「初等整数論/多項式」の版間の差分

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Angol Mois (トーク | 投稿記録)
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256 行
多項式に関する公約・公倍は整数のときと同じ定義・記号を使う。最大公約・最小公倍多項式は次数が最大・小のものをいう。ただし 0 は最小公倍多項式に含めないものとする。このとき定数項に注意しなければならないが、ここでは公約・公倍多項式の最高次が 1 になるようにする、また多項式に定数をかけることで同じになるものは同じとみなす、というルールを取り決めることにする。(最高次の係数が 1 な多項式を「モニック」という。)
 
適当な定数 <math>c</math> が存在して <math>A = cB</math> と書けるとき、これを <math>A \simsimeq B</math> と表すこととする。
 
さて、多項式 <math>A, B</math> の最大公約多項式が <math>1</math> であるとき、この2つの多項式は「'''互いに素'''」である、という。
295 行
 
====== 定理 5 ======
零点を持たない多項式 <math>A, B</math> について <math>gcm(A, B) = G, \, lcm(A, B) = L</math> とすれば <math>AB \simsimeq GL.</math>
 
'''証明'''<br />
306 行
<math>L = EA''B = EB''A</math> を得る。ここで <math>|E| > 0</math> とすれば、<math>A''B = B''A</math> が公倍多項式となり、<math>L</math> の最小性に反する。従って <math>E</math> は定数項となり、<math>E = e</math> とおけば (2) より <math>G = eD.</math> (1) より
 
<math>AB = \frac{1}{e}DL \Rightarrow AB \simsimeq DL.</math>
 
====== 定理 6 ======