有機化合物の構造・性質

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有機化合物とは 編集

有機物と無機物 編集

19世紀初頭までは有機物とは生命体によって作られる物質であると定義されていた。そして、それ以外の実験によって合成される物質や鉱物として産出する物質は無機物とされていた。しかし、ドイツ人科学者ウェラーが、生命体によって作られる物質の尿素を、無機物であるシアン酸アンモニウムを加熱することで合成できることを発見した。

 その時から炭素元素を含む化合物を有機化合物(有機物)、炭素以外の元素から構成される物質を、無機化合物(無機物)と区別するようになった。ただし、炭素を含む化合物のうち一部を無機化合物として扱う。たとえば二酸化炭素などの酸化物、シアン化水素などのシアン化物、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩は、炭素を含むが無機化合物として扱う習慣がある。

 無機物の例 水 H2O、鉄 Fe、炭酸水素ナトリウム NaHCO3、一酸化炭素 CO、シアン化カリウム KCN

 有機化合物の例 ベンゼン C6H6、メタン CH4、酢酸 C2H4O2

 ウェラーの尿素の合成 NH4OCN → (NH2)2CO

有機化合物の構成 編集

 有機化合物は主に炭素C、水素H、酸素Oや、その他陰性の大きな元素、窒素Nやハロゲンによって構成されているため、分子間の結合は共有結合が多い。そのため、様々な形で結合するので構成する元素の種類が少ないにもかかわらず たくさんの種類の化合物が存在する。

有機化合物の分類 編集

有機化合物を分類する方法には大きく分けて2つの分類法がある。1つは炭素同士の繋がり方によって分類する方法。もう一つは、特有の化学的性質を示す官能基によって、分類する方法である。

炭素の繋がり方による分類 編集

 この方法では、炭素と水素のみによって構成される分子(炭化水素)を中心に扱う。炭素は、価電子が四つなので単結合や、二重結合、三重結合をする。また、一直線に繋がったり環状に繋がったりする。ここでは、その炭素同士の繋がり方を中心に化合物を分類する。

 炭素が、鎖のように繋がっている化合物を鎖式化合物または脂肪族炭化水素(特に炭化水素の場合は鎖式炭化水素)という。また、炭素が環状に繋がっている化合物を環式化合物という。環式化合物のうち、6つの炭素原子が環状をして特別な結合をしているものがあるこれを芳香族化合物(特に炭化水素の場合は芳香族炭化水素)といい環式化合物のうち芳香族化合物以外を脂環式化合物(特に炭化水素の場合を脂環式炭化水素)という。

 炭素同士の結合に二重結合または三重結合を含む有機化合物を不飽和化合物(不飽和炭化水素)といい、炭素同士の結合がすべて単結合の化合物を飽和化合物(特に炭化水素の場合を飽和炭化水素)という。

官能基による分類 編集

この方法では、ある種類の原子がある一定の形に結合したものを官能基と定義し、その有機化合物にどのような官能基があるかによって分類する方法である。

様々な有機化合物 編集

炭素の繋がり方によるもの 編集

単結合のみの炭化水素


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