。
「理系の研究者は儲かる」とか真偽は分かりませんが、世間でよく言われますが、よく誤解されますが、彼らは英語も得意です。なぜなら、英語の論文が読み書きできるのですから。その程度には、理系人材は英語が得意です。
コンピュータ業界でも、英語ができる人たちばかりです。なので、英語を勉強しましょう。
国語は、独学が難しいので、家では、参考書でも読んでれば充分です。あと、漢字ドリルとか。
中学までに小学700語の練習を
編集小学校で習う英単語が、600語~700語です。
文法は、過去形や助動詞(can など)も出てきます。
小学校では、あまり単語の書き取りや、文法は習いません。
小3から英語を習います。
しかし中学では、小学校英語はおおよそ書けるという前提で進みます。
中学1年になってから、いきなり600語の復習をしながら、中学で新しい語を習うのは大変です。
なので、小学校の3年生のうちから、定期的に、重要そうな単語については書き取りの練習などは、家庭で行っておきましょう。
英検の注意
編集学習のペースメーカーとして英検を活用する家庭も多いと思います。
ですが、英検は、ひっかけ問題が出ない事や、選択問題が多い事などもあり、理解しなくても3級くらいまでは取れてしまう事があります。
大学入試には、ひっかけ問題も出ます[1]。あまりにも細かすぎる引っ掛け問題には対応する必要は無いでしょうが(そもそも大学入試にも細かすぎるのは出ない)、しかし高校入試くらいの引っ掛け問題は、将来的に中3までに対応できるようになる必要があります。
このため、英検だけでなく、簡単な参考書で良いので、小学校の高学年では、中学1年くらいの参考書で、文法なども体系的に学ぶのが安全でしょう。
なお、英検の3級や準2級あたりから、いきなり英検に合格できなくなる子が多い事が、塾業界などでは知られています。
もし、小学生むけの適度な英文法を紹介した英語参考書があれば最適なのですが、今の出版状況では、あまり期待できません。仕方ないので、中学参考書でも買いましょう。
英検教材と、小学校の教材だけでは、表面的な理解になりやすい。「英語を理解する」のではなく、「教材を覚えてしまう」のような結果になりやすい、または、英語を理解しないままに「英検の出題傾向を覚えてしまう」のような結果になりやすいのです。
いまこの文を読んでいる私たちは、この傾向を知っているので、あらかじめ対策をする必要があります。
学校の授業にも参加をしよう
編集小学校の、コミュニケーション型の授業にも、きちんと参加をしましょう。
英語を入試科目に出している私立中学校でも、リスニング問題や、簡単なスピーキング問題など、コミュニケーション的な出題をする事もあります。
指導要領に反しないようにと、私立中学校も気を使っているのです。
中学受験をする場合、そして英語が出る場合、小学校の授業はきちんとこなした上で、その上でさらに、市販の参考書などを用いて自分でも勉強をする必要があります。
また、特に小3・小4のうちは、書店に、あまり読めそうな参考書が無いので、学校の英語の授業は、とても大切な学習の手段です。おろそかにせず、授業を受けましょう。
高学年での家庭学習用の教材
編集結論から言うと、小学校の高学年では、中学生用の初歩の英単語集や、参考書を使いましょう。
なぜなら、
- 学研や受験研究社などの出している小学生むけの教材の多くは、小3から使えるような初歩的な教材です。このため、小5や小6には合っていません。その程度の英語は、学校でヤレば十分です。せいぜい、ドリルとかで3年生か4年生のときに1冊、練習すれば、そういうのは十分です。
- あまり家庭学習で使いやすい構成になっていない。書籍だけなら家庭学習で使えても、付属のリスニング音声のほうが、親や塾の先生などの補助がないと使えないような構成になっていたりします。
リスニング教材で、日本語の音声がついてない場合があります。
たとえば、dog なら、
「dog いぬ」ではなく「dog」とだけ発音するような方式なのが、小学校英語のリスニング教材です。
このような、日本語が無い方式だと、家庭学習では、かなりツライと思います。
なので、家庭学習用には、日本語の音声がついている中学生用の教材を買いましょう。それは中学生用の教材になります。
ほか、英検の教材(パス単など)は、リスニング教材を聞いてみると、かなり発音のスピードが早いです。大人が聞いても早いので、小学生には、かなりキツイと思います。
