このページ「学習方法/高校生物」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。
※注意 編集者の主観的な勉強法も、本ページには書かれているだろうと思われるので、このページは、せいぜい参考程度にして、このページをあまり信用しすぎないようにして頂きたい。

また、各教科・各科目の個別の勉強法については、市販の参考書を何冊か見れば、ふつうは、その参考書の前書きのページあたりに、その参考書をつかった勉強法的なことが書かれてるだろうから、そういうのを参考にしたほうが安全だろう。

  • 生物の学習方法は、大学の医歯薬学部を目指すかどうかで、必要な学習法が大きく変わる。

たとえ、アナタ自身が医療職を目指さなくても、高校生の中には医療職を目指す人もいるのだから、高校生物では、これらの進路にも対応した教育が、なされることになる。


資料集ではなく教科書で勉強しよう

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生物の場合、資料集では、教科書範囲の内容の説明のついでに、大学レベルや専門教育レベルの話題も書いてあり、高校の範囲を超えている話題が、いくつかあります。

たとえば、解剖学などで、そのような傾向が多く見られます。

いちいち解剖図で、どこからどこまでが高校範囲で、どこからが大学範囲とか、資料集は書いてくれません。


いちおう、あまりに高度な話題ばかりの段落は「発展」とか「コラム」とかに分けられたりします。しかし資料集では、たとえば、人体の内臓の仕組みについて「生物基礎」とか書いてあるのに、大学入学共通テストには出題されなさそうな解剖学的な人体の内臓の細かい情報なども載っています。


大学入学共通テストに出題されそうな話題は、あくまで参考書の範囲くらいまでです。つまり、たとえば数研チャート式や文英堂シグマベストなどの高校生物の参考書までです。

なので、高校生は、まず教科書や参考書で勉強を始めましょう。

特に生物資料集は、高校で生徒に買い与えられる場合も多いですが、しかし、上記のような特徴がありますので、使用には注意が必要です。

資料集を読んでもいいですが、まず教科書や参考書で基本的な知識を把握しましょう。


教科書に書いてない話題は後回し

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なので高校生は、まず現在のカリキュラムを中心に勉強しましょう。

そのために、まず検定教科書を中心に勉強しましょう。

参考書より、まず検定教科書です。


生物基礎の教科書を保管しておく

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普通高校の生物系の科目には、『生物基礎』と、専門科目の『生物』の2科目がありますが、生物基礎の教科書にしか書いてない話題がいくつかあります。

なので読者は、受験勉強のさいの復習に『生物基礎』の教科書も必要になるので、(高校1年あたりで)生物基礎を習い終わっても、捨てないようにしましょう。

もし、すでに捨ててしまった場合、参考書で、「生物基礎・生物」両科目対応のを買えば、それらの単元の話題も書いてありますので、参考書を購入することになります。

また受験勉強の際には、生物系科目の単元の構成が、上述のような構成になっているので、受験勉強のさいには、けっして専門「生物」の教科書ばかりを勉強しないように気をつけてください。

高校生物の目的は「理解」だが、学習手段は「暗記」である。

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高校生物の目的は生物の仕組みの「理解」だが、しかし学習手段は仕組みや用語などの「暗記」である。

ひょっとしたら大学レベルでは事情が違うかもしれないが、少なくとも高校レベルでは暗記が多く必要である。

丸暗記の負担を減らすために、教科書・参考書などの解説を読んで、知識を関連付ける勉強が必要である。生物学が科学である以上は、英語など語学と比べたら、生物で覚える必要のある単語は英語よりも少ないというのを、暗記勉強で逆手に取れる。

なお、読者が高校生物の勉強として覚えるべき用語は、高校生物の教科書と参考書で扱ってる範囲までで良い。

もちろん、生物学は、けっして、単なる記憶力を自慢するだけの暗記を競う学問ではない。 単なる知識自慢とは生物学は違い、生物学は科学の一分野であり、法則などに基づいて生物の仕組みを理解していく学問である。

しかし目的と手段とは異なる。高校レベルの生物学を学習する手段は、高校1〜2年ごろの段階では、とりあえずは暗記という手段が必要である。

しかし、生物学が科学である以上は、やみくもに暗記するのは非効率な学習法である。高校生物の検定教科書や大学受験参考書など、著者が科学としての生物学が充分に分かっている著者の書いた本を読む事で、仕組みや用語などの知識を覚えていく必要がある。

