学内併願で昔から「教育学部だけ落ちた」という声が多いように偏差値通りの結果とリンクしづらい学部である。教育学部の英語の問題は、早稲田の傾向を最も色濃く反映しているとされ、教育学部の英語を解くことで、早稲田の殆どの学部の英語対策に対応できるほど典型的な「早稲田の英語」と言われている。入試問題はかなり独特であり、問題の制限時間が厳しく早大の中でも非常にシビアな時間設定となっている為、過去問で問題演習を繰り返す事が必要となってくる。しかも問題傾向も数年毎に変化するので注意が必要である。文系(英語・国語・社会系学科)と理系(数学・理科系学科)の両方による受験が可能。英語英文学科・国語国文学科・数学科以外の学科・専修は各科目の配点が同じであるため、英語が苦手な場合でも英語の配点が高くなっている他学部とは違って合格の確率は向上する。理系併願の特徴として、意外に理工・人間科学部との併願関係が強い。これは理工・人間科学部受験者は一般入試で数学・理科受験できることに加え、理工・人間科学・教育学部ともに難関国立大受験者に併願しやすい問題レベル(英・数・理の3科目受験では私大最高峰)となっているためと考えられる。理系教育学部の教員は理工学研究科(大学院)の教員が兼担しており、理系学部生の多くが同研究科へ進学する。

一般入試 編集

英語(90分/50点)

 1985年以降すべて選択式による解答となり、86年からはマークシートが採用されている。長文4題に会話文1題の5題で、総語数は2000語を超える為、長文を確実かつ素早く処理していく能力が求められる。読解問題は1つの長文の語数が300語台から600語台のいわゆる「中文」レベルであるため、文中に下線や空欄が設けられ、細部にわたる理解が求められる。文系・理系共通問題であるので科学論が題材になることが文系他学部より多いので、文系の受験生は注意する必要がある。単独の文法・語法問題は1992年にいったん消滅し、2000年と2001年に復活したものの2002年以降は出題されていない。このため読解問題において文法や語法も問われる。会話問題は1986年以降出題されており、様々な形式がとられていたが、文法・語法、そして論理展開を意識することが重要。1988年に初出題された「あるだけ選べ」は90年代中盤まで非常に受験生泣かせとして有名だった。この形式は91年・94年・97~2000年は出題されておらず、2001年に突如復活するも2002年以降は消滅している。もし「あるだけ選べ」が出題された場合の対処法としては、品詞特定、自動詞・他動詞の違いなど語法で確実に落とせる選択肢を落とし、判断に迷った選択肢は選ばないことに尽きる。ただ近年は「あるだけ選べ」の消滅など、教育学部としての特徴的な設問形式はほとんどなく、かつてと比べるとオーソドックスになっており、あらゆる長文読解の問題集を解くことが有効になるといえる反面、傾向のつかみどころがないという点では対策がしづらい学部であるともいえる。いずれにせよ総合的な英語力を問われる教育学部の問題に慣れておくためには、なるべく多くの過去問をこなすことが最も重要であることはいうまでもない。

 近年比較的平易な問題が出題されるようになったが、2022年には大問4つ構成で大問5にあった会話文が姿を消し、1000語程度の長文の出題や、非常に手間のかかる設問形式が見られるなど大幅難化した。今後どうなるかはわからないがこの年の水準で対策すべきである。

国語(90分/50点)

 現代文2題及び古文・漢文1題の構成で一部記述式を採用している。漢文は基本的な句法を抑えておけば充分。現代文は05年度・06年度はかなりの難易度を誇っており、早稲田大学の中でも難しい部類に入りる。しかし07年度以降は徐々に易化している。日頃からそれなりの評論文などを読んで、難文に慣れておこう。古文も同様に確固とした文法力、読解力が必要となる。傍線部の前後から和歌の意図や登場人物の気持ちを推測させるような小説的読解力を問われる事に注意しておくべき。また、2008年度入試では今まで現代文あるいは古文との融合問題であった漢文が、過去のように一つの大問として出題された。難易度はやや易化し、基本句形をマスターすれば十分に満点が狙える程度である。

日本史(60分/50点)