このため、中学生用の1~2年の教材以外に、小学校の高学年の意欲的な子に、向いている教材がありません。
小学校英語の教材は。学習意欲が低い子を対象に作られています。そのため、すでに英語の学習意欲が高い子には、あまり効果が無いのです。意欲の低い子に、絵本のような構成の参考書と、語り掛けるようなリスニング音声とで、意欲を高めるようになっています。
このため、書籍を読みながらでないと勉強できない構成になっています。その構成の欠点として、聞き流しによる強制的な暗記の勉強がやりづらず、ふかい勉強には、とても不便です。
なので、もっと英語を勉強したくなったら、さっさと中学英語の参考書に入りましょう。
小学校英語の教材は、英語に親近感を抱かせる目的で作られています。そもそも指導要領がそういう方針になっているからです。
国語・算数・理科・社会は参考書を読める子なのに、英語の参考書がいまいちツマラナイという子の場合、もしかしたら、子供の頭が良すぎて小学校レベルの英語が合ってない可能性があります。
なので、小学校の高学年では、試しに中学校1年生レベルの教材を使ってみましょう。それで駄目だったら、また小学校に戻れば良いのです。
旺文社から、小学校英語の英単語が出ています。これを買うのも良いかもしれません。単語の日本語訳も、ついています。ただし、例文までは。日本語訳は無いです。このため、小学校で、ある程度の文法を理解する必要があります。別の教材を読んで、文法も理解しましょう。
買って、聞いて、読んでおきましょう。字を書くかどうかについては、あとで述べます。
あるいは、リスニング教材の例文は無視して、リスニング教材の英単語と日本語訳だけを聞いて、耳で英単語を覚えるという使い方もあります。
なお、高校入試や大学入試の旺文社ターゲット・シリーズと違って、旺文社の小学生むけの短熟語集は、頻度順ではないです。(ターゲット・シリーズだと、入試の頻度順になる。)
小学生むけの単語集には、書けるように字を覚えるべき単語と、覚えなくて良い単語が、混ざっています。
このため、中学むけの教材で、英単語の字は勉強しましょう。
たとえば、「ゾウ」elephant や「トンボ」dragonfly のように、字を覚えなくて単語もあります(高校入試や大学入試では、出てきません)。
いっぽう、「行く」go や「来る」come のように字を覚える必要の高い単語も(高校入試や大学入試で、これらの単語をふくんだ英文を書かされる場合があります)、小学生むけ単語集には、あります。
このように、字を覚えるべき単語と、覚えなくて良い単語が、小学生むけの単語集には、まざっています。
中学生むけの教材で、紹介されてなかったり、巻末などでしか紹介してない単語は、基本的には、字を覚える必要の少ない単語です。
やはり、中学生むけの教材に入るしか、手がありません。
決して、いきなり高校のリスニング教材に入らない
編集小中の単語集などのリスニング教材は、小中のうちに聞いたほうが良いです。というのも、高校の単語集のリスニング教材だと、日本語訳の音声が、機械音声だったりして、けっこうな棒読みで日本語を読んだりします。
単語の一語一語は、発音がしっかりしているのですが、一文全体だと、なんだか棒読みがひどいのが、高校のリスニング教材です。
なので、どんなに英語が得意でも、小中学生のうちは、まずは小中のリスニング教材を聞きましょう。
外来語ではなく英語そのものを学べ
編集日本には、外来語が多いので、英語以外の趣味的な勉強でも、小中学校レベルの英単語は身に付きます。
たとえば音楽の趣味でも、
music(ミュージック)「音楽」 や、
song (ソング)「歌う」
などは身に付きます。
ですが、いつまでも趣味を通して学ぶわけにはいきません。
たとえばアメリカの金融についての経済ニュースとか、政治の米国ホワイトハウスのニュースを、いちいち、趣味を通して英語を学ぶつもりですか?
観念して、英単語そのものを学びましょう。
趣味をやるなら、その上で、お好きな趣味をやりましょう。
中学英文法が出来ないと始まらない
編集「多読」とか英語の勉強法で言われますが、しかし中学レベルの文法が無いと、そもそも英語の長文を読むところまで行けないのです。
ペンギンリーダースとかああいうペーパーバックも、中学レベルの英文法があるのが前提です。
まず先に中学英文法を学べ。