小学校理科/参考書6学年
6年生の理科では、以前の学年に比べて
また、5年生以下のみなさんは、先ほど説明した理由から、自分の学年の内容から学ぶことをおすすめします。
理科の学習は
物の燃え方
編集物の燃え方と空気
編集- 学ぶこと
ろうそくや木、紙などが燃える時について学びましょう。以下のポイントに注目しましょう。
- ものを燃やすには、空気が必要です。
- 空気だけでは燃えません。燃えるためには、高い熱や炭素などを
含 む物も必要です。
- 注意点
- 家庭では絶対に実験を行わず、学校の理科の授業で指導を受けましょう。
- ものを燃やす実験を行う場合は、窓を開けて
換気 をしましょう。 - 実験の際には、火の近くに紙などの燃えやすい物を置かないようにしましょう。
- 料理や火を使う場面でも、
換気扇 を回して換気をすることが大切です。
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ろうそくの理科実験。消える場合。ふたが半開き。
ふたが開いていても、口がせまいと、空気があんまり入ってこないので、火は消える。 -
ろうそくの燃焼の理科実験。粘土に穴を開け、口が半開きの場合。集気ビンの底は無い。燃え続ける。
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ろうそくを燃やす理科実験での、空気の流れの説明図。
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空気の流れの向きを調べるには、
線香 を近づけて、煙の向きから、流れの向きが分かる。ビンの下から、煙が入る。ビンの上に近づけると、そのまま上に煙は上がっていく。このことから、ビンの中の空気は、上に流れている事が分かる。
炭素(たんそ)を含んでいる物が燃えると、二酸化炭素(にさんかたんそ)という気体を発生します。
炭素を含んでいる物は、たとえば木や紙や、デンプンやアルコールや
炭素が燃えるときには、空気中の酸素(さんそ)と、炭素がむすびついて二酸化炭素が出来ます。
二酸化炭素は、物をもやすことが出来ません。
右の図のように、ビンに ふた をしてしまうと、酸素は燃えるのに使われて二酸化炭素に変わってしまいます。酸素がなくなるまでは、燃え続けますが、燃え続けると、ビンの中の酸素はなくなってしまいます。そして酸素がないので、燃え続けることが出来ずに、火は消えてしまいます。
ビンに ふた をしなければ、ビンの口から、空気がいっぱい入ってくるので、空気中の酸素も入ってくるので、ろうそくは燃え続けることが出来ます。
炭素をふくんでいいない物質でも、燃えることがあります。鉄からつくられたスチールウールは炭素を、ふくんでいません。スチールウールは、火をつけると、燃えます。なお、ロウソクは、炭素をふくんでいます。
燃えるとは、燃える側の物質どうしの結びつきが切れて、かわりに 酸素 と くっつく ことです。
物が燃えると、酸素と くっついて 高温を発するため、熱によって、燃える側の物質が分解しやすくなり、ますます酸素と元の物質とがくっつきやすくなります。
小学校では、「燃える」と言った場合、それは物が酸素とくっついて高熱と光を発することだと思って良いでしょう。
木や紙が燃えるときなどのように、炭素と酸素が反応して燃えると、二酸化炭素(にさんか たんそ)が できます。
いっぽう、スチールウールなどのように、鉄と酸素が反応して燃えると、酸化鉄(さんか てつ)が できます。
発展:ろうそくの炎のしくみ
編集外炎 ・・・ 炎の、いちばん外側の部分。色がうすくて、見えにくい。内炎 ・・・ 一番、明るい。炎心 ・・・芯 に近くて暗い。
特徴
外えん(がいえん、外炎)
空気に、じゅうぶん、ふれているので、完全燃焼しており、そのため、温度はいちばん高くて 約1400度 である。
水にぬらした わりばし をさしこむと、外炎の部分から、こげ始めるため、外炎がいちばん温度が高いことが分かる。
内えん(ないえん、内炎)
ろうそく から 分解された炭素が、空気にふれていないので、炭素が燃えきらずに すす になっている。この すす が炎の高温でかがやいているので、内炎がいちばん明るくなってる。
内炎の温度は 約1200度 である。
えん心(えんしん、炎心)
酸素が少なく、あまり燃えていない。そのため、温度がひくく 約1000度 である。
ガラス管を炎心にさしこむと、ガラス管の先から白い けむり が出てくる。この白い けむり に火を近づけると、けむり が 燃えるので、炎心は、まだ燃えきっていない物質があることが分かる。
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ろうそくの炎心に、ガラス管を差し込んだ場合の説明図。
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ろうそくの炎心にガラス管を差し込んだときに先端から出る白い煙に火をつけると燃えることの説明図。
燃焼と空気の成分
編集木の蒸し焼き
編集
木を、火にはつけずに、試験管などに木を入れ、その試験管を加熱すると、中の木が燃えずに分解する。これを木の むし焼き という。
木をむし焼きすると、白い気体が出てくる。むし焼きされた木から出る白い気体を木ガス(もくガス)といい、むし焼き実験での試験管の口にマッチをちかづけると燃えることから、この木ガスは燃えることが分かる。つまり、木ガスは燃える。
また、むし焼きされた木から、
むし焼きされた木は、黒い固体となり、
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木炭
※ 写真では木材の上に木炭がおいてあるが、こういう場所では使用すると木材に引火してしまうので、木材の上では使ってはならない。 -
木炭の燃え方
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木炭を用いたコンロ。
発展:原子 と分子
編集
- ※ 原子や分子については、くわしくは中学校で習います。小学校では、原子や分子については、分からなくても、読むだけで、じゅうぶんです。いちおう、小学校の教科書にも、元素記号は、写真などで、ちょっとだけ書かれています。
二酸化炭素とは、炭素に酸素がくっついた物だということが、分かっています。 「二酸化」の「二」という数字は、どこから来た由来かを説明します。
じつは、物質には、物質ごとに最小限の大きさの粒があります。その最小の粒を
光や温度とかは、物体ではないので、光や温度は、原子からは、できていません。
18世紀ごろに、ヨーロッパの科学者たちによって、すべての物体は原子から出来ているということが、分かりました。
原子は、とても小さく、目では見えません。
電子顕微鏡でないと、見れません。電子顕微鏡は、とても値段が高いので、小学校から高校までの実験では、まずは電子顕微鏡は使わないでしょう。図鑑などを探せば、原子を撮影した写真やイメージ図などが、あると思いますので、それらを参考にしてください。
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酸素分子のモデル。この図では、赤く描かれているのが、
酸素 を表している。 -
二酸化炭素のモデル。この図では、赤く描かれているのが、
酸素 を表している。灰色 で描かれているのが、炭素を表している。
そして二酸化炭素の話題に、もどりましょう。「ニ」という数字の由来でしたね。 じつは、酸素の原子が2個と、炭素の原子が1個で、これらがくっついて、二酸化炭素の気体の粒になっていることが分かっています。なので、「二酸化」「炭素」と言うのです。
二酸化炭素のように、原子と原子がくっついて、もとの原子とは性質のちがう粒の、最小の粒になったものを
燃えたりして、ほかの物質ができる反応が起きる時は、原子や分子が、反応をしています。
炭素の最小の粒である、炭素の原子を、
エンピツの
炭素原子を、記号で C と書き、「シー」と読みます。酸素原子をOと書き、オーと読みます。
このように、原子の種類をあらわす記号を
元素記号のCとOをくみあわせると、二酸化炭素は CO2 と書けて、 CO2 を「シーオーツー」とよみます。「ツー」は数字の1・2・3を英語でワン・ツー・スリー(one,two,three)というときのツーです。
CO2 のように、元素記号をもちいて、あらわした分子の種類を
砂糖の分子の名前は、「ブドウ糖」(ぶどうとう;グルコース)というのですが、ブドウ糖の分子には、炭素と水素と酸素が、入っていることが,分かっています。ブドウ糖の分子の仕組みは、炭素が6個で、水素が12個で、酸素が6個だということも、分かっています。二酸化炭素みたいな呼び方では呼びません。ブドウ糖は「6酸化12水素化6炭素」とは呼ばずに、そのままグルコースと呼びます。ちなみに、グルコースは、C6H12O6です。(ブドウ糖の化学式は高校で習うので、小学では、おぼえなくていいです。)
ちなみにグブドウ糖を燃やすと、二酸化炭素だけでなく、水素がふくまれてるので水も発生することが分かっています。 砂糖を焦げ付かしても、ふだんは、水が出来たように見えないのは、熱で水が蒸発してしまったからです。
木や草や砂糖やデンプンなどのように、燃えると炭素が出る物質は、かならず分子の中に炭素をふくんでいます。
物を燃やしても、原子は、地球上からは、消えたりはしません。物を燃やしても、原子は壊れません。 物を溶かしても、原子は壊れません。
原子として、少なくとも、以下の物が、あります。
原子
- 水素 H
- 酸素 O
- 窒素(ちっそ) N
- 炭素 C
- 鉄 Fe
- マグネシウム Mg
- ナトリウム Na
- カリウム K
- 銅 Cu
- 銀 Ag
- 金 Au
- ヨウ素 I
分子として、少なくとも、以下の物が、あります。
分子
水分子 H2O ・・・ ※水素分子と、まちがえないように。 水分子と水素分子は別物。- 酸素(気体の場合)O2
- 窒素 (気体の場合) N2
- 水素分子 H2
- 炭素 C
- 二酸化炭素 CO2
- 鉄 Fe ・・・鉄の結晶内の最小の繰り返し(くりかえし)を、分子として、あつかう。
空気とものの燃え方
編集物が燃えるには、酸素が必要です。 物が燃えると、その燃えたものに酸素が、くっつくのです。
空気中には、酸素が、気体で、ふくまれています。
空気には、窒素(ちっそ)という、気体も、ふくまれています。じつは空気の78パーセント近くは、窒素(ちっそ)です
- 「窒素」(ちっそ)の、「窒」の漢字は、小学生にはむずかしいので、テストで書く場合は「ちっ素」と書けば、小学校では、じゅうぶんだと思います。
空気中の二酸化炭素の割り合いは、0.04パーセントと、とても小さいです。
窒素は
他にも空気には、アルゴンという分子が、約1パーセント、ふくまれています。水蒸気も、0.04パーセントくらい、ふくまれています。水蒸気の含んでいる割合は、
空気中の窒素分子には、ものを燃やす働き(はたらき)は、ありません。二酸化炭素にも、ものを燃やす働き(はたらき)は、ありません。
空気中にふくまれる気体で、物を燃やす働きがあるのは、
酸素が無いと燃えません。
なので、燃えてるものを
燃えてるものに、酸素だけの気体を送ると、とても、はげしく光を出して燃えます。火花を発するぐらい、はげしく燃えます。学校での実験の際には、注意してください。
酸素は、ほかの物質と反応すると、はげしく燃えます。ですが、じつは、酸素そのものだけでは、燃えません。