 難易度は早大の中でもかなり高い。2021年のように世界史と平均点が約10点離れている学科もある程で目標点は7割である。史料からの出題が多く、過去問を解いている時は問われ方に慣れるように意識して解くようにしよう。未見資料の読解問題や穴埋めも出題されるため商学部の問題は本学部の対策に使える。基本的な内容を問う問題も当然多くが出題されるが、史料を読み取る際の注意力不足で間違える事が考えられる。すなわち、その資料が何の歴史的事項の事を言っているのか解らずに。その設問を全て落とすと言ったような事態も起こりえる。それを防ぐためにも,教科書の隅々までしっかり読んで,頭に入れて問題演習を重ねるようにしよう。大問5は基本的に4、5問と設問数が少なく、女性史、沖縄史などがよく出題されるが、テーマは定まっていなく難問が出題される可能性が極めて高い。

 例年2〜4個ほど設問に現れる、教育学部特有のすべて選べという形式は毎年受験生を悩ませている。基本的に全て選ぶ設問では答えが2個か3個であることが多いが、このような設問にも慣れておきたい。

世界史(60分/50点)

 難易度は早大の中では標準レベル。平均点が日本史より高く、7割ほどになる年も多いため8割以上を目指したい。以前から中国史及びアジア史はマークでも記述でも他学部より難しい問題が出題されることが多い。大問は例年4題、全50問であり、記号・記述ともに各1点でその割合は1:4である。特に記号問題の難度が高く、他学部同様、山川の用語集の文章中に出てくる語句や話題からも多数出題されるので丸暗記するぐらいの気持ちで臨みたい。一方で、記述問題は基本的な問題も多く出題されるので取り溢さないように。例え難解な問題を落としても1点であるので基本問題を抑えれば7割以上も可能である。英語や日本史で出題実績のある「あるだけ選べ」形式が今後出題される可能性もあるので注意。

政治経済(60分/50点)

 例年時事的出題が目立つ。一部において、政治・経済の範囲を明らかに逸脱していると判断される超難問が散見されるが、基本的な部分を確実に習熟しておくことが先決。実際、大問一つ全てが、即ち10点分が全く手が出ないと言う事がある。しかし、その手の問題をすべて落としたとしてもたいした問題はなく、合格への道が遠ざかるということは全くない。国際政治経済など現役生には手の届きにくい分野からの出題が多く、例えばEU(欧州連合)・ヨーロッパにかかわる問題はほぼ毎年のように出題され最近では08年度・05年度・02年度・00年度・98年度と10年で5回も大問丸々EU・ヨーロッパの問題などということもある。また国際貿易体制も頻出のテーマ。政治経済学部・法学部のような思考力等を問う問題は少なく、知識を問う問題がほとんど。 

地理(60分/50点)

 レベルはかなり基礎的であるから高得点が求められる。大問は例年4題で、ほぼ毎年特定地域を対象とする地誌で全大問が構成されている他、ヨーロッパに関する大問が毎年出題される。18年度に突如としてプランテーションに関する系統地理が出題されたり、20年度にはヨーロッパに関する問題が無くなり、全大問が系統地理になるなど傾向が掴みにくくなっている。毎年マニアックな地名が1,2問出題されるが、それを除けば標準からやや難レベルの問題構成であるため、主要地域の特色への理解を徹底すれば9割以上も難しくない。

数学(120分/50点) 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・Bから出題される。

理科(60分/50点) 「物理基礎、物理」、「化学基礎、化学」、「生物基礎、生物」、「地学基礎、地学」のうちから1科目選択する。

  • 教育学科初等教育学専攻、複合文化学科志願者は、文科系(A方式)または理科系(B方式)のどちらかを選択する。
  • 英語英文学科受験生の英語の得点は調整後の得点を1.5倍にする。
  • 国語国文学科受験生の国語の得点は調整後の得点を1.5倍にする。
  • 数学科受験者の数学の得点は調整後の得点を2.0倍にする。
  • 理学科地球科学専修志願者で、理科の地学選択者については、理学科60名のうち5名を「地学選択者募集枠」として理科の他の科目選択とは別枠で判定を行う。
  • 「数学B」は、「確率分布と統計的な推測」を除く。
  • 数学・理科については、新教育課程と旧教育課程の共通部分から出題される。

※当学部はセンター試験利用方式を採用していない。