高等学校化学I/物質量と化学反応式

原子量と式量と分子量

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物質の量

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原子1個あたりの質量はきわめて小さすぎるので、1個単位で扱うのは、とても不便である。そこで化学では、6.02×1023をひとまとまりにして原子・分子などを数える。この6.02×1023個の量をモルといい、単位記号に mol(「モル」と発音)を用いる。 そして、molを単位として数えた粒子の個数を物質量(ぶっしつりょう、amount of substance)という。

つまり、

1 mol = 6.02×1023

である。 この6.02×1023という数値が、この値に決められた理由については、のちの節で述べる。

原子量

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相対質量

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原子の質量と相対質量
原子 質量(g) 相対質量
1H 1.6735×10-24 1.0078
12C 19.926×10-24 12(基準)
16O 26.560×10-24 15.995
23Na 38.175×10-24 22.990
35Cl 58.067×10-24 34.969
238U 395.28×10-24 238.05

ある原子Aについて、比較のため炭素12Cの1個の質量を基準として、12Cの1個の質量を12と定めた場合、その原子Aの相対的(そうたいてき)な質量を原子量(げんしりょう, atomic mass)という。

たとえば水素の相対質量(そうたい しつりょう)は 1.0078 になる。水素の相対質量がぴったり質量が1でない理由は、同位体が、水素および炭素にそれぞれ存在するためなどの理由による。


元素の原子量

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同位体の天然存在比と原子量
元素 同位体 相対原子質量 天然存在比(%) 原子量
水素 1H
2H
1.0078
2.0141
99.9885
0.0115
1.008
炭素 12C
13C
12(基準)
13.003
98.93
1.07
12.01
酸素 16O
17O
18O
15.995
16.999
17.999
99.757
0.038
0.205
16.00
ナトリウム 23Na 22.990 100 22.99
塩素 35Cl
37Cl
34.970
36.966
75.76
24.24
35.45

自然界にある炭素の原子量を求めるには、同位体の天然存在比(natural abundance)を考慮しなければいけない。 たとえば、天然の炭素Cには12Cと13C(相対原子質量は13.003)の2種類の安定同位体がある。 天然存在比は、12Cが98.90%に対し、13Cが1.10%であるから、炭素Cの原子量は、

 

よって炭素Cの原子量は12.01である。

なお、原子量は統一原子質量単位に対する比なので単位を付けない。

他の元素の例:23Na原子の原子量は22.990であり、23Na以外に安定同位体が存在しないため、相対原子質量が原子量に等しくなる。
このような例は他に、9Be 19F 31P 127I 19Cs がある[1]


分子量

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分子量の例
分子 分子量
(概数値)
水素 H2 2.0
酸素 O2 32.0
塩素 Cl2 71.0
塩化塩素 HCl 36.5
アンモニア NH3 17.0

分子についても、質量の基準として12C=12を基準とした相対質量で表す。この分子の相対質量を分子量(ぶんしりょう, molecular weight)という。分子量の大きさは、その分子中の原子の、原子量の総和である。

・例: 水

H2O の分子量 = 1.0 × 2 + 16.0 = 18.0

よって、H2O の分子量は 18.0 である。

分子量も相対値なので単位をつけない。

なお、元素の原子量を小数点1ケタまでの概数値とし、水素の原子量を1.0とし、酸素の原子量を16.0とした。


※ この例のように、高校レベルで、実際に分子量を計算するときは、小数点1ケタか、せいぜい2ケタまでの概数値(がいすうち)を求めればよい。なお入試では、有効数字を何桁にするかは、問題文中に指示されている。

※ 原子量の値を覚える必要は無い。入試などでも問題文中に、原子量の値は記載されている。検定教科書でも、原子量は小数点1ケタていどの概数値を用いて、分子量を計算しているし、原子量の値は記憶しなくてよいように教科書中に記載している。また、教科書会社ごとに、原子量の概数値の取り方が微妙に違っているため、結果的に、分子量の概数値も教科書会社ごとに微妙に異なっている。

・例: 二酸化炭素

CO2 の分子量 = 12.0 + 16.0 × 2 = 44.0

CO2の分子量は 44.0 である。


  • 練習問題

(1) メタンCH4の分子量を求めよ。ただし、Cの原子量を12.0とし、Hの原子量を1.0とせよ。

解法および答え

12+1.0×4=16.0

よってメタンCH4の分子量は16.0


(2) 硫酸H2SO4 の分子量を求めよ。ただし、Sの原子量を32.1とし、Hの原子量を1.0とし、酸素 O の原子量を16.0とせよ。

解法および答え

H2SO4 の分子量 = 1.0 × 2 + 32.1 + 16.0 × 4 = 98.1

H2SO4の分子量は 98.1である。


  • 練習問題2: 次の分子の分子量をそれぞれ求めよ。ただし元素の原子量については、さきほどの問題と同様の値を用いよ。
(1)硫化水素 H2S
(2)酢酸 CH3COOH
(3)エタノール C2H5OH