酸素が燃えるには、他の物質が、必要になります。
酸化
なお、ある物質の分子に、酸素がくっつくことを、
二酸化炭素も、炭素が酸化した物質だから、「二酸化炭素」と言うのです。
- 参考。ほかの物質について。
5年生までの植物の肥料についての授業で、もしかしたら「リン・ちっ素・カリウム」という、肥料の三要素を、読者は習ったかもしれません。
空気中にふくまれる
リン肥料やカリウム肥料にも、じつは原子が、あります。 リン肥料には、リン原子を含む物質が、多く含まれています。
カリウム肥料には、カリウム原子を含む物質が、多く含まれています。
ものが燃えたあとの空気
編集炭素をふくんだものが燃えると、二酸化炭素が、できます。二酸化炭素は、石灰水に通すと、白く、にごります。なので、木の石灰水の反応を利用して、気体が二酸化炭素をふくんでいるかどうかを調べることができます。
また、燃えた時に二酸化炭素が発生するのは、燃えたものが炭素を、ふくんでいる場合だけです。 炭素をふくんでいないものが燃えても、二酸化炭素は発生しません。 たとえば鉄から出来た物質であるスチールウールを燃やしても、二酸化炭素は発生しません。スチールウールは炭素を、ふくみません。
なので、燃えたものから発生した気体を集めて石灰水に通せば、白くなるかどうかを調べることで、燃えたものが炭素を含むかどうかを調べることができます。
- 気体の集め方
- 水上置換法
科学実験で発生させた気体を集める場合、気体が空気よりも軽い物質の場合は、空気中を上昇していくので、補集用のフラスコなどは下向きにして集める必要がある。
水に溶けない気体の場合は、水を満たした水槽に、フラスコを開いた口を下向きにして入れ、フラスコの内部は
酸素や水素は水に溶けにくいので、水上置換法で集められる。
水に溶ける物質でも、溶けにくい物質ならば、水上置換法で集める場合もある。
- 上方置換法
空気よりも軽い気体を集める場合で、水に溶けやすい物体を集める場合や、水に溶けにくい気体でも水に溶かしたくない場合などは、水を使わない方法で集める必要がある。フラスコの開いた口を下向きにし、そのフラスコの内部にガラス管などで気体を導く。このとき気体を導くための管は、フラスコの奥の上の方まで入れる必要がある。このような集め方を 上方置換法(じょうほう ちかんほう) という。
- 下方置換法
空気よりも軽い気体を集める場合は、
酸素のつくりかた
編集実験で、酸素を作るには、 二酸化マンガン(にさんかマンガン) という物質と、 過酸化水素水(かさんか すいそすい) という水溶液から、つくれます。過酸化水素水とは、過酸化水素という物質が溶けた、水溶液です。過酸化水素水のことを オキシドール とも言います。
くわしい実験のしかたについては、教科書や市販の参考書などを、参照してください。
水上置換法で、酸素を集めます。
「ろうと」や三角フラスコと、開閉のできる「コック」などが必要です。 水上置換をするので、水槽も必要ですし、集気ビン(しゅうきビン)も必要です。
実験スタンドも必要です。文字だけで説明しても、わかりづらいと思うので、詳しくは、教科書や市販の参考書などを参照してください。
なお、反応で、はじめに出てきた気体にはフラスコ内の空気が混じっているので、はじめの気体は、すてます。
- しょくばい
ちなみに、この過酸化水素水と二酸化マンガンの反応では、過酸化水素が分解されて、酸素が発生します。二酸化マンガンは、分解されませんし、二酸化マンガンは変化もしません。
二酸化マンガンをくわえないと、過酸化水素が、分解されにくいです。
二酸化マンガンは、反応の前後で、変化をしません。反応が終わっても、同じ二酸化マンガンのままです。
この二酸化マンガンのように、それ自信は変化をしないが、ほかの物質の化学変化を助ける物質を しょくばい(触媒) といいます。
二酸化マンガンは元素記号で MnO2 です。 マンガンという元素があります。
過酸化水素水は元素記号で H2O2 です。水分子のH2Oに酸素原子Oがもうひとつ多くついて、ふつうの水よりもよけいに酸化しているので、「過酸化」水素水と言うわけです。
二酸化炭素のつくりかた
編集- 作り方の一例
- 石灰石 + うすい塩酸 → 二酸化炭素
- その他の作り方
- ・炭酸水素ナトリウム(
重曹 )を加熱する。炭酸水素ナトリウムの加熱分解(かねつ ぶんかい)で、二酸化炭素が出来る。 - ・ふくらし
粉 (=ベーキングパウダー)を加熱する。主成分が重曹 なので。
性質
- ・二酸化炭素は燃えない。炭素とはちがって、二酸化炭素は燃えない。 ほかの物を燃えやすくする
「助燃性 」も無い。酸素とはちがって、ほかの物を燃えやすくしない。 そのため、二酸化炭素の集まったビンに線香を入れると、すぐに線香の火は消える。 - ・二酸化炭素は空気より重い。二酸化炭素の密度は、空気の密度の約1.5倍。そのため、化学反応で発生させた二酸化炭素を集めるときは、下方置換法で集められる。
- ・二酸化炭素の水に溶ける量が小さいので、水上置換法で集めても良い。
- ・二酸化炭素は水に少し溶け、水溶液は 弱い酸性 である。二酸化炭素の溶けた水溶液のことを
炭酸水 という。- そのため、炭酸水は青色リトマス試験紙を赤色に変える。
- また、炭酸水に緑色のBTB溶液を加えると、BTB溶液を黄色く変わる。
- ・二酸化炭素を石灰水に通すと、石灰水が白くにごる。化学実験で発生した気体が二酸化炭素かどうかの確認方法に、この石灰水との反応が用いられることが多い。
- 石灰水の白い色は、炭酸カルシウムが発生したためである。もとの石灰水は水酸化カルシウムをふくんでおり、石灰水に二酸化炭素を通すと、この水酸化カルシウムが炭酸カルシウムに変化する。炭酸カルシウムは水には溶けず色が白いので、石灰水が白くにごる。
- 関連事項など
二酸化炭素(にさんかたんそ、carbon dioxide、カーボン・ダイオキサイド)は、空気中に0.03%程含まれる気体であり、酸素原子に炭素原子が2つ結合した分子からなる気体である。二酸化炭素は我々に取って身近な気体である。我々は呼吸をする際、酸素を吸収して二酸化炭素を排出している。これは我々が食物からエネルギーを取り出すさいに酸素を消費すると同時に、二酸化炭素を排出することと対応している。一方、植物は光合成(こうごうせい、photosynthesis、フォウトー・シンセシース)によって二酸化炭素を吸収しつつ、酸素を排出する。これは呼吸と逆の反応である。
二酸化炭素は炭素と酸素が結合する(炭素が燃える)ことで生じる。我々の身の回りにある物の多くも炭素を含んでいる。例えばw:綿(めん、cotton、コットン)などの天然繊維(てんねんせんい、natural fiber)でできた衣類は炭素を含んでおり、それらが燃えるときには二酸化炭素が発生する。また、石油(petroleum、ペトロレウム)やガソリン(gasoline)も炭素を含んでおり、燃えるときには二酸化炭素を発する。
二酸化炭素は空気よりも重い気体であるので、二酸化炭素を集める時には集気ビンを下に置く。(下方置換法 ) 二酸化炭素を水に溶かした溶液は、炭酸(たんさん、carbonic acid)と呼ばれ、弱い酸性の水溶液になる。
植物のからだのはたらき
編集植物がどのようにして養分を作っていき、水を取り入れていくかを学びます。
葉と日光
編集葉の裏側には、
植物は気孔から、二酸化炭素を取り入れています。 この二酸化炭素は、光合成に必要です。光合成とは、日光による光のエネルギーを利用して、 デンプン という栄養をつくることです。 植物の光合成に必要な物は、日光と、二酸化炭素と、水が必要です。 つまり植物がデンプンをつくるには、日光と、二酸化炭素と、水が必要です。
- 二酸化炭素 + 水 (+ 光) → デンプン + 酸素
光合成に必要な物の中に、水が入っていることを、おぼえてください。
水の分子の中には、水素原子と酸素原子が入っています。 じつはデンプンをつくる分子の中にも水素が入っています。 このデンプンの中の水素は、どこから来たかというと、植物が根から吸収した水から、光合成の時に、水素分子を作っているのです。だから、光合成には、かならず水が必要になります。
デンプンは、 ヨウ素液(ヨウそ えき) という液体をつけると、青むらさき色に変色します。これを ヨウ素デンプン反応(ようそデンプンはんのう) と言います。
ヨウ素液とは、ヨウ化カリウムという分子が溶けた水溶液です。ヨウ化カリウムとは、ヨウ素という原子と、カリウムという原子がくっついて、ヨウ化カリウムという分子が出きます。ヨウ素の化学式は I です。アルファベットのI(アイ)の大文字です。カリウムの元素記号はKです。アルファベットのK(ケー)の大文字です。ヨウ化カリウムの化学式は KI です。
なお、ヨウ素液は、光にあたると、性質がかわってしまうので、光があたらないように、茶色いビンに、はいっています。
ヨウ素液は、食べてはいけません。飲むのも禁止です。ヨウ素液をつけたイモも、食べてはいけません。ヨウそ液をつけたイモは、実験が終わったら「燃えるゴミ」として、すててください。
この、ヨウ素デンプン反応は、ある物質が、デンプンなのか、それともデンプンではないのかを調べるのに、利用されます。
光合成の反応が行われる場所は、葉に多くある
そして、葉の大きさは、日光が当たりやすいように、広い形に、葉は、なっているのです。
また、光合成には、二酸化炭素が必要でしたが、その二酸化炭素は、葉にある気孔から取り入れられます。植物が、空気中の二酸化炭素を、気体のそのままの形で、必要とする場合は、光合成のときだけです。なので、葉から二酸化炭素を取り入れる仕組みは、光合成で必要な分を、取り入れられるので、過不足が無く、植物にとって都合が良いわけです。
植物の仕組みは、うまく出きていますね。
植物の葉の配置を、茎の上から見下ろすと、互い違い(たがいちがい)に、なっています。これは日光を、当たりやすくするためです。
植物は、葉でデンプンを作っています。これを確認するには、ヨウ素デンプン反応を利用します。じつは、エチルアルコールをあたためた液体で葉を煮ると、緑色が脱色できるので、脱色します。
- ※禁止事項 理科実験で用いるエチルアルコールを、飲んではいけません。
なお、葉をエチルアルコールで煮る時は、まずビーカーに入れた水を、火で沸かして熱湯にして、その熱湯で、
- ※注意 この葉の脱色の実験の場合は、けっして、直接、火では、アルコールの入った試験管を、熱しては、いけません。引火や発火の危険があります。
また、試験管の中の液体を温めているときは、試験管の口を、のぞき込んではいけません。もし、試験管の中の液体が急に沸騰すると、熱湯などが吹き出す場合もあり、とてもキケンです。
エチルアルコールに葉緑体が溶けて、葉から、葉緑体が、ぬけます。エチルアルコールの液体は、葉緑体が混ざるので、緑色の液体になります。
なお、エチルアルコールのことをエタノールともいいます。
- ※注意 エチルアルコールとメチルアルコールとは、ちがう物質です。メチルアルコールには毒性があります。メチルアルコールは、アルコールランプなどで用いられます。けっして、まちがえてメチルアルコールで脱色しようとすることが無いように、注意してください。
アルコールランプを用いるときは、ランプ内にメチルアルコールがふくまれているので、注意してください。
- ※注意 ぜったいに、メチルアルコールを飲んではいけません。メチルアルコールを飲むと、最悪の場合、死にます。もし、まちがって、目や口の中にメチルアルコールが入った時には、実験を速やかに中断し、蛇口から出したばかりの水道水で、何回も、洗い流してください。
