「政治学概論」の版間の差分

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==== 人間 ====
 
[[ファイル:Hannah Arendt.jpg|thumb|right|150px|ハンナ・アーレント(1906年-1975年)は政治哲学者。ドイツに生まれマールブルク大学などで哲学を学び、後にユダヤ人迫害を逃れて亡命し、アメリカで研究を進めた。全体主義や人間の政治的な本性、また革命についての考察を行っている。彼女の著作には『全体主義の起源』、『人間の条件』、『革命について』など。]]
国家の理念や運営から政治の目的を定義するだけでなく、より根本的な人間の本性から定義することも可能である。ドイツの公法学者カール・シュミットの友敵理論は政治をより原理的に定義することを試みている。シュミットはそれまでの議論が「政治的」なものと「国家的」なものが同一視されたために循環論法に陥っていると指摘した。それは人間のさまざまな行動の領域としての道徳、経済、または芸術に対する一個の独立した領域して定義しなければならないと論じた。そして道徳的領域での究極的な指標が善悪であり、経済的なそれは利害であると考えた場合に、政治的領域での基準とは友と敵の区分に求められると判断した。ここでの敵とは個人的な憎悪の対象ではなく、「現実的可能性として抗争している人間の総体」であり、その反対が友である。つまり政治とは本質的に友と敵の闘争を意味しており、しかも「一国民があらゆる政治的決定を放棄することによって、人類の純粋道徳的ないし純粋経済的な状態を招来することなどありえない」のである。人間の本性の別の角度から政治の本質を明らかにしようと試みてポリスの理論を展開したドイツの政治学者ハンナ・アーレントは人間の営みを自らの生命を維持する労働、ある程度の耐久性を備えた生産物を生み出す仕事、そして物質ではなく言語によって媒介される活動の三種類に区分し、活動によって創出される古代ギリシアのポリスに象徴される公的領域が創出、維持され、政治はこの領域に属する活動として営まれる。この公的領域おいては人間は生活の不自由から隔離された精神の自由があるものの、言語コミュニケーションには誤解が生じる不確実性や一度生じた対話はやり直せない不可逆性という問題がある。しかし不確実さを回避する約束という活動や、一度生じた対立を和解する許しが政治的解決法があるとして、「政治的であるということは、ポリスで生活するということであり、ポリスで生活するということは、全てが力と暴力によらず言葉と説得によって決定されるという意味であった」と政治を特徴付けている。
 
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