Legendre 多項式 は
で定義される。
この式を展開して、
ここで、いくつかの項は微分で落ちる。項が残る条件は で、 が整数だから、 である。
さらに、
として Legendre 多項式の表示が得られる。ここで、 となることを使った。
Legendre 多項式の定義に Goursat の公式を使うと、
となる。ここで、 と変換をすると、 となるから、 について解いて、 となる。ここで、 と置いた。 となるから、 の微分は となる。 であったから、
これは、
ということを意味する。すなわち、これがLegendre 多項式の母関数である。
電磁気学や量子力学などで、微分方程式
を解く必要が発生する。この微分方程式の解を Bessel 関数という。
の形の級数展開を仮定する。
このとき、
であるから、微分方程式は、
となる。
の項は、 であるから、 .
の項は、 であるから、 .
について、 を得る。これより、 がわかる。
のときは、
であるから、
である。すなわち、
ここで、 に選んだものを 次 Bessel 関数 とする。
すなわち、
である。 のときも同様に計算することで、同じ式になる。
負の整数 次の Bessel 関数について、
Bessel 関数の母関数は、
ここで、第一の総和で、 、第二の総和で、 と置くと、
となる。
また、母関数を で割ると、
となるから、 について原点反時計回りに積分すると、
が得られる。 とすると、
ここで、 は奇関数だから積分は0。 は偶関数だから、
を得る。
母関数に を代入すると、
あるいは、
を得る。
であるから、Bessel 関数の加法定理
を得る。
上昇演算子と 下降演算子 を次のように定義する。
ここで、右辺は、 から成り立つ。下降演算子についても同様である。
これを Bessel 関数に作用させると、
となる。また、
である。すなわち、
二式を辺々加えて、
または、辺々引いて、
を得る。
ところで、明らかに
となる。この式は二階の微分方程式であるから、Bessel の微分方程式に帰着するはずである。実際、左辺を展開すると、
となる。逆に考えると、昇降演算子とは微分方程式を因数分解したものだとも考えられる。
が非整数のときは、 が独立な2解を与えるが、整数のときは、 という関係があるから、独立ではない。そこで、位数 のときの Bessel の微分方程式の独立なもうひとつの解が存在する。Bessel の微分方程式を で偏微分すれば、
となるから、 は微分方程式の解である。 も同じ微分方程式を満たすから、その線形結合として、
を定義すると、 に独立な解を与える。非整数の に対しては、
と定義すると、 の極限として、 を得ることができる。
第一種、第二種 Hankel 関数をそれぞれ
で定義する。
第一種完全楕円積分 と第二種完全楕円積分 は
で定義される。
Taylor 展開して、
となる。あるいは、超幾何関数を使うと、
となる。この変形に、
を使う。
と定義する。 とする。
さらに、
また、
Jacobi の楕円関数を
で定義する。ただし、 , である。