そのあと、すぐに担当の先生に連絡をして、処置 の方法を聞いてください。
葉の緑色を脱色してから、ヨウ素液を葉にたらすと、葉のヨウ素液のついた部分が青むらさき色に変色するので、葉にデンプンが存在することが、確認できます。
さて、じつは、デンプンの分子の中には、炭素や水素が、ふくまれています。この炭素は、どこからきたかというと、空気から取り入れた二酸化炭素から来たわけです。デンプンの分子内の水素は、水から来ています。
ちなみに、植物が光合成でデンプンをつくったときに、ついでに酸素も出きます。
植物にとって、酸素は、光合成でデンプンをつくったときに、ついでにできる
植物は、デンプンを、植物内にためますが、酸素はためません。光合成で出きた酸素は、はきだしてしまいます。
私たち、人間が、すっている酸素は、じつは植物が光合成で、はき出した、酸素です。
人間に限らず、動物が、すっている酸素は、植物が光合成で作った酸素です。
- じつは、光合成では、糖をつくってる (※ じつは小学校の範囲。検定教科書で確認。)
植物は、光合成では、葉では、まず先に、
ヨウ素デンプン反応のデンプンの実験と、むすびつけやすいように、デンプンを先に説明しました。
さて、ひとことで「
どの糖を、光合成でつくってるのかは、複雑だし、植物によっても、つくっている糖の種類がちがってるので、小学生では「光合成では糖をつくってる」とだけ覚えれば良いです。
デンプンは水には、溶けにくいです。植物が栄養を運ぶときは、水にとかして運んでいます。水に溶けていないと、運ぶことが出来ません。
いっぽう、糖は、水に溶けやすいです。
植物が、葉で作った
この糖が、種子や実に、運ばれていきます。
茎の中に、養分を運ぶための、
師管が茎のどこらへんにあるかは、植物によって、ちがうのですが、多くの植物では、茎の外側の皮にちかい部分にあります。多くの植物では、茎の内側には、師管は無いです。
師管のあつまりを
ジャガイモなどのように、地中にイモができる場合は、地中のイモにも糖が運ばれていき、地中で糖がデンプンに変えられていきます。
夜中のあいだに、イモに糖が送られていっています。
実験で確認する場合は、一日中、植物を日光に当てないでいると、翌日の朝ごろには、イモを切り取ってヨウ素液をつけてみても、ヨウ素デンプン反応がおきないことから、しらべられます。
- 植物の呼吸
- (※ このグラフは、高校の範囲内なので、小学6年生は覚えなくてもよいですが、一部の小学生用参考書(市販)に紹介されているので、勉強してみてください。)
植物は、酸素をすって、二酸化炭素をはき出す
植物の呼吸には、光は、つかいません。昼も夜も、一日中、植物は呼吸を行っています。
植物が呼吸ですいこむ気体と、はきだす気体は、光合成とは
植物が呼吸で吸い込む酸素の量よりも、植物が光合成で作り出す酸素の量のほうが多いので、植物は一日全体の合計では、酸素をつくる生物なのです。
水の通り道
編集また、多くの植物では、茎の内側には、根から吸い上げた水を通すための道管(どうかん)という、別の管があります。
師管も道管も、ともに水が通っています。
植物が、根から、地中の水を吸い上げるとき、水に溶けている養分も、いっしょに吸い上げられ、道管で運ばれていきます。
道管の集まりを木部(もくぶ)といいます。
道管の
双子葉植物では、道管や師管は、円周状に並んでいます。
双子葉植物とは、子葉が2枚の植物のことです。ホウセンカやアサガオやタンポポは双子葉植物です。
双子葉植物の道管と師管が、くっきりと、円周状に並ぶので、双子葉植物では、茎の内部に形成層(けいせいそう)という、円状の組織が出きます。形成層の内側に道管がある、つまり内側に木部があります。形成層の外側に師管がある、つまり外側に師部があります。
しかし、単子葉植物では、道管と師管は、円周状には、並んでいません。単子葉植物には、形成層が、出きません。
葉の、つくり
編集葉にある
葉は、気孔から水蒸気を出しています。この働きを
蒸散の存在をたしかめるには、葉にビニール袋をかぶせて、密閉すれば分かります。輪ゴムなどで、ふくろの口を閉じれば大丈夫です。
葉脈のつくりは、じつは、その植物の
単子葉植物については、トウモロコシやイネやネギやユリなどが、単子葉植物です。 双子葉植物については、アサガオやアブラナやホウセンカやヘチマなどが、双子葉植物です。
単子葉植物のことを
単子葉類の本葉の葉脈は、直線上の平行なスジに、なっています。
-
トウモロコシの葉脈は、平行に近い。トウモロコシは、単子葉植物である。
-
チューリップは単子葉植物。葉脈は、平行に近い。チューリップはユリ科。
双子葉類の葉脈は、
根の、つくり
編集タンポポの根は、太い一本の
双子葉類の根は、主根と側根を持ちます。
イネやムギなど、単子葉類の根は、 ひげ根(ひげね) になります。
根は、土の中にある水を、吸収している。また、根は、水といっしょに、水に溶けた養分も、吸収している。
- 根毛
根から生えている細かい毛は、
動物のからだ
編集動物の体のしくみについて学習します。
呼吸
編集私たち人間は、空気を吸っています。
空気をすって、空気中の酸素を体に取り入れて、二酸化炭素を、はき出しています。
このように、酸素をすって、二酸化炭素を吐くことを
吐き出す空気には、二酸化炭素がふくまれていることを確認するには、石灰水に、ストローなどを使って息を吹き込めば、白くにごることから分かります。 もしくは、ふくろの中に石灰水を入れたふくろに、息を吹き込めば、石灰水が白く、にごります。
人間は、体内の
肺は、左右に1個ずつ、あります。肺は、左右を合わせれば、2個あります。
空気は、のど や鼻から、肺へと向かって吸い込まれます。
のどや鼻を通って、
そして、気管支の先には、肺が、ついています。
この肺で、酸素が体の中に吸収され、二酸化炭素が、
鼻から、気管、気管支、肺までを
横かくまく(おうかくまく)が下がると、肺が、ふくらむので、肺に空気が吸い込まれます。横かくまくが上がると、肺が、元に戻って、空気が吐出されます。
肺の中には、気管支が、より小さな細気管支に枝分かれしていて、その先に
肺胞の一つ一つのまわりには、
肺胞は、毛細血管に酸素を送っています。また、毛細血管から、二酸化炭素を、受け取っています。
なお、口から食べ物が入った時に食べ物が通る管である
人間や、ほかのほ乳類は、肺で呼吸をしています。肺で呼吸をすることを
しかし、魚は、エラで呼吸をします。魚には、肺はありません。 魚は、口から水を吸い込み、その口の中の水をエラに通して、エラで水から酸素を取り込み、二酸化炭素を排出します。 なお、魚を、魚の外側から見た時に、目のうしろにあるヒレのようなものは、「えらぶた」という物であって、エラではない。エラは、えらぶたに下に、かくれている。 エラの内部には、毛細血管が、たくさん、あります。
クジラとイルカは、ほ乳類です。クジラとイルカは、海に住んでいますが、ほ乳類です。クジラもイルカも、肺で呼吸しています。クジラには、エラが、ありません。イルカには、エラが、ありません。
魚類だけでなく、イカもタコも、エラで呼吸しています。エビも、エラで呼吸しています。貝も、エラで呼吸しています。
鳥類と、は虫類(トカゲやヘビなど)は、肺呼吸です。カメは、は虫類なので、カメは肺呼吸です。
両生類(カエルなど)は、
食物の消化・吸収
編集栄養について
栄養には、多くの種類があるが、特に、以下にのべる 炭水化物・タンパク質・脂肪(たんすいかぶつ、タンパクしつ、しぼう) が、動物には、多く必要になる。 なので、炭水化物・タンパク質・脂肪の3つのことを 三大栄養素(さんだい えいようそ) などという。
炭水化物
デンプンや糖のことです。炭水化物は、米ゴハンや、パンや、イモなど、に多く、ふくまれています。
炭水化物は、体を動かす運動のエネルギー源(エネルギーげん)になったり、体温の
- タンパク質(タンパクしつ)
肉に多くふくまれています。ダイズにも、多く、ふくまれています。 タンパク質は、体を作るための材料です。
脂肪
なお、三大栄養素に、ビタミンと、無機質(むきしつ、・・・「ミネラル」とも言う)を加えた、合計5個の栄養素を、五大栄養素という。
栄養素で言うミネラルとは、具体的に言うと、カルシウムや鉄分や塩分などのことである。無機質は、小魚や
ビタミンやミネラルは、毎日は取る必要がないが、長い間、まったく取らないと、病気になる。ビタミンやミネラルの
ビタミンが多くふくまれる食材としては、野菜や果物に、ビタミンが多くふくまれる。
消化
あなたたち、人間は、口の中が、「つば」という液体で、しめっていますよね。 口の中から出る「つば」を、 だ液(だえき) といいます。
このだ液には、なんと、デンプンを、 ばくが糖(ばくがとう、麦芽糖) という糖に変える働きが、あるのです。
だ液が出てくる場所をだ液せん(だえきせん、唾液腺)と言います。
ど異物が、食べ物を、体に吸収しやすいように、体内で変えることを
- ※注意 「消化」の2文字目は「化ける」(ばける)の「化」(か、ばけ)です。火を消すほうの「しょうか」は「消火」(二文字目が火)ですので、まちがえないでください。
だ液によって、デンプンが麦芽糖に変わることも、消化にふくまれます。
また、消化をすることができる液体を
食べ物は、口から
食べ物が通るこれらの管を、
胃
小腸
食べ物は、胃の次には、小腸に、行きます。 小腸では、栄養が吸収されます。また、小腸でも、食べ物の消化は行われます。なお、小腸の中の消化液は、ほかの臓器から出ています。
胃から小腸へつながる、小腸の最初の部分は 十二指腸(じゅうに しちょう) と言います。
そして
- すい液
すい液には、多くの消化こう素が、まざっています。列記すると、アミラーゼと、トリプシンと、リパーゼと、ヌクレアーゼです。 アミラーゼは、デンプンを麦芽糖まで分解する酵素です。トリプシンは、ペプトンを分解します。リパーゼは、脂肪を、脂肪酸とグリセリンに分解します。 ヌクレアーゼは、まだ、おぼえなくていいです。
- たん汁
たん汁には、消化酵素は、ふくまれていません。たん汁は、脂肪を水と混ざりやすくさせます。胆汁によって、脂肪が水と混ざることで、脂肪はリパーゼなどで消化をされやすくなります。
柔毛
- ※ 適した画像が無いので、教科書や外部サイトなどで、画像をお探しください。
小腸の内壁には、おおくのヒダがあり、さらにヒダには
膜消化
また、小腸の膜にも消化酵素があるので、それによっても、消化が行われます。この小腸の膜による消化を、膜消化(まくしょうか)と言います。 なお、消化酵素は、マルターゼや、スクラーゼやラクターゼなどです。
消化器では、最終的には、炭水化物は ブドウ糖(ブドウとう) まで分解されます。タンパク質は アミノ酸(アミノさん) まで分解されます。脂肪の消化は、
大腸
大腸では、消化は行われません。大腸は、食物の、水分を吸収します。大腸では、栄養は、吸収されません。
血液のはたらき
編集血管
編集- 動脈
心臓から出て行く血液が運ばれている血管を、動脈(どうみゃく)と言う。動脈は、
- 静脈
心臓に戻っていく血液が運ばれている血管を、
- 毛細血管
とても細かく枝分かれをしていて、血管の壁もうすい毛細血管(もうさいけっかん)という血管が、体のいろんな場所にある。毛細血管では、栄養のやりとりや、酸素や二酸化炭素のやりとりをしている。
心臓
編集ヒトの心臓は、筋肉で、出来ている。なお、心臓の筋肉を
心臓は、ふくらんだり、ちぢんだりを、たえまなく、くりかえしていて、血液を動かしている。