生物学に限らず、分かっている人や実績のある人の書いた本を聞いたり参考にするのが、高度な学問や技術の学習法である。けっして自然科学は単なる知識自慢の学問では無いので、分かってない人の話などを聞いても、仕方が無い。だから科学書を高校生が読むなら、高校レベルまたは大学レベル以上の本を読もう。

  • 仕組みも覚える。用語も覚える。一度は教科書・参考書の説明を読む。

また、生物学が科学である以上、けっして用語だけを覚えてもムダである。仕組みなども覚える必要がある。まずは仕組みと関連付けて、用語を覚える必要がある。用語の暗記勉強を開始するタイミングは、少なくとも仕組みの説明について一度は教科書・参考書を読んだあとからである。なお、深く理解しきる前から用語暗記の勉強を開始したほうが良い。完璧に理解しようとしても、理解しきるのは難しく、とくに低学年のうちは、予備知識が少ないため、完全な理解は困難である。

だから一度でも教科書を読めば、次からは、ひとまず暗記を始めたほうが良い。何度も読み返す必要は無い。むしろ、もし読む勉強をしたいなら、参考書を読もう。

さて、用語も、けっこう多く覚えないと、入試問題が解けない。少なくとも市販の参考書に太字などで強調されて書かれてある用語は、受験までには、最終的には覚えないといけない。高校の定期テストでも、用語の暗記を問う問題が出るだろう。

問題集を解くのも必要だが、高校1年・2年の当面では用語の暗記も必要である。

どっちみち大学での生物学や医学・農学・薬学などでも、いつかは用語を暗記しないといけない。だったら、覚えきれるかどうかは置いといて、とりあえず用語などを暗記しようと勉強を始めてみて、覚えられそうな事があれば、そのまま覚えてしまおう。

共通テスト対策

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過去問や共通テスト対策の参考書を進めるといいだろう。

理学部・工学部への志望の場合

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学習の基本パターン

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この節では、特に断らないかぎり、理学部・工学部・理工学部への進学を対象に述べる。これらに対応する生物科目の学習法をしていれば、文系学生の大学入学共通テストでの生物科目の対策にも対応できるからである。

  • 用語の暗記も必要。

まず、用語の暗記も必要である。もちろん、用語の意味の理解なども必要だが、最終的には用語を暗記をする必要もある。この暗記の理由は、医学部などを想定すれば分かるだろう。医療の世界では、とっさの判断が必要な場合もあるだろうし、治療法などを覚える必要がある。生物科目は、それらの進路志望者にも対応する必要があるのだ。だから、生物の学習では用語を暗記する必要がある。(ただし、誤解の無いように言うが、医学部入試でも計算問題や理解の深さを問う問題も出てくるので、暗記だけでは解けない。)

  • 計算問題も出てくる。

意外だが、高校生物入試で計算問題も出題される。これらは問題演習により、確実に解けるように対策しなければならない。 しかし、計算が出てくるからといって、けっして用語などの暗記の必要性が無くなるわけではないので、誤解をしないように。

大学進学後の生物学でも数学が必要である。また、暗記もする必要がある。したがって進路志望では、「計算は好きだが、暗記はしたくない」「暗記は好きだが、計算はしたくない。」という人は、生物学科以外を目指すほうが無難だろう。

  • 問題演習も、多く必要。

同様に、問題演習も、多く必要である。これも医療職などを想像すると必要性が分かるだろう。医療職では治療法などを「覚える」必要があるのだ。だから問題演習により、問題を確実に解く能力が必要である。また、医療職では国家試験がある。高校レベルの問題がスラスラと解けないと、国家試験の合格が難しい。

  • 高校生物では、中学校までと学習内容が大きく変わってくるので、問題集などで問題練習を多く解くことにより、学習方針を確認する必要がある。

生物学科志望の場合、化学も必ず学んでおくこと

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大学の生物学科や医療系の学科や農学部では、進学後の授業で、かならず化学が必要になる。なので高校の化学を学びたくない人は、大学の生物系の学科への志望は、やめたほうが良い。 というか、生物系学科・医師薬学・農学に限らず、ほとんどの理系学科で、高校化学および高校物理および高校数学Ⅲの知識は必要であろう。大学の専門課程の生物系科目の教科書で、高校物理や高校化学で扱っている知識も、必要になる。

