本項は、専修大学の入学試験対策に関する事項である。

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専修大学は、東京都千代田区と神奈川県川崎市にキャンパスがある日本の私立大学である。歴史は古く、1880年に創立された専修学校が前身で、2020年に創立140周年となった。受験生は東京都、神奈川県を中心に全都道府県から集う。

全体 編集

専修大学の入学試験は、1986年度の経営学部入学試験で私立大学の一般的な3科目による入学試験とは別に、英語と小論文による入学試験を導入するなど、入学試験の方式を複数導入する動きなどが見られるが、基本的には3教科による入学試験を行っている。その後、一般入試の場合は入学試験日が同じであれば基本的に同じ入学試験問題であることを利用して(一部の学部・学科で見られる入試方式を除けば学部独自の入試問題の出題を取りやめたこともあり)、一定の条件下で併願ができるようになっている。 また、2000年代前後よりセンター試験方式およびセンター試験併用方式の導入が行われたり、2000年代前後より一部の科目以外は基本的に客観式(マークセンス方式)を採用している。

試験会場は専修大学の各キャンパス(神田・生田)のほか、全国数か所の学外会場(予備校など)である。受験生には願書に第一希望と第二希望の会場をマークして出願することが求められる。ただし、各会場の受け入れ人数を超えた場合や一部の科目を選択する場合、一部の入試方式については、会場が専修大学のいずれかのキャンパスが指定される。

なお、専修大学各キャンパスを含め、どの会場を選択した場合でも、試験開始時と終了時はチャイムはなく(試験監督によるアナウンスのみである)、また大学会場では教室内に時計がないために、時計の持参が必要である(携帯電話の時計は時計代わりに使うことを認めていない)。遅刻は各科目の開始20分後まで認められる。

試験方式 編集

概要 編集

大まかには「センター試験利用の入学試験」と「大学独自の入学試験」の二つに分けられるが、「センター試験」と「大学独自の入学試験」を併用している方式をとる学部・学科もある。以下、主として2014年度の入学試験を参照に記す(センター試験のみ利用の入学試験と、「センター試験」と「大学独自の入学試験」を併用した入学試験については省略)。

「スカラシップ・全国入学試験」 編集

大学当局から、試験区分としては「スカラシップ・全国入学試験」と紹介されるが、試験日が同一なだけで、「スカラシップ入学試験」と「全国入学試験」という、別々の方式のものである。

「スカラシップ入学試験」は、試験科目こそ、英語・国語・選択科目という、私立大学文科系学部そのものの入学試験であるが、願書とともに志望理由書の提出が必要であり、また、基準点が設けられる(例年、300点満点で約220点)。例年、募集人員=合格者は、一部の全学部・全学科で100名となっており、学部や学科によっては合格者を出さないこともある。各学部・学科間の併願は不可。

「全国入学試験」は、英語・国語・選択科目という、私立大学文科系学部そのものの入学試験で、文学部英語英米文学科のみ350点満点、その他の学部・学科は300点満点となっている。「スカラシップ入学試験」とは異なり、各学部・学科間の併願は可能。

なお、上述の二つの入学試験は、専修大学(神田・生田)を含む全国17会場で実施される。

前期入学試験 編集

「スカラシップ・全国入学試験」とともに二月の前半に行われる入学試験であり、「全学部統一入学試験」と「学部個別入学試験」からなる。

「全学部統一入学試験」は、英語・国語・選択科目という、私立大学文科系学部そのものの入学試験で、全学部・全学科が300点満点の入学試験である。全国7会場にて行われる。

「学部個別入学試験」は、3教科同一配点(合計300点満点)のA方式、出願時に申請した1科目を150点(合計350点満点)とするB方式、英語150点と他教科・科目100点(合計350点満点)とするC方式、国語150点と他教科・科目100点(合計350点満点)とするD方式、英語100点と数学200(合計300点満点)によるF方式などがある。

これらのうち、A、B、C、D方式は、各教科・各科目の配点こそ異なるものの同一問題である。E方式とF方式においても、英語のみは、他の入試方式と同一のものである。

E方式とF方式にわたる併願はできないが、他の方式は併願が可能(ただし、「倫理」は文学部、人間科学部のみ選択可)。

かつては、一部の学部・学科の受験者を対象として、選択科目に「情報」や「簿記・会計」も含まれていたが、近年、選択できなくなった。

なお、会場は、専修大学(神田・生田)を含む全国7会場から選択できる。

ネットワーク情報学部においては、2021年度入試より大学独自試験(一般選抜の前期入学試験(A方式)、全学部統一入学試験、後期入学試験)に、大学入学共通テストの数学I・A受験が必須となる。また、これに基準点が設けられる(ただし、合計点には含まない)。