心臓のつくりは、4つの大きな部屋に分かれている。
なお、心臓で言う「左」とか「右」の向きは、その心臓を持っている側の人間から見た場合の、向きである。
だから、図1.を見ている者から見た場合では、見ているあなたの左側に、右心室や右心房が来る。見ているあなたの右側に、左心室や左心房が来る。
- 左心房
肺から送られた血液は
- 左心室
- 心房と心室について
心房と心室は、
- 右心房
全身の血液が、
- 右心室
右心房へともどってきた血液は、右心房から右心室へと送られる。そして右心室から、肺動脈(はいどうみゃく)へ送られる。肺動脈を通って肺へ血液が送られている。
肺と血液との関係
編集血液中の酸素は、どこから供給されているのかというと、肺で、血液は酸素を受け取っています。なので、肺から出てきたばかりの血液は、酸素が多いのです。 逆に、肺へ、これから送られる血液は、酸素が少なく、二酸化炭素が多いです。
肺へ送られる血液の通る血管は、心臓の
- 発展 ヘモグロビンと鉄と酸素
血液中にある
学校給食など食事で、
そのほかの内蔵
編集かん臓
編集- グリコーゲンの
貯蔵
- アンモニアの処理(処理)
タンパク質やアミノ酸が分解されると、そのままではアンモニアという有毒な物質ができてしまう。ほ乳類では、このアンモニアを、肝臓で、毒性のひくい
- 有毒な物質の分解
血液に入った有毒な物質を分解する。
胆汁 を作る
消化液の 胆汁 (たんじゅう) は、肝臓で作られている。胆汁は、胆のう (たんのう) へ送られ、胆のうから十二指腸へと送られている。胆のうは、肝臓とは別の臓器である。
すい臓
編集消化の節で、説明してある。
じん臓
編集じん臓(じんぞう、腎臓)の位置は、体内の背中側の、
ちなみに、腎臓でこしとられてつくられる尿の量は、最終的には、1日で1リットルくらいの尿として排出する。じん臓では、いったん、1日あたり、なんと160リットル近くも、尿を作る。だが、べつに、この水量のほとんどは排出されず(もし、そんなに多くの水分を体外へ排出したら、死んでしまう)、尿の中にある水分や、ブドウ糖やミネラルなどの栄養を再吸収して、あらためて不要なものだけを排出するので、最終的に、体外へは1日あたり1リットルくらいの尿として排出する。
なお、腎臓でいったん作られる、160リットル近い尿のことを、
発展:血液の成分
編集ヒトの血液には、赤血球(せっけきゅう、英: Red blood cell)、白血球(はっけっきゅう、英: White blood cell)、血小板(けっしょうばん、英:Platelet)などの固形成分と、血しょう(けっしょう、血漿)という透明な液体の成分がある。
- 赤血球
中央のくぼんだ円盤状の1個の細胞。この赤血球が、肺から酸素をもらって、全身に酸素を運んでいる。
白血球
1個の細胞であり、体外から侵入した異物や病原体を取りこみ、これらを分解することで、体を守る。 このように、病気から体を守る仕組みを免疫(めんえき、immunity)という。(※ 中学の保健体育の範囲内) 白血球は、この免疫に、ふかく関わっている。
血小板
血管がやぶれたときに、血液をかためることで、出血をふせぐ仕組みに関係している。
- 血しょう(けっしょう、血漿、blood plasma)
約90%は水だが、血しょう(けっしょう)に、ブドウ糖やアミノ酸などの栄養分が溶けており、血液の流れによって、これらの栄養が全身に運ばれる。また、
「血糖値」(けっとうち)とか「血糖量」(けっとうりょう)とは、この血液中に溶けているブドウ糖の濃度のことである。
呼吸で生じる二酸化炭素は、血しょう に ふくまれて、運ばれる。
生物と環境
編集自然の環境と生物の生活とのつながりについて学習します。
食物連鎖
編集- (しょくもつ れんさ)
ニワトリは、コン虫などの小さな虫を食べます。そのニワトリの卵や肉を、私たち人間は、食べます。ニワトリに食べられるような小さな昆虫は、草などの植物を食べています。
- 草 → コン虫 → ニワトリ → 人間
ウシは牧草を食べますが、そのウシの肉を、私たち人間は食べます。あるいは、ウシの牛乳を、私たち人間は、飲みます。
- 牧草 → ウシ → 人間
このように、私たちが食べる動物も、また別の動物や植物などを食べてきています。
人間の食べ物のほかの生き物にも、食べたり、食べられたりは、あります。
バッタを、カエルは食べます。そのカエルを、ヘビが食べます。そのヘビをワシなどの大型の 肉食動物が、食べます。 バッタなどの小さな昆虫は、草などの植物を食べています。
- 草 → バッタ → カエル → ヘビ → ワシ
ヘビを食べる生き物は、ワシのほかにもいて、イタチなどもヘビを食べます。
カマキリも、バッタを食べます。
このように、すべての生き物は、食べる・食べられる の関係をとおして、つながっています。
このような、食べる・食べられる の関係のつながりのことを、食物連鎖(しょくもつ れんさ)といいます。
そして、植物連鎖のはじめに食べられる生き物は、かならず、草や木などの
だから、どんな動物も、植物がないと、食べ物がなくなってしまいます。
もし、ある地域で、草がなくなると、草を食べ物にするコン虫もいなくなります。コン虫がいないと、ニワトリの食べ物がなくなってしまいます。ニワトリがいないと、私たち人間は、ニワトリのタマゴを食べられません。
このような食物連鎖の考えをした場合、植物のことを「生産者」(せいさんしゃ)といいます。
いっぽう、植物以外の、すべての動物を、食物連鎖の考えでは「消費者」(しょうひしゃ)といいます。
草を、おもな食べ物にしている動物を草食動物(そうしょくどうぶつ)といいます。バッタは、草食動物です。牧草をたべるウシやウマは、草食動物です。
動物を食べ物にしている動物を、肉食動物(にくしょくどうぶつ)といいます。カマキリは、肉食動物です。ネコやライオンも、肉食動物です。
水の中でも、食物連鎖は、あります。
川では、ミジンコを、メダカなどの小さい魚が食べます。そのメダカを、もっと大きい魚が食べます。ミジンコは動物です。ミジンコは、川の中にうかんでいる、とっても小さい植物を、たべています。私たち人間の目には見えませんが、そういう小さな植物を、ミジンコが食べています。このような、池や川などの水中の、目には見えない小さな生き物をまとめて、プランクトンという。
プランクトンは、魚ではない。
なお、水中に限らず、小さすぎて、人の目には見えない生き物のことを、び生物(びせいぶつ、微生物)という。
川の中でも、食物連鎖で、さいしょに食べられる生き物は、植物プランクトンなのです。
- 植物プランクトン → ミジンコ(動物プランクトン) → メダカ → おおきな魚
自然の池や川の小魚が、人間がエサをあげなくても生きていけるのは、このような小さな生物を食べているから、自然の小魚が生きていけるのである。
プランクトンには、動物に含まれる動物性プランクトンもあれば、植物に含まれる植物性プランクトンもある。
- 動物性プランクトン
- 池や川の水に住む動物性プランクトン: ミジンコ、ゾウリムシ、など
- 海水に住む動物性プランクトン: カニの子、ウミボタルなど
-
ゾウリムシ
なお、池の水や、川の水など、塩分を、ほとんどふくまない水を、
- 植物性プランクトン
- 池や川の水に住む植物性プランクトン: アオミドロ、ミカヅキモ、など
- 海水に住む植物性プランクトン: クモノスケイソウ、ツノモなど
-
アオミドロ
-
ミカヅキモ
- 動物なのか植物なのか、よく分からないプランクトン
- ミドリムシ(池や川の水にすむ。)
ミドリムシは光合成をするが、体を動かせるという、動物と植物の両方の特ちょうを持ってる。
- 池や川でも、海水でも、どちらでも住めるプランクトン
- ケンミジンコ(これは、動物性プランクトン。)
植物性プランクトンであるアオミドロやミカヅキモは、植物なので、光合成をします。そのため、日当たりのいい場所で、増殖します。ミドリムシも光合成をするので、日当たりのいい場所で増殖する。
植物性プランクトンの色が緑色なのは、光合成を行なう葉緑体の色である。
川の中での食物連鎖について、プランクトンまで考えると、つぎのようになる。
- 植物プランクトン(ケイソウなど) → 動物プランクトン(ミジンコなど) → 小型の魚(メダカなど) → 中型の魚 →大型の魚など
分解者
編集落ち葉や、枯れ木、動物の死がい や ふん などの有機物を分解して無機物にする生物を分解者(ぶんかいしゃ)と言う。 おもに、菌類(きんるい)や細菌類(さいきんるい)が、分解者である。
菌類とは、いわゆるカビやキノコのことである。シイタケやマツタケは菌類である。アオカビやクロカビは菌類である。
細菌類とは、たとえば、
分解者の分解によって、有機物は、二酸化炭素や水や窒素化合物などに分解される。
これら、菌類や細菌類は、葉緑体を持っていないので、光合成によって栄養を作ることができない。 菌類は葉緑体を持っていないため、菌類は植物には、ふくめない。細菌類も、同様に、植物にふくめない。
菌類の栄養の取り方は、カビ・キノコともに、菌糸をのばして、落ち葉や動物の死がいなどから、養分を吸収している。
- 菌類
-
アオカビ
-
シイタケ
- 細菌類
-
乳酸菌
-
大腸菌
生物どうしのつり合い
編集
なんらかの理由で、生産量ピラミッド中での、ある生物の個体数の比率が変わっても、時間が経てば、もとどおりに近づいていく。
- なぜならば、たとえばある草食動物が増えても、植物は増えないので、そのうち食料としての植物が不足していく。また、その草食動物を食料として食べる別の肉食動物も、そのうち増えてしまう。
- そうすると、草食動物の食料としての植物不足と、草食動物を食べる肉食動物の増加により、つぎは、草食動物が食べられて減ってしまう。
そのため、しだいに、もとどおりに近づいていく。
他の場合も考えてみよう。
つりあいの状態から、なんらかの理由で、肉食動物が増えた場合も考えよう。仮に、この状態を「(肉食動物=増)」と書くとしよう。
- 肉食動物が増えると、草食動物は食べられるので、草食動物は減っていく。(草食動物=減) そして肉食動物は、植物を食べないので、まだ個体数は変わらない。
- 次に、草食動物が減ったぶん、植物が増える。(植物=増) また、草食動物が減ったぶん、肉食動物が減ってしまう。(肉食動物=もとどおり)
- 次に、植物が増えたぶん、草食動物が増える。(草食動物=もとどおり)
- 草食動物が元通りになったので、その分、食べられる植物の量が増えるので、植物の量が雄どおりになる。(植物=もとどおり)
このように、食物連鎖を通じて、個体数の比率は調節されている。
- 食べられる生物の増減にともない、食べる側の動物の個体数は、少し遅れて増減する。
- もし、食べられる生物が増えると、食べる側の動物の個体数は、少し遅れて増える。
- もし、食べられる生物が減ると、食べる側の動物の個体数は、少し遅れて減る。
(※ 画像を募集中。カナダでの、オオヤマネコ(捕食者)とカンジキウサギ(被食者)の個体数のグラフなどを作成してください。)
- 環境によるピラミッドの変化
環境破壊や森林伐採などで、ある地域で、大規模に森林が破壊されてしまうと、生産量ピラミッドの最下段の生産者が減ってしまうので、上の段の消費者の動物も、その地域では生きられなくなってしまう。
人工的な環境破壊のほかにも、火山の噴火、山くずれ、洪水などの自然災害で、生物の量が大幅に減る場合もある。
ヒトと自然
編集ヒトと自然のつながりについて学習しましょう。
人の暮らしと環境
編集水よう液
