物理学は物を研究する科目、経済学は人を研究する学問ですので、両者の学習方法はほとんど共通しています。

計算の応用が科目「物理」の目的編集

入試に出ない分野編集

相対性理論や素粒子などの高校数学では扱いにくい内容は、たとえ教科書・参考書に書いてあっても、理工学部の入試の物理には出にくい。

資料集などには液晶テレビなどの家電製品の原理なども電気物理に関連付けて書いてあるが、そういう工業製品の仕組みなどは大学入試に出ません。歯車などを用いた機械のしくみについては、そもそも資料集にすら扱われておらず、当然、大学入試にも出ません。

本文編集

 大前提ですが、物理の入試問題は公務員採用試験の行政専門科目(経済原論)計算問題と全く同じような構成で、値や用語はすでに与えられています。[岡山大学や東京大学入試過去問で確認済み]

※化学の問題集・入試過去問とは違って、問題を化学式の記号とかに直す必要は一切ありません。なぜなら、質量mやバネ定数kという書き方を問題文中でしているからです。

 ですから、初心者の人は、教科書や参考書に書かれた説明を記号やアルファベットなどの文字を使わない日本語に直してキチンと読んで下さい。そして、グラフや図も経済学で大切ですので、それに共通する物理学もグラフや図が非常に大切になります。

  • 本文
  • グラフ・図(書き方も含む)
  • 式の導出理由

以上、3点をその分野全て完璧に覚えたら、過去問なども必ず解けます。あとは、最終的に問題集などで問題演習に取り掛かります。問題集や入試問題の良問で最終確認をするのは、自分の理解が曖昧だったところを最終的に確認するためです。

  • 資料集

資料集は入試対策では使いません、物理の場合。高校が生徒に買わせる教材でも、生物や化学の資料集は生徒に買わせて授業時の副教材として用いる場合がありますが、一方、物理の資料集は買わない場合が普通です。現在、数研出版のみが物理の資料集を出しているに過ぎません。

  • 教科書ガイド

必要ないと思います。教科書の文章をきちんと覚えれば基礎的な問題は必ず解けます。

物理のための数学編集

理系に進んで、高校2~3年の物理(専門物理)を履修する場合、数学IIIも必ず履修すると思います。

数学Ⅲの中でも、積の微分法や三角関数の微分、対数微分法とかの項目は最低限押さえておくと便利です。少し難しい内容ですが、これを知っておくと実際の計算問題がすごく早くなる利便性があります。積分も出来れば理解しておきたいところです。

なお、だからといって数式だけに頼って機械的に解こうとするのではなく、物理特有の知識も理解しようとしてください。

分野別勉強法編集

まず、物理の学習の大前提は、割合、式の変形や計算といった操作がしっかり出来なくてはなりません。そこが苦手な人は、小学校や中学数学を復習しておきたいところです。

物理の公式や定義式はこれから述べるように割合や式変形などによってよく導き出されるため、丸暗記すべき公式は意外に多くはありません。

そして、経済原論と同じように物理も実際に手を動かすことが非常に大事です。具体的には、問題演習をこなしていくことが他の教科以上に必要です。このことが、物理におけるものの見方・考え方を身につけることにつながりますので、その労を惜しんではなりません。

力学編集

まず、運動方程式などの最低限の公式を用いて、教科書や参考書などで様々な公式の導出を少なくとも一回は読み、導出の計算を手で追ってください。これらの公式の導出法の考え方を用いる問題は、意外と入試に出ます。

力学に限らず、物理の公式はそれぞれ関連しあっていることが多いです。そのため、公式同士の関連性を教科書を見ながら確認しましょう。そうすれば、丸暗記しなければならないような公式はぐっと減ります。「時間の公式」「位置の公式」と個別の公式の暗記は避けたいものです。そして、運動方程式やエネルギー保存則の公式、運動量保存の法則などから、位置や速度や時間などを求められるように練習してください。

もちろん、遠心力の公式のようにきちんと運動方程式から導くには時間がかかるものは覚えた方がよいのですが、それでも一度は自分の手で導出しましょう。それだけで、式を忘れにくくなります。

そして、反発係数や位置エネルギーなどの用語の定義もしっかり確認しましょう。

惑星の運動について入試に出る分野は、「第一宇宙速度」とか「第二宇宙速度」とかのようにエネルギー保存法則と関係の深い分野とか、あるいはロケットの原理を運動量保存と関連して出題するとかです。