解法および答え

硫化水素の分子量は34.1。 なぜなら

32.1+1.0×2=34.1

より。

酢酸の分子量は60。

12.0+1.0×3+12.0+16.0×2+1.0 = ( 12.0 + 1.0×3 ) + ( 12.0+32.0+1.0 ) = 15.0 + 45.0 = 60.0

エタノールの分子量は46.0。


式量

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塩化ナトリウムNaClのようにイオンでできた物質は結晶構造をとるため、化合物は1個の分子のような単位粒子の形を取らない。 また、金属結晶も同様に、結晶構造を取るため、単位粒子の形を取らない。

これらイオン結晶や金属の化学式は、分子式でなく、イオン式または組成式(そせいしき)である。

これらの化合物の質量の計算では、分子量のかわりに、式中の原子量の総和を用いる。そして、組成式中の原子量の総和を式量(しきりょう, formula weight)という。

塩化ナトリウムの式量は、

塩化ナトリウム(組成式 NaCl)の式量 = 23.0 + 35.5 = 58.5

よって塩化ナトリウム(組成式 NaCl)の式量は58.5である。

アルミニウムの式量は、

アルミニウム(組成式 Al)の式量 = 27
よってアルミニウムの式量は27である。

金属の単体のように、元素記号がそのまま組成式になる場合は、原子量がそのまま式量になる。アルミニウムのほか、鉄 Fe や銅 Cu でも、同じように、原子量がそのまま式量になる。

炭酸イオンの式量は、

炭酸イオンCO3-の式量 = 12+16×3 = 60

よって、炭酸イオンの式量は60である。

イオンの式量について、電子の質量は原子の質量に比べて非常に小さいので、式量の計算において電子の質量については無視してよく、イオンを構成する原子の原子量の総和によって式量を求める。

たとえば、硫酸イオンの式量は、

炭酸イオンSO42-の式量 = 32+16×4 = 96

よって式量は 96 である。


  • 練習問題
炭酸カルシウム CaCO3 の式量を求めよ。Caの原子量は40とする。



解法および答え

40+(12+16×3) = 40+60 = 100

よって、炭酸カルシウムの式量は 100 である。


  • 練習問題2

次の式の式量をそれぞれ求めよ。ただし元素の原子量については、さきほどの問題と同様の値を用いよ。

(1) 水酸化ナトリウム NaOH
(2) 硝酸イオン NO3-
(3) アンモニウムイオン。(イオン式は記憶せよ)
(4) 硫酸銅(II) 。なお硫酸銅(II) の組成式はCuSO4 である。




解法および答え

(1)水酸化ナトリウム NaOH の式量 = 23+16+1 = 40

よって式量は40となる

(2)硝酸イオン NO3- の式量 = 14 + 16×3 = 14+48 = 62 となる。

よって式量は62。

(3)アンモニウムイオンのイオン式は NH4+

NH4+の式量= 14+1.0×4=18
よって式量は18となる。

(4)硫酸銅(II) の組成式はCuSO4 の式量 =

物質量

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物質量

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原子の質量は非常に小さく、1個単位で扱うのは非常に不便である。そこで化学では、6.02×1023をひとまとまりにして原子・分子などを数える。この6.02×1023個の量をモルといい、単位記号に mol(「モル」と発音)を用いる。 そして、molを単位として数えた粒子の個数を物質量(ぶっしつりょう、amount of substance)という。

この6.02×1023という数値が決められた理由を、次の節で述べる。

1molの意味

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1molの意味する6.02×1023という数値は、12gの炭素の中に含まれる炭素原子12Cの数にほぼ近い。しかし、厳密には、同位体13Cが存在するためCの6.0×1023個の質量が12gからは少し質量がずれるので、相対的に 12C だけが1molある場合の相対質量を12だと定義されている。

そもそも、12Cの相対質量がぴったりとにあうように、6.02×1023 個 という数が決められているのである。

なお、1molに相当する6.02×1023というこの数値はアボガドロ数(Avogadro's number)と呼ばれ、記号Nを用いて表す。

なお、単位つきの1molあたりの粒子数 6.02×1023 [/mol]のことをアボガドロ定数(Avogadro's constant)といい、 NAで表す。

※ アボガドロ数とアボガドロ定数との区別は、あまり本質的なことではない。教科書によっては、どちらかを紹介しない場合もある。
  • 組成式で表される物質の場合

たとえば塩化ナトリウム NaCl ではイオン結晶により結晶構造を取るため、粒子の数をかぞえる際に、なにが粒子1個なのかは不明確である。このような場合、組成式に相当する粒子を単位粒子とする。