なので、生物、化学、数学Ⅲ、物理の科目を学習したくない人は、大学の生物学科への志望は、やめたほうが良い。

このため、高校3年の履修では、大学生物学科の志望者の場合は、生物と化学と数学は履修して、数学と化学を受験勉強するのが、定石である。

高校生物の重要語句を暗記できない人は、大学の生物系学科を目指さないほうが良い

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たとえ医療系志望でなくても、理工学部の生物学科用の大学生物学の教科書ですら、高校生物の何倍もの量の多くの用語が出て来る。 また、大学教科書での、細胞などの仕組みの現象の説明も、高校生物よりも、かなり記述が細かくなる。

それら大学生物と比べたら、高校生物は、大学受験参考書ですら、かなり単純であり、高校生でも覚えられそうな、大まかな原理しか、説明していない。

なので、もし高校生物の参考書レベルの重要語句すらも暗記できないようなら、大学の生物系学科を志望しないほうがいい。

べつに、教科書・参考書の「すべての語句」を暗記しろと言ってるのではなく、少なくとも重要語句は暗記しろと言ってるのである。教科書や参考書を読めば、重要語句は、太字などになってるはずである。高校生物の、そういった重要語句は、暗記する必要がある、と言ってるのだ。

高校での物理の履修について

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理想的には、できれば物理も履修したほうが良いのだが、しかし現実的には、学校の時間割などの時間的な理由などで、生物学科志望者には、物理と化学と生物の理科3科目を履修するのは難しいだろう。ただし、もし大学の理系学科に進学するなら、ほぼどんな学科でも高校の物理レベルの物理の知識は使う。そして、生物学科でも、大学2年以上で習う専門課程で、少なくとも物理レベルの知識は使う。

なので、たとえ生物系の学科志望でも、せめて物理の参考書を買っておいて通読しておいて、参考書とかの簡単な練習問題でいいから練習問題をするぐらいのことはしたほうが良いだろう。

生体内の化学反応の、完全な理解はあきらめるべき。

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教科書や参考書にある、生物の体内で起こっている化学反応や物質名などは、最終的には覚えなければならない。生物でも用語や物質名や化学反応などを覚えないといけない。

もちろん、参考書に書いてある説明には目を通す必要があるが、最終的には物質名や反応などを覚えないと、入試では点が取れない。高校生物の化学反応なども覚える必要がある。大学進学後も用語を覚える必要はある。

初めて高校生物の参考書を買う人は、まず田部先生の参考書を

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初めて高校生物の参考書を買う場合は、まずは田部先生の「生物合格77講【完全版】2nd edition」を買おう。生物教科書5社分を比較しただけであって、説明は一級品となっている。

チャート式も代用可能

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チャート式の生物の参考書には、けっこう高度な説明もチャート式生物に書いてある。なお、数研出版の検定教科書のほうは、同社(数研出版)の参考書よりかは、やさしめに書いてある。

資料集にある細かな用語などは入試に出ない。

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市販の資料集を見ると、教科書や参考書では紹介されていないような用語も多く出る。「生物」教科の資料集の場合、たとえば解剖学的な用語、あるいは動物学・植物学的な用語など、資料集に見られる。だが、それらの専門的な用語は、あまり入試に出ない。基本的に大学入試にでる用語は、参考書を数社分で充分にカバーできる。難関大学などでは、参考書の範囲を超えた用語が出る場合も考えられるが、しかし、それら難関志望の場合でも、市販の問題集の入試標準レベルの書籍の解説文などで、難関大用の専門用語の学習はカバーできるだろう。

また、資料集の用語を覚えきる必要は無い。覚えるべき用語は、教科書や参考書で紹介された用語である。そのため、まず参考書を購入しなければならない。また、参考書の知識が定着したかどうかの確認は、問題集で行うべきだ。

  • 資料集よりも参考書のほうが必要

高校で資料集を買わされる場合もあるだろう。だが、むしろ、学校では買わされないだろう参考書のほうが入試生物での重要性が高い。学校で資料集を買わされることの多い理由は、むしろ授業時の副教材としての目的であろう、教科書には収まりきらない写真や図版などを授業中に教員が生徒に紹介するためだろう。

  • 参考書を読まずに資料集を読んでも活用しづらい

また、資料集は予備知識として検定教科書レベルの知識を前提にして、教科書の補足的な説明をしている。それも、生物レベルの範囲の補足説明も、資料集には書かれている。教員が授業中に高校1年生に資料集の内容を紹介する場合には、生物の知識が無くても生徒は分かるだろが、しかし独学では、そうはいかない。なので、まだ、生物の教科書や参考書を読んでない読者には、資料集は向いてない。