電磁気編集

少なくとも一回は教科書や参考書の説明をキチンと読んでください。運動方程式や位置エネルギーなど力学の公式を、クーロンの法則などと組み合わせて、どうやって電位の公式などを導くのか、ぐらいはキチンと参考書などを読んでください。意外と入試で、力学と組み合わせた計算問題が出ます。

磁極のクーロンの法則と、静電気のクーロンの法則は似ていますが、入試に出る頻度には違いがあります。磁極の問題よりも、静電気の問題のほうが、入試に多いです。学習時間が残り少ない場合には、優先するべき単元は、磁極よりも電気の単元を優先してください。

振動・波動編集

波動の問題は演習量が最もモノをいう単元です。計算問題の問題演習に取り掛かりましょう。そして、図示して簡単な作図ができるようにしましょう。知識は干渉の式とその周辺の教科書の説明を読めば終わりです。

熱力学編集

熱力学は苦手にする生徒も多いのですが、最低限のポイントを整理しておさえれば満点も視野に入るため、得意・苦手がはっきりと分かれやすいところです。しかし、大学入試に挑戦するには(そして、大学以降の物理学では)決しておろそかにできない単元です。

公式もそう多くはないので、最低限のポイントを整理しておさえ、演習を重ねていきましょう。

まず、熱「力学」ですので、力学でいい加減な理解をしていないかをチェックしておきましょう。特に「力積」「圧力」「仕事と力学的エネルギー」はしっかりと理解しているかを振り返ってみましょう。

そして、力学と同様に、基本の公式の暗記(これはどうしようもないです)とそれを用いた公式の導出によって、「式の意味」を説明できるようにしましょう。

原子物理編集

教科書の説明を読んだら、公式を覚えるために問題演習に掛かります。高校での原子物理は基本事項ばかりです。そのため、他の分野より範囲が少ないです。

大学の物理学科志望者は数学IIIと化学も学習すべき編集

  • もし高校の数学が嫌いな人は、物理学科への進学をやめたほうが良い

物理学科の志望では、物理のほかにも、さらに数学IIIを、なにがあっても化学・生物よりも優先的に、数学IIIを履修して受験勉強してください。

なぜなら理系大学の物理の授業では、微分積分を頻繁に使うからです。そして、微分積分の計算ができないと、確実に大学物理学科では留年し、確実に物理学科を卒業できず、確実に退学に追い込まれます。

物理学科の場合、大学によっては、たとえ高校で微分積分をマジメに履修して数学IIIを履修してきたマジメな学生ですら、大学では留年してしまうようなほどの難度の高い数学を用いるカリキュラムが組まれている大学も多くあります。

なので、もはや高校段階ですら数学IIIを学んでない人は、ほぼ確実に大学・物理学科では留年し退学します。

仮に微分積分ができない人が間違って物理学科を卒業してしまったとしても、世間一般の製造業からは微分積分ができない卒業者なんかを、けっして物理学の専門家としては認めてくれません。

数学IIIを学習できない人は、けっして物理学を学べるだけの能力も無く、けっして物理学を学ぼうとする意志も無いのです。

  • できれば化学も勉強

できれば化学も学んでおいて、問題練習もしてください。大学の物理学科では、あまり化学反応を覚えたりとかは少ないでしょうが、理系の教養として高校程度の化学は知ってて当然の知識です。また、製造業の技術職に大卒として就職した場合の実務にも化学・物理の両方の知識は関わってきます。べつに化学が得意でなくても良いので、高校教科書レベルの化学を勉強して下さい。

高校化学でも、物理的な考え方は出てきますので、物理の参考になります。

高校のうちに学べる理系科目は、どんどん学んだほうが良いのです。

だから、できれば生物と地学も学んだほうが望ましいのですが、現実的には化学までで高校のうちは精一杯でしょう。 また、国立大を目指す人は、国語や社会科などの文系科目を勉強しないといけないでしょうし、理科ばかりに時間を避けません。

生物の参考書を読む時間すら、物理志望者には時間の確保が難しいかもしれませんが、とりあえず生物の参考書を買っておいて、読める範囲で生物も読みましょう。さらに余裕があれば、地学も読んで、理系の頭脳を磨きましょう。

物理の試験問題の解き方編集

図を作図できるように編集

 
摩擦角

経済原論と同じように物理の問題の解き方も、例えば右図の「摩擦角」の図のように、図を立てるところから、始める。

つまり、試験問題の問題文の内容を、図に置き換えるのである。

そして、図をもとに、たとえば力学の問題なら、その図の内容を運動方程式に置き換え、その方程式を解くのである。


市販の学習ノウハウ本では、高校の物理の学習では「イメージ」が大切・重要だとか[1][2]とか言いますが、ではその「イメージ」とは何かというと、つまり、物理の問題を解くための作図ができるようになる事のスキルの言い換えです。