編集水よう液とは、水に何かが溶けているもののことです。透明になっていないものは、水よう液ではありません。色がついている水よう液もあります。
小学5年が終わるまでには、水溶液の、きそてきなことは、教わっているはずです。
- ※
注意 - これから、ならう、
酸 とアルカリは、使い方をまちがえると、とてもキケンです。
なので、もしも読者の学年が、まだ6年生でない5年生や、4年以下の学年の読者が、本書を読んでいたら、まずは、小学5年までの理科の内容を、キチンと理解してください。
また、酸とアルカリの実験については、本書を参考にしての、実験は、しないでください。
実験は、学校の理科の授業で、学校の先生の指示にしたがって、実験をしてください。
酸とアルカリ
編集酸
- リトマス紙(リトマスし)という紙の「青色リトマス紙」(あおいろリトマスし)を、赤色に変える。
- 「BTB液」(ビーティービーえき)という溶液を加えると、赤色になる。
このような性質を、酸性 (さんせい)という。また、酸性を示す物質を、酸 (さん)という。
リトマス紙の酸性の反応を覚えるには、「おかあさん」と、覚えます。「おかあさん」の「お」は、「あお」の「お」です。「おかあさん」の「か」は、「あか」の「か」です。「おかあさん」の「さん」は、「さん」(酸)の「さん」です。
塩酸や硫酸は、とても酸の性質が強くて、そのため、とてもあぶないです。けっして、塩酸や硫酸を、かってに使ってはいけません。
- 主な酸
おもな酸には、
塩酸や硫酸などの強い酸は、
注意するのは、酸の液体だけでなく、酸の液体から発する蒸気なども、注意すること。蒸気を、かぎすぎないようにすること。また、目に入らないようにすること。
- アルカリ
水酸化カルシウム水溶液(石灰水のことです)は、つぎのような性質を示す。
- 赤色リトマス紙の色を、青色に変える。
- BTB液を加えると青色になる。
- 水溶液に「フェノールフタレイン溶液」を加えると、赤色に変わる。
このような性質を アルカリ性 または
アルカリの中にはタンパク質や脂肪などを溶かすものもあり、
注意するのは、アルカリの液体だけでなく、アルカリの液体から発する蒸気なども、注意すること。蒸気を、かぎすぎないようにすること。また、目に入らないようにすること。
リトマス紙のアルカリ性の反応を覚えるには、「
中性
酸性でもなく、アルカリ性でもない性質を
中和
酸性とアルカリ性は互いに反対の性質であり、両者を混ぜた水溶液を作ると、その水溶液は中性に近づく。この中性に近づく反応のことを、
何が溶けているのか
編集酸
塩酸
塩酸とは、 塩化水素(えんかすいそ) という気体が溶けた水溶液である。塩素の化学式はCl「シーエル」であり、水素の化学式はH「エイチ」なので、塩化水素の化学式は HCl である。Clのシーは大文字に、エルは小文字にすること。
塩酸の化学式も HCl である。
塩酸は、無色透明の水溶液である。強い酸性を示す。塩酸は、
- においは、刺激臭が有る。この刺激臭は塩化水素の蒸気のにおいである。
(※ 注意:塩酸のにおいをかぐ時は、けっして直接はかがずに、塩酸の蒸気を手であおいだり鼻に風を送ったりして、間接的に、においをかぐ。)
酢酸
食用の酢酸水である
酢酸に、たまごのカラをつけ、2日か3日の数日間、おいておくと、カラが溶けます。貝がらで実験しても、同様に溶けます。
これは、たまごにふくまれる 炭酸カルシウム が、酢酸と反応して酢酸カルシウムという物質になり、この酢酸カルシウムは水に溶けるのです。
たまごや貝がらに、酢酸をそそぐと、
濃い酢酸は、冬の日など、寒くなると、こおります。こおった酢酸を
酢酸の化学式は CH3COOH です。C2H4O2とは書かずに、 CH3COOH とかきます。 CH3COOH のように書くほうが、分子の構造が分かりやすいからです。くわしくは、高校の化学で、ならいます。
炭酸
二酸化炭素の水溶液です。
化学式は H2CO3 です。
二酸化炭素の水溶液を、あたためると、溶けている二酸化炭素が、水溶液から、にげていきます。水溶液に溶けている気体は、水溶液の温度が高くなるほど、溶ける量がへります。
たとえば、開封したばかりの炭酸水の入ったビンを、お湯につけた場合と、冷水につけた場合とで比べて実験すると、お湯に付けたがわのビンのほうが、炭酸水の二酸化炭素が、すぐに無くなります。
雨は、すこしだけ酸性です。空気中の二酸化炭素が、雨に溶けているから、雨は少しだけ酸性なのです。
「酸性雨」(さんせいう)というのは、二酸化炭素のほかにも、排気ガスなどが大量に、雨に溶けて、もっとつよい酸性になった雨のことをいいます。
酸性雨によって、森林などが
- アルカリ
- 水酸化カルシウム
消石灰のことである。
- 白色の固体である。
- 水には溶けにくいものの、溶ける。水酸化カルシウムの水溶液を
石灰水 という。 - 石灰水に二酸化炭素を吹き込むと、白い沈殿物が生じる。この現象はよく、気体の種類が二酸化炭素であるかどうかを調べる手法に利用されます。
水酸化カルシウムの化学式は Ca(OH)2 である。カルシウム原子 Ca に、水酸基「すいさんき」の (OH) が2個、ついた形である。
- 水酸化ナトリウム
水酸化ナトリウムは、強いアルカリ性を示す。なので、取り扱いには気をつけること。強アルカリ(きょうアルカリ)である。
- 白色で半透明の固体である。
- 空気中に放置しておくと、空気中の水分を吸収し溶ける。この現象をちょう解(ちょうかい、潮解)という。
- アルミニウムを溶かす性質が有る。
- 強いアルカリ性のため、タンパク質や脂肪などを溶かす。
水酸化ナトリウムの水溶液をつくるときは、水に、すこしずつ水酸化ナトリウムをくわえていって、つくります。
- ※ 禁止 けっして、一度に大量にまぜないでください。
- ※ 禁止 また、多くの水酸化ナトリウムに、水を少しづつかけて作るのも危険なので、やめてください。
- ※ 禁止 水酸化ナトリウムには、けっして、手でふれないでください。
実験をするため、容器から取り出すときは、さじを使ってください。
学校での実験のさい、目を守るための安全メガネが実験室などに、あるはずなので、安全メガネをつけましょう。学校の教科書にも、安全メガネの付けかたが書いてあります。
水酸化ナトリウムの化学式は NaOH である。 水酸化とは、水素Hと酸素Oがついた
- アンモニア
アンモニアの水溶液を、 アンモニア
刺激臭 が有る。
アンモニアの化学式は NH3 です。ちっそ原子Nに、水素原子Hが3つ、ついています。
酸の強さと、アルカリの強さ
編集水溶液の酸性やアルカリ性の強さを表す値を pH(ピーエイチ、もしくはペーハー) と呼ぶ。pHがpH=7のとき溶液は中性であり、pHが小さくなるほど溶液は酸性に近づく。一般に、pH=0で最も強い酸性である。またpHが大きくなるほど、溶液はアルカリ性に近づく。一般に、pH=14が最も強いアルカリ性である。pHは普通、0から14の範囲内である。
「ペーハー」という読みかたは、ドイツ語での読みかたです。ピーエイチという読みかたは、英語での読みかたです。
- pH指示薬(ペーハーしじやく、ピーエイチしじやく)
- ※ つよい酸やアルカリの実験は、きけんです。家庭では、実験はしないでください。この節の内容は、知識として知っていれば、じゅうぶんです。酸とアルカリの実験は、おそらく6年の理科で習うと思います。
物質の中には、水溶液に接触させた時に、水溶液のpHの値によって色が変化するものがある。このような物質はpHを調べるのに用いることができるので、これらの物質のうちpHを調べる物質として実用化されている物質を pH指示薬(ペーハーしじやく、ピーエイチしじやく) という。あるいは
いわゆるリトマス試験紙(リトマスしけんし)も、pH指示薬に、ふくまれる。またリトマス試験紙のように、pH指示薬を試験用の紙に染み込ませて(しみこませて)、用いる事が多い。このようなpH指示薬を染み込ませてある紙を pH試験紙(ペーハーしけんし) という。
リトマス紙やBTB溶液(ブロモチモールブルー溶液)やフェノールフタレイン溶液は、pH指示薬(ペーハーしじやく、ピーエイチしじやく)です。pH指示薬には、他にもメチルオレンジなどがあります。
ムラサキキャベツの葉からとった
-
フェノールフタレイン液。酸性。
-
フェノールフタレイン液。アルカリ性。
pH指示薬は、その物質によって、色を変えるpHの範囲が限られている。たとえば、メチルオレンジはpH=3.1以下では赤色で、そこからpHが高くなると黄色味を増していき、pH=4.4ではオレンジ色である。pH=4.4より高いpHではオレンジ色のままで、ほとんど色が同じなので、このpHの範囲では指示薬として用いられない。
なお、このように指示薬の色が変わるpHの範囲を
ムラサキキャベツの葉からとった
実験のしかたは、まずムラサキキャベツの葉を、きざみます。包丁かハサミで切ります。包丁をつかうときは、ケガをしないように注意してください。
そして、こまかくした葉を煮ます(にます)。ムラサキキャベツの
アルカリ性では、緑色になります。石灰水をたらすと、緑色になります。
アントシアニンがふくまれてる植物は、ほかにも、あります。ブドウの皮や、ナスの皮などです。なので、ブドウやナスの紫色の汁でも、指示薬になります。指示薬をつくるときは、汁の色がこすぎると、変化が分かりづらいので、用量などは、外部の教材を参考にしてください。 アサガオの花にもアントシアニンがふくまれているので、アサガオの花からも指示薬を作れます。
天然の植物からつくった煮汁の場合、放置しておくと、変色してくるので、なるべく実験する日に、指示薬をつくります。
金属を溶かす
編集- 酸に溶かした場合
塩酸は、いくつかの金属を、溶かします。
鉄と、
まず、鉄を溶かした場合について説明します。
鉄に、スチールウール(これは鉄です。)を入れると、スチールウールが溶け、
溶けた鉄は、見えなくなってしまいます。
鉄を溶かした後の塩酸を、蒸発皿にとって、蒸発させると、黄色っぽい粉が、のこります。
この黄色い粉を、塩酸にとかしても、この粉は溶けません。
なので、この黄色い粉は、鉄とは
この粉は、
けっきょく、塩酸に鉄をとかすと、さいしゅてきに、水素と塩化鉄が、できます。
まとめて書くと、
- 塩酸 + 鉄 → 水素 + 塩化鉄
です。 発生した水素は、どこから来たのかというと、塩酸から来ています。塩酸は、塩化水素の水溶液です。 また塩化鉄とは、塩素が化合した鉄という意味です。塩化鉄の塩素は、塩酸の塩素きら来ています。
アルミニウムや亜鉛を、塩酸にとかした場合の反応を、まとめます。
- 塩酸 + 亜鉛 → 水素 + 塩化亜鉛
- 塩酸 + アルミニウム → 水素 + 塩化アルミニウム
亜鉛の反応でも、塩化亜鉛の塩素は塩酸から来ていますし、ともに発生した水素は、塩化水素から来ています。 アルミニウムでも同様です。
塩酸に溶けない金属もあります。
- アルカリに溶かした場合
水酸化ナトリウムには、アルミニウムが溶けます。鉄は溶けません。亜鉛や銅も、水酸化ナトリウムには溶けません。
試験管に入れた水酸化ナトリウムの水溶液に、アルミニウム
アルミニウム箔を溶かすと、泡が出ます。これは
アルミニウム箔が溶けた水溶液を、蒸発皿に取って、蒸発させると、灰色っぽい粉がのこります。
この粉は、水酸化ナトリウムには、溶けません。なので、別の物質だということが、分かります。
なお、この粉の物質は、アルミン酸ナトリウムという物質です。(このアルミン酸ナトリウムについては、小学校では、おぼえなくて良いです。高校生で、学ぶと、思います。)
