「高等学校情報/社会と情報/情報社会の権利と法」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
とりあえず記述。
 
中学校技術/情報通信ネットワークと情報モラル 2016年6月9日 (木) 06:03‎ より引用。また、ベルヌ条約を紹介。フリーウェアの著作権について。
1 行
== 知的財産権 ==
: ※ 『[[中学校技術/情報通信ネットワークと情報モラル]]』に、知的財産権や著作権や産業財産権などについての説明があります。
 
人間が書いた文章や、人間がつくった音楽、さらには人間が考えてつくった工業製品、人間がつくったコンピュータソフトウェアなど、人間が考えて公表したアイデアはすべて'''知的財産'''(ちてき ざいさん)です。
 
法律では、その知的財産を考えた人の権利を、'''知的財産権'''として守っています。
 
知的財産権は、発明などにかかわる'''産業財産権'''(さんぎょう ざいさんけん)と、小説や音楽や絵画などにかかわる'''著作権'''(ちょさくけん)とに分かれます。
 
=== 著作権と産業財産権 ===
'''産業財産権'''は、特許庁に出願して登録を認められる必要がある。
 
商標権や意匠権、特許権、実用新案権が、産業財産権である。
いっぽう、'''著作権'''は、その著作物を創作した時点で権利が発生し、その創作者じしんが著作者となり、創作者じしんが著作権者になる。
 
:・ 商標権(しょうひょうけん) ・・・ ブランド名やロゴマークなどの権利。
:・ 意匠権(いしょうけん) ・・・ 工業製品の形や模様などのデザインの権利。
:
:・ 特許権(とっきょけん) ・・・ たとえば液晶に関する発明や、リチウムイオン電池に関する発明など、発明のうち高度なものについて与えられる、独占的な権利。最長で'''20年間'''、与えられる。
:・ 実用新案権(じつようしんあんけん) ・・・ 製品の形状や構造などの発明についての権利。
 
 
* 関連する法律
:特許について日本では、特許法によって、特許権について定められている。
 
:実用新案権については、日本では実用新案法によって定められている。
 
:商標権については、日本では商標法によって定められている。
 
:意匠権については、日本では意匠法によって定められている。
 
 
 
=== 著作権 ===
著作権の対象は、おもに書籍や新聞、書籍、音楽や絵画などのメディアや作品などが対象だが、コンピュータのソフトウェアも著作物に含まれる。
 
'''著作権'''は、その著作物を創作した時点で権利が発生し、その創作者じしんが著作者となり、創作者じしんが著作権者になる。
 
'''著作権法'''により、著作権についての決まりが定められている。
21 ⟶ 47行目:
 
* 著作者人格権
:公表権 - 著作物を公開するかどうかを、著作者じしんが決める権利。
:公表権
:氏名保持権 - 公開するさいに自分の氏名を公表するかを、著作者じしんが決める権利。また、公開するさいに自分の名称(氏名やペンネームなど)をどう表記するかを決める権利。
:氏名保持権
:同一性保持権 - 著作物を許可なく改変されない権利。
 
 
* 著作権
* 著作隣接権
:複製権
たとえば、音楽作品のレコード製作者やCD製作者などの、著作物を伝達する仕事の人にも、'''著作隣接権'''(ちょさく りんせつけん)という権利がある。
:上演権・演奏権・上映権
 
:口述県・展示件
このため、たとえばベートーベンやバッハなどの、中世や近世のクラシック音楽を、現代の人が演奏したCDやレコードなどは、
:頒布権
たとえ作曲家がずっと昔に死んで著作権がきれていても、現代のCD製作者の著作隣接権は切れてないし、そのCDに演奏を提供した演奏者の著作隣接権もまだ切れていないのが普通なので、クラシックCDであっても、決してCD製作者などの権利者に無許可で第三者に公開してはいけない。
:翻訳権・翻案権
 