力学以外の振動・波動や熱力学や電気磁気学などでも、問題の解き方は、とにかく、まずは、試験問題の内容を反映する図を書いて、そして図をもとに方程式を記述するのである。

作図さえ出来てしまえば、あとは作図に基づき方程式を立て、その方程式を、数学的・機械的に解けばいいだけである。

原理的には、大学入試で出題されるような問題も、このような手順で解ける。

まとめると、

問題文を読解 → 図を作図 → 図の内容を方程式(運動方程式など)で表現 → 方程式を解く

というよう手順になる。


逆に、やってはならない間違った勉強法としては、作図ができないままに、公式を機械的に当てはめて解いてしまう方法です。よほどの単純な問題でないかぎり、この機械的に当てはめていく方法では、応用が利きません。

大学受験だけでなく、大学進学した場合の大学での理科の勉強などにも、物理イメージの作図による勉強法は活用できますし、製造業などでの設計などにも活用できると思われますので、ぜひとも高校生のうちに、物理イメージ作図による勉強スタイル・問題解法スタイルを習得してしまいましょう。


教科書では、あまりこのような手順の計算練習が紹介されていないので、入試基礎レベルの問題集を買う必要がある。学校で配布されるような薄いワークブックでは不十分である。 入試基礎レベルの問題集が必要であり、しかも解説の充実している問題集を買う必要がある。

このような問題練習の目的で参考書・問題集を買うなら、『橋元の物理をはじめからていねいに』などのシリーズが、オススメである。

このシリーズは、参考書と問題集とを兼ね備えたような、構成になっている。なお。他の出版社からも似たような、参考書+問題集のミックス本みたいなのが出ている。


なお、このような目的で参考書・問題集のミックス本を買う場合、力学などの各分野の典型的問題の解き方の手順の、具体的な解説が充実しているかどうかが重要なので、問題数は多くなくても構わない。

典型的な問題例だけをミックス本で問題練習して身につけ、その他の雑多な入試問題対策は、入試対策問題集を購入して勉強するのである。

なお、これらの問題集・参考書のあわさったミックス本は、ページ数の限りなどにより、文英堂シグマベストやチャート式などで解説されている事項のすべてを網羅しきれない。

なのでミックス本とは別に、シグマベストまたはチャート式も購入して理解しておく必要があり(できればシグマベストとチャート式の両方とも購入するのが望ましい)、シグマベスト・チャート式に紹介された(物理の)基本事項も確認して、シグマベスト・チャート式の例題などは練習しておく必要がある。

入試対策問題集を読んで解法の知識を増やす編集

また、上述のような作図練習(作図 → 方程式)の練習をするのは、もちろん必要な上で、それとは別に、入試でよく出てくる典型的パターンの問題も解けるように、別の問題集(入試対策問題集)を読んで、解法の知識を増やす必要がある。こちらのほうは、とりあえず読むだけで良い。もちろん、解法の解説の充実した問題集を買うべきなのである。

入試対策問題集には、入試基礎〜標準レベルと、入試難関レベルなどがある。とりあえず読む始めるべきは、入試基礎〜標準レベルである。

なので、学校で習った範囲については、高校2年生の段階でもいいので、さっさと入試対策問題集(入試基礎〜標準レベル)を読んで、解法を読んで、解法を知識として知ってしまうべきである。

高校2年や高校3年1学期あたりでは、入試対策問題集はとりあえず読むだけでいいので(まだ問題練習はしなくてもいい)、入試基礎〜標準レベルは、さっさと読み終わってしまう。そのあと、高校3年1学期くらいまでは、自分の興味にあわせて、入試難関レベルの問題集を読んでみたり(とりあえず読むだけ)、あるいは、入試基礎〜標準レベルの問題をじっさいに解き始めてみたりするのである。

理工系志望のさいの学科の選び方編集

あなたがもしも、「ナノテクノロジー」や半導体などの最新デバイス、そのほかカーボンファイバーなどの最新の素材などのような、 最先端の物理学や化学をつかった技術そのものを「自分でも発明できるようになりたい」と思って勉強したくて大学に進学するのなら、けっして電気電子工学科や電子情報工学科のような電子系の学科には、進学してはいけません。

