「高校化学 合成高分子化合物」の版間の差分
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立体規則性について、アイソタクチック、アタクチック |
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触媒として、四塩化チタンTiCl<sub>4</sub>とトリエチルアルミニウムAl(C<sub>2</sub>H<sub>5</sub>)<sub>3</sub>からなる触媒(この触媒をチーグラー・ナッタ触媒という)を用いて、5atm程度の数気圧でエチレンを付加重合させると、ポリエチレンができる。枝分かれの少ないポリエチレンができる。これは高密度のポリエチレンである。この低圧法で作ったポリエチレンを'''高密度ポリエチレン'''という。
チーグラー・ナッタ触媒でエチレンを高密度で合成できるこの現象の発見者は、チーグラー本人なので(1953年にチーグラーが発見)、書籍によっては触媒名のうちナッタを省略して「チーグラー触媒」と言う場合もある。
チーグラーは、この業績によりノーベル化学賞を1963年に受賞した。
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=== ポリプロピレン ===
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== 発展: 高分子の立体規則性 ==
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:[[File:Syndiotactic.svg|400px|シンジオタクチック]]▼
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ポリプロピレンなどの固体の高分子化合物の立体構造において、'''シンジオタクチック'''(syndiotactic)や'''アイソタクチック'''(isotactic)や'''アタクチック'''(atactic)などの立体構造がある。
図中の置換基 R は、ポリプロピレンの場合ならメチル基 CH<sub>3</sub> である。
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シンジオタクチックは置換基Rが交互についている。
アイソタクチックは、置換基Rの付きかたが
アタクチックは、置換基Rが不規則に付いている。
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チーグラー=ナッタ触媒をもちいてポリプロピレンを合成すると、アイソタクチック構造を多くふくむポリプロピレンが出来る。
(なお、チーグラー・ナッタ触媒とは、四塩化チタンTiCl<sub>4</sub>とトリエチルアルミニウムAl(C<sub>2</sub>H<sub>5</sub>)<sub>3</sub>からなる触媒である。)
チーグラー・ナッタ触媒でポリプロピレンをアイソタクチック構造で合成できるこの現象の発見者は、ナッタ本人なので(1955年にチーグラーが発見)、書籍によっては触媒名のうちチーグラーを省略して「ナッタ触媒」と言う場合もある。
アイソタクチックは、このような耐久性のよい性質のため、ポリプロピレンの日用品などにはアタクチック構造のものが使われている場合が多い。
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(※個人的な意見: かつて、構造式中の結合手の単結合の部分で、回転してまうんじゃないかと思ったが(熱力学とかで、分子の回転の自由度とかを習う)、よくよく考えたら、それは気体の場合だった。このポリプロピレンの場合は固体であるので、そういう回転はしないのだろう。化学の専門家が、どう思ってるかは、私(本文の主著者:すじにくシチュー)は知らない。)▼
:※個人的な意見:
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:なお、ゴムややわらかい線維などの場合、分子中の -C-C- 単結合の自由回転によって、材料のやわらかさが与えられている、というのが定説である。なので、繊維状の高分子化合物にて、分子構造中 -C-C- 単結合の部分を「ソフトセグメント」という。(※ 東京書籍の教科書に「ソフトセグメント」の用語あり。)いっぽう、繊維状の高分子化合物でのアミド結合 -CONH- は(ナイロン分子にはアミド結合が含まれる)、分子間に水素結合をもつため、かたくなるので、分子構造中のアミド結合 -CONH- を ハードセグメントという。
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[[Category:高等学校化学]]
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