定理1.
を集合とするとき
(1)
(2)
証明
(1) を に属する任意の元とする.
かつ .
すなわち または かつ .
これは または となり,
すなわち .…①
逆に , より
, .
( かつ ならば だから)
.…②
①②より .
(2)(1)に対して定理3を先取りして適用する.
.
.
.(証明終)
定理2.
を集合とするとき
(1)
(2)
証明
(1)の証明. とすると, かつ ,
したがって,ある(少なくとも一つの) について かつ .
すなわち であり,
これにより .…①
逆に任意の について であるから
となり ( ならば と同じ理由で,)
.[1]…②
①②より(1)は証明された.
(2)の証明.(1) に定理3を先取りではあるが適用する。
(1)より
.
.
.
(証明終)
定義9.
ある集合 の部分集合全体をなす集合を と記す.したがって は を意味している.
特に である.
定義10.
また 1 点 だけからなる の部分集合を
,あるいは簡単のため とも書く.
定義11.
に対して
-
を の補集合という.明らかに である.
定義12.
に対して
-
を集合 と集合 の差,また
-
を集合 と集合 の対称差という.
演習1.
とするとき, を図示せよ.
(解答)
略
定理3.
とするとき,次の命題が成り立つ.
(1)
(2)
証明
(1)を証明する. とすると
すなわち かつ である.
ゆえに したがって が示された.
逆に であれば かつ
したがって
となり が示された.
(2)を証明する.
(1)に を適用する.
(1) より
すなわち .
だから
.
をあらためて , を と書き直せば
.(証明終)
定理3 はつぎのように一般化される.
定理4.
とするとき,次の命題が成り立つ.
(1)
(2)
証明
(1)
(2)
(証明終)
- ^
さらにパラフレーズする.
任意の について
すなわち,
…①
…②
…③
各式の左辺の変化している部分に着目する.それは であり,今,左辺の和集合を考えると
であるが,
①②③…,により はある集合 に対して だといっている.
同様に だといっている.
したがって といえることになるであろう.