なぜならこれら「電子」系の学科とは、けっして、最先端の半導体や最新素材を発明したい人を育成するための学科ではなく、就職後に、ほかの誰かが開発した半導体やナノテク技術や最新素材や集積回路などを、工場で使って、ほかの機械をつくりたい人を育成するための学校が、電子工学科なのです。

なので、もし半導体やナノテク技術そのものを発明できるようになりたいならば、なるべく物理学科を目指しましょう。また、カーボンファイバーやら何やらの素材をつくりたいなら、化学科を目指しましょう。


なぜなら、こういった「電子」系の学科とは、けっして半導体などの物理的・化学的なしくみを習う学校ではなく、かわりに、半導体などの最新デバイスの計算方法を練習する学校だからです。

なぜ、「そのような公式で計算をするのか?」の物理学的な証明は、これら電子系の学科では、習いません。

電子系の学科は、「物理学には興味がないけれど、でも、電子機器を設計できるようになりたい」という人を、育成するための学校です。

なので、半導体そのものやナノテク技術そのものを開発したい場合なら、あるいは集積回路そのものを設計できるようになりたいなら、大学受験での進路志望では、なるべく物理学科を目指しましょう。

高校物理の得意な受験生だと、ついつい「大学で視野を広げよう」と思って、普通科高校では習わない電子工学などを専攻する学科を志望しがちになるので、気をつける必要があります。電子工学系の学科では、「視野を広げる」どころか、本来なら、大学進学前には古典物理や化学や機械工学などにも向けられていたはずの視野が、狭められてしまう可能性すらもあります。

また、たしか、講談社の『講談社 基礎物理学シリーズ 全12巻』での電磁気学の巻号の教科書を読むと、勉強法の主旨として「物理学科の電気磁気学とは、問題をすばやく解くことではなくて、その問題の解き方がそうなるわけを、自分で計算して導き出せるようになること」、「けっして、特定の装置での、電場の分布や磁場の分布を求めるのが、物理学の電磁気学ではなく、電場や磁場の法則そのものを理解することのほうが必要」、「特定の装置での、電場や磁場の分布を求める技能は、物理学の電磁気学とは別の、職人芸である」的なことを主張しているのですが、なぜ、わざわざ著者の物理学者さんが、こういう当前の事を主張するかというと、つまり、(物理学とは違う)「職人芸」のほうの『電磁気学』を教育している学科(電気電子工学科)が、日本各地の理系大学には存在するからです。

入試対策編集

「橋本の物理」などの基本的な参考書+問題集のミックス本を問題練習してきただけでは、私大平均レベルより少し上(偏差値55くらい)までの入試問題しか解けないようだ。


買うべき問題集は、入試基礎〜標準レベルだけでなく、入試難関レベルの問題集も、買って、入試難関レベル問題集まで解いてしまうのが良いだろう。

なので、学校で習った範囲については、高校2年生の段階でもいいので、さっさと入試対策問題演習をすべきである。

大学以上のレベルの物理を勉強したい場合編集

高校生が、参考書よりも、さらに発展的な理科を勉強したい場合、高校生は、どうすればよいのでしょうか?

もはや、大学生向けの教科書を買うしか、ありません。しかし当然、大学受験生には、そんな暇が、ありません。それに、せっかく大学向けの教科書を買っても、力学の教科書なら力学のことしか書いてませんし、電磁気の教科書なら電磁気のことしか書いてありませんので、高校生には、すごく不便です。


もし大学レベルの物理の書籍を買うだけでも、とても冊数が多くなり、大学レベルの力学の本、電磁気の本、振動・波動の本、熱力の本、量子力学、特殊相対性理論、…と全部を買い合わせていくと、値段がたぶん5万円を越えます。なのに、せっかく買っても、読む時間が足りません。

このほか、数学の線形代数・微分積分(偏微分・重積分)の本、微分方程式の本、化学の概論書、生物の概論書、機械工学の概論書、電気工学の概論書、初等的な材料力学・流体力学の本、電気回路および電子回路の教科書、材料工学の本を機械材料と電気材料で計2冊、人体の生理学の入門書、基礎の薬理学、…と、買い合わせていくと、値段がたぶん20万円を越えます。

図書館には物理の専門書があり、利用資格があれば無料で借りることが出来るが、おそらく返却期限までに読み切ることは難しいだろう。そこで、専門書をスマホのカメラなどで複写するなどすれば、大学以上の物理などの専門書をかなり安く入手できる。

脚注・参考文献編集

  1. ^ 『高校の勉強のトリセツ』、GAKKEN、100ページ
  2. ^ 船登惟希 『改訂版 高校一冊目の参考書』、KADOKAWA、2019年3月18日、154ページ