たとえば塩化ナトリウムなら、Na+の1個とCl-の1個とが結合したNaClの1分子を1粒として数える。


  • 練習問題
3.01×1023個からなる二酸化炭素分子の物質量はいくらか。

答え
物質量は0.50molである。


モル質量

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ある粒子の1molあたりの質量のことをモル質量(molar mass)といい、単位[g/mol]を用いて表す。ある物質のモル質量は、その物質の原子量・分子量・式量にg/molをつけたものとなる。


・ ナトリウム(Na)の原子量は23であるが、ナトリウムのモル質量は23g/molである。また、23g中のナトリウムには、ナトリウム原子が6.02×1023個含まれている。
・ 水(H2O)の原子量は18であるが、水のモル質量は18g/molである。

イオン結晶や金属結晶など組成式で表される物質については、式量にあたる粒子が単位粒子だと決められている。

たとえば鉄Feの場合、原子量は56であるが、Feのモル質量も56g/molである。また、56g中の鉄には、Feが6.02×1023個含まれている。

塩化ナトリウムNaClの場合、NaClの式量は58.5であるが、NaClのモル質量は58.5g/molである。また、58.5g中の塩化ナトリウムには、Na+が6.02×1023個とCl-が6.02×1023個含まれている。

1molの気体の体積

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すべての気体は、物質の種類にかかわらず、1molの気体の体積は、0℃かつ1気圧の状態(これを標準状態という)のもとでは22.4Lになる。この法則をアボガドロの法則(Avogadro's law)という。なお、単位の L はリットルのことである。

標準状態で、気体1molが占める体積のことをモル体積(molar volume)という。

発展: アボガドロ定数の測定

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  • ケイ素による、現在のアボガドロ定数の推奨値

アボガドロ定数は、結晶構造を測定することによって得られる。現在の精密なアボガドロ定数の推奨値(2006年)は、高純度のケイ素の結晶構造の質量と体積を測定することによって密度をもとめ、またX線測定により結晶構造および単位格子の一辺の長さが求まり、それらの測定データをもとに NA=6.0221479 × 1023 が得られている。


  • ステアリン酸による測定

あまり精密ではないが、ステアリン酸C17H35COOHを利用して実験的にアボガドロ定数を測定する方法もある。ステアリン酸とはカルボン酸の一種であるが、水面上にステアリン酸を置くと、すきまなく1層の単分子膜をつくり、その膜中の1分子づつは直立している。別の測定によって、ステアリン酸の断面積が 2.0×10-15cm であることが、すでに分かっているので、あとは測定で単分子膜全体の断面積を測定し、その単分子をつくるのに用いたステアリン酸の質量が分かってれば、計算によってアボガドロ定数が求められる。

(範囲外 :)科学史的には、ステアリン酸ではないが油をつかった似たような実験および計算を、「時は金なり」の格言でも有名なアメリカの政治家にして科学者のフランクリンが行ったことがある。フランクリンの時代の実験と計算でも、おおよそアボガドロ定数に当たる数値が 1023 の程度である事は分かるらしい[2]


  • (※: 範囲外: )放射線による測定

wikibooks高校物理の 高等学校物理/物理II/原子と原子核#原子核反応 に記述しておいた。

この測定方法の概要を示すと、放射線の一種であるアルファ線の正体はヘリウム原子であるので、つまり、霧箱(きりばこ)やガイガーカウンターなどのような放射線の測定器を使えば、密閉した実験装置中の放射線を数えることによって、実験装置中にあるヘリウム原子の個数を、とても精度よく数えることが出来る。

そして、ヘリウム原子の個数を精度よく数えることさえ出来れば、物理学の理論では、気体に関する方程式(「気体の状態方程式」)を使って、そこから逆算して、アボガドロ定数を調べることが出来る(「気体の状態方程式」については物理1、物理2の熱の分野で習う)。

このアイデアを使って、物理学者ガイガーらは、驚異的な精度でアボガドロ定数を算出した。現在、アボガドロ定数の推奨値とされている値にも、ガイガーらの算出値はかなり近い。


  • (※: 範囲外: )高温物体の熱放射による測定

その他、19世紀後半~20世紀前半の理論物理学者プランクが、溶鉱炉の鉄の光のような、高温物体からの光をプリズム分光して得られた波長を、理論物理学の式を使って解析する事などによって、アボガドロ定数の値を精度よく求めている。