:譲渡権・貸与権
:複製権 - 著作物を、著者などの権利者に無断で複製されない権利。
:上演権・演奏権・上映権 - 著作物を無断で上演・演奏・上映されない権利。
:口述県・展示件 - 著作物を無断で口述したり展示したりされない権利。
:頒布権 - 著作物が映画の場合の権利で、著作物(映画)を無断で譲ったり貸したりされない権利。
:翻訳権・翻案権 - 無断で翻訳、加工、編曲などされない権利。
:譲渡権・貸与権 - 無断で譲ったり貸与されたりしない権利。
 
 
=== 著作権について ===
=== 著作権 ===
人間がつくった文章や、人間がつくった音楽や歌詞、人間が描いた絵やアニメーション、人間が撮影した写真やテレビ映像や映画などの動画には、すべて'''著作権'''(ちょさくけん)があり、勝手に他人が公開してはいけません。
'''著作権法'''(ちょさくけんほう)という法律によって、著作権のありかたが決められています。
 
なお、著作権についての国際条約として'''ベルヌ条約'''があり、日本国もベルヌ条約に加盟しています。なので、日本の著作権は、ベルヌ条約などの著作権にかんする国際条約に、なるべく整合性をもつようになっています。
 
さて、著作権は、その作品をさいしょにつくった人に、権利があります。
なので、たとえ他人がつくった作品を書き写したりしても、著作権はさいしょにつくった人にあるままです。
 
 
さて、たとえお金を出してお店で買ったイラスト集や音楽CDや映画DVDなどでも、著作権のため、けっしてインターネットなどで公開してはいけません。
 
イラスト集や音楽CDなどを買ったときに購入品とともに付いてくる権利は、単に、その作品を自分が見てもいいという権利と、自分の家族などがその作品を見てもいいという権利だけなので、インターネットの第三者には勝手に作品を公開してはいけません。
 
 
著作権のある物を、著作者以外が許可なく利用することは、法律できびしく罰せられる場合があります。
 
 
インターネット上でデジタル化された文章や音楽や映像にも、著作権があります。
 
また、大人や子どもの区別なく、作品をつくれば、その作品についての著作者になります。たとえば、中学生でも、何か作品をつくって発表すれば、つくった作品についての著作権をもちます。
 
 
なお、写真を撮影した場合は、撮影した人のもつ著作権とは別に、撮影された被写体の人に肖像権(しょうぞうけん)があります。
 
 
* 範囲外
:※ じっさいには、衣服など工業製品の形にも、その形を考えた人の権利( 意匠権(「いしょうけん」と読む)など )があったりする場合があるのだが、かといって衣服を撮影できないと裸を撮影するハメになってしまうので、慣習では、衣服の場合は例外的に、人物の写真などを公開するという目的なら、インターネットにも公開しても良いという慣習になっている。
 
:また、他人の作品の公開するかどうかの有無にかかわらず、他人がつくった作品を「自分が作りました」という行為は、法律で罰せられる場合がある。
 
 
 
40 ⟶ 106行目:
肖像権は著作権ではない。また、肖像権についての法律による定めがない。
しかし、日本では、判例などによって肖像権が認められている。
 
 
== 引用や二次利用 ==
=== 引用のさいのルール ===
文章で書かれた書籍などの文章作品は、必要最低限なら、評論や紹介などの正当な目的なら、一定の条件を守れば、著作者の許可がなくても、自分の作品のいちぶに組み入れて発表できます。
 
このような、他人に著作物を、正当な手続きのうえで、著作者の許可なく、自分の著作物にとりこむ行為を'''引用'''(いんよう)といいます。
 
引用のさいには、つぎの事が必要になります。
 
:・ もとの著作物の題名および著作者の名称、出版社などを明示すること。出典(しゅってん)を明示するため。
:・ 引用された文章は、かぎ括弧(『』や「」など)を付けるなどして、引用された部分を、自分の著作した部分と区別できるようにすること。
:・ 必要最低限の量だけ、引用している事。
 