いっぱんに、酸は、金属を溶かしやすい物が多いです。いっぽう、アルカリは、例外をのぞけば、ふつうはアルカリは金属を溶かしません。
王水
金メダルや金貨などの材料である
金は、
大地と地層
編集山の斜面などを切りくずすと、小石や砂、ねんどなどが、
地層のできかた
編集地層は、川の流れによってできる。その地層は、いまでこそ、地上にあるが、大昔は、海などの底にあったのである。地層は、川の流れなど、水の流れによって、土砂がつもって出来たのである。
じっさいに、地層の中にある石を見ると、丸みをおびている石が多い。また、魚の骨や、貝のカラなどが見つかる場合もある。
これらのことから、地層が出来上がるには、水の流れが、関わっていることが、予想できるだろう。
では、水の中で、
土砂が海中に流される場合は、陸側の近くの海中に、まず石が多く積もる。少し離れた場所に砂が多く積もる。粘土は、いちばん遠くまで、流されて積もることが知られている。
また、海中の土砂は、より古くに積もった土砂ほど、下に来る。なので、ふつうは、古い地層ほど、下に来る。
では、もともと海中にあった土砂が、なぜ地上に出てきて、地層として、見られるのだろうか。
地層によって、いくつかの原因があります。
- 海水面が下がった場合。
- 海中の地面が、その場所だけ盛り上がった。
地面が、盛り上がることがあります。この原因は、なんでしょうか。
じつは、地面は動いてるのです。とてもゆっくりですが、動いているのです。地面は、プレートという物の上に乗っかっていて、そのプレートが動いているのです。地球上には、いくつものプレートがあります。プレートと、他のプレートがまじわることろでは、プレートどうしが押しあう(おしあう)場合も、あります。プレートどうしが押し合う場合、プレートの上に地面があれば、その地面も押しつけられるので、地面が、もりあがります。
こうして、地面が、盛り上がる場合が、あります。
なお、地面がゆれる、
地層の層は、水平とは、かぎりません。地層が曲がっていて、一部分だけ、盛り上がっている場合もあります。このような地層の形を しゅう曲(しゅうきょく) と言います。しゅう曲の原因は、プレートの動きによって、両側から押し付けられる力が、くわわったからです。
地層のしゅう曲で、山になっている部分を
地層が押し合った場合に、かならずしも曲がるとは限らず、地層が切れる場合もあります。
このような切れてずれた地面を、
大きな地震のあとに、断層が生じる場合もあります。
断層にかかる力の方向は、押し付けあう方向だけとは、かぎりません。 地面に、引っ張られる力が加わって、断層ができる場合も、あります。
しゅう曲によって、地層の石や砂や粘土の、上下の関係が、曲がったところで、逆転したり、変化することがある。
断層も、地層の石や砂や粘土の、上下の関係が、切れたところで、逆転したり、変化することがある。
化石
編集動物の肉は、死んでしまうと、すぐに分解されていく。しかし動物の骨は、分解されづらい。地上に骨がある場合は、壊れやすいが、地中にある場合は、骨が、かなり長く、のこる場合もある。
このようにして、大昔の生き物の骨やカラなどが残ったものを
骨だけでなく、大昔の貝が残った物も、化石である。
また、大昔の動物の「足あと」などの
動物にかぎらず、植物などでも、大昔の植物の
化石によって、その地層が出きた時期のあたりの、環境が分かります。
たとえば、地層の、ある層の部分から、貝の化石が出てきたら、地層の、その層の部分が出きた時期には、その地層は、海底にあった可能性が高いことが分かります。貝のアサリの化石なら、アサリは、海の浅いところにすむので、そういった環境まで、知ることができます。
もし、サンゴの化石があれば、サンゴは、あたたかい地域の海にしか生息しないので、その地層は「昔は海だった」ということと、その化石が出きた時期は、気候があたたかい場所だったことが分かります。サンゴの化石のような、たい積したころの環境をしめすような化石を
- シジミの化石
シジミは、
地球の年齢は、さまざまな調査で、およそ 45億年 であることが分かっています。
地球上で発見されている、もっとも古い化石は38億年まえの化石といわれています。 それ以前の時代は、岩石そのものが少ない時代です。
人類が出る前の時代などは、文字の記録が残っていないのえ、地質調査などで調べるしかない時代です。このような人類以前の大昔の時代を
化石を調べて行った結果、時代ごとに特徴のちがいがあることが分かり、地質時代を分けて、先カンブリア時代(せんカンブリアじだい)と、
古生代
サンヨウチュウ のさかえた時代は 古生代 です。古生代は、約5億4200万年前から 約2億5100万年前です。 この古生代には、他にも サンゴ や フズリナ や ウミユリ などがさかえました。
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フズリナの化石。
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ウミユリの化石。
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ウミユリの想像図。
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シーラカンスの標本。
古生代にあらわれ始めた シーラカンス は、いまも、子孫が生きのこっています。
植物では、シダ植物が、さかえました。
中生代
中生代は、約2億5000万年前から約6500万年前までです。
また、中生代の海では、 アンモナイト が、さかえました。 恐竜の祖先である シソチョウ が、あらわれた時代も中生代です。
恐竜の化石やシソチョウの化石は、地層の時代を知ることのできる示準化石です。
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恐竜の一種のアパトサウルスの化石。
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シソチョウの化石。ベルリン標本
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シソチョウの想像模型。
新生代
約6,500万年前から現代までを
第四紀は、人類の祖先が出現し始めた時期です。
第四紀は、ナウマン象やマンモスが出現した時代でもある。
中生代までは、さかえていた恐竜が、新生代に入っては、
また、第四紀は、
氷河期の時代は、海の水面が下がり、日本列島は大陸と地続きになりました。そのため、マンモスなどの動物は、あるいて日本列島にやってきました。
モンモスの化石は、地層の時代を知ることのできる示準化石です。
大昔の化石の年代は、どのようにして分かったのでしょうか?
それは、 放射性元素(ほうしゃせい どういげんそ) というものを分析しています。 放射線を出す元素を、放射性元素(ほうしゃせい どういげんそ)といいます。 たとえばウランという元素が、放射性元素です。 ウランは、時間がたつと、ある割合でこわれて、べつの元素に、かわります。 放射性元素は、時間がたつと、ある割り合いでこわれて、べつの元素に、かわります、
このウランのように、化石や地層のなかにふくまれた放射性元素をだす元素の量をしらべることで、その化石ができてから、どのくらいの時間がたったかを調べることができます。
このような、放射性元素をはかる測定方法を 放射性年代分析(ほうしゃせい ねんだいぶんせき) と、いいます。
大地の変化
編集地震や火山活動について、学びましょう。
地震
編集地震とはプレートや地盤、岩盤にずれが生じることで起こる現象。(なお月で起こる地震を、月震「げっしん」という)
地面がゆれる、
海中にあるプレートを 海洋プレート(かいようプレート) と言います。陸地の下にあるプレートを 大陸プレート(たいりくプレート) と言います。
プレートとプレートとが交わるところでは、地震が起きやすいです。日本列島の周囲でも、いくつかのプレートが交わっているので、日本は地震が多いです。日本では、ユーラシアプレートと北アメリカプレートと太平洋プレートとフィリピン海プレートの、あわせて4つのプレートが、日本の下で、押し合っています。
地震の際、地面の一部が切れてずれる場合があります。このような切れた地面の層を
大きな地震のあとに、断層が生じる場合もあります。
断層は、その断層ができる前の地面を引っ張る力によって、その断層が生じた場合、断層のかたほうが乗り上げるようになりますが、この断層を
いっぽう、押し合う力によって作られた断層は、断層がずれおちるようになりますが、この断層を
地震の用語
震源
地震は、ひずみに耐え切れ(たえきれ)なくなった地下の
震央
震源の真上にある、地上の、地表での位置。
- マグニチュード
地震のエネルギーの大きさは、マグニチュードという単位で、あらわします。記号は、「M」です。 マグニチュードが1大きくなると、エネルギーの大きさは、約31倍から約32倍になります。なので、マグニチュードが2大きくなると、エネルギーの大きさは、約1000倍になります。(かけ算で31×31と、32×32とを計算して、確認してみよう。)
震度
地震が起きた時の、その地震を観測した影響をもとに、震度(しんど)として階級分けがされている。震度は、エネルギーの大きさとは、関係がない。 日本では、震度は、震度0から震度7までがある。震度には、震度5と震度6で、震度5弱と震度5強があり、震度6弱と震度6強があるので、震度は合計で10段階にわけられている。
震度とは地震の観測場所での地震の影響なので、同じ震源で起きた地震でも、震度の観測場所によって、震度の大きさは違ってくる。
震度 | ゆれの感じ方や、被害のようす |
---|---|
震度0 | 人は ゆれを感じない。 |
1 | 屋内にいる人の一部が わずかにゆれを感じる。 |
2 | 屋内にいる人の多くが ゆれを感じる。つりさがってる電灯などが、わずかに、ゆれる。 |
3 | 屋内にいる人のほとんどが ゆれを感じる。ねむってる人の多くが目をさます。 |
4 | 置き物が倒れることもある。多くの人が、おどろく。 ねむってる人のほとんどが目をさます。 |
5弱 | 多くの人が身の安全を図るために物につかまる場合がある。つりさがってる電灯などが、わずかに、ゆれる。 |
5強 | 固定していない家具が倒れることもある。行動に支障を生じる。 棚のものが落ちたりする。墓石が倒れることもある。 |
6弱 | 立っていることが困難。固定していない家具が倒れることもある。 多くの建物で、タイルや窓ガラスなどが破損する。 |
6強 | 立ってることが出来ず、はわないと動けない。重い家具でも、固定していなければ、移動・転倒する。 地割れや山崩れが起きる場合もある。多くの建物で、タイルや窓ガラスなどが破損する。 |
震度7 | ゆれに飛ばされることもある。ゆれによって、自分の意思で動けない。 大きな地割れや山崩れが起きる。建物が傾く・倒れるなどの大きな被害を受ける場合もある。 |
- 地震の波
地震のつたわってくる場合、最初に小さい ゆれ が来てから、しばらくしてから、それより大きなゆれが伝わってくることが多い。 このようなことが起きる理由は、じつは地震のつたわり方には2種類あるからである。
地震がおきると、先に、P波(ピーは)という波が伝わってきてから、あとでS波(エスは)が、つたわってくる。 Pは英語で、「最初の」とか「始めの」とかを意味する プライマリー primary という語句の頭文字です。S波のSは、英語で「2番目」とかを意味する セカンド second です。野球の守備のポジションで 一塁手をファースト first 、 二塁手をセカンド second 、三塁手をサード third などと言いますよね。そのセカンドと同じです。