  • 知識の確認は問題集で

資料集を読み込むよりも、むしろ問題集で問題演習を多く練習するほうが、高校生には望ましい。多くの高校生にとって、問題集すら現役高校生の時期には終わりきらないだろう。よって、資料集の読み込みまでは、もう時間が足らないのが、高校生の現状であろう。

  • 大学入学後

また、大学入学後でも、それら資料集に紹介されるような用語の重要性は、当面は、あまり重要度が高くない。大学入学当初の生物学では、むしろ物理学や化学を用いて生物学を勉強する知識が、要求されるだろう。高校生物では、あまり物理や化学と、生物を関連づけて習ってないからである。

また、大学でも単語だけを覚えても、大学入学後の生物学テストでは点は取れず、生物学の理論も覚えないと得点が取れない。その大学生物の理論も、高校の段階では、まだ習わないし、資料集でも、あまり大学生物の細かい理論は紹介されない。

ただし、医学部や薬学部などだと、国家試験のため、それらの職種に関係のある用語を丸暗記して覚えなければならないだろう。しかも暗記量が多い。だが、それらの暗記は、大学入学後に専門科目で行ったほうが効率的だろう。たとえば極端な例をあげれば、医学部の学生には、あまり植物学の細かな知識は要求されないのだ。(でも、検定教科書レベルの植物学の知識は、医学部などでも必要だろう。たとえば薬品の勉強では、植物の知識も必要だろう。あくまで、資料集にしか書いてない話題は、進学後の学科によっては、残念ながら重要度が低い、という意味である。)

農学部なら、植物学の細かな用語は必要かもしれない。だが、その農学部ですら、大学入学後の生物学の細かい理論とか、あるいは物理学や化学を用いて生物学を勉強する知識が要求されるだろう。

高校生には、まだ、資料集の発展的な内容について、大学進学後の生物学と、どう関わってくるか、それとも、あまり関わらないのかが分からない。たとえ多くの教材出版社の(高校生用の)資料集でよく説明される事項であっても、あまり大学進学後に重視されてない知識も多い。高校入試を思い出してみよう。中学の教科書や参考書・史料集に、発展的な項目として書かれていたことであっても、高校入学後の授業では、あまり要求されない知識もあったはずだ。大学入学後も同様である。

  • 資料集の内容には、入試に出しづらい知識もある

もちろん市販資料集の執筆者は、彼の記述内容を重要だと思って、その本に、その用語を書いて紹介しているのだろう。だがしかし、現実として、大学入学後には重視されてない知識も多い。もちろん、資料集に書かれている内容には、重要性が実際に高い内容もあるだろう。たとえばヒトの出産の仕組みについての説明などが資料集に書かれているが、きっと重要性は高いだろう。だが、それらの出産の知識は日本の入試制度では保健体育の内容と重なっており、大学入試の生物教科では出ない場合が多い、という現状である。

  • 資料集の活用法(かならずしも活用しなくても良い)

もし資料集を活用したいなら、まず、資料集の優先順位が低いことを知ることである。読む優先順位は、

(優先度の高い側)  参考書・教科書 > 問題集 > 資料集  (優先度の低い側) 

であろう。

問題集は読むだけでなく、キチンと問題を解くのを忘れないように。 教科書で分からない事があったら、まず参考書を読む。問題集で分からないことがあったら、まず参考書を読む。参考書は複数の出版社を読む。

けっして資料集を「熟読しよう」などとは思うべきではない。資料集は一度か二度、目を通して通読すれば充分である。

教員にとっては、資料集は、授業準備用の学習書としては良いかもしれない。たとえば高校教員が授業中に話すかもしれない発展的な内容のいくつかも、きっと資料集に書かれている内容であろう。だが、そんな教員側の事情なんて、現役高校生にも大学受験浪人生にも、直接は関係ないことだ。

検定教科書の発展項目について

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高校の検定教科書には、発展的な内容も書いてあり、参考書に書いてない高度な内容を扱っている場合もある。特に生物に相当する新課程「生物」になると、かなり発展的な内容も書いてある。

とくに生物学の場合、たとえばバイオテクノロジーや再生医療などの分野で、教科書の発展項目の記述内容の変化が早い。

だが、教科書会社ごとに紹介している内容が違う。なので、あまり入試には出づらい内容の可能性があるので、学習時には注意が必要である。もし発展内容を確認したいなら、代わりに参考書(複数の出版社分)と問題集(入試標準レベル以上)で代用すれば充分だろう。入試に出る発展内容については参考書の複数社と問題集があれば充分にカバーできるだろう。

入試「生物」では参考書を超えた発展内容を学ぶ必要は無い。そんなヒマがあるなら、他教科・他科目の参考書で、それらの他科目の発展内容を学んだほうが良い。

また、大学レベルの生物学を学ぶ場合でも、高校の参考書レベルの知識が、ほぼ必要になる。なので結局、参考書(高校生用)を読み込んだほうが良いだろう。

洋書の生物学書は、高校生は読まないほうがいい。危険である

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地域や学校によっては、図書館に、分厚い洋書の生物学書があるかもしれない。

しかし、そのような洋書は、以下の理由により、読者に誤解を与える可能性が高く、高校生の学習には危険であるので、読まないほうがいい。

実際に500〜1000ページもある分厚い本の生物学の洋書を読んでみると分かるのだが、内容が、まぎらわしい。生物の仕組みには、原則と例外がある。ほとんどの生物にある仕組みを、例外的に持ってない生き物も、世の中には存在する。

日本の高校生物の教科書に書いてあるような基本事項でも、例外がある。洋書の中には、例外のほうを強調しているものもあり、もし予備知識のすくない生物学の初学者が読んでしまうと、ある生物現象の「原則」と「例外」を逆に誤解してしまう可能性もあり、大変に危険である。 なので、たとえ図書館などに、そのような分厚い洋書の生物学書などがあっても、そういう洋書は読まないほうが安全である。

以上、洋書を読まないほうがいい理由の、主な理由である。

以下の行は、補足説明である。

それに本が厚すぎると、問題練習をする時間も不足する。しかも、洋書を実際に読んでみると分かるのだが、練習問題のレベルが低かったり、雑多な知識を問うものも多い。

また、実際に500〜1000ページもある分厚い本を読んでみると分かるのだが、「何が重要事項であり、また、何が補足事項なのか」も、分かりづらいのである。しかし高校生は、重要事項を優先的に学習する必要があるのだ。だから、分厚すぎる専門書は、高校生にとっては逆効果である。

大学用の教科書は、高校生物には、まったく役立たない

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大学生用の生物学の教養課程(大学1年生ていど)の教科書は、まったく高校生には適していない。なぜなら高校の範囲の広さのほうが、大学の教養課程の生物学よりも広範な話題を扱っているからである。

高校の生物では、たとえば内臓など解剖学の基礎とか、さまざまな動植物の植物学・動物学の基礎など、純粋な生物学のほかにも関連する様々な分野を習っている。

大学の学科にもよるが、数学科や機械工学科などの生物以外の大学生のならう大学生物学の教科書1冊だと、たとえば解剖学やら動物学やらの関連分野は記述が少ないのである。大学生用の教養課程の生物学の教科書は、遺伝子や細胞の仕組みなど、微細な物の理論を基礎にして書いている書籍が多い。そのぶん内蔵などの解剖学やら、各種の動植物の植物学・動物学など、サイズの大きな物事の記述は弱い。


もし、1冊500ページ〜1000ページもあるような、とても分厚い、大学生物の専門書を買えば(たとえば洋書などで辞書みたいに分厚い本がある)、それら解剖学やら動物学など関連分野も書いてあるかもしれないが、しかし高校生の学習には厚すぎて適さない。

また、日本の医大生用の解剖学の本を読んでみると、もちろん医学生や看護学生などを対象に書かれており、とてもじゃないが高校生が活用できる内容ではない。また、医学書には、植物学とか動物学とかに関わるような内容は、ほとんど書かれていない。農学に関するような内容は、もちろん医学書には書かれていない。

とにかく解剖学・植物学・動物学など、分野によっては、レベルの高さは、高校生用の受験生物の参考書のほうが、大学用の教養課程よりも、レベルが高いのである。特に生物学は、遺伝子の分野などの急激な発展のため、生物学の進歩が早い分野なので、十数年前の大学生用の教養課程(大学1年)の教科書よりも、なんと現在の最新の高校参考書のほうが記述が詳しい場合もある。

もし物理学の場合なら、大学の教養課程の教科書の1冊か2冊ていどで、一通りの高校物理の内容を網羅しているという本もある。しかし、生物学では事情が違うのである。大学の教養課程の生物学は、高校生物を網羅できていません。

もし高校教員・塾講師などの教育者だったら、大学レベルの分子生物学の専門書、生化学の専門書、解剖学の専門書、植物学の専門書、動物学の専門書、・・・なども背景知識として読んで勉強しておく必要があるのかもしれないが、しかし高校生本人・浪人生本人には、そこまでの専門書は不要であろう。