ただし、これを解説するには、高度な理論物理の知識が必要であるので、高校生には説明が難しいので、当wikiページでは説明は省略する。

溶液の濃度

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溶解と濃度

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ある物質がある液体に溶かし込まれて均一に混じりあったとき、このような現象を溶解と呼ぶ。このとき溶かし込んだ物質を溶質(solute)と呼び、溶かした物質を溶媒(solvent)と呼び、できた液体を溶液(solution)と呼ぶ。

例:食塩を水に溶かして食塩水としたとき、溶質は食塩、溶媒は水、溶液は食塩水であるといえる。

ある溶液の濃度の表し方には2通りある。質量パーセント濃度は溶液の質量に対する溶質の質量を百分率で表したものである。また、モル濃度は、溶液1リットル中の溶質の物質量を表したものである。

電解質

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イオン結晶が水へ溶解して、陽イオンと陰イオンに分かれることを電離(ionization)という。水溶液で電離する物質を電解質(electrolyte)という。これに対し、電離しない物質を非電解質ということもある。

化学反応式と物質量

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化学変化と物理変化

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水素と酸素が反応して水ができるなど、化学結合が変化してある物質が異なる物質に変化することを化学変化(chemical change)という。これに対して、水が蒸発して水蒸気になるなど、物質を構成する粒子そのものが変化しない状態変化を物理変化(physical change)という。この単元では主に化学変化を扱う。(物理変化については、のちに高等学校化学Ⅱ/物質の三態で扱う。)

化学反応式

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化学変化を表した式を化学反応式(chemical equation)という。

例:2H2+O2→2H2O(水素と酸素から水が生じる化学変化)

化学反応式では左辺に変化前の物質の化学式を書く。

右辺に変化後の物質の化学式を書き、矢印「→」でつなぐ。 さらに、それぞれの化学式の前に係数をおいて全体の原子の比率があうようにする。

その反応前の物質を反応物(はんのうぶつ、reactant)という。反応後の物質のことを生成物(せいせいぶつ、product)という。


化学反応式における量的関係

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化学反応式では係数の比と物質量の比が等しい

例:2H2+O2→2H2O であるから、水素H2を1mol燃焼させると水は1molできる。あるいは水H2Oが10mol生成した場合、反応に使われた酸素は5molである。

参考: 化学反応の基礎法則

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化学反応式における量的関係は、以下のような基礎法則がもととなっている。

  • 質量保存の法則(law of conservation mass) :反応物の質量の総和は、生成物の質量の総和に等しい。1774年にラボアジエ(人名、フランス)によって発見。
  • 定比例の法則(law of definite proportion) :同じ化合物中の成分元素の質量比は一定である。1799年にプルースト(人名)によって発見。
 
ドルトン
  • 原子説 :ドルトン(Dorton、人名、イギリス)は、質量保存の法則や定比例の法則を説明するために原子説(げんしせつ)を提唱した。1803年にドルトンが提唱。
  • 倍数比例の法則(law of multiple proportion) :ドルトンは原子説にもとづいて、倍数比例の法則を発見した。これは、ある2種類の元素からなる化合物が2種類以上あるとき、片方の元素の一定質量に対するもう片方の元素の2つの質量の間には簡単な整数比が成り立つ、という法則である。1803年にドルトン(Dorton)によって発見。そしてドルトンはこの法則を説明するため原子説を提唱した。
  • 気体反応の法則(law of gaseous reaction) : 気体の反応における体積比は、簡単な整数比になる。1808年にゲーリュサック(人名、フランス)によって発見。

たとえば、塩化水素を生成する場合、それを生成するための水素と塩素との関係では、

水素 : 塩素 : 塩化水素 = 1体積 : 1体積 : 2体積

となる。

しかし当時は、元素と原子が混同されていたため、たとえば水素の気体の粒子1個は水素原子だろうと混同されており、よって分子の概念が未発達だったので、この法則では現象をあまり上手くは説明できなかった。

 
アボガドロ
  • アボガドロの法則: アボガドロ(イタリア)は、気体反応の法則と、原子説との矛盾をなくすため、気体は原子ではなく、気体はいくつかの原子が結合した分子からなるという分子説を1811年に提唱した。また、この分子説により、同温・同圧・同体積の気体中には、その種類にかかわらず同数の分子が含まれることを発見。
  1. ^ NIST Atomic Weights and Isotopic Compositions for All Elements. https://physics.nist.gov/cgi-bin/Compositions/stand_alone.pl?ele=&all=all&ascii=html&isotype=some 2021年10月3日閲覧。. 
  2. ^ John McMurry ほか原著『第4版(原書7版) マクマリー生物有機化学 基礎化学編』、菅原二三男 監訳、平成25年1月25日 発行、p173