英語で、1つ、2つ、3つを ワンone 、 ツー two 、スリー three といいます。一番目・2番目・3番目は ファーストfirst、セカンド second、サード third と言います。中学一年になれば英語を習い始めるでしょうから、せっかくですから、ここで、英語も、おぼえてください。
ここでいう、P波とかS波とかの「波」とは、揺れ(ゆれ)の、伝わり(つたわり)のことである。
-
P波(たて波)
-
S波、横波
さて、P波は たて波 という伝わり方であり、S波は
たて波のP波は、よこ波のS波よりも速度が大きいので、さきにP波がとどき、あとからS波がとどく。このことから、最初に、プライマリーに、たて波がとどくので、最初にとどく、たて波がP波(primary wave、プライマリーウェイブ)と呼ばれるようになったわけである。
地面の上に、大きな振動をあたえるのは、横波であるS波のほうである。この横波のS波を
なので、さきにP波がとどいて少しゆれたあとに、ちょっと時間がたってからS波が来て、S波の主要動で大きく、ゆれる。
最初に縦波のP波がきてから、よこなみのS波がくるまでのあいだを
初期微動の長さは、P波とS波がとどく時間の時間差である。そして、この時間差は、距離に比例することが分かっている。なので、初期微動のつづいた時間をはかると、それから震源までのきょりをもとめることができる。
- 大森公式
つぎのような公式が知られている。 震源までのきょりを kmとして、P波の速度を km/秒 として、S波の速度を km/秒 として 、初期微動のつづく時間を 秒とすると、
- P波の
到着 にかかった時間 - S波の到着にかかった時間
- 初期微動のつづいた時間
- 震源までのきょり (km)
はふつうは 6 km/秒 〜 8 km/秒 で
である。
イメージしやすいように、数をいれよう。Kは、だいたい6 km/秒 〜 8 km/秒なので、ここでは、k=7 km/秒としよう。
として、d=震源までのきょり(km)で、tは初期微動のつづいた時間(秒)なので、
- 震源までのきょり(km) = 7(km/秒) × 初期微動のつづいた時間(秒)
である。
大森公式を利用すると、いくつもの観測地点で震源までのきょりをもとめると、そこから震源の位置を見いだすことができる。
- 地震計
地震のゆれの大きさを記録する機械を
地震のときに、地震計の全部が、ゆれてしまっては、記録のしようがありまえん。
地震計では、地震が来ても、うごかない部分をつくる必要があります。 それには ふりこ のしくみを利用します。ふりこの支点を手で持って、支点をはやく動かしても、ふりこのおもりは、ゆっくりとしか動きません。この現象を利用すれば、地震計で、地震が来てもうごかない部分をつくれます。
日本各地にある、地震計を設置している場所を地震観測点(じしん かんそくてん)と、いいます。
大地震に関連する自然災害
編集地域や、その地震の
- 津波
- 液状化現象
- がけ崩れ
・・・など。
自然災害の他に、火災や、電力の停電、交通網や通信網の寸断や麻痺なども、起きる場合があります。
大地震が起きたときの
また、テレビやラジオをつければ、関係する情報を、放送していると思います。
このページのこの節では、主に自然現象の観点から、大地震に関連する自然災害について、説明します。
津波
編集大地震が起きた場合、その震源の場所が海底や、海にちかい場所にある場合は、
海底でのプレートの動きが海によって、その上で水面が 盛り上がり(もりあがり)、その盛り上がった水面が、陸地へと流れこんでくるのです。
津波は、津「波」と言われますが、波というよりも、流れがとても強い川の
海の近くに住んでいる人は、大地震が来たら、警報などにしたがって、高い所へ、逃げる(にげる)
- 津波から、事前に逃げる(にげる)ときは、高い所へ、逃げます。「遠い所へ」ではなく、「高い所へ」と言ってることに気をつけてください。
- また、津波が陸に来る前に逃げないと、逃げ遅れます。
液状化現象
編集大地震が起きたとき、埋め立て地などでは、地面の土と水が分離して、地面が泥水のように柔らかくなりすることがあります。このような現象を 液状化現象(えきじょうか げんしょう) と言います。液状化現象で建物が傾いたり、建物が倒れて、こわれたりもします。
がけ崩れ
編集大地震では、がけや、山の斜面が、くずれることがあります。がけなどには、近づかないようにしましょう。
また、くずれた場所が、川などの水を多くふくんでいると、水と土砂がまじったものが流れてくる
大陸移動説
編集
いま、地球上にある、いくつかの大陸は、むかしは、ひとつの大きな大陸だったことがわかっています。そのひとつの大きな大陸のなまえを パンゲア といいます。
ドイツの気象学者のウェゲナーは大西洋をはさんだ両岸の大陸の形状(特にアフリカと南アメリカ)が、ほぼ一致することから、大昔は、このアフリカと南アメリカはおなじ大陸だったのが分裂したのではないか、と考えました。
また、アフリカと南アメリカは、地質や生物の分布も、にていることから、ますます、おなじ大陸と考えるようになりました。
ウェゲナーは、このようなアフリカと南アメリカは、昔はおなじ大陸だったという説を1912年に発表しました。
しかし、当時の人々の理解は得られませんでした。また、ウェゲナー本人も、どのような力で、大陸が動いているのかは、わかりませんでした。
ウェゲナーは大陸が動いていることの証拠を探す探検のためグリーンランドを探検している最中の1930年に、50歳でウェゲナーは死んでしまいます。
ウェゲナーの唱えた大陸移動説は、彼の生存中は学会の多数からは、みとめられることはありませんでした。
海嶺 と海溝
それから、数十年がたってから、技術の進歩で、海底の研究が進みます。すると、どうやら、海底の奥ふかくから、溶岩が次々と、わき出している場所があることが見つかります。これは
また、海底の奥深くで、地面が地中に引きこまれている場所も見つかります。これが
海嶺や海溝の研究から、地中や海中のプレートとよばれる岩ばんが動いていることがわかります。
ウェゲナーの大陸移動説は、プレートにのっかった大陸が、プレートごと動くという考え方で説明できるようになりました。
地震はプレートのひずみによって起きることが分かっています。大陸プレートと海洋プレートの押し合いでひずんだプレートが、ひずみに、たえきれなくなって、元にもどるときに、地震が発生します。
そしてプレートをひずませる力の原因は、プレートが地中に引き込まれることです。
プレートの運動によって、地震がおきるという考え方を プレートテクトニクス と、いいます。
火山の活動
編集マグマが、地上にでてきたものを
火山の溶岩は、地下100kmくらいの地中深くから上がってきて、いったん、地下10kmくらいのマグマだまりに、たまる。
- 火山さいせつ物
火山では、はげしい噴火をした場合、火口のちかくの岩石がくだけたりして、石や砂や岩や灰などを、吹き飛ばして、まきちらすことがある。このような物を 火山さいせつ物(かざん さいせつぶつ) という。
この火山さいせつ物は、大きさによって、分類される。
直径が2mm以下の、さいせつ物を
火山さいせつ物のうち、直径2mm〜64mmの火山さいせつ物を大きい物を 火山れき という。(数字は、おぼえなくても良い。大きさによって分類されるということを、おぼえてほしい。)
火山さいせつ物のうち、直径2mmより大きく、まだ、かたまっていなく、溶けた溶岩がまじってる場合は、
- 火山ガス
火山の内部では、水蒸気などの気体が発生している。 水蒸気のほか、二酸化炭素、二酸化硫黄、塩化水素、硫化水素なども、ふくまれる。
これらの、火山から噴出した気体を 火山ガス という。 「ガス」GASとは、英語で「気体」の意味である。
火山ガスの成分のほとんどは、水蒸気である。
火成岩
編集石や岩の出来かたには、いろいろなできかたがあるが、マグマが冷えて、かたまって、岩や石ができた場合、それらを
火山の噴火などによって、マグマが急にふきだした場合に、マグマが急に冷やされるて固まって出きた火成岩を
いっぽう、地下の深くにあるマグマが、ゆっくりと冷えて固まったものが、地上にでてきたものを
- 深成岩
深成岩は、ゆっくりと冷えるてできるので、結晶の大きさが、そろっている。このような、同じような大きさの結晶が、つまっているつくりを 等粒状組織(とうりゅうじょう そしき) という。
- 深成岩の例。 ・・・ はんれい岩、せんりょく岩、かこう岩 。
-
はんれい岩
-
せんりょく岩
-
かこう岩
- 火山岩
火山岩は、急に冷やされるので、結晶になっていない
そそて、このような石基の中に、いくつか、斑晶が、ちらばっているつくりを
- 火山岩の例。 ・・・ 玄武岩、安山岩、流もん岩 。
-
玄武岩 -
安山岩 -
流紋岩
岩石
編集岩石のできかたのいは、マグマが固まって出来る火成岩のほかにも、地下深くの地層が、その上の地面の重みで、長い年月の間、おし固めつづけられて、できる岩石もある。
このような出来かたの岩石を
礫岩
小石(
砂岩
砂が固まって出きたものを 砂岩 (さがん) という。
泥岩
粘土が固まって出きたものを 泥岩 (でいがん) という。
石灰岩
生物の死骸などにふくまれるカルシウムなどが固まってできたものを 石灰岩 (せっかいがん)という。主成分は、炭酸カルシウムである。なので、うすい塩酸をかけると、二酸化炭素を発生する。
凝灰岩
火山灰などの火山さいせつ物が固まったものを、 ぎょう灰岩 (ぎょうかいがん)という。
-
れき岩
-
砂岩
-
泥岩
地球の内部
編集地震のつたわりかたの研究などから、地球の内部には、液体の部分があることが分かっています。
地震の波には、たて波とよこ波がありますが、横波は液体の中をつたわりません。
地球の表面にある、かたい部分を
地殻の下には マントル という高温の、岩石のようなものでできたが、あります。マントルは、地殻の下から 2900km くらいまでの深さに、マントルが、あります。 マントルの成分は岩石です。 火山のマグマは、マントルから、できます。
マントルのほとんどは、固体の岩石です。マントルの温度はとても高いのですが、マントルにかかる圧力も高いので、液体にはならずに、マントルは固体なのです。 マグマは、ほとんど固体のマントルの一部が、液体になったものです。
マントルのさらに下には
核の成分は、鉄やニッケルなどの金属から出来ていると考えられています。
地球の内核は地下5,100 kmから6,400 kmで、固体からなると考えられています。
てこの原理
編集てこがつりあっている時、「うでの長さ」と「物の重さ」をかけた量が、支点の左右で同じ大きさになっています。 このことを、 てこの原理 (てこのげんり)と、いいます。
てこの両側での、うでの長さの単位はそろえてください。
たとえば、てこの右側で長さの単位をセンチメートル(cm)としたら、左側でもcmを使ってください。
同様に、てこでの「重さ」の単位も、右と左で、そろえてください。
もし、重さの単位に、左ではグラム(g)を使ったら、右でもgを使ってください。
あるいは、もし、重さの単位にキログラム(kg)をつかう場合は、右も左も、重さの単位はキログラムにしてください。
てこの原理を利用すると、小さい力で、重い物を、もちあげることが、できます。