後期入学試験 編集

例年、2月28日に実施される。

英語・国語・選択科目という、私立大学文科系学部そのものの入学試験で、全学部・全学科が300点満点の入学試験。会場は専修大学(神田・生田)のみである。

二部一般入試 編集

神田キャンパスにて開講される、二部(夜間部)の一般入学試験(二部には、このほかにも入学試験制度があるが、ここでは、この入学試験に絞って紹介する)。

毎年3月に行われ、必須科目は国語100点、選択科目として外国語(英語)・地理歴史・公民・数学から1科目100点の200点満点である。

国語は古文・漢文が試験から除かれている。

試験会場は専修大学神田キャンパスのみである。

その後、二部は2020年度入学試験をもって募集停止となった。

各教科・科目 編集

外国語 編集

外国語は英語のみ選択できる(センター試験利用入試を除く)。大きく分けて読解問題と文法・語彙問題が出題される。かつては会話の空所補充問題や短文に単語を補充して文を完成させる問題が出題されることもあったが、減少傾向にある。また、文法・語彙問題には和文対照英文の整序問題が必ず含まれる。

国語 編集

現代文、国語常識、古典が出題される(センター試験利用入試を除く)。

  • 現代文:漢字は、高校の授業で扱うような簡単なものが出題される。いきなり文章を読み始めるのではなく設問で傍線部の何を聞かれているのかチェックしてから読むことが重要。専修大学の現代文は、根拠が明確に書いてあり、斜め読み・読み飛ばしは厳禁。
  • 国語常識:ことわざや慣用句の間違い探し、意味との接続、現代文法(中学内容)、最初に示した文章の漢字と同一のものの選択などからなる。5問中3問は取れるようにしたい。2020年に2021年度入学試験からは独立した大問としては出題されなくなることが発表された。
  • 古典:古文は、主に読解がメイン。だれが、だれに、どこで、何をしたのかを読めるようにしたい。ネットワーク情報学部、二部一般入学試験では出題されまない(試験範囲としては「現代文」となっている)。

地理歴史 編集

日本史B
時代順の出題でも、政治史のみの出題でもない。時代の偏りはあまりない。2000年代初頭には、難問ではないにせよ、専修大学の歴史と関わる事象を問うものなどが出題されたこともあったが、その後は、難問、奇問、悪問の類が出題されることはほとんどない。

世界史B
地理歴史の中で唯一記述式である。

地理B
8割程度、基礎的な内容が問われる。地形図の読図は毎年出題されているため、日ごろの勉強で練習しておきたい。また、位置関係も重要。地図帳で確認すること。

公民 編集

政治・経済

倫理
文学部と人間科学部のみ選択可。マークセンス方式で解答をする問題の他に、約60字の論述問題が一題出題されることが特徴。文学部哲学科の常勤教員が総出で作問しており、東洋思想も含めて出題に偏りはない。

数学 編集

文系

数学I・数学II・数学Aを範囲として出題される。全問記述式である。2021年度入学試験から数学B(数列・ベクトル)が範囲として追加される。

理系

ネットワーク情報学部のF方式(英語と数学のみ)の数学として出題される。数学I・数学II・数学III・数学A・数学Bが出題の範囲。全問記述式である。

商業 編集

簿記・会計

選択科目として出題されていたことがあるが、2020年現在においては出題されていない。 日商簿記2級レベルから日商簿記1級程度の会計基準・会計制度の問題が出題されていた。仕訳問題、総合問題(P/L・B/S・W/S・S/Sの作成)は必ず出題され、会計基準・会計制度の穴埋め問題、用語補充問題のいずれか1題が出題された。年度によって難易度は異なるが、過去に日商簿記1級程度の試験レベルの問題が出題されていることもあった。基礎の重視と問題演習を徹底することが対策になり得た。

情報 編集

平成18年度から平成21年度の経営学部一般前期入試A方式、B方式の選択科目のひとつとして、平成11年3月に告示された高等学校学習指導要領による普通教科「情報」を導入していたことがある。

備考 編集

外部サイト 編集