 
現代の慣習では、音楽や絵画などは、引用が認められていません。また、歌詞も、引用が認められていません。
 
なので引用をするさいは、書籍や新聞の、文章だけを引用するのが、安全でしょう。
 
 
* 出典の表示のしかた
:・ 書籍から引用する場合 - 最低でも、著者名、その出版物のタイトル、出版社名、出版年、引用ページ番号、を書くこと。(一般に書籍はページ量がとても多いので、どのページから引用したかを書かないと、第三者が確認するさいに手間が掛かってしまう。)
:・ インターネットから引用する場合 - 最低でも、URL、ページ名、確認した年月日、を書くこと。(引用後にページ内容が変更される場合があるので、ページをいつ確認したかを表示する必要がある。)
:・ 新聞から引用する場合 - 新聞社名、いつの日付の新聞か、朝刊や夕刊かの区別、などを表示する。
 
 
* 著者に連絡すべきかどうか?
引用のさい、著作者にも連絡して許可をもらったほうがいいか、それとも連絡しないべきかについては、議論があります。(※ 検定教科書でも、教科書出版社によって、意見が分かれている。)
 
「どの程度が『必要最低限』かどうかは人によって基準が異なるので、連絡したほうがイイ」という意見もあれば、「著作者への連絡によって、著作者は連絡に対応させられてしまうため、著作者に時間と手間をかけてしまう。なので、著作権法で『引用』として認められるていどの範囲であれば、無断で引用するべきだ」という意見もある。
 
 
:※ とりあえず、個人的な見解としては、もし小学校〜高校の教科書や高校生用の参考書で紹介されるていどの著作物であれば、授業や学級新聞など、学校での活動でつかう目的での引用であれば、著者に連絡しないほうが、著作者に手間をかけないで済むだろう(ただし、著者名の表示などの引用ルールは、きちんと守ること)。
::たとえば、もし小学校国語の検定教科書に作品が紹介されてる現代文学の作家に、日本中の小学校の生徒や保護者や教員から、その作家に問い合わせが来たとしたら、著者には、かなりの手間が掛かって迷惑であろう。
 
 
 
=== 著作物の二次利用の許可 ===
[[File:Freedom mark.png|thumb|400px|自由利用マーク]]
 
著作者が、じぶんの作ったその著作物を、読者などの利用者が自由に利用してもいいと認める場合には、その意志を表示するためのマークがあります。
 
たとえば、文化庁のさだめた「自由利用マーク」があります。(※ 中学・高校の検定教科書の範囲内)
:※ もし、文化庁の「自由利用マーク」を実際に利用する場合には、文化庁のホームページに細かい決まりが書いてあるので、それを確認のこと。(中学の検定教科書でも、そういった感じのことを呼びかけている。)
 
 
:※ クリエイティブ・コモンズについては科目「社会と情報」の範囲外。科目「情報の科学」にてクリエイティブ・コモンズについて習う。
 
== フリーウェア、フリーコンテンツの著作権 ==
インターネット上では、著者みずからが無料で公開してるコンテンツ(小説、絵画、音楽などの作品)や、無料で使わせてくれるソフトウェアなどがあります。
 
このような、無料のソフトウェアを「フリーウェア」「フリーソフト」といいます。また、このような無料コンテンツを「フリーコンテンツ」といいます。あるいは単に「無料ソフト」「無料コンテンツ」などといいます。
 
これら無料のソフトウェアやコンテンツは、一般に、著作者は著作権を放棄していません。
 
ユーザが無料で出来ることは、あくまで、ユーザが個人で利用する範囲内です。
 
 
== ファイル共有ソフトと著作権侵害とウイルス ==
ファイル共有ソフトを導入したコンピュータどうしのネットワークでは、有料のソフトウェアや有料の動画や音楽などのコンテンツなどを不正コピーしたファイルが、無料で出回っていることがある。
 
このような、不正コピーは、著作権侵害行為であり、違法行為である。
 
なお、ファイル共有ソフト自体は、単にコンピュータどうしの送受信の手段のソフトであり、著作権侵害ではないし、違法ソフトでもない。)
 
しかし、ファイル共有ソフトのネットワークでは、ウイルスも多く出回っており、しかも、それらのウイルスが、アイコンを動画ファイルや音楽ファイルなどのアイコンに偽装している場合もある。
 
:※ 一般のネットワークと異なり、ファイル共有のネットワークには管理者などが居ないので、ウイルスなどが放置されやすい。
 
このような危険性もあるので、ファイル共有ソフトは、あまり用いないほうが安全である。