てこで、人間が力を加えるために持つところを、 力点 (りきてん)と、いいます。
てこを支えている、
そして、てこによって、持ちあげたい物に、力がくわえられる場所を
左の図で見れば、力 F1 と支点と力点との長さ d1 の、かけあわせの F1×d1 と、力 F2 と支点から作用点の長さ d2 の、かけあわせの F2×d2 との大きさは同じです。 つまり、式で書くと、
- F1×d1 = F2×d2
です。
なので、少ない力で、てこで重いものを持ち上げるには、支点と力点の距離を長くすれば、そのぶん、力点に加える力は小さくなります。 また、支点と作用点の長さを短くすれば、そのぶん、作用点に大きな力がくわえられるので、てこで持ち上げやすくなります。
なお、ピンセットに、てこの原理を当てはめて、考えてみると、ピンセットの支点は、はじっこにあります。ピンセットの作用点は、ピンセットの先の、物をつまむ部分です。
なお、力と、支点からの距離を、掛けた量を、モーメントと言います。たとえば力 F1 と支点と力点との長さを d1 とした場合、 F1×d1 はモーメントです。 F2×d2 も、モーメントです。
- くぎぬき
支点・力点・作用点は、かならずしも、一直線上には、あるとは、かぎらない。
輪じく
編集輪じく(りんじく)とは、自動車のハンドルに似たしくみの物です。外側の
このような、ハンドルなどの力の仕組みを考えたものを、輪じく(りんじく、輪軸)といいます。
輪じく の、力のしくみ は、てこの原理を 使って、考えることができます。
輪じく の、つりあいを考えるときは、
- 力 × 半径
で、かんがえる必要があります。
ドライバーも 輪じく になっています。
かっ車(発展)
編集宇宙
編集太陽と月の形
編集月と太陽の表面の様子や月の形が変わる理由について学びます。
月の形の変化と太陽の位置
編集月は日々姿形を変え、それは約29.5日で一周しています。これを月の満ち欠けといいます。月の満ち欠けが起きる理由は、地球から見た月の太陽からの光が当たる面が日ごとに変わってゆくので、おこります。
月の満ち欠けは決まった周期となっているので、昔の人はこれをカレンダーのように使っていました。そして、それぞれの形に名前をつけて身近なものにしていました。みなさんも、「三日月」や「満月」という言葉を知っているでしょう。これも月の形の名前です。みなさんは、すべては、おぼえなくてもよいですが、月の形と、その名前を紹介します。
陰暦(月の満ち欠けを基にした暦)と月の名前 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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|
月の見えかたは、右側から、かわっていきます。
月の表面の様子
編集月の表面に見える、黒く見える丸い穴をクレーターと言います。でこぼこした、くぼみがあります。(くわしくはクレーター。) クレーターが出きた理由は、いん石(いんせき、隕石)が、ぶつかったからだろう、と考えられています。
クレーターとはべつに、月の表面の、黒く見えるあたりを
そもそも、月には、水がありません。月には、空気も、ありません。
月の表面には、海がいっぱいあるけど、裏には、ほとんどありません。
月の表面の、白く見える部分を陸(りく)と、言います。
月の大きさ
編集月の直径は、約3500kmです。月の形は、球形です。地球の直径と比べた場合、月の直径は、地球の直径の4分の1です。地球の方が大きいです。
月と地球の距離は、約38万kmです。 なお、太陽と地球との距離は、約1億5000万kmであり、月と地球の距離の約400倍です。
月の重力は、地球の重力の、約6分の1です。月は、地球よりも、小さいので、月の重力も、地球より、小さいです。 地球上で1000グラムの物の重さを、ばねばかりで、はかると、月では166グラムくらいになります。
いっぽう、月で、
月には、空気がありません。この理由は、月の重力が小さいので、空気を引き止められなかったからだろう、と考えられています。
星の種類
編集太陽のように、光を発してる星を、こう星(こうせい、恒星)と言います。星座をつくる星も、こう星です。
いっぽう、地球のように、その星じたいは、光をはっしない星で、太陽のまわりを回っている星をわく星(わくせい、惑星)といいます。
月のように、惑星のまわりを回っている星は、えい星(えいせい、衛星)といいます。
月は、こう星ではありません。地球から見た場合に、月があかるく見えるのは、太陽の光を反しゃしてるからです。
月は、地球のまわりを、回っています。このように、星が、星のまわりを回っていることを、公転(こうてん)といいます。
地球そのものも、太陽のまわりを、公転しています。地球が太陽のまわりを1まわりするのに、1年かかります。季節が1年ごとにくりかえす理由は、地球の太陽のまわりの公転です。
わく星
編集太陽のまわりを回っている惑星は、地球の他にも、あります。太陽から近い順に惑星を書くと、
です。
太陽
編集- ※注意 太陽を直接、見ては、いけません。目を痛めます。
- ※注意 太陽を直接、望遠鏡で、のぞいても、いけません。目を痛めます。
星と銀河
編集太陽と、太陽のまわりを回る、水星から海王星までなどの惑星などは、
太陽系の直径は約90億kmです。
その太陽系は
銀河系の形は、うずをまいた
銀河系の大きさは、とても大きいので、キロメートルだと、
1光年の きょり は、そのあいだの きょり を
そして、この光年という単位をつかうと、銀河系の直径は10万光年です。
わたしたちの太陽系は、銀河系の中心から、およそ3万光年、はなれた場所です。
夜空で、数十個から数十万の星があつまって見える場所を
-
おうし座のプレアデス星団
- アンドロメダ銀河
星座のアンドロメダ座のそばに見える、いくつもの星があつまったアンドロメダ星雲(アンドロメダせいうん)は、私たちの銀河系とはべつの星です。なので アンドロメダ銀河(アンドロメダぎんが) とも言われます。
電気の利用
編集- 電磁石のはたらき
鉄の棒にエナメル線を巻き付けると、電磁石というものになります。ここでは、電磁石について学びましょう。 電磁石については、小学5年の理科で、習いますので、知らないかたは、復習をしてください。
この節では、電磁石のほかの、利用を説明します。
電気による発熱
編集ニクロム線(ニクロムせん)などに電流を流すと、発熱します。どんな金属の線でも、電気をながすと、発熱はします。ニクロム線は、とくに、発熱が多くなるニクロムという材料でつくられた導線です。このように、電気を流すと熱が多く発する金属導線を電熱線(でんねつせん)と言います。ここでは、電気の利用について学びましょう。
電熱線は、ヒーターなどに利用されることがある。
なお、ニクロムは、ニッケルと言う金属と、クロムという金属が混ぜられた
ニクロムに電気をながすと、その電気が持っていたエネルギーは、熱として使われてしまいます。
ニクロム線の発熱量などは、どうやって、はかったら、良いでしょうか?
まず、「温度」と、ニクロム線などの発熱や、火などの「熱」とは、区別をする必要が、あります。
たとえば、容器に入った10℃の水に、おなじ水量のの10℃の水を注いでも、けっして20℃の温度には、なりませんよね。
その、いっぽう、発熱をしてるニクロム線を何本も多く集めたら、多く集めるほど、あつくなりますよね。
このように、「温度」と「熱」とは、区別をする必要があります。
- 熱量とカロリー
そこで、熱エネルギーを数値化した量を、熱量(ねつりょう)といい、熱量は温度とは区別します。
熱量の単位はカロリーと、言います。なお、単位の、英語での記号は、小学校では習いませんが cal と書きますので、外部のサイトなどで自習する場合は、参考にしてください。
1カロリー' は、水 1g(=1グラム) の温度を 1℃ 上昇させるのに必要な、熱エネルギーのことです。なお、ここでいう「水」とは、50℃のお湯だろうが、80℃のお湯だろうが、「水」として扱っています。100℃で沸騰してなければ、お湯でも液体の「水」として、あつかっています。
水以外の液体では、ダメです。油では、ダメです。
ともかく水の熱量の式は、
- 熱量(カロリー) = 水の重さ(グラム単位、g) × 温度差(℃単位)
です。
たとえば、重さが10gの水の温度が、3℃ 上がったら、水に加わった熱量は、 3×10=30 で、30カロリーです。
電気を作る
編集電気回路の導線の近くで、磁石を動かすと、電気が流れます。たとえば電磁石に、磁石を出しいれすると、磁石を出し入れで動かしている間は、電気が流れます。
このように、磁石を動かすことで、電気の流れを作れます。
「手回し発電機」は、この仕組みを利用しています。レバーを回すことで、中の磁石が回転するので、磁石の近くにある回路に電気が流れるのです。
じつは、発電所で作れれる電気も、原理は、同じです。 たとえば火力発電所と水力発電所と原子力発電所では、磁石がついたタービン(羽根車、はねぐるま)を、回しています。
このうち、火力発電と原子力発電では、湯を沸かして(わかして)、その蒸気の押し出す力で、タービンを回しています。
水力発電では、水の流れで、タービンを回しています。たとえば、ダムなどの高いところから、タービンの羽根にめがけて、水を落として、その落とした水のいきおいで、タービンを回します。
電気と明かり
編集豆電球に使われている導線の材料は、ふつうは、タングステンという金属で作られた、ほそい線です。 豆電球では、このタングステン線に、電気をながすことで、発熱をさせて、高温にしています。 タングステンが高温になったことで、タングステンから光が出ます。これを電球の明かりとして用いたものが、電球です。
いっぽう、発光ダイオード(はっこうダイオード)などの明かりは、電球とは仕組みがちがいます。
発光ダイオードは、
小学校では、半導体の説明は、むずかしいので、省略します。
なお、発光ダイオードの実験をする時は、電流を流しすぎると、ダイオードがこわれてしますので、注意してください。電流を流し過ぎないように、回路に抵抗という、電流を減らす部品を組み込むのが普通です。
また、蛍光灯のしくみは、電球とも、発光ダイオードとも、別の仕組みです。
この節では、電気は、光に変えることができることを、分かってくれれば、じゅうぶんだと、思います。
また、光電池などを思い出せば分かるように、光から電気をつくることも、出来ます。
電気と音
編集電気は、機械を使って、音に変えることも出来ます。スピーカーやマイク、電子ピアノなどが、そうですね。
どういう仕組みかというと、製品によって、少しはちがいますが、おおむね、似たような仕組みです。
電気によって、振動を、起こしています。
音とは空気の振動です。
たとえば、
さて、回路に電気が流れると、電磁石になって磁力が発生するのですから、その磁力で、物を、振動させてしまえば、音を、出せるのです。
電気をためる・コンデンサー
編集写真のような、電気をためることができる
センサーとプログラム
編集照明の中には、部屋に入ると自動で電気がつくものもあります。これについて考えてみましょう。
- これには、人がいることを感知するセンサーが使われています。
- 内部のコンピュータに動きを指示し、それに
従 って動いています。 - このようなコンピュータへの指示を プログラム といい、プログラムを作ることを プログラミング といいます。
- このように、電気製品の中には、センサーとプログラムを使って動